音楽ファンタジー・ゆめ

音楽ファンタジーゆめ（おんがく-）は、NHK教育テレビジョンにて1992年4月から1998年3月まで6年間放送されたCGアニメーションのクラシック音楽ミニ番組。

概要と構成

5分番組で、2つのパートで構成されている。

前半のパートでは、後述のCGキャラクターのアニメーションが放映され、前半終了後、その回で取り上げる曲のタイトル・作曲者が、紹介される。

続く後半のパートでは、壮大な音楽にのせて、曲に関連したCGアニメーションが繰り広げられる。第1期はエンドクレジットにCGで作曲者の似顔絵が出る。（この際のBGMがかなり怖いのでトラウマになった人も多かった）第2期以降は統一のエンドクレジットである。5分という時間ゆえ、一部の楽章のみの放映であったり、大幅な編曲がなされている場合も多い。 様々なＣＧ制作者が参加しているが、中でも 田中秀幸担当のＣＧアニメーションは特に強烈であり、視聴者に多くのトラウマを植え付けた。例えば彼の担当作品であるピアノ協奏曲第1番は、原型がとどまっていない人間の家族が様々な場所へ旅行する内容であるが、妙にアレンジ曲とマッチし、トラウマになったという人も多い。

比較的地味な番組ではあるが、根強いファンが数多く存在し、NHKエンタープライズからビデオ・DVDも発売されている。

スタッフ

CGアニメーション

• 原田大三郎
• 田中秀幸
• 本間由樹子
• 遠山隆生
• 河原敏文
• 松浦季里
• 林秀彦　他

編曲

• 上野千佳
• 堤照薫
• 巽竜之介
• 葵新吾
• 辻陽　他

主なキャラクター

• フルーツ&ベジタブルオーケストラ（第1期）
  • 文字通り、野菜と果物を擬人化したキャラクター。指揮者に、音符を擬人化したキャラがいる。
    • ヴァイオリン、ヴィオラ...落花生
    • チェロ、コントラバス...茄子
    • フルート、ピッコロ...インゲン豆
    • クラリネット...ネギ
    • サックス...人参
    • トランペット...ナメコ
    • マリンバ...ブドウ棚+キュウリ
    • ティンパニ...スイカ
    • ピアノ...ナシ+バナナ
    • ドラム...カボチャ等
• テクテクキッズ（第2期）
  • パーソナルコンピュータ本体「ハーディ」とマウスを擬人化した「コミー」というキャラクター。
• フルベジwithテクテクキッズ（最終期、1期キャラと2期キャラが共演、タイトル紹介部分、エンドクレジットはテクテクキッズのみ）

