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近年の[[分子系統解析]]によれば、リュウビンタイ科は[[トクサ類]]に近縁で、これらは姉妹群の可能性もある。

参考文献
*Pryer, K. M., Schuettpelz, E., Wolf, P. G., Schneider, H., Smith, A. R., and Cranfill, R. (2004). Phylogeny and evolution of ferns (monilophytes) with a focus on the early leptosporangiate divergences. ''American Journal of Botany'' 91: 1582-1598 ([http://www.amjbot.org/cgi/reprint/91/10/1582]; pdf).
* A. R. Smith, K. M. Pryer, E. Schuettpelz, P. Korall, H. Schneider, P. G. Wolf. 2006. "A classification for extant ferns". ''Taxon'' 55(3), 705-731 ([http://www.pryerlab.net/publication/fichier749.pdf]; pdf)


[[Category:シダ類|りゆうひんたいか]]
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2007年9月26日 (水) 00:15時点における版

リュウビンタイ科(Marattiaceae)はシダ植物門の分類群。大型の常緑性シダで、熱帯亜熱帯森林に自生する。日本では本州南岸以南に2属5種自生する。塊状の地下茎から複葉を出す。

リュウビンタイ科はハナヤスリ類とともに、「真嚢シダ類」とも呼ばれる。これは胞子嚢が複数の細胞に由来し、複数の細胞層に包まれているためである(それ以外のシダは薄嚢シダ類といい、胞子嚢は単一の細胞層に包まれる)。現生種はAngiopteris(リュウビンタイ属)、ChristenseniaDanaeaMarattia(リュウビンタイモドキ属)の4属からなり、そのほかに化石種も多数知られている。

リュウビンタイ属はオセアニアからマダガスカルにかけて分布し、葉は羽状複葉、大型で長さ9メートルに及ぶものもある。リュウビンタイ(竜鱗、Angiopteris lygodiifolia)は本州南岸(伊豆半島以南)から台湾に自生し、観葉植物としても栽培する。

リュウビンタイモドキ属は熱帯(特に山地)に広く分布する。地下茎は球状で、食用にされるものもある。葉は羽状複葉。リュウビンタイモドキ(Marattia boninensis)が小笠原諸島に自生する。

Christensenia属は東南アジアに分布し、掌状複葉をつける。

Danaea属は熱帯アメリカに産し、2回羽状複葉で、栄養葉と別に胞子葉が出る。


近年の分子系統解析によれば、リュウビンタイ科はトクサ類に近縁で、これらは姉妹群の可能性もある。

参考文献

  • Pryer, K. M., Schuettpelz, E., Wolf, P. G., Schneider, H., Smith, A. R., and Cranfill, R. (2004). Phylogeny and evolution of ferns (monilophytes) with a focus on the early leptosporangiate divergences. American Journal of Botany 91: 1582-1598 ([1]; pdf).
  • A. R. Smith, K. M. Pryer, E. Schuettpelz, P. Korall, H. Schneider, P. G. Wolf. 2006. "A classification for extant ferns". Taxon 55(3), 705-731 ([2]; pdf)