「カプレカー数」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Takeches (会話 | 投稿記録)
cleanup
1行目: 1行目:
'''カプレカ数'''(カプレカすう、Kaprekar Number)とは、
'''カプレカ数'''(カプレカすう、Kaprekar Number)とは、次のいずれかで定義される[[整数]]である。
#2乗し前の部分と後ろの部分に分けて和を取ったとき、元の値に等しくなる
#桁を並べ替えて最大にしたものから最小にしたものの差を取ったとき、元の値に等しくなるもの


== 定義1 ==
#[[整数]]を2乗し前の部分と後ろの部分に分けて和を取ったとき、元の値に等しくなることである。
整数を2乗し、それが偶数桁 2''n'' 桁である場合は先頭 ''n'' 桁と末尾 ''n'' 桁に分け、奇数桁 2''n'' + 1 桁である場合は先頭 ''n'' 桁と末尾 ''n'' + 1 桁に分けて和を取る。この操作によって元の値に等しくなる数をカプレカ数と呼ぶ。
#すべての桁が同じ値ではない(いくつかの桁は同じ値でもよい)整数を、桁を並べ替えて最大にしたものから最小にしたものの差を取り、この操作を繰り返したときある一定の値になる[[]]のこである


えば、297<sup>2</sup> = 88209 であるが、これを前の2 88 と後ろの3 209 に分けて足すと、88 + 209 = 297 となるので、[[297]] はカプレカ数である。
==定義1==
整数を2乗し、前のn桁と後ろのn桁または(n+1)桁に分けて和を取ったとき、元の値に等しくなる数のことである。


この定義でのカプレカ数は、小さな順に
たとえば、[[297]]は、297<sup>2</sup> = 88209であるが、これを前の桁88と後ろの桁209に分けて足すと、88 + 209 = 297 となるので、カプレカ数である。
:[[1]]、[[9]]、[[45]]、[[55]]、[[99]]、297、[[703]]、[[999]]、[[2223]]、[[2728]]、[[4879]]、[[4950]]、[[5050]]、[[5292]]、…({{OEIS|id=A006886}})
である。


== 定義2 ==
この定義でのカプレカ数は、小さなほうから [[1]]、[[9]]、[[45]]、[[55]]、[[99]]、[[297]]、[[703]]、[[999]]、[[2223]]、[[2728]]、[[4879]]、[[4950]]、[[5050]]、[[5292]]、7272、7777、9999、17344、22222、38962、77778、82656、95121、99999、142857、148149、181819、187110、208495、318682、351352、356643、390313、461539、466830、499500、500500、533170 ……となる。
整数桁を並べ替えて最大にしたものから最小にしたものの差を取る。この操作によって元の値に等しくなる数をカプレカ数呼ぶ


例えば、7641 - 1467 = 6174 であるから、[[6174]] はこの意味でのカプレカ数であり、4桁では唯一のものである。この定義でのカプレカ数は、小さな順に
==定義2==
:[[0]], [[495]], 6174, 549945, 631764, 63317664, 97508421, 554999445, 864197532, 6333176664 … ({{OEIS2C|id=A099009}})
すべての桁が同じ値ではない(いくつかの桁は同じ値でもよい)整数を、桁を並べ替えて最大にしたものから最小にしたものの差を取り、この操作を繰り返したときにある一定の値になる数のことである。
である。なお、容易に分かるように、この定義でのカプレカ数は全て[[9]]の[[倍数]]である。


この定義において、4桁のカプレカ数は[[6174]]である。最初の数として2005を取ったき、
最初の数として 2005 を取り、上記の操作を繰り返す
*5200 - 0025 = 5175
:5200 - 0025 = 5175
*7551 - 1557 = 5994
:7551 - 1557 = 5994
*9954 - 4599 = 5355
:9954 - 4599 = 5355
*5553 - 3555 = 1998
:5553 - 3555 = 1998
*9981 - 1899 = 8082
:9981 - 1899 = 8082
*8820 - 0288 = 8532
:8820 - 0288 = 8532
*8532 - 2358 = 6174
:8532 - 2358 = 6174
*7641 - 1467 = 6174
:7641 - 1467 = 6174
となり、6174に収束する。どのような4桁の数でも最終的に6174になることが確認さている。
となり、後は 6174 が繰り返される。どのような4桁の数でも最終的に 0 または 6174 になることが確かめられる。カプレカ自身は4桁の数のみ考察したが、任意の桁で同じことが考えられる。ある与えられた桁数の整数は有限個であるから、この操作の繰り返しにより、必ずループが現れる。その周期が 1 である場合にそれをカプレカ数と呼ぶのである。
同様に3桁で最初に
685を使った場合、 893を使った場合、
*865 - 568 = 297  983 - 389 = 594
*972 - 279 = 693  954 - 459 = 495
*963 - 369 = 594  954 - 459 = 495
*954 - 459 = 495 
*954 - 459 = 495


