渡邉勇太朗

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渡邉 勇太朗
埼玉西武ライオンズ #12
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 埼玉県羽生市
生年月日 (2000-09-21) 2000年9月21日(23歳)
身長
体重
191 cm
106 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2018年 ドラフト2位
初出場 2021年6月9日
年俸 820万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

渡邉 勇太朗(わたなべ ゆうたろう、2000年9月21日 - )は、埼玉県羽生市出身のプロ野球選手投手)。右投右打。埼玉西武ライオンズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

小学校1年から野球を始め、5年から投手となる[2]羽生市立東中学校では軟式野球部に入部し、2年夏に関東大会に出場した[3]

浦和学院高等学校では1年秋からベンチ入り。3年春は右肘を痛めベンチ外となるが、5月の関東大会で復帰。夏には甲子園大会に出場したが、準々決勝の大阪桐蔭高等学校戦で敗退した[4]。甲子園大会後はAAAアジア野球選手権大会の日本代表に選出された。同学年に後に西武でチームメイトとなる蛭間拓哉がいる。

2018年10月25日に行われたドラフト会議では、埼玉西武ライオンズから2位指名を受け、11月15日に契約金7,000万円、年俸650万円で契約した[5]。背番号は12

西武時代[編集]

2019年のルーキーイヤーは身体づくりを中心に取り組み[6]イースタン・リーグでは2試合に登板したが、3回2/3を投げて被安打10・防御率14.73と打ち込まれた[7]

2020年はイースタン・リーグで4試合に登板、22回1/3を投げて被安打30・防御率5.24という成績であった[8]

2021年は初めて春季キャンプをA班でスタートするも[9]、開幕は二軍で迎えた。4月までは二軍でも防御率9点台と苦しんでいたが、5月は1先発を含む3試合で防御率2.25と結果を残し、6月8日に一軍初昇格[10]。翌9日の横浜DeNAベイスターズ戦でプロ初登板し、3回2安打1四球2奪三振、無失点と好投[11]。6月14日の広島東洋カープ戦では1点リードの6回裏から3番手として登板。2回を無失点に抑え、プロ2試合目でプロ初ホールドを記録した[12]。登録抹消されることなく前半戦を中継ぎとして終えると、エキシビションマッチでは先発としてアピールし[13]、後半戦の開幕3試合目となった8月15日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でプロ初先発を果たし、5回1失点の好投でプロ初勝利を挙げた[14]。その後も先発ローテーションを守り、スタミナ面には課題を残したが[15]、後半戦は9試合の先発で4勝2敗、42イニングを投げて防御率3.21を記録した[16]。シーズン全体では17試合(9先発)の一軍登板で4勝4敗2ホールド・防御率3.44を記録し、オフに350万円増となる推定年俸1000万円で契約を更改した[17]

2022年は初の開幕ローテーション入りを果たし、開幕3試合目のオリックス・バファローズ戦でシーズン初登板初先発となるも[18]、3回6安打2四死球6失点(自責点4)の乱調で勝敗は付かなかった[19]。続く4月3日の千葉ロッテマリーンズ戦では5回1/3を4安打7四球3失点という内容で敗戦投手となり[20]、翌4日に出場選手登録を抹消された[21]。7月22日の楽天戦で約3か月半ぶりとなる一軍先発登板となり、5回0/3を2失点でシーズン初勝利を挙げたものの[22]、翌23日に出場選手登録を抹消されると[23]、8月12日には新型コロナウイルスに感染[24]。その後の一軍登板は無くシーズンを終え、この年は3試合の先発登板で1勝1敗・防御率6.08という成績にとどまった。オフに150万円減となる推定年俸850万円で契約を更改した[25]

2023年は春季キャンプ明けから右肩の怪我があり[26]、春先から実戦登板はしていたものの[27][28]ストレートの最速が145~146km/hと球速の低下が見られていた[29]。前年は92kgだった体重を少しずつ増やすと、ストレートが強化され[26]、本人も「真っすぐの速さと強さが良くなった」とコメントし、9月20日の北海道日本ハムファイターズ戦でシーズン初登板初先発[30]。ストレートの最速は152km/hを計測し、5回無失点でシーズン初勝利を挙げた[31]。続く同27日の楽天戦でも6回1失点と試合を作り[32]、この年は2試合の先発登板で1勝、防御率0.82だった。

