平手氏

平手氏（ひらてし）は、日本の氏族。

出自・系譜仮冒の謎

平手氏は『尾張諸家系図』によれば、新田氏流世良田氏（松平親氏を始祖とする松平氏の前身）から分岐した平手義英（得河有親の子で親氏の兄弟とされ、永享3年（1431年）生まれとするが、実在の人物かどうかは疑わしい）を始祖とする氏族と伝わる。

しかし、政秀に至る世代系譜が矛盾する部分が多いために、確証性も乏しいため信憑性が薄く、伝承（後世に作成された仮冒系譜の可能性が高い）に近い。

実際は、久松氏と同族とされ、菅原姓から出たとの説もある。さらに尾張国の豪族・荒尾宗顕（荒尾氏）の系統とも伝わる（本姓は在原氏とする）。続いて賀茂氏の流れの説もあって、確証に乏しいのが実情である。

戦国時代には織田信長の傅役を務めたことで有名な平手政秀がいる。政秀は若き頃の血気盛んな信長の奇行を諌めるため自害。子の平手久秀が信長と諍いを起こしたことが原因との説もある。久秀の子（政秀の孫）、平手汎秀は、武田信玄の上洛軍に敗れて、討ち死にした。

政秀の甥である平手季胤（秀胤）は織田信雄に仕えた。

なお、政秀の兄弟である政利から野口氏という庶流も出ている。

系図

荒尾宗顕？（在原姓荒尾氏？）
 ￤
秀家　
 ┃
秀定
 ┃
英秀
 ┃
経英
 ┣━━━━━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
政秀　　　　　　　　季定（秀定）　野口政利　　　　　長成
 ┣━━━━┓　　　　┃　　　　　　　┃
長政　　　久秀　　　季胤（秀胤）　　政知
 　　　　　┃　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　汎秀（政秀の末子とも）　　政矩
　　　　　　　　 　　　　　　　　　　┣━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　政種　　　政清