楠本憲吉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

楠本 憲吉(くすもと けんきち、1921年12月19日 - 1988年12月17日)は、俳人随筆家

略歴[編集]

大阪府生まれ。実家は料亭・なだ万灘中学校 (旧制)を経て(同級に遠藤周作)、慶應義塾大学法学部卒業、さらに学士入学仏文科卒業。在学中、1945年より句作を始め「慶大俳句」を組織し、日野草城に師事。卒業直後、作品「疲れた町」が新俳句人連盟の『俳句人』1948年2月号の特別作品に選ばれる[1]。のち草城の「青玄」無鑑査同人となる。

俳誌「野の会」を主宰し、俳句作家連盟会長、現代俳句協会顧問、東横学園女子短期大学客員教授を歴任。一般向けの随筆も多く、女性論、家族論、手紙、食事、酒など話題が豊富で洒脱な語り口ゆえ、テレビにもしばしば出演した。

著書[編集]

  • 近代俳句の成立 現代書房 1955
  • 俳句を作る人に 現代俳句入門 東京創元社 1956
  • 一筋の道は尽きず 昭和俳壇史 近藤書店 1957
  • 石田波郷 南雲堂桜楓社 1962 (俳句シリーズ 人と作品)
  • 正岡子規 明治書院 1966 (近代作家叢書)
  • 近代俳句 対談集 桜楓社 1966 (現代の教養)
  • それでも女房はコワイ 秋田書店 1966 (サンデー新書)
  • 眼中の句 私の俳論・俳文集 海燕社 1967
  • 楠本憲吉集 八幡船社 1967 (私版・短詩型文学全書)
  • おんな歳時記 人物往来社 1967
  • メオトロジー 現代夫婦学 日本経済新聞社 1967
  • 題名のない本 マジメ粋筆 コダマプレス 1967
  • 悪女のすすめ 山王書房 1968
  • 昭和元禄どうらく帖 女はんなら誰かてよろし 徳間書店 1969
  • 和菓子風土記 文化出版局 1970 (レモン新書)
  • たべもの歳時記 読売新聞社 1970
  • クスケンの人生探険 対談集 駿河台書房 1970
  • 俳句入門 文藝春秋 1970 のち文庫
  • かあちゃん教育 女であることを忘れていないか 三崎書房 1971 (バニーブックス)
  • 倉敷風物詩 写真:中村昭夫 朝日新聞社 1972
  • 楠本憲吉歳時記 文陽社 1972
  • イラスト源氏物語 現代によみがえる愛のエチュード 産報ブックス 1972
  • 旅に美味あり 日本交通公社 1972 (ベルブックス)
  • 女とは 女ということと良妻賢母を語る 三崎ブックス 1972
  • 昭和さむらい伝 ダイヤモンド社 1973
  • 女色・酒色・旅色 琅玕洞つれづれ 日本経済通信社 1973
  • 置酒歓語 朝日新聞社 1973
  • 句の旅一歩 私の俳句ノート じゃこめてい出版 1973
  • 現代ママ気質 ママの考え方と生き方 三晃書房 1973
  • 式辞挨拶の秘訣 晴れの舞台で恥をかかぬための本 佼成出版社 1973 (Kosei books)
  • 娘達に与える本 主婦と生活社 1973 (あひるブックス)
  • 心をとらえるあいさつとスピーチ 主婦の友社 1973 (主婦の友文庫)
  • 3分で書ける手紙実用集 これだけ知らないと恥をかく 青春出版社 1974 (プレイブックス)
  • 言葉のおしゃれ あなたの魅力を引きだすために PHP研究所 1974 のち文庫
  • 大阪・神戸味めぐり 柴田書店 1975 (味覚選書)
  • たべもの咄 読売新周社 1976
  • 船場育ち PHP研究所 1976
  • 男の酒ものしり学169 知的飲ん兵衛に贈る本 ロングセラーズ 1977.12 (ムックの本)
  • しあわせ歳時記 鎌倉書房 1977.10
  • 日本語の愉しみ 対談集 PHP研究所 1978.9
  • 楠本憲吉の式辞あいさつ全科 家の光協会 1978.11
  • ことばのセンス 美しい人になるために PHP研究所 1978.11
  • 隠花植物 句集 深夜叢書社 1978.10
  • 味の談話室 広論社 1979.1
  • 俳句の指定席 広論社 1979.7
  • たべもの草紙 三月書房 1980.5
  • ことばのスケッチブック PHP研究所 1980.7
  • 話の散歩道 広論社 1980.11
  • 楠本憲吉の香港案内 三修社 1980.12
  • 俳句上達法 ここがポイント 講談社 1980.12 (オレンジバックス)
  • 手紙上手になる本 自分の気持ちを的確に伝えるために 日本文芸社 1981.4
  • 美味求心 総合労働研究所 1981.9 (LD文庫)
  • 女ひとりの幸はあるか 現代書林 1981.7
  • みそ汁礼賛 光文社 1981.10 (カッパ・ホームス)
  • 味のある話 文陽社 1982.5
  • 会社の冠婚葬祭 ビジネス・マナー心得帖 産報出版 1982.5
  • 女が美的に見えるとき おしゃれな会話から冠婚葬祭まで 主婦と生活社 1982.7
  • 女性のための俳句入門 こんなに愉しい17文字の世界 PHP研究所 1982.7 (ライフ・カレント)
  • ここに味あり 広論社 1982.5
  • 食べる楽しみ旅する楽しみ 自由現代社 1982.6
  • 洒落た会話のタネ本 会話・スピーチに味を添えるちょっといい話! 日本文芸社 1982.12
  • 俳句上手になる本 俳句の基礎知識から好句のつくり方まで 日本文芸社 1983.4
  • 言いにくい、困ったときの上手な話し方 永岡書店 1983.7
  • 楠本憲吉の結婚読本 光風社出版 1983.1
  • 自選自解楠本憲吉句集 白凰社 1985.11 (現代の俳句)
  • 楠本憲吉のたべもの歳時記 新年/冬春夏秋 桜楓社 1985-1986
  • 披露宴の司会 これで安心 柏書房 1985.4
  • 楠本憲吉のちょっと味のある話 時事通信社 1986.10
  • 俳句のひねり方 首や頭をひねるまえに読む本 ごま書房 1987.5 (ゴマブックス)
  • はじめて川柳を作る 主婦の友社 1987.4
  • すぐに役だつ手紙はがきの書き方 家の光協会 1988.5
  • 楠本憲吉 花神社 1995.11 (花神コレクション)
  • 楠本憲吉全句集 増補 沖積舎 2005.10