プレースタイル・人物[編集]

ストレートの最速は153km/h[14]。変化球はカットボールを最も得意としており[33]、他にスライダーカーブスプリットを投げる[34]

愛称は「ナベU」。「ナベQ」と呼ばれている渡辺久信ゼネラルマネージャーにあやかったものである[35]

幼少期から西武ファンであり、野球をやっていた兄のチームメイトが浦和学院で甲子園出場を果たし、その姿に憧れて浦和学院に進学した[36]

憧れの選手は大谷翔平で、投球フォームも似ている[37]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2021 西武 17 9 0 0 0 4 4 0 2 .500 232 55.0 43 3 30 0 3 33 4 0 24 21 3.44 1.33
2022 3 3 0 0 0 1 1 0 0 .500 67 13.1 15 1 11 0 1 6 2 0 11 9 6.08 1.95
2023 2 2 0 0 0 1 0 0 0 1.000 42 11.0 7 0 5 0 0 4 0 0 1 1 0.82 1.09
通算:3年 22 14 0 0 0 6 5 0 2 .545 341 79.1 65 4 46 0 4 43 6 0 36 31 3.52 1.40
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2021 西武 17 4 10 2 3 .875
2022 3 2 2 0 0 1.000
2023 2 0 0 0 0 .---
通算 22 6 12 2 3 .900
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 12(2019年 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 西武 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年11月26日閲覧。
  2. ^ “【南埼玉】浦和学院・渡辺勇太朗、自己最速タイ146キロで6回0封 決勝進出”. スポーツ報知. (2018年7月21日). https://hochi.news/articles/20180721-OHT1T50318.html 2019年2月11日閲覧。 
  3. ^ 渡邊勇太朗(埼玉西武ライオンズ)”. 週刊ベースボールONLINE. 2021年6月15日閲覧。
  4. ^ “浦和学院・渡辺「直球の力負けは実力不足」プロでの活躍誓う「155キロ投げたい」”. スポーツ報知. (2018年2月18日). https://hochi.news/articles/20180818-OHT1T50223.html 2019年2月11日閲覧。 
  5. ^ “西武2位渡辺勇太朗が入団合意、対戦したい打者は?”. 日刊スポーツ. (2018年11月21日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201811210000791.html 2019年2月11日閲覧。 
  6. ^ 西武ドラ2ルーキー右腕が過ごしたプロ1年目 内海の姿勢に感銘「本当にすべてが勉強」”. Full-Count (2019年11月22日). 2021年10月18日閲覧。
  7. ^ 2019年度 埼玉西武ライオンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2021年10月18日閲覧。
  8. ^ 2020年度 埼玉西武ライオンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2021年10月18日閲覧。
  9. ^ 西武渡辺が初A班キャンプ、内海へ電話で教え仰ぐ”. 日刊スポーツ (2021年1月29日). 2021年1月29日閲覧。
  10. ^ 西武渡辺勇太朗が初昇格「スタートライン」中日根尾らと同期”. 日刊スポーツ (2021年6月8日). 2021年6月8日閲覧。
  11. ^ 愛斗が攻守に活躍&渡邉勇太朗が3回無失点の好救援。埼玉西武が引き分けに持ち込む”. パ・リーグ.com (2021年6月9日). 2021年6月9日閲覧。
  12. ^ 西武辻監督、白星の“譲渡”画策? 2回無失点の渡辺を高評価”. 西日本スポーツ (2021年6月14日). 2021年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月13日閲覧。
  13. ^ 【西武】3年目右腕の渡辺勇太朗が7回途中2失点 後半戦の先発ローテ入りへ「いいステップになった」”. スポーツ報知 (2021年7月30日). 2021年10月18日閲覧。
  14. ^ a b 初先発初勝利の西武渡辺勇太朗「内海さんノート」にメンタル改革で成長”. 日刊スポーツ (2021年8月15日). 2021年8月19日閲覧。
  15. ^ 西武・渡辺がビジター初勝利で4勝目 6回無失点「スタミナ面は今後の課題に」”. Sponichi Annex (2021年10月17日). 2021年10月18日閲覧。
