本羽田

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本羽田
町丁
羽田国際高等学校
蒲田女子高等学校)
地図北緯35度32分50秒 東経139度43分59秒 / 北緯35.547239度 東経139.733094度 / 35.547239; 139.733094
日本の旗 日本
都道府県 東京都の旗 東京都
特別区 大田区
地域 蒲田地域
人口情報2023年(令和5年)1月1日現在[1]
 人口 11,981 人
 世帯数 5,895 世帯
面積[2]
  0.68789116 km²
人口密度 17417 人/km²
設置日 1964年(昭和39年)4月1日
郵便番号 144-0044[3]
市外局番 03(東京MA[4]
ナンバープレート 品川
ウィキポータル 日本の町・字
東京都の旗 ウィキポータル 東京都
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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本羽田(ほんはねだ)は、東京都大田区町名。現行行政地名は本羽田一丁目から本羽田三丁目。住居表示実施済区域。

概要[編集]

大田区の南東部に位置する。町域の北部は大田区萩中に接する。東部は東京都道・神奈川県道6号東京大師横浜線産業道路)に接し、これを境に大田区羽田に接する。南部一帯は多摩川を境に神奈川県川崎市川崎区に接する。西部は大田区南六郷に接する。

町域のほとんどは多摩川の左岸にあるが、右岸(川崎市側)の一部に飛び地が存在する。これは、明治時代まで蛇行していた多摩川の流路の痕跡である[5]

当町域の用途地域はほとんどが準工業地域のため、住宅工場が混在した地域になっているが、近年は工場の閉鎖廃業に伴い集合住宅の建設が急増している。

歴史[編集]

「羽田郷土史」では、羽田村は源義朝平清盛に敗れた平治の乱の後、源氏落武者7人が羽田浦に漂着して開村したと伝えているという。(よく似た話は琵琶湖沖島などにもある。)

羽田村は中世以来漁村だったが、比較的早い段階で現在の東糀谷辺りが干拓され、六郷領用水が羽田地区まで引かれたこともあり、農村として発達した側面ももっていた。

1693年(元禄6年)頃、多摩川に面した一帯の漁村部が農村部と分かれる形で羽田猟師町が分村、当初その境界はあいまいだったとされる。同年に萩中村も分村された。

1829年文政12年)、現在の羽田空港にあたる開墾地が、羽田猟師町から分かれて「鈴木新田」と名付けられた。その後、羽田村・羽田猟師町・鈴木新田の三集落を合わせて「羽田三ヶ村」といわれるようになった[6]

1889年明治22年)5月1日町村制の施行に伴い、東京府荏原郡麹谷村萩中村・鈴木新田・羽田猟師町・羽田村の全域が合併し、東京府荏原郡羽田村が発足。現・本羽田にあたる地域は、東京府荏原郡羽田村大字羽田となる。

1907年(明治40年)10月4日、羽田村が町制施行して東京府荏原郡羽田町大字羽田となる。

1932年昭和7年)10月1日、荏原郡全域が東京市に編入。東京府東京市蒲田区羽田本町と改称された[7]。同時に東側が大字羽田猟師町と合わさって、羽田一丁目および三丁目として分離した。

本町は都の隅に在り、多摩川口の左岸に位し、東は東京灣に面してゐる。 穴守稻荷の存在に依つて古くから知られた漁村であるが最近東洋一の飛行場の設置に依つて共の名は世界的となつた。小田原北條氏の時代には羽田浦又は扇ケ浦と稱し家人行方彈正の所領となり、德川氏入國後は其の直領として代官を置かれた。元祿六年羽田村から羽田獵師町を分ち、同年更に羽田村から萩中村が分村し、文化十二年羽田獵師町から鈴木新田を分つた。天保十四年に幕府は海外の事情(阿片戰爭)に鑑み此地に奉行を置き老中眞田幸貫をして羽田奉行に任じ砲臺を築かしめた。明治元年品川縣に屬し、同年東京府の管下に入り明治二十二年に羽田、羽田獵師町、鈴木新田、糀谷、下袋、濱竹、萩中を合併して羽田村を編成したが同四十年十月町となった。漁業を以て生業としてゐる。

本町は蒲田より分岐して居る京濱電車と京濱バスを唯一の交通機関として居る。 敎育施設としては本町は面積廣き爲め、尋常高等小學校二、尋常小學校二を有する。逐年兒童が増加する結果全校二部敎授を施工するの止むなき狀態である。 其他實業補習學校二、靑年訓練所二、尋常夜學校一がある。尚東京府立工藝學校の實習所が設置されてゐる。 町内の社會事業としては方面委員制度の外見るべきものなく、町營以外では府立勞働紹介所出張所が町役場内に設置されてゐる外私設の羽田保育會託兒所がある。

