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*りんかい線を介してJR線を乗り継ぐ場合、[[連絡運輸#通過連絡運輸|通過連絡]]による前後のJR線距離を通算した連絡乗車券が発売されていないため、現状の[[普通乗車券]]や[[Suica]]などの[[乗車カード]]では接続駅となる大崎・[[大井町駅|大井町]]・新木場で別に運賃が加算され、距離の割に割高になる。そのためか、「[[ホリデー・パス]]」などの東京周辺のJR線を自由に乗り降り可能な[[周遊券|周遊きっぷ]]や[[特別企画乗車券]]では、りんかい線やJR東日本が傘下に入れた[[東京モノレール]]も対象に加えるようになったものが多い。
*りんかい線を介してJR線を乗り継ぐ場合、[[連絡運輸#通過連絡運輸|通過連絡]]による前後のJR線距離を通算した連絡乗車券が発売されていないため、現状の[[普通乗車券]]や[[Suica]]などの[[乗車カード]]では接続駅となる大崎・[[大井町駅|大井町]]・新木場で別に運賃が加算され、距離の割に割高になる。そのためか、「[[ホリデー・パス]]」などの東京周辺のJR線を自由に乗り降り可能な[[周遊券|周遊きっぷ]]や[[特別企画乗車券]]では、りんかい線やJR東日本が傘下に入れた[[東京モノレール]]も対象に加えるようになったものが多い。


東京湾岸を走ることにより、強風など'''気象条件に非常に弱い路線'''としても知られている。海岸沿いの[[高架線]]を走るため、海風の影響を非常に強く受け、強風などの荒天の時は運転中止やダイヤの大幅な乱れに見舞われやすい。ダイヤが乱れた時は武蔵野線との直通運転を中止し、同線用の8両編成(車体はオレンジ帯)の[[国鉄205系電車|205系]]が京葉線内の東京駅~西船橋駅間のみを走ることがある。
東京湾岸を走ることにより、強風など'''気象条件に非常に弱い路線'''としても知られている。海岸沿いの[[高架線]]を走るため、海風の影響を非常に強く受け、強風などの荒天の時は運転中止やダイヤの大幅な乱れに見舞われやすい。ダイヤが乱れた時は武蔵野線との直通運転を中止し、同線用の8両編成(車体はオレンジ帯)の[[国鉄205系電車|205系]]が京葉線内の東京駅~西船橋駅間のみで運用される。


また、京葉線は周辺に他の鉄道路線がないエリアを走行しているため、運転を見合わせると沿線の交通手段がなくなる。以前には、送電障害が生じた際に交通手段がなくなったため、最も近いとはいえ距離のある(最も近くて約3km)[[東京地下鉄東西線]]の[[浦安駅 (千葉県)|浦安駅]]に利用客が殺到したことがある。
また、京葉線は周辺に他の鉄道路線がないエリアを走行しているため、運転を見合わせると沿線の交通手段がなくなる。以前には、送電障害が生じた際に交通手段がなくなったため、最も近いとはいえ距離のある(最も近くて約3km)[[東京地下鉄東西線]]の[[浦安駅 (千葉県)|浦安駅]]に利用客が殺到したことがある。

2008年2月24日 (日) 01:08時点における版

京葉線(けいようせん)は、東京都千代田区東京駅から千葉県千葉市中央区蘇我駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。

このほかに千葉県船橋市西船橋駅南船橋駅市川市市川塩浜駅の間に支線を持つ。

京葉線で使用されている205系(2004年4月10日、舞浜駅にて撮影)
西船橋駅付近のデルタ線

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):路線概要参照
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:18駅(起終点駅および西船橋駅を含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:(複線)自動閉塞式
  • 最高速度:100km/h

路線概要

東京駅~蘇我駅間の本線と、西船橋駅から南船橋駅・市川塩浜駅に延びる2つの支線からなる。支線は運転系統上武蔵野線直通に使われており、路線図や乗り換え案内では同線の一部とされているケースも見受けられる。

  • 東京駅~蘇我駅43.0km
  • 市川塩浜駅~西船橋駅5.9km(高谷支線)
  • 西船橋駅~南船橋駅5.4km(二俣支線)