  16. ^ 42年ぶりの最下位に沈んだ西武、投手陣の立て直しは復活への至上命題|プロ野球2021振り返り・2022展望”. スポーティングニュース (2022年2月1日). 2023年2月9日閲覧。
  17. ^ 350万アップ西武渡辺が師匠内海におねだり「2桁勝てば…」”. 西日本スポーツ (2021年12月9日). 2022年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月13日閲覧。
  18. ^ 初の開幕ローテ入り西武渡辺27日オリ戦先発「いつも通りで」”. 西日本スポーツ (2022年3月26日). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月13日閲覧。
  19. ^ 2022年3月27日 【公式戦】 試合結果 (埼玉西武vsオリックス)”. 日本野球機構. 2023年2月9日閲覧。
  20. ^ 2022年4月3日 【公式戦】 試合結果 (千葉ロッテvs埼玉西武)”. 日本野球機構. 2023年2月9日閲覧。
  21. ^ ヤクルト丸山和郁、ロッテ二木康太、日本ハム佐藤龍世ら抹消/4日公示”. 日刊スポーツ (2022年4月4日). 2023年2月9日閲覧。
  22. ^ 西武・渡辺が待望の今季初勝利 6回途中2失点 開幕ローテ入りも2試合で2軍落ち”. Sponichi Annex (2022年7月22日). 2023年2月9日閲覧。
  23. ^ ロッテ田村龍弘ら特例2022で登録 日本ハム石井一成ら特例2022で抹消/23日公示”. 日刊スポーツ (2022年7月23日). 2023年2月9日閲覧。
  24. ^ 西武・渡邉勇太朗が新型コロナ陽性 発熱や頭痛など複数の症状あり”. BASEBALL KING (2022年8月13日). 2023年2月9日閲覧。
  25. ^ 西武・渡辺勇太朗は150万円減の850万円で更改 今季初開幕ローテ入りも「この1年ピリッとしなかった」”. 西日本スポーツ (2022年11月29日). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月13日閲覧。
  26. ^ a b 西武の逸材23歳が“覚醒間近” 内海哲也コーチとの運命…最終日に起きた奇跡”. Full-Count (2023年10月12日). 2023年10月13日閲覧。
  27. ^ 【練習試合】川野涼多は適時打&好走塁! 埼玉西武が6投手の継投で接戦を制す”. パ・リーグ.com (2023年3月2日). 2023年10月13日閲覧。
  28. ^ 試合結果 3月14日(火) 2023年 春季教育リーグ”. 日本野球機構. 2023年10月13日閲覧。
  29. ^ 西武・渡辺勇太朗が今季初登板で5回無失点の好投 今季初勝利の権利を持って降板”. サンスポ (2023年9月20日). 2023年10月13日閲覧。
  30. ^ 「やっと呼んでもらえた」西武5年目右腕、渡辺勇太朗が20日に今季初先発 浦和学院同級生の蛭間拓哉と競演も”. 西スポWEB otto! (2023年9月19日). 2023年10月13日閲覧。
  31. ^ 西武・渡辺「腕振って強い真っすぐ投げられた」5回零封で昨年7月以来の白星 恩師・森士氏も感激”. Sponichi Annex (2023年9月21日). 2023年10月13日閲覧。
  32. ^ 【西武】渡辺勇太朗6回1失点も2勝目ならず「先制点を与えてしまったことが反省点」”. スポーツ報知 (2023年9月27日). 2023年10月13日閲覧。
  33. ^ 【西武】渡辺勇太朗、プロ3年目初勝利 師匠・内海の教え記したノートがマストアイテム”. スポーツ報知 (2021年8月16日). 2021年12月6日閲覧。
  34. ^ “西武2位は浦和学院・渡辺、大谷翔平似投球フォーム”. 日刊スポーツ. (2018年10月25日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201810250000753.html 2019年2月11日閲覧。 
  35. ^ 西武ナベQは「ナベU」にべたぼれ ドラ2指名あいさつ「無限の伸びしろ」”. 西日本スポーツ (2018年11月8日). 2021年8月15日閲覧。
  36. ^ “西武ドラ2ルーキー右腕が過ごしたプロ1年目 内海の姿勢に感銘「本当にすべてが勉強」”. Full-Count. (2019年11月22日). https://full-count.jp/2019/11/22/post611558/ 2019年11月22日閲覧。 
  37. ^ “西武2位・渡辺 埼玉出身投手陣の柱に「なじみ深いチーム」”. スポニチアネックス. (2018年10月26日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/10/26/kiji/20181026s00001728052000c.html 2019年2月11日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]