「体験版」の版間の差分

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== 家庭用ゲーム機における体験版 ==
== 家庭用ゲーム機における体験版 ==
[[1990年代]]以前は製造にコストがかかる[[ロムカセット]]方式のハードが主流であったため、店頭デモやイベントでの試遊が主で、個人向けに体験版の配布が行われることはほとんどなかった。[[任天堂]]が[[スーパーファミコン]]向けの[[サテラビュー]]体験版を配布したことがあったものの、システム自体の敷居が高く普及は進まなかった。
[[1990年代]]以前は製造にコストがかかる[[ロムカセット]]方式のハードが主流であったため、店頭デモやイベントでの試遊が主で、個人向けに体験版の配布が行われることはほとんどなかった。[[任天堂]]が[[スーパーファミコン]]向けの[[サテラビュー]]を用いて、メディアを伴わないデータのみの体験版を配布したことがあったものの、システム自体の敷居が高く普及は進まなかった。


[[1990年代]]に入り、メディアに[[CD-ROM]]を採用するハード([[プレイステーション]]、[[セガサターン]]など)が普及してくると、そのコストの低さを生かし積極的な体験版配布がなされる様になった。店頭やゲームイベントでの自由配布のほか、雑誌の付録として体験版ディスクが封入されるというケースが一般的だったが、[[スクウェア (ゲーム会社)|旧スクウェア]](現・[[スクウェア・エニックス]])は開発中の大型タイトルの体験版を新作ゲームソフトに[[バンドル]]する手法を取り入れた。『[[ファイナルファンタジーVII]]』の体験版が付属した『[[トバルNo.1]]』、『[[ファイナルファンタジーVIII]]』の体験版が付属した『[[ブレイヴフェンサー 武蔵伝]]』などがヒット作として挙げられるが、これらはソフト本体が体験版の[[おまけ]]のような扱いをされてしまった。
[[1990年代]]に入り、メディアに[[CD-ROM]]を採用するハード([[プレイステーション]]、[[セガサターン]]など)が普及してくると、そのコストの低さを生かし積極的な体験版配布がなされる様になった。店頭やゲームイベントでの自由配布のほか、雑誌の付録として体験版ディスクが封入されるというケースが一般的だったが、[[スクウェア (ゲーム会社)|旧スクウェア]](現・[[スクウェア・エニックス]])は開発中の大型タイトルの体験版を新作ゲームソフトに[[バンドル]]する手法を取り入れた。『[[ファイナルファンタジーVII]]』の体験版が付属した『[[トバルNo.1]]』、『[[ファイナルファンタジーVIII]]』の体験版が付属した『[[ブレイヴフェンサー 武蔵伝]]』などがヒット作として挙げられるが、これらはソフト本体が体験版の[[おまけ]]のような扱いをされてしまった。


[[2000年代]]以降、携帯ゲーム機の内蔵メモリの容量増加により、店頭やイベント会場においてゲーム機への一時的な体験版のダウンロードを行えるようになった。[[ゲームボーイアドバンス]]向けの[[月刊任天堂店頭デモ]]がその先駆けであるが、2004年末以降は[[無線LAN]]を搭載した携帯ゲーム機([[ニンテンドーDS]]、[[プレイステーション・ポータブル]])向けに店頭端末を用いて体験版を配布するサービスが行われている。(→[[DSステーション]]、[[プレイステーションスポット]])同じく、[[インターネット]]接続機能がある据置型ゲーム機([[Xbox 360]]、[[プレイステーション3]]、[[Wii]])に体験版を配布するサービスが行われている。(→[[Xbox Live]]、[[PLAYSTATION Store]]、[[WiiConnect24]])
[[2000年代]]以降、携帯ゲーム機の内蔵メモリの容量増加により、店頭やイベント会場においてゲーム機への一時的な体験版のダウンロードを行えるようになった。[[ゲームボーイアドバンス]]向けの[[月刊任天堂店頭デモ]]がその先駆けであるが、2004年末以降は[[無線LAN]]を搭載した携帯ゲーム機([[ニンテンドーDS]]、[[プレイステーション・ポータブル]])向けに店頭端末を用いて体験版を配布するサービスが行われている。(→[[DSステーション]]、[[プレイステーションスポット]])
さらに2005年以降は[[インターネット]]接続機能がある据置型ゲーム機([[Xbox 360]]、[[プレイステーション3]]、[[Wii]])によって、家庭から体験版をダウンロードできるサービスが行われている。(→[[Xbox Live]]、[[PLAYSTATION Store]]、[[WiiConnect24]])