『鉄道要覧』では以下のように書かれている。

  • 西船橋駅~蘇我駅22.4km
  • 東京駅~南船橋駅26.0km
  • 市川塩浜駅~西船橋駅5.9km

ラインカラー赤(ワインレッド)。首都圏のJRでは京葉線のみが使用するカラーとなる。ただし、鋼鉄製の201系2004年まで運用されていた103系の車体色は、ラインカラーの赤ではなく京浜東北線と同じ青(スカイブルー)である(青色の201系は関西でも存在しているが、関東では京葉線が初である)。これは、東京湾の海の色をイメージしたのと、同線に最初に投入された103系の半数以上が京浜東北線根岸線からの転入車であったためである。

東京から千葉(蘇我)まで総武本線のバイパス的な役割を果たす路線であるとともに、東京都心と東京ディズニーリゾート(TDR)(舞浜駅) や幕張メッセ千葉マリンスタジアムなどのある幕張新都心海浜幕張駅)を結ぶアクセス路線でもあり、また沿線の船橋市浦安市千葉市などの生活路線でもある。蘇我駅内房線外房線と接続しており、房総方面へ向かう特急列車はすべて京葉線を経由する(「新宿さざなみ」号・「新宿わかしお」号を除く)。また各駅停車も朝夕ラッシュ時に内房線・外房線・東金線との直通運転を行う他、武蔵野線のほぼすべての列車(区間列車と平日10往復、土曜・休日5.5往復の西船橋駅折り返し列車を除く)が西船橋駅から東京駅あるいは海浜幕張駅まで乗り入れる(同線は京葉線と同様に京葉車両センターに所属する車両を使用する)。千葉みなと駅~蘇我駅間を除く区間が電車特定区間に指定されている。

京葉線の東京駅は、1974年に成田新幹線が着工された際、日本鉄道建設公団により新幹線の駅施設として建設が開始された[1]場所に位置する。成田新幹線の工事凍結後、JR東日本により工事が開始され、京葉線の駅として完成した[2]。「東京駅」と名乗っているものの、京葉線のホームは東海道新幹線や他の在来線ホームとかなり離れた鍛冶橋通りの直下した場所にあるため、他の路線との乗り換えには徒歩で10~15分程度を要する(そのため、途中に動く歩道が設置されている)。横須賀線総武快速線のホームも地下5階と京葉線と同様に深いところにあるが、同駅で途中下車できる乗車券を所持していない場合、両ホームの移動には中央通路と京葉線連絡通路を経由して行かなければならないため、1km以上も距離があることになる。また、一部出口は有楽町駅方面に出ることが可能である。

元々は武蔵野線と同様に貨物線として建設された路線を旅客線化したものである。高架の設計・建築は貨物扱いを前提としたもので、川崎製鉄(現・JFEスチール)千葉製鉄所内への乗り入れ分岐部分や千葉貨物ターミナル駅(2000年廃止)の東京方発着分岐部分(1975年の蘇我駅から千葉貨物ターミナル駅までの先行開業時には、蘇我駅から川鉄の専用線を通り、千葉貨物ターミナル駅に向かっていた)、京葉電車区(現・京葉車両センター)脇の地平への分岐部分など、貨物列車用として用意された数多くの分岐の廃線部分および未完成部分が見受けられ、西船橋駅周辺のデルタ線もその名残りである。これらの構造を活用して、2000年12月2日からこれまで総武・新金常磐線経由で武蔵野線へ走っていた京葉臨海鉄道発着の貨物列車が蘇我駅~西船橋駅間を経由するルートに変更された。

また、計画時は新木場駅からまっすぐ進んで地下にもぐり、東京臨海副都心を経由し、品川埠頭直下で南に曲がり、東京貨物ターミナルに接続させる予定だった。計画変更時にはすでに新木場駅~東京貨物ターミナル間のトンネルがほぼ完成していたため、その区間を東京臨海高速鉄道りんかい線が品川埠頭(駅はなく分岐のみ)から大崎駅まで延伸して営業している。品川埠頭のトンネル内分岐点から南の区間は同社の八潮車両基地(当初接続予定だった東京貨物ターミナルの隣にある)への回送線として使用されている。

