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彼が[[ハーバード大学]]にいた時分、彼は将来のPh.D候補たちを数多く教え、その中には[[スタンレー・ミルグラム]]もいた。
彼が[[ハーバード大学]]にいた時分、彼は将来のPh.D候補たちを数多く教え、その中には[[スタンレー・ミルグラム]]もいた。
オールポートはかつてウィーンに[[ジークムント・フロイト]]を訪ねていったことがある。ウィーン到着時に、彼はフロイトの仕事場までの電車の中でであった潔癖症の子どもの話を詳しくフロイトに話して聞かせた。この子は、いくらお母さんが大丈夫だからといっても、汚れるが嫌だからとって誰か他人が席に断固として座ろうとしなかったのである。オールポートが話すのをしばらく聞いていた後、フロイトは、「その少年が君だったということかね?」と尋ねかえした。オールポートはその言葉にかなり気分を害し、以後、フロイトの精神分析に信頼を失った。この偶発的事件がオールポートと彼の理論になかなか拭いがたい重荷となり、彼を意識的動機の研究に専念させるような方向に導いた。
オールポートはかつてウィーンに[[ジークムント・フロイト]]を訪ねていったことがある。オールポート22歳のときである。ウィーン到着時に、彼はフロイトの仕事場までの電車の中でであった潔癖症の子どもの話を詳しくフロイトに話して聞かせた。この子は、いくらお母さんが大丈夫だからといっても、「あおじさん隣にはくない」と断固として座ろうとしなかったのである。オールポートが話すのをしばらく聞いていた後、フロイトは、「その少年が君だったということかね?」と尋ねた。オールポートはその言葉にかなり気分を害した。オールスポートは話題として現実にあった話をしたのだ。意識的なかつ経験的な話であり、セラピーの場でもないはずであるのに、フロイトは、その話を彼の「無意識」につなげて捕らえたのだ。以後、オールポートはフロイトの精神分析に信頼を失った。この偶発的事件がオールポートと彼の理論になかなか拭いがたい重荷となり、彼を意識的動機の研究に専念させるような方向に導いた


オールポートは、パーソナリティの研究への貢献に加えて、[[社会心理学]]でも重要な業績を残している。特に、[[態度]]の研究がよく知られている。また熱心なキリスト教信者でもあった彼は、[[宗教心理学]]でもいくつかの業績を残している。これらのテーマについての彼の著作のいくつかには、彼の[[偏見]]についての社会心理学への関心の幾ばくかが反映されているのをみることができる。
オールポートは、パーソナリティの研究への貢献に加えて、[[社会心理学]]でも重要な業績を残している。特に、[[態度]]の研究がよく知られている。また熱心なキリスト教信者でもあった彼は、[[宗教心理学]]でもいくつかの業績を残している。これらのテーマについての彼の著作のいくつかには、彼の[[偏見]]についての社会心理学への関心の幾ばくかが反映されているのをみることができる。

2008年5月7日 (水) 21:09時点における版

ゴードン・オールポート(Gordon Willard Allport, 1897年 - 1967年10月9日)は、アメリカ合衆国心理学者。兄フロイド・オルポートも心理学者である。インディアナ州モンテズマに生まれる。彼の仕事には、『人格の形成、パターン、そして成長』 (Becoming, Pattern and Growth in Personality) や『個人とその宗教』 (The Individual and his Religion) がある。

オールポートは、パーソナリティ特性論者とみなされており、個人のパーソナリティの中でとりわけ優勢な特性とは何かといった議論を主に展開している。つまるところパーソナリティの発達の中で大きな役割を果たしている特性の研究が彼の中心的な関心事である。パーソナリティというものが顕著な力となっていくとき、それはなかんずく基礎特性によるところが大きい。中心的な特性と基礎特性は、環境因子によって大きく左右される。

彼がハーバード大学にいた時分、彼は将来のPh.D候補たちを数多く教え、その中にはスタンレー・ミルグラムもいた。 オールポートはかつてウィーンにジークムント・フロイトを訪ねていったことがある。オールポート22歳のときである。ウィーン到着時に、彼はフロイトの仕事場までの電車の中でであった潔癖症の子どもの話を詳しくフロイトに話して聞かせた。この子は、いくらお母さんが大丈夫だからといっても、「あの汚いおじさんの隣には座りたくない」と断固として座ろうとしなかったのである。オールポートが話すのをしばらく聞いていた後、フロイトは、「その少年が君だったということかね?」と尋ねた。オールポートはその言葉にかなり気分を害した。オールスポートは話題として、現実にあった話をしたのだ。意識的なかつ経験的な話であり、セラピーの場でもないはずであるのに、フロイトは、その話を彼の「無意識」につなげて捕らえたのだ。以後、オールポートはフロイトの精神分析に信頼を失った。この偶発的事件がオールポートと彼の理論になかなか拭いがたい重荷となり、彼を意識的動機の研究に専念させるような方向に導いた。 。

オールポートは、パーソナリティの研究への貢献に加えて、社会心理学でも重要な業績を残している。特に、態度の研究がよく知られている。また熱心なキリスト教信者でもあった彼は、宗教心理学でもいくつかの業績を残している。これらのテーマについての彼の著作のいくつかには、彼の偏見についての社会心理学への関心の幾ばくかが反映されているのをみることができる。

参考文献

  • Milgram, Stanley. (1977) The individual in a social world : essays and experiments. ISBN 0201043823.