弐瓶勉

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にへい つとむ
弐瓶 勉
2015年ルッカコミックス&ゲームズにて
生誕 (1971-02-26) 1971年2月26日(53歳)
国籍 日本の旗 日本
活動期間 1995年 -
ジャンル 青年漫画
代表作BLAME!
BIOMEGA
シドニアの騎士
受賞 インクポット賞
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弐瓶 勉(にへい つとむ、1971年2月26日[1] – )は日本漫画家。男性。福島県郡山市出身[2]

代表作は『BLAME!』、『シドニアの騎士』。

概要[編集]

福島県立郡山北工業高等学校を卒業後[2]、上京し現場監督の見習いや施工図の製図など建築関係の仕事に就くが、組織の一員として働くことに向かないと感じ退職。単身渡米し絵の勉強をしながら1年ほど日本の出版社へ漫画を投稿するもデビュー出来ないまま帰国したが[2]、1995年にアフタヌーン四季賞夏のコンテストで短編作品の『BLAME』が審査員(谷口ジロー)特別賞を受賞。その後、髙橋ツトムの専属アシスタントを5ヶ月ほど経験し、1997年より『月刊アフタヌーン』で長編作品『BLAME!』の連載を開始。

2009年から連載を開始した『シドニアの騎士』では、雑誌連載第2話より用語の説明やあらすじを書いたページが用意された。複数の作品において、「東亜重工」という企業や「奇居子(がうな)」と称される存在をスターシステムなガジェットとして使用している。「東亜重工」は、自身がデザインしたグッズのロゴや、スタンド花の贈り主名[3]、他作家とのコラボレーション企画[4]、自身が関わった有限責任事業組合の名称[5]などに利用している。

海外での評価が高くエンキ・ビラルなどから賞賛を受けている。村上隆によるアート展『「SUPER FLAT」at 渋谷パルコギャラリー』(2000年)にもイラストを出品した。また、単行本『シドニアの騎士』第2巻では椎名誠が帯文を寄せた。

原稿にはコピックマルチライナー筆ペンを使用(単行本『ABARA』発売時点)。カラー原稿は初期にはアクリルを使っていたが、『BLAME!』中期よりデジタル環境(フォトショップ)に移行した模様[6]。また『BIOMEGA』や『シドニアの騎士』では、作画時の参考資料として登場メカの立体模型を自作している[6]。背景にまで個性を出せるとしてアシスタントは使っていない[2]

『シドニアの騎士』以降、Twitterのアイコンや自画像にクワガタを使用している。

『シドニアの騎士』第11巻からは赤松健が提唱している同人マークを赤松以外の著作物では初めて付ける[7]など、常識範囲内の二次創作についても寛容な姿勢を見せている。

『シドニアの騎士』で2015年に第39回講談社漫画賞・一般部門[8]を、2016年に第47回星雲賞コミック部門を[9]受賞。

影響[編集]

影響を受けた作品として、『AKIRA』、『風の谷のナウシカ』、『攻殻機動隊』、『遊星からの物体X』などをあげている[10][11]

作品リスト[編集]

連載作品[編集]

タイトル 連載 巻数 備考
BLAME! 1997年 - 2003年、『月刊アフタヌーン』掲載、講談社 全10巻
全6巻(新装版)
新装版ではサイズがB5判に変更され、加筆修正が加えられた
NOiSE アフタヌーンシーズン増刊』第2号-第7号掲載、講談社 全1巻 読み切り版『BLAME』(月刊アフタヌーン、1995年10月号、講談社)収録
BIOMEGA 2004年 - 2009年、『週刊ヤングマガジン』掲載、講談社
→『ウルトラジャンプ』掲載、集英社
全6巻
既刊3巻(新装版)
新装版は講談社より刊行
ABARA 2005年 - 2006年、『ウルトラジャンプ』掲載、集英社 全2巻(上下巻)
全1巻(新装版)
下巻に『DIGIMORTAL』前後編(ウルトラジャンプ、2005年1月号・2月号、集英社)収録