このように、京葉線とりんかい線は元々東京外環状線建設計画の中で同時に計画された路線のため、新木場駅の蘇我寄りで線路がつながっており、また八潮車両基地と東京貨物ターミナル駅も容易に接続できる構造で、貨物列車も走行可能な設計のため、当初の計画通りに東京貨物ターミナルでりんかい線が接続された場合には「京葉線~りんかい線~東京貨物ターミナル~東海道貨物線」といった貨物列車や東海道貨物線を経由して横浜駅方面への東海道本線への直通旅客列車の運行が可能となる。現状でも「京葉線~りんかい線~埼京線川越線」、さらに東北貨物線(湘南新宿ライン池袋駅大宮駅間)の使用で、高崎線宇都宮線との直通列車の運行が物理的には可能となっている。

なお、乗客が特定の団体客に限られる団体列車などでは、りんかい線を介した直通列車が運転されることがある。

東京湾岸を走ることにより、強風など気象条件に非常に弱い路線としても知られている。海岸沿いの高架線を走るため、海風の影響を非常に強く受け、強風などの荒天の時は運転中止やダイヤの大幅な乱れに見舞われやすい。ダイヤが乱れた時は武蔵野線との直通運転を中止し、同線用の8両編成(車体はオレンジ帯)の205系が京葉線内の東京駅~西船橋駅間のみで運用される。

また、京葉線は周辺に他の鉄道路線がないエリアを走行しているため、運転を見合わせると沿線の交通手段がなくなる。以前には、送電障害が生じた際に交通手段がなくなったため、最も近いとはいえ距離のある(最も近くて約3km)東京地下鉄東西線浦安駅に利用客が殺到したことがある。

沿線風景

  • 京葉線の新習志野駅~二俣新町駅間は東関東自動車道、二俣新町駅~新木場駅間では、首都高速道路湾岸線とほぼ併走している。トラックや乗用車などに電車が追い抜かれる場面も見られる。

運行形態

地域輸送

東京駅開業以前は緩行運転のみであったが、新木場駅までの暫定開業時に武蔵野線直通列車(6両→1991年12月より順次8両化・列車番号末尾はE、蘇我方面行はY)は葛西臨海公園駅を通過するダイヤが組まれた。

1990年3月10日の東京駅延伸開業と全線開通により、臨海副都心葛西臨海公園東京ディズニーリゾート幕張新都心など再開発地域・観光施設を沿線に抱えることから快速列車の本数が比較的多いダイヤを組み、平日と土曜・休日で停車駅をそれぞれ設定し(平日は葛西臨海公園、土曜・休日は八丁堀を快速電車は通過)、休日の快速は「マリンドリーム」、武蔵野線直通列車は「むさしのドリーム」という愛称で運行されていた。その後2002年12月1日のダイヤ改正で平日と土曜・休日の停車駅が統一(土曜・休日の武蔵野線直通は葛西臨海公園停車)されたことから愛称が廃止され、現在は京葉快速と武蔵野線直通の武蔵野快速となっている。

(参考)2002年12月1日ダイヤ改正前の停車駅
通勤快速
京葉快速
武蔵野快速
各駅停車
↑平日
土曜・休日↓
東京 八丁堀 越中島 潮見 新木場 葛西臨海公園 舞浜 新浦安 市川塩浜 二俣新町 南船橋 新習志野 海浜幕張 検見川浜 稲毛海岸 千葉みなと 蘇我
マリンドリーム
むさしのドリーム
各駅停車
●:停車 ―:通過 ○:9:00頃~18:00頃は停車 =:経由しない

2002年12月1日に開業以来初となる白紙ダイヤ改正が行われ、日中の運転間隔均等化と朝ラッシュ時の快速列車と各駅停車の混雑の均等化のほか、快速電車の停車駅追加が行われ、JR東日本でもそれをPRしていたが、結果として次のようなダイヤの変更が行われた。

  1. 朝ラッシュ時の上り快速の通勤快速待避に伴うスピードダウン(約43分→48分~50分)
  2. 海浜幕張~蘇我間の日中における本数の減便(平日:毎時6本→4本、土曜・休日:毎時7本→4本)
  3. 土曜・休日日中の上り快速のスピードダウン(約40分→約48分)
    • これは、土曜・休日の快速の増発に伴い(平日は30分間隔で各駅停車と交互運転であるのに対し、土曜・休日は平日の倍の15分間隔で運転されるため)、一部の快速が途中駅で特急の待避を行うこととなったためと待避をしない電車も運転間隔の均等化を図るために時間調整などをしたためである。運転士によっては駅間で速度を落として時間を調整する場合もある。なお、2003年の改正で同時間帯の特急を待避しない快速において若干のスピードアップが図られた(48分→46分)。
  4. 日中の武蔵野線直通の海浜幕張発着の廃止
    • ただし、朝夕時間帯に海浜幕張発着の武蔵野線直通が増発されたため、総運転本数は変わっていない。