== 外部リンク ==
となり、[[495]]である。
*{{MathWorld|title=Kaprekar Number|urlname=KaprekarNumber}} - 第1の定義によるカプレカ数
ちなみにこの定義でのカプレカ数は全て[[9]]の[[倍数]]である。(証明は容易【ヒント:[[合同式|mod]]9で考えること】)
*{{MathWorld|title=Kaprekar Routine|urlname=KaprekarRoutine}} - 第2の定義によるカプレカ数


{{DEFAULTSORT:かふれかすう}}
==外部サイト==
[[Category:整数の類]]
*[http://mathworld.wolfram.com/KaprekarNumber.html MathWorld -- Kaprekar Number] 第1の定義によるカプレカ数
[[Category:数学に関する記事]]
*[http://homepage1.nifty.com/Hagure/kapu.html カプレカ数] 第2の定義によるカプレカ数

[[Category:整数の類|かふれかすう]]
[[Category:数学に関する記事|かふれかすう]]


[[cs:Kaprekarova konstanta]]
[[cs:Kaprekarova konstanta]]

2008年3月22日 (土) 16:43時点における版

カプレカ数(カプレカすう、Kaprekar Number)とは、次のいずれかで定義される整数である。

  1. 2乗して前の部分と後ろの部分に分けて和を取ったとき、元の値に等しくなるもの
  2. 桁を並べ替えて最大にしたものから最小にしたものの差を取ったとき、元の値に等しくなるもの

定義1

整数を2乗し、それが偶数桁 2n 桁である場合は先頭 n 桁と末尾 n 桁に分け、奇数桁 2n + 1 桁である場合は先頭 n 桁と末尾 n + 1 桁に分けて和を取る。この操作によって元の値に等しくなる数をカプレカ数と呼ぶ。

例えば、2972 = 88209 であるが、これを前の2桁 88 と後ろの3桁 209 に分けて足すと、88 + 209 = 297 となるので、297 はカプレカ数である。

この定義でのカプレカ数は、小さな順に

19455599、297、703999222327284879495050505292、…(オンライン整数列大辞典の数列 A006886

である。

定義2

整数の桁を並べ替えて、最大にしたものから最小にしたものの差を取る。この操作によって元の値に等しくなる数をカプレカ数と呼ぶ。

例えば、7641 - 1467 = 6174 であるから、6174 はこの意味でのカプレカ数であり、4桁では唯一のものである。この定義でのカプレカ数は、小さな順に

0, 495, 6174, 549945, 631764, 63317664, 97508421, 554999445, 864197532, 6333176664 … (A099009)

である。なお、容易に分かるように、この定義でのカプレカ数は全て9倍数である。

最初の数として 2005 を取り、上記の操作を繰り返すと

5200 - 0025 = 5175
7551 - 1557 = 5994
9954 - 4599 = 5355
5553 - 3555 = 1998
9981 - 1899 = 8082
8820 - 0288 = 8532
8532 - 2358 = 6174
7641 - 1467 = 6174

となり、後は 6174 が繰り返される。どのような4桁の数でも最終的に 0 または 6174 になることが確かめられる。カプレカ自身は4桁の数のみ考察したが、任意の桁で同じことが考えられる。ある与えられた桁数の整数は有限個であるから、この操作の繰り返しにより、必ずループが現れる。その周期が 1 である場合にそれをカプレカ数と呼ぶのである。

外部リンク

  • Weisstein, Eric W. "Kaprekar Number". mathworld.wolfram.com (英語). - 第1の定義によるカプレカ数
  • Weisstein, Eric W. "Kaprekar Routine". mathworld.wolfram.com (英語). - 第2の定義によるカプレカ数