==関連項目==
==関連項目==

2007年10月2日 (火) 14:14時点における版

体験版(たいけんばん)とは、主にパソコンソフトウェア(特にアダルトゲーム)やテレビゲームなどで、販売促進の為に機能を制限して頒布するバージョンのこと。

試供品とは異なり、必ずしも「完成済みの作品」である必要はなく、依然開発中の作品を切り出しても問題ないため、いわゆるアルファ版ベータ版の意味合いでもって体験版とすることもある。

機能制限の例

  • 使用できる期間を設ける(30日等)
  • 一定時間しか実行できない(10分等)
  • 一定ステージまでしかプレイできない(1面のみ等)
  • 特別編(本編のシナリオの代わりに、オリジナル展開が用意される)になっている
  • ファイルやクリアを記録出来なくする
  • 解像度が低い
  • BGM効果音がない
  • 画面やデータの一部に体験版を示す表記が出る
  • 動作に予期せぬ不具合が起こってもディスクの交換に応じない

これら様々な方法を組み合わせている場合もある。また、利用料金を支払うことで、そのまま製品版に移行できるタイプの体験版やシェアウェアも存在する。

不完全版・有料体験版

製作中のベータ版(βばん)として、実際に販売される内容とは異なる状態で頒布されるケースも多く見られる。その為、中途半端な体験版を頒布することは販売促進において逆効果となってしまう場合もあるので消費者・生産者ともに注意が必要である。

体験版のほとんどは無料であるが、これに製品版と比べて安価な料金(媒体の料金や郵送費は含まない)を課す場合も見られる(有料体験版)。

こうした手法は、開発のための資金を得つつ、作品の質を安定させる為に行われるが、

  • 未完成品を売り物として良いのか?
  • 完成する見込みがなくなったので出来上がった分だけ売るという魂胆ではないのか?
  • 完成版は出ないのではないか?

という批判が向けられることもある。

ちなみに、製品版として一度世に送り出されたものであっても、質が特に良くない場合には、逆に「ユーザに金を払わせてバグ出しをさせるソフト」という皮肉を込めて「有料体験版」と揶揄したりする。

頒布形態

以前は体験版を記録したCD等の記録媒体を雑誌や店頭で配布する事が多かったが、2000年以降、ブロードバンドの普及に伴い、メーカーのウェブサイトを介し、ダウンロードする形で配布されることが多くなった。また、Adobe Flashなどを使って擬似的に内容を再現することで体験版としている作品もある(逆転裁判シリーズのように、素早いボタン操作を必要としないゲームで見られる)。

家庭用ゲーム機における体験版

1990年代以前は製造にコストがかかるロムカセット方式のハードが主流であったため、店頭デモやイベントでの試遊が主で、個人向けに体験版の配布が行われることはほとんどなかった。任天堂スーパーファミコン向けのサテラビューを用いて、メディアを伴わないデータのみの体験版を配布したことがあったものの、システム自体の敷居が高く普及は進まなかった。

1990年代に入り、メディアにCD-ROMを採用するハード(プレイステーションセガサターンなど)が普及してくると、そのコストの低さを生かし積極的な体験版配布がなされる様になった。店頭やゲームイベントでの自由配布のほか、雑誌の付録として体験版ディスクが封入されるというケースが一般的だったが、旧スクウェア(現・スクウェア・エニックス)は開発中の大型タイトルの体験版を新作ゲームソフトにバンドルする手法を取り入れた。『ファイナルファンタジーVII』の体験版が付属した『トバルNo.1』、『ファイナルファンタジーVIII』の体験版が付属した『ブレイヴフェンサー 武蔵伝』などがヒット作として挙げられるが、これらはソフト本体が体験版のおまけのような扱いをされてしまった。

2000年代以降、携帯ゲーム機の内蔵メモリの容量増加により、店頭やイベント会場においてゲーム機への一時的な体験版のダウンロードを行えるようになった。ゲームボーイアドバンス向けの月刊任天堂店頭デモがその先駆けであるが、2004年末以降は無線LANを搭載した携帯ゲーム機(ニンテンドーDSプレイステーション・ポータブル)向けに店頭端末を用いて体験版を配布するサービスが行われている。(→DSステーションプレイステーションスポット

さらに、2005年以降はインターネット接続機能がある据置型ゲーム機(Xbox 360プレイステーション3Wii)によって、家庭から体験版をダウンロードできるサービスが行われている。(→Xbox LivePLAYSTATION StoreWiiConnect24

関連項目