新装版のサイズはB5判に変更され、弐瓶自身による解説が追加された

シドニアの騎士 2009年 - 2015年、『月刊アフタヌーン』掲載、講談社 全15巻
全7巻(新装版)
新装版のサイズはB5判に変更されている
人形の国 2017年 - 2021年、『月刊少年シリウス』掲載、講談社 全9巻
BLAME! 電基漁師危険階層脱出作戦 2017年、『月刊少年シリウス』掲載、講談社 全1巻 作画は関根光太郎が担当し、弐瓶は監修を担当する
大雪海のカイナ 2022年 - 、『月刊少年シリウス』掲載、講談社 作画は武本糸会が担当し、弐瓶は原作を担当する[12]
タワーダンジョン 2023年[13] - 、『月刊少年シリウス』掲載、講談社 既刊1巻

短編作品[編集]

短編 掲載誌 収録単行本 発売日
BLAME (読切版) 月刊アフタヌーン、1995年10月号、講談社 NOiSE 2001年10月23日
DEADHEADS アフタヌーンシーズン増刊、2002年、通巻第12号、講談社
(第1話発表後、掲載誌休刊)
BLAME! and so on 弐瓶勉画集 2003年10月24日
Wolverine: Snikt! マーベル・コミック、2003年
アメコミ作品『X-メン』のウルヴァリンを主人公にしたスピンオフ作品。
Wolverine: Snikt! 全5冊 2003年
DIGIMORTAL ウルトラジャンプ、2005年1月号・2月号、集英社 ABARA下巻 2006年5月24日
ZEB-NOID チャンピオンRED、2004年7月号掲載、秋田書店 ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集
新装版 ブラム学園! 弐瓶勉フルカラー作品集
2008年9月19日
2018年2月9日
ブラム学園 月刊アフタヌーン、2004年5月号、講談社
ブラム学園!京都奈良相合傘 月刊アフタヌーン、2007年10月号、講談社
ブラム学園!桜咲く塔の下で 月刊アフタヌーン、2008年5月号、講談社
小包 同人誌 『赤い牙4』(2003年、商業誌未発表作品)
ネットスフィアエンジニア 別冊モーニング、2005年、通巻第4号、講談社

(第1話発表後、掲載誌休刊)

ポンプ 同人誌 『赤い牙5』(2004年、商業誌未発表作品)
BLAME ! 2 第八系子体プセルの都市構造体脱出記 モーニング増刊マンダラ、2008年、通巻第2号、講談社
沼の神 月刊アフタヌーン 2008年10月、講談社(初出は同人誌 『赤い牙3』)
戦翅甲蟲・天蛾 ヤングガンガン、2007年第3号、スクウェア・エニックス
シドニアの騎士 つむぎ、『ブラム!』にハマる。の巻 Blu-ray『シドニアの騎士 第九惑星戦役 一』初回生産限定盤 特典小冊子、2015年、キングレコード 新装版 ブラム学園! 弐瓶勉フルカラー作品集 2018年2月9日
人形の国 (読切版) 週刊ヤングマガジン、2016年23号(5月9日発売)、講談社 人形の国 第9巻 小冊子付き特装版 2021年12月9日
サブリナ 同人誌 『赤い牙1』(2002年) 単行本未収録
アイダホ 同人誌 『赤い牙2』(2002年)
ビビビビ 同人誌 『赤い牙6』(2006年)
BLAME! 珪素生物の砦 Blu-ray『BLAME!』初回限定版特典、2017年、キングレコード

短編集[編集]

  • ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集 (2008年、講談社)
    • 新装版 ブラム学園! 弐瓶勉フルカラー作品集 (2018年、講談社、フルカラー再発版)

画集[編集]

  • BLAME! and so on 弐瓶勉画集(2003年、講談社)

その他[編集]

書誌情報[編集]

  • 弐瓶勉『ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集』〈アフタヌーンKC〉講談社
  1. 2008年9月22日発売 ISBN 978-4-06-314531-1
  • 弐瓶勉『BLAME! and so on 弐瓶勉画集』講談社
  1. 2003年10月23