木村栄一

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木村 栄一木村 榮一、きむら えいいち、1943年9月13日 - )は、日本スペイン文学者(専攻はスペイン語圏のラテンアメリカ文学)。 神戸市外国語大学名誉教授。元神戸市外国語大学学長。2019年瑞宝重光章受章。

経歴[編集]

大阪市生まれ[1]。第一期生として神戸市外国語大学イスパニア語科を卒業。鼓直に師事[2]

母校の助教授・教授を経て、2005年8月から2011年3月まで学長職に就いた。

ラテンアメリカ文学の翻訳紹介を精力的に行い、下記一覧で多数の訳書がある。また、恩師に教わったという魚釣りに関するエッセイもある。須賀敦子翻訳賞選考委員。

2019年、瑞宝重光章受章[3][4]

著書[編集]

  • 『スペインの鱒釣り』(平凡社) 1996
  • 『神戸釣り倶楽部』(平凡社) 1999
  • 『ドン・キホーテの独り言』(岩波書店) 2001
  • 『ラテンアメリカ十大小説』(岩波新書) 2011
  • 『謎ときガルシア=マルケス』(新潮選書) 2014

翻訳[編集]

ホルヘ・ルイス・ボルヘス[編集]

フリオ・コルタサル[編集]

  • 『遊戯の終り』(フリオ・コルタサル国書刊行会) 1977、岩波文庫 2012
  • 『秘密の武器』(コルタサル、国書刊行会、世界幻想文学大系) 1981、岩波文庫 2012
  • 『通りすがりの男』(コルタサル、現代企画室) 1992
  • 『悪魔の涎 / 追い求める男』(コルタサル、岩波文庫) 1992
  • 『すべての火は火』(コルタサル、水声社) 1993

ガルシア=マルケス[編集]

  • 『悪い時』(ガルシア=マルケス、高見英一,桑名一博,内田吉彦,安藤哲行共訳、新潮社) 1982、新装版 2007
  • 『エレンディラ』(ガブリエル・ガルシア=マルケス、鼓直共訳、サンリオ文庫) 1983、ちくま文庫 1988
    • 「族長の秋」 他6篇(新潮社、ガルシア=マルケス全小説4、2007)に収録
  • 『迷宮の将軍』(ガルシア=マルケス、新潮社) 1991、新装版 2007
  • 『物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室』(岩波書店) 2002
  • 『わが悲しき娼婦たちの思い出』(ガルシア=マルケス、新潮社) 2006
  • 『コレラの時代の愛』(ガルシア=マルケス、新潮社) 2006
  • 『グアバの香り ガルシア=マルケスとの対話』(聞き手:P・A・メンドーサ、岩波書店) 2013
  • 『ぼくはスピーチをするために来たのではありません』(ガルシア=マルケス、新潮社) 2014
  • 『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』(ガルシア=マルケス、新潮社) 2018

エンリーケ・ビラ=マタス[編集]

  • 『バートルビーと仲間たち』(エンリーケ・ビラ=マタス新潮社) 2008
  • 『ポータブル文学小史』(エンリーケ・ビラ=マタス、平凡社) 2011
  • 『パリに終わりはこない』(エンリーケ・ビラ=マタス、河出書房新社) 2017
  • 『永遠の家』(エンリーケ・ビラ=マタス、野村竜仁共訳、書肆侃侃房) 2021

脚注[編集]

  1. ^ 木村榮一 理想書店 2023年6月26日閲覧。
  2. ^ 大瀧啓裕『翻訳家の蔵書』(東京創元社)P.78
  3. ^ 『官報』14号、令和元年5月21日
  4. ^ 令和元年春の叙勲 瑞宝重光章受章者” (PDF). 内閣府. 2023年1月19日閲覧。