共編著[編集]

  • 戦後の俳句 <現代>はどう詠まれたか 社会思想社 1966 (現代教養文庫)
  • 任侠映画の世界 荒地出版社 1969
  • 花嫁を走らせないで… ビジネス教育出版社 1971
  • 日本の一流品 新版 ぺりかん社 1972
  • 東京うまい菓子たべあるき バーバラ寺岡共著 柴田書店 1974
  • 四季の愛唱歌 音楽歳時記 阿子島たけし共著 ホーチキ商事出版部 1976
  • 俳句歳時記生活 秋冬/春夏 保育社 1976-77 (カラーブックス)
  • 新・俳句への招待 川名大共著 日貿出版社 1978
  • シンガポール案内 内山芳朗共著 三修社 1979.5 (コロンブックス)
  • 新・川柳への招待 山村祐共著 日貿出版社 1980.2
  • 対談・理外の理 安藤豊禄共著 旺史社 1980.5
  • 旅鞄 紀行随筆集 広論社 1983.1
  • 作句歳時記 新年/冬春夏秋 講談社 1988-1989

テレビ出演[編集]

ラジオ出演[編集]

参考文献[編集]

  • 楠本憲吉」 デジタル版日本人名大辞典+Plus(kotobank)

脚注[編集]

  1. ^ 『俳句人』1948年2月号6頁、41頁

外部リンク[編集]