作品

フルーツ&ベジタブルオーケストラ（第1期）

• トルコ行進曲（モーツァルト）（1992年4月6日）
  • 靴が階段を歩く。
• 春の声（ヨハン・シュトラウス2世）（1992年4月13日）
  • 生産ラインにのって木製の車が製造されていく。2巡目で毛虫が紛れ込む。
• ノクターン（ショパン）（1992年4月20日）
  • モネの作品の色々をCGで画を動かしている。
• 時計交響曲（ハイドン）（1992年4月27日）
  • 時計の世界を、うさぎがさまよう。
• ゴリウォーグのケーク・ウォーク（ドビュッシー）（1992年5月11日）
  • 紙人形が画面中を歩き回る。
• 眠りの森の美女（チャイコフスキー）（1992年5月18日）
  • 花畑で影がワルツを踊る。
• 剣の舞（ハチャトゥリアン）（1992年5月25日）
  • 本当に剣が踊っている作品。人気の高いアニメーションである。
• 『結婚行進曲』（メンデルスゾーン）（1992年6月1日）
  • 青とピンクのキャラクターがドミノを倒しながら教会に行く。
• アイーダ（ヴェルディ）（1992年6月8日）
  • 古代エジプト的な画。
• ハンガリー舞曲（ブラームス）（1992年6月15日）
  • 惑星探査。
• チゴイネルワイゼン（サラサーテ）（1992年6月22日）
  • 化石の恐竜の親子が歩いていく。後に子供が目立つ展開になりなかなか面白い作品。
• G線上のアリア（バッハ）（1992年6月29日）
  • イコライザーの映像が延々と流される。
• 運命（ベートーベン）（1992年7月6日）
  • 2体のロボットがボクシングを行う。
• 英雄ポロネーズ（ショパン）（1992年7月13日）
  • 工事によって連れられた女性の石を男性の石が救出する。
• パリのアメリカ人（ガーシュイン）（1992年7月20日）
  • 歩いてきたキャラクターが、いきなり穴に落ちて見たこともない生物に追いかけられる。
• アイネ・クライネ・ナハトムジーク（モーツァルト）（1992年7月27日）
  • 人工衛星から地球を見た様子。
• カノン（パッヘルベル）（1992年8月3日）
  • 洞窟から船が来て、流れていくアニメーションとなっている。かなり人気がある。
• トッカータとフーガ（バッハ）（1992年8月10日）
  • 透明人間と猫が中心となっているが子供番組とは思えないかなり恐ろしい作品となっており人気。
• ピーターと狼（プロコフィエフ）（1992年8月17日）
  • 幼虫が蝶になるまで。
• 田園交響曲（ベートーベン）（1992年8月24日）
  • おもちゃのロボットがオープンカーでドライブする。
• ワルキューレの騎行（ワーグナー）（1992年8月31日）
  • 謎の円盤の編隊が街中に巨大な花を咲かせて混乱させる。
• 月の光（ドビュッシー）（1992年9月7日）
  • ワルツを踊るオルゴールの人形。
• トリッチ・トラッチ・ポルカ（ヨハン・シュトラウス2世）（1992年9月14日）
  • 美術館の絵の中で起きた火事に、名画の登場人物達が逃げまどう。
• 舞踏への勧誘（ウェーバー）（1992年9月21日）
  • 時計の中の人形と鼠。
• メヌエット（バッハ）（1992年9月28日）
  • 白くてふわふわしたキャラクターが空を飛ぶ。
• 展覧会の絵（ムソルグスキー）（1992年10月5日）
  • 展覧会で絵を見る。なお、時間の関係で「第一プロムナード」～「バーバヤガ」～「キエフの大門」となっている。
• ラデツキー行進曲（ヨハン・シュトラウス1世）（1992年10月12日）
  • 白雲と黒雲の対決。なぜか指揮者がいる。
• 天国と地獄（オッフェンバック）（1992年10月19日）
  • 黒いキャラクターが白いキャラクターを追いかける。
• 別れの曲（ショパン）（1992年10月26日）
  • 花。
• ピアノ協奏曲第1番（チャイコフスキー）（1992年11月2日）
  • ある家族の世界旅行。かなり不気味。
• ペルシャの市場（ケテルビー）（1992年11月9日）
  • 絨毯の中のキャラクターが絨毯の上を旅する。
• ウィリアム・テル序曲（ロッシーニ）（1992年11月16日）
  • 小学校を舞台にレースが展開する。
• くるみ割り人形（チャイコフスキー）（1992年11月23日）
  • 食器棚の食器達が、くるみ割り人形の指揮で踊る。
• 交響曲第40番（モーツァルト）（1992年11月30日）
  • 夜の図書館で本達が踊る。
• 時の踊り（ポンキエルリ）（1992年12月7日）
  • 始めは球だった物体が、形を変えていく。
• 愛の夢（リスト）（1992年12月14日）
  • サンタの帽子のようなキャラクターが建物を建てる。
• ラ・カンパネラ（リスト）（1992年12月21日）
  • サンタが町中の鐘を取る。
• アルルの女（ビゼー）（1993年1月4日）
  • 猫が、テレビで見た魚のなる木を求めて歩いていく。編曲は長調。
• 春の祭典（ストラビンスキー）（1993年1月11日）
  • 雷の集団が家具たちを電化製品に変えてしまう。
• 新世界（ドボルザーク）（1993年1月18日）
  • ガラクタで出来た新生物達。
• 悲愴（ベートーベン）（1993年1月25日）
  • モデル人形がタンゴを踊る。
• 小犬のワルツ（ショパン）（1993年2月1日）
  • 子犬がたくさん出てくる。
• アヴェ・マリア（シューベルト）（1993年2月8日）
  • 森の中
• トロイ・メライ（シューマン）（1993年2月15日）
  • おもちゃのペンギンの物語。
• アランフエス協奏曲（ロドリーゴ）（1993年2月22日）
  • 体の一部が欠けた牛が失われたパーツを探し回る。
• キラキラ星変奏曲（モーツァルト）（1993年3月1日）
  • あるダンサーの踊り。
• 白鳥の湖（チャイコフスキー）（1993年3月8日）
  • 前半は正に「白鳥の湖」だが、後半はどう見てもおもちゃ。
• ボレロ（ラヴェル）（1993年3月15日）
  • 部屋の壁紙の蒸気機関車が新幹線やロケットに変化し、部屋も最初は和室だったのがどんどん近代化されていく。
• ラプソディ・イン・ブルー（ガーシュイン）（1993年3月22日）
  • 宝石を盗んだこそ泥と警察官。
• 春（ヴィヴァルディ）（1993年3月29日）
  • ドレスを作る