この改正では、海浜幕張以遠の各駅(特に稲毛海岸駅)の利用客から「ダイヤ改悪」、停車駅よりも通過駅の方が少なくなった快速に対しては「停車駅が多すぎる」「(実質)区間快速化された」などといった批判の声が起き、またJR側にも相当な苦情が寄せられたのか、改正直後には駅長からのダイヤ改正のコンセプトなどの釈明文が駅構内に貼り出された。ちなみに、この改正の1年前の2001年に海浜幕張駅の折り返し設備が沿線自治体の負担により完成したが、あくまでも負担の名目は「武蔵野線直通列車の設定のため」であった。これを上記2.の本数減便のために活用することになった。

京葉線内運用及び内房線・外房線・東金線直通

京葉線内運用は東京新習志野・海浜幕張・蘇我発着で運行される。

蘇我から先、下り列車は通勤快速(土曜・休日は快速)が1本、快速が4本ずつ内房線外房線東金線に乗り入れる。上り列車は朝に快速が、1本通勤快速(土曜・休日は快速)が3本ずつ、夜には各駅停車が京葉線に直通する。

直通区間は内房線は君津駅まで(朝に通勤快速が1本上総湊駅から出発)、外房線上総一ノ宮駅(一部勝浦駅)まで、同線経由東金線成東駅までである。

外房線への通勤快速は東京駅~誉田駅間は同線方面の列車と東金線方面の列車を併結して同駅で切り離す。そのため、この列車に関連する運用のみ分割併合に対応した201系K1~K4編成が充当される。なお、翌朝には折り返し運転あり。

通勤快速

平日の朝に上りが4本、平日夜間に下りが2本運行される。線内の途中停車駅は八丁堀・新木場と東京近郊の路線としては少ない。

全列車が内房線・外房線・東金線と直通運転を行う。

京葉快速

平日日中は30分に1本、休日日中は15分に1本運行される。日中は上りは海浜幕張駅で当駅始発の各駅停車東京行に接続している。下りは平日の日中以外はほとんど新浦安駅で各駅停車に接続している。また、南船橋発着の武蔵野線直通と接続する。前述のダイヤ変更により、途中駅での特急列車の通過待ちまたは時間調整をする列車が多く、中には最速の各駅停車よりも所要時間が掛かる列車もある。

朝夕の一部列車が内房線・外房線・東金線と直通運転を行う。

各駅停車

平日日中は1時間あたり4本運行され、うち蘇我行きが2本、海浜幕張行きが2本運行される。休日日中は海浜幕張行きが1時間あたり4本運行される。

平日の日中以外は新浦安駅で京葉快速の待ち合わせを行うことが多いほか、一部列車は海浜幕張駅、新習志野駅、葛西臨海公園駅で特急の通過待ちを行う。

武蔵野線直通

平日日中は1時間あたり5本、休日日中は1時間あたり6本運行される。日中は東京駅・南船橋駅まで乗り入れるが、朝夕の時間帯には海浜幕張駅まで乗り入れる。

また、後述する日中の東京発の武蔵野線直通は毎時2本と少ないが、武蔵野線直通の後の京葉線の列車は南船橋駅で同駅始発の武蔵野線に接続しており、次発の東京発の武蔵野線直通より早く西船橋方面に行くことが可能である(平日:直後の各駅停車海浜幕張行〈一部快速蘇我行〉、土曜・休日:直後の快速蘇我行)。また、分岐駅(平日は市川塩浜駅、土曜・休日は新浦安駅)の直前には車内でも南船橋駅での乗り換えを薦めるアナウンスをすることがある。

