「ポンド (質量)」の版間の差分

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トロイポンドは、イギリスの薬剤師や宝石商によって使用されていた単位である。その名前は、中世フランスの重要な商都であった[[トロ]]に因む。カナダ、オーストラリア、イギリスなどでは、現在はトロイポンドは法的単位ではない。しかし、その分量単位であるトロイオンスは、メートル法が施行されている国でも使用が認められている。
トロイポンドは、イギリスの薬剤師や宝石商によって使用されていた単位である。その名前は、中世フランスの重要な商都であった[[トロ]](Troyes)に因む。カナダ、オーストラリア、イギリスなどでは、現在はトロイポンドは法的単位ではない。しかし、その分量単位であるトロイオンスは、メートル法が施行されている国でも使用が認められている。


トロイポンドは正確に0.373 241 721 6キログラムに等しい。12トロイオンスが1トロイポンドとなる。1トロイポンドは5760グレーンに等しい。よって、常用ポンドとの比率は144/175である。
トロイポンドは正確に0.373 241 721 6キログラムに等しい。12トロイオンスが1トロイポンドとなる。1トロイポンドは5760グレーンに等しい。よって、常用ポンドとの比率は144/175である。

2008年1月13日 (日) 05:41時点における版

ポンド(pound)
記号 lb
ヤード・ポンド法
質量
定義 0.453 592 37 kg
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ポンド蘭語pond, 英語:pound, 記号:lb)は、ヤード・ポンド法における質量単位である。英語の発音に基づいてパウンドとも言う。イギリスの通貨単位ポンドは同一語源である。日本では「听」の漢字をあてていた。

同じ「ポンド」という名称で、少くとも4種類の異なる質量の単位がある。このうち、トロイポンドと薬用ポンドは同じ値である。

  • 常用ポンド(avoirdupois pound) または 国際ポンド(international pound) -- 常衡
  • トロイポンド(troy pound) -- トロイ衡
  • 薬用ポンド(apothecaries' pound) -- 薬衡
  • メートルポンド(metric pound) -- メートル法

通常、単に「ポンド」と言えば常用ポンドのことを指す。今日では1常用ポンドは0.453 592 37キログラムに等しいと定義されている。以下、特に説明のない場合、単に「ポンド」と書いた時は常用ポンドのことを示す。

ヤード・ポンド法の質量の単位には他にオンス(oz)、グレーン(gr)、トン(英トン、米トン)などがある。今日では、1ポンド=16オンス=7000グレーンと定義されている。

起源

歴史的には、メソポタミア地方で大麦1粒の重さを元にグレーンが定められ、その倍量単位としてポンドが定められた。古代ローマではこの単位を「リブラ(libra)」(天秤の意味)と呼んでおり、これがポンドを表す記号"lb"の由来である。また、通貨の単位のポンドの略号"£"もlibraに由来する。「○リブラの重さ」を"○ libra pondo"と言い、この"pondo"が質量の単位となった。

常用ポンド

常用ポンドは1303年ロンドンの商人によって導入された。

ローマからイングランドにグレーンやポンドが伝えられた。ポンドとグレーンの換算には様々なものがあったがおおむね5000グレーン程度であり、13世紀ヘンリー3世の時代には1ポンド=5400グレーン=12オンスとされていた。しかし、後に1ポンド=16オンスとされるようになり、エリザベス1世の時代、1584年に法律で1ポンド=7000グレーン=16オンスと定められた。このポンドを常用ポンド(avoirdupois pound)と言い、他のポンドと区別する必要があるときには"lb av"という記号で表す。この関係はエリサベス1世の時代から今日まで変わっていない。後にポンドの方を質量の基本単位とし、ポンドの定義を「大英帝国標準ポンド原器の質量」と定めた。

イギリス系とアメリカ系の間にわずかの差があったが、1958年に協定によって同じ値に統一した。1963年に法律を改正して、ポンドの定義はキログラムを基準として1ポンド=0.453 592 37キログラムと定義された。長さの基本単位のヤードもこのときメートルを基準とした定義に変更されており、ヤード・ポンド法はSIに依存した単位系となった(これは今日の尺貫法も同じである)。

イギリスでは、1878年の度量衡法によってポンドが正式に定義された。しかし、その定義による値は今日のものとは異なり、キログラムで表すと約0.453 592 338キログラムであった。この古い定義は帝国ポンドと呼ばれ、今日では使用されていない。

アメリカでは、1893年にポンドはキログラムを基準として定義されるようになった。1894年にわずかに値が変えられ、1959年に現在の値となった。1894年と1959年の定義の違いは約1千万分の1である。

1ポンド(常用ポンド)は16オンス、7000グレーンに等しい。よって1グレーンは正確に0.064 798 91グラムである。この常用ポンドとグレーンとの関係は、ヘンリー8世の時代に常衡の単位がトロイ衡の単位に関連づけて再定義された時から変わっていない。それまでは1常用ポンドは7002グレーンに相当していた。それ以来、グレーンは常衡の一部とされるようになった。

トロイポンド

詳細はトロイオンスを参照のこと。

トロイポンドは、イギリスの薬剤師や宝石商によって使用されていた単位である。その名前は、中世フランスの重要な商都であったトロワ(Troyes)に因む。カナダ、オーストラリア、イギリスなどでは、現在はトロイポンドは法的単位ではない。しかし、その分量単位であるトロイオンスは、メートル法が施行されている国でも使用が認められている。

トロイポンドは正確に0.373 241 721 6キログラムに等しい。12トロイオンスが1トロイポンドとなる。1トロイポンドは5760グレーンに等しい。よって、常用ポンドとの比率は144/175である。

メートルポンド

国際単位系(SI)を使ういくつかの国では、ポンド(またはその訳語。ドイツ語ではPfund、フランス語ではlivre、オランダ語ではpond)は、非公式ではあるが500グラムの意味で用いられる。それらの多くは、19世紀に正式にその単位名称を導入することが検討されたものであったが、現在はどの国でも正式な単位名称としては認められていない。

オランダでは、ポンド(pond)は正式に1キログラムとして、オンスは100グラムとして再定義された。しかし、前者は今日では使用されず、オランダで今日ポンドと言えば、他の国と同じ500グラムである。100グラムのオンスは限られた用途で現在でも使われている。

メートル法を採用している国では、ポンドという言葉は俗語としては使われているが、はかりなどの計量装置にポンドは書かれていない。目盛りはグラムやキログラムで書かれており、グラムで測ってからポンドに直す必要がある。

関連項目

質量の単位
キログラム
SI単位)
グレーン 常用オンス 常用ポンド
1 kg = 1 ≈ 15432 ≈ 35.274 ≈ 2.2046 ≈ 266.67 ≈ 1.6667 ≈ 0.26667
1 gr = 0.00006479891 = 1 ≈ 0.0022857 ≈ 0.00014285 ≈ 0.0172797 ≈ 0.000107998 ≈ 0.0000172797
1 oz = 0.028349523125 = 437.5 = 1 = 0.0625 ≈ 7.5599 ≈ 0.047249 ≈ 0.0075599
1 lb = 0.45359237 = 7000 = 16 = 1 ≈ 120.96 ≈ 0.75599 ≈ 0.12096
1 匁 = 0.00375 ≈ 57.871 ≈ 0.13228 ≈ 0.082673 = 1 = 0.00625 = 0.001
1 斤 = 0.6 ≈ 9259.4 ≈ 21.164 ≈ 1.3228 = 160 = 1 = 0.16
1 貫 = 3.75 ≈ 57871 ≈ 132.28 ≈ 8.2673 = 1000 = 6.25 = 1