テクテクキッズ（第2期）

• エリーゼのために（ベートーベン）（1994年10月10日）
  • 強風で色々な物が飛ばされていく。
• 「くるみ割り人形」より　こんぺいとうの踊り（チャイコフスキー）（1994年10月17日）
  • 蛙が踊る。
• ジムノペディ（サティ）（1994年10月24日）
  • 幻想的な夜空の風景と三日月の魔女が印象的なアニメーション。
• ピアノソナタ第15番（モーツァルト）（1994年10月31日）
  • いろいろな場所でピアノを弾くモーツァルト。
• 軍隊行進曲（シューベルト）（1994年11月28日）
  • バナナの就職。
• 「カルメン」より　ハバネラ（ビゼー）（1994年12月19日）
  • 蟹のサラリーマンの一日。
• 「ペール・ギュント」より　朝（グリーグ）（1994年12月26日）
  • 自然が広がり、生命の朝といった感じのアニメーションである。
• 「サルタン皇帝」より　くまばちの飛行（リムスキー・コルサコフ）（1995年1月16日）
  • アクション映画さながらのアニメ。
• 魔法使いの弟子（デュカス）（1995年2月13日）
  • 魔法じみた映像。
• 雨だれ（ショパン）（1995年2月20日）
  • しずくと女の子。
• 動物の謝肉祭（サン・サーンス）（1995年3月6日）
  • 犬がUFOにさらわれる。
• バイオリン協奏曲ニ短調（ブラームス）（1995年3月13日）
  • ペンギンのおつかい。
• 子守歌（シューベルト）（1995年3月20日）
  • 傘の会議。
• 威風堂々（エルガー）（1995年4月3日）
  • はぐれてしまったロケットのいかと、そのロケットが着いた星のたこの遭遇。
• モルダウ（スメタナ）（1995年4月24日）
  • 季節の移り変わりが美しい。
• 軽騎兵（スッペ）（1995年9月4日）
  • どこまでも骨を取りに行く犬。
• 春の歌（メンデルスゾーン）（1995年9月11日）
  • 川の中の映像。
• セビリアの理髪師（ロッシーニ）（1995年10月9日）
  • ゴルフ場のモグラ。
• 水上の音楽（ヘンデル）（1995年10月16日）
  • 黄金の人が体操をする。
• 蝶々夫人（プッチーニ）（1995年10月23日）
  • 蝶々の旅
• スケーターズ・ワルツ（ワルトトイフェル）（1995年10月30日）
  • もじゃもじゃのちんどん屋がスケートをする。
• スラブ舞曲（ドヴォルザーク）（1995年11月27日）
  • 銀河鉄道。
• タイスの瞑想曲（マスネ）（1995年12月4日）
  • 時計の中のキャラクター。
• 華麗なる大円舞曲（ショパン）（1995年12月11日）
  • 男の子が小さくなってクリスマスの飾りなどと一緒に踊るアニメーション。　
• 草競馬（フォスター）（1996年1月15日）
  • ウサギとカメ。
• はげ山の一夜（ムソルグスキー）（1996年1月22日）
  • 公園の夜。
• メヌエット（ボッケリーニ）（1996年2月12日）
  • 宮殿のような場所。
• シシリエンヌ（フォーレ）（1996年3月11日）
  • ミミズクの里帰り。
• バイオリン協奏曲　ニ長調（ブラームス）（1996年3月18日）
• コッペリア（ドリーブ）（1996年3月25日）
  • ペンギンが自然で遊ぶ。
• ガボット（ゴゼック）（1996年4月15日）
  • 夜中にチョコボールのようなキャラクターが歩き回る。子供に人気がある。

フルベジwithテクテクキッズ（最終期）

• トルコ行進曲（ベートーベン）（1997年9月29日）
  • ウズラの卵と神殿。
• ます（シューベルト）（1997年10月6日）
  • 近代的な映像。
• 美しく青きドナウ（ヨハン・シュトラウス2世）（1997年10月13日）
  • まんまと捕獲された青い金魚。
• フニクリ・フニクラ（デンツァ）（1997年10月20日）
  • 蜘蛛のプロレス。
• 亜麻色の髪の乙女（ドビュッシー）（1997年11月17日）
  • ガラクタロボットがガラクタを集める。
• 椿姫（ヴェルディ）（1997年11月24日）
  • 月に帰るウサギ。
• ユモレスク（ドボルザーク）（1997年12月22日）
  • 花の四季。
• アランブラ宮殿の思い出（タレガ）（1997年12月29日）
  • 宮殿。
• コンドルは飛んで行く（ペルー民謡）（1998年1月5日）
  • レゴブロックの世界。
• カリンカ（ロシア民謡）（1998年2月2日）
  • ロシアの民話「てぶくろ」のリメイク。
• グリーン・スリーブス（イギリス民謡）（1998年2月9日）
  • 妖精。
• おとめの祈り（バダジェフスカ）（1998年3月2日）
  • スイスの山の中。
• 真珠採り（ビゼー）（1998年3月9日）
  • 月で絵を描く宇宙飛行士と、地球のリンゴ。
• ダッタン人の踊り（ボロディン）（1998年3月16日）
  • グミのような人形のダンス。
• 主よ、人の望みの喜びよ（バッハ）（1998年3月23日）
  • おなかの空いた虎のキャラクターがカレーを作る。