武蔵野快速

東京駅発着で日中は1時間あたり2本運行される。休日は平日の停車駅に加え、葛西臨海公園駅に停車する。平日の朝夕は葛西臨海公園駅で各駅停車を追い抜くこともある。

大晦日終夜運転では東京発着の各駅停車が運行され、通常は停車しない越中島潮見に停車する。

各駅停車

平日日中は南船橋発着が1時間あたり3本、休日日中は1時間あたり4本運行される。日中の南船橋止まりの電車は南船橋駅で蘇我方面、東京方面両方に接続している。

優等列車

京葉線に乗り入れる定期列車として、特急「わかしお」「さざなみ」がある。これが乗り入れた背景として、「成田エクスプレス」の運行開始に伴って総武快速線において線路容量が不足したことによる。なお、乗り入れて以来京葉線内は無停車だったが、2002年以降一部列車が海浜幕張駅に停車するようになった。そして、2007年3月18日のダイヤ改正から東京発16時までの下りおよび同駅発11時以降の上り全特急が同駅に停車するようになった。これに伴い、同駅の東京方面ホームには自由席特急券自動券売機が設置されたほか、駅係員がホームに出て自由席特急券を販売したり、アナウンスで同駅から東京駅までノンストップ運転をアピールするなど、増収活動を行っている。

臨時列車

先述の通り、沿線に東京ディズニーリゾートなどの観光施設を抱えていることから、最寄り駅の舞浜駅などに停車する東京駅発着の臨時列車が土曜・休日やゴールデンウィーク夏休み冬休みを中心に設定されることがある。

常磐線日立駅方面からの「わくわく舞浜・東京号」(以前は「ワンダーランド号」「イクスピアリ号」として運行されていた)や、東京~仙台間(武蔵野線・東北本線経由)で583系を使用した臨時夜行快速列車「ムーンライト仙台」「ムーンライト東京」が運転されている。

貨物列車

2000年12月2日のダイヤ改正より西船橋駅~蘇我駅間で乗り入れを開始した。京葉臨海鉄道からの車扱貨物コンテナ列車が乗り入れる。これらの列車は蘇我駅で総武・新金線経由で武蔵野線などを走っていたが、京葉線経由にシフトした結果、以前のルートより最大8時間35分も短縮することができ、千葉方面から日本各地への貨物輸送の一層の効率化が図られた。電気機関車高崎機関区EF65形新鶴見機関区のEF65形・EF210形吹田機関区EF66形が入線する。

使用車両

201系(左)と205系通常型(2007年6月23日、海浜幕張駅にて撮影)
新浦安駅で並ぶ205系。武蔵野線直通用はオレンジ帯である(2006年5月14日撮影)。
当初からの在籍で前面形状が異なっている205系(2004年4月10日、舞浜駅付近にて撮影)
連接車のE331系(2006年7月、京葉車両センターにて撮影)
ファイル:E257.jpg
特急さざなみわかしおで使用されているJR東日本E257系電車500番台(2005年1月17日、舞浜駅にて撮影)

通勤車両は千葉支社京葉車両センター(千ケヨ)、特急車両は同幕張車両センター(千マリ)所属。

特急

快速・各駅停車

  • E331系(14両連接編成)
    • 2007年3月18日のダイヤ改正から営業運転を開始した。なお、土曜・休日のみに運用していたが、4月から部品の一部について改良を行っているため、営業運転から離脱している。
    • 201系や205系とは違い、本系列独自の乗車口マークが各ホームに設置されているほか、発車標や一部駅の時刻表では本系列運用時に「14両」が表記される(14両で通常の10両編成の列車と同じ長さである)。
  • 205系(10両編成/8両編成)
    • 先頭車前面の形状が従来と違うスタイルの編成と中央・総武緩行線山手線南武線埼京線から転属してきた車両が存在している。8両編成は武蔵野線直通用である。なお、外房線、内房線直通列車は、当初からの在籍車である先頭車の前面が違う編成が使用される。また、量産先行車の4編成も当路線に在籍している。
  • 201系(10両編成/6両編成+4両編成)
    • 中央・総武緩行線から転属してきた車両が在籍している。2007年にはこれに加えて中央快速線から2本(元T32・T130編成)が転属してきたが、205系1本の運用復帰に伴い1編成が廃車される予定である。なお、試作車の900番台は2005年に大宮総合車両センターにて廃車・解体され、山手線からの205系の転入で置き換えた。
    • 車両分割のある外房線・東金線直通運用では分割併合に対応した「51~54」+「K1~K4」編成が運用される。(東京寄6両+蘇我寄4両編成)
    • 10両固定編成は線内運用が基本だがダイヤが乱れた日などに外房線や内房線の直通列車として使用されることがある。