町内の神社佛閣を通じて著名なものは穴守神社だけである。 — 昭和7年刊『市域拡張記念 大東京概観 第六節 蒲田區 羽田町』より

1943年(昭和18年)7月1日 、東京都制により東京府と統合されて東京市は廃止。東京都蒲田区羽田本町となる。

1947年(昭和22年)3月15日、蒲田区が大森区と合併し、東京都大田区羽田本町となる。

1964年(昭和39年)4月1日、住居表示により萩中町・羽田本町などの一部から本羽田一丁目から三丁目が成立した[8]

町名の変遷[編集]

実施後 実施年月日 実施前
萩中町 1932年10月1日 荏原郡羽田町大字萩中
羽田本町 荏原郡羽田町大字羽田字西馬場耕地・字駿河耕地・字四町歩耕地・字東馬場耕地・字畑耕地・字尾崎耕地・字久我耕地
実施後 実施年月日 実施前(各町名ともその一部)
本羽田一丁目 1964年4月1日 萩中町、羽田本町
本羽田二丁目 萩中町、羽田本町
本羽田三丁目 萩中町、羽田本町

世帯数と人口[編集]

2023年(令和5年)1月1日現在(東京都発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
本羽田一丁目 2,201世帯 4,264人
本羽田二丁目 2,048世帯 4,339人
本羽田三丁目 1,646世帯 3,378人
5,895世帯 11,981人

人口の変遷[編集]

国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[9]
9,643
2000年(平成12年)[10]
10,490
2005年(平成17年)[11]
11,038
2010年(平成22年)[12]
11,321
2015年(平成27年)[13]
11,985
2020年(令和2年)[14]
12,089

世帯数の変遷[編集]

国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[9]
3,585
2000年(平成12年)[10]
4,024
2005年(平成17年)[11]
4,377
2010年(平成22年)[12]
4,893
2015年(平成27年)[13]
5,223
2020年(令和2年)[14]
5,665

学区[編集]

区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2023年3月時点)[15][16]

丁目 番地 小学校 中学校
本羽田一丁目 1〜3番
8〜18番
23〜25番
31〜32番
大田区立出雲小学校 大田区立出雲中学校
4〜7番 大田区立中萩中小学校
19〜22番
26〜30番
大田区立都南小学校
本羽田二丁目 5〜16番
1〜4番 大田区立中萩中小学校
本羽田三丁目 4〜11番
24〜30番
大田区立萩中小学校
1〜3番
12〜23番
大田区立都南小学校

事業所[編集]

2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[17]

丁目 事業所数 従業員数
本羽田一丁目 151事業所 1,026人
本羽田二丁目 132事業所 1,174人
本羽田三丁目 70事業所 822人
353事業所 3,022人

事業者数の変遷[編集]

経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[18]
381
2021年(令和3年)[17]
353

従業員数の変遷[編集]

経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[18]
3,244
2021年(令和3年)[17]
3,022

施設[編集]

交通[編集]

当地域内に鉄道駅はないが、北部方向にある京急空港線糀谷駅大鳥居駅穴守稲荷駅、西部方向にある京急本線雑色駅へは概ね徒歩15分程度の距離で、蒲田駅川崎駅からのバス路線の利用もある。

その他[編集]

日本郵便[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 住民基本台帳による東京都の世帯と人口(町丁別・年齢別)  令和5年1月” (CSV). 東京都 (2023年4月6日). 2023年12月17日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  2. ^ 『国勢調査町丁・字等別境界データセット』(CODH作成)”. CODH. 2023年12月16日閲覧。(CC-BY-4.0)
  3. ^ a b 本羽田の郵便番号”. 日本郵便. 2023年11月17日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ <大田新聞>多摩川に飛び地がある 「暴れ川」集落を分断”. 東京新聞 (2020年8月20日). 2022年12月15日閲覧。
  6. ^ 森重和雄『羽田時空旅行〜観て・知る・歩く羽田〜』出版舎風狂童子、2021年12月22日、40頁。 
  7. ^ 東京市新區町名地番表 - 国立国会図書館近代デジタルライブラリー
  8. ^ 1965年(昭和40年)6月15日自治省告示第91号「住居表示が実施された件」
  9. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  11. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  12. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  13. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  14. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  15. ^ 区立小学校通学区域一覧” (XLSX). 大田区 (2023年3月30日). 2023年12月16日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  16. ^ 区立中学校通学区域一覧” (XLSX). 大田区 (2023年3月30日). 2023年12月16日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  17. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  18. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  19. ^ 郵便番号簿 2022年度版” (PDF). 日本郵便. 2023年10月28日閲覧。

外部リンク[編集]