過去の車両

快速・各駅停車

  • 103系(10両編成/8両編成)
    • 元武蔵野線用のE38編成が西日本旅客鉄道(JR西日本)に、E20~22・27編成のうちの各4両の計16両がインドネシアの鉄道会社(PT Kereta Api、KRLジャボタベックで使用)に売却したほかは全廃された。廃車された車両のうち、元京葉線用のクハ103-713の車体は一部をカットして鉄道博物館で展示されている。
  • 快速「シャトルマイハマ」
    • 165系改造車3両編成
      • 東京開業からしばらくの間、東京ディズニーランドへの連絡輸送を目的として快速列車「シャトルマイハマ」を東京駅~西船橋駅間で運行していたこともある。また、休日などごくわずかに内房線外房線からも運行した。内装はディズニーをイメージしたものになっていた。

今後の予定

  • 現在、京浜東北線根岸線2007年12月から2009年度にかけてE233系1000番台が導入されることに伴い、運用を外れる同線用の209系の一部(500番台)を京葉線に転用させ、201系を置き換える予定である。また、E331系の増備については現時点で未定である。

歴史

  • 1975年昭和50年)5月10日 - 蘇我駅~千葉貨物ターミナル駅間が貨物線として開業。このうち蘇我駅~都川信号場間は川崎製鉄(現在のJFEスチール専用線を借用。千葉貨物ターミナル駅開業。
  • 1986年(昭和61年)1月21日 - 蘇我駅~都川信号場間の現行線供用開始。都川信号場廃止。川崎製鉄専用線の借用運転解消。
  • 1986年(昭和61年)3月3日 - 第1期線・西船橋駅~千葉貨物ターミナル駅間が旅客線として開業。起点を西船橋駅に変更。千葉貨物ターミナル駅~千葉港駅間で旅客営業を開始。南船橋駅、新習志野駅、海浜幕張駅、検見川浜駅、稲毛海岸駅、千葉港駅(現在の千葉みなと駅)開業。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が千葉貨物ターミナル駅~蘇我駅間の第二種鉄道事業者となる。
  • 1988年(昭和63年)12月1日 - 第2期・新木場駅~南船橋駅間、市川塩浜駅~西船橋駅間が開業。千葉港駅~蘇我駅間の旅客営業を開始。武蔵野線からの乗り入れ開始。新木場駅、葛西臨海公園駅、舞浜駅、新浦安駅、市川塩浜駅、二俣新町駅開業。
  • 1990年平成2年)3月10日 - 第3期・東京駅~新木場駅間が開業し全通。八丁堀駅、越中島駅、潮見駅開業。工事時には「京葉都心線」とも称された。
  • 1992年(平成4年)3月14日 - 千葉港駅を千葉みなと駅に改称。なお、旧駅名も読みは同じ「ちばみなとえき」であった。近くに同じ字の"ちばこう"があり混同を避けるためである。
  • 2000年(平成12年)4月1日 - 千葉貨物ターミナル駅廃止。
  • 2000年(平成12年) 12月2日 - 日本貨物鉄道が西船橋駅~蘇我駅間の第二種鉄道事業者となる。同時に貨物列車乗り入れ開始。旅客列車の武蔵野線の海浜幕張駅までの直通運転開始。新港信号場開設。
  • 2002年(平成14年)12月1日 - 開業以来初の白紙ダイヤ改正。土曜・休日に運行される快速の愛称「マリンドリーム」「むさしのドリーム」を廃止。南船橋駅と千葉みなと駅に京葉快速が終日停車。
  • 2004年(平成16年)10月16日 - ダイヤ改正。通勤快速が新木場駅停車。
  • 2007年(平成19年)3月18日 - ダイヤ改正。一部の特急列車を除き特急列車が海浜幕張駅に停車。E331系の営業運転開始。

駅一覧

駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 各駅停車 各駅停車 武蔵野快速 京葉快速 通勤快速 接続路線 所在地
東京駅 - 0.0 武蔵野線直通 東日本旅客鉄道:東北新幹線上越新幹線長野新幹線中央線(快速)山手線京浜東北線東海道線総武線(快速)横須賀線
東海旅客鉄道東海道新幹線
東京地下鉄丸ノ内線(M-17)、東西線大手町駅:T-09)、千代田線二重橋前駅:C-10)、有楽町線有楽町駅:Y-18)
東京都 千代田区
八丁堀駅 1.2 1.2 東京地下鉄:日比谷線(H-11) 中央区
越中島駅 1.6 2.8   江東区
潮見駅 2.6 5.4  
新木場駅 2.0 7.4 東京臨海高速鉄道りんかい線
東京地下鉄:有楽町線(Y-24)
葛西臨海公園駅 3.2 10.6   江戸川区
舞浜駅 2.1 12.7 舞浜リゾートラインディズニーリゾートラインリゾートゲートウェイ・ステーション 千葉県 浦安市
新浦安駅 3.4 16.1  
市川塩浜駅 2.1 18.2   市川市
西船橋駅 5.9 24.1 東日本旅客鉄道:中央・総武線(各駅停車)武蔵野線(直通運転)
東京地下鉄:東西線(T-23)
東葉高速鉄道東葉高速線
京成電鉄本線京成西船駅…※ただし連絡運輸なし)
船橋市
武蔵野線直通
二俣新町駅 4.4 22.6   市川市
南船橋駅 3.4 26.0   船橋市
新習志野駅 2.3 28.3   習志野市
海浜幕張駅 3.4 31.7   千葉市美浜区
検見川浜駅 2.0 33.7    
稲毛海岸駅 1.6 35.3    
新港信号場 - -    
千葉みなと駅 3.7 39.0   千葉都市モノレール1号線 千葉市中央区
蘇我駅 4.0 43.0   東日本旅客鉄道:内房線(直通運転)、外房線(直通運転)
各駅停車・京葉快速の一部と通勤快速は内房線・外房線・東金線直通運転。
内房線君津駅(上りは一部上総湊駅発)まで
外房線上総一ノ宮駅(一部勝浦駅)まで
外房線経由東金線成東駅まで
外房線勝浦発着・東金線成東発着の通勤快速は東京駅~誉田駅間で併結運転
凡例
●:すべての列車が停車、○:土曜・休日と大晦日~元旦の終夜運転時のみ停車、|:通過、∥:他線路経由(注:大晦日~元旦の終夜運転時のみ停車)
  • 二俣新町駅の駅間キロは市川塩浜駅とのもの
  • 西船橋駅~南船橋駅間の営業キロは5.4km
  • 武蔵野快速は東京駅~西船橋駅間快速・武蔵野線内各駅停車(土曜・休日は実質上新木場駅から各駅停車)
  • JRの長距離乗車券の特定都区市内の内、東京駅が東京山手線内エリア、東京-葛西臨海公園間が東京都区内エリアとなる。

その他

  • 東京延伸開業時に高橋留美子デザインによる「マリン」というイメージキャラクターが登場した。顔は漫画『らんま1/2』の天道あかねに似ており、オレンジカード、駅に飾るタペストリー205系前面に装着するヘッドマーク(全線開通と「マリンです。どうぞよろしく」の2種類)などが制作された。現在は運転席背面にある遮光幕使用に関するステッカーにのみその名残りが残っている。
  • 地下区間(東京駅・八丁堀駅・越中島駅)と蘇我駅を除き、長い間発車メロディが導入されず、電子ベルを使用している駅が多く存在していた。2004年6月14日に舞浜駅にディズニーのメロディが、2005年3月26日には海浜幕張駅に千葉ロッテマリーンズ応援歌のメロディなどご当地ソングが導入され、2006年8月25日には新浦安駅テイチク製の発車メロディが導入された。その後、老朽化した放送機器の更新を兼ねて2007年3月10日(千葉みなと駅)から同年3月25日(潮見駅)にかけて他の電子ベル使用駅についても発車メロディが導入された。
  • 開通当時はみどりの窓口を省略した駅が多かった(東京開通時点では越中島・潮見・葛西臨海公園・市川塩浜~新習志野・千葉みなと)が、それゆえこれらの駅では100km超の乗車券が発売できなかったため、「1,750円以上のきっぷは1,590円のきっぷをお求めになり着駅または車内で精算してください」と掲示されていた。

脚注

  1. ^ 『鉄道ピクトリアル』1975年8月号、1976年10月号、1977年9月号 電気車研究会
  2. ^ 『鉄道ジャーナル』1988年3月号 なおこの経緯については、新幹線用として完成していたホームを流用したとする文献(『新幹線発達史』イカロス出版、『新線鉄道計画徹底ガイド 新幹線編』川島令三著 山海堂、『鉄道ピクトリアル』2002年8月号 電気車研究会)があるほか、新幹線の規格で設計されたとする文献(『新幹線がわかる事典』原口隆行著 日本実業出版社)が存在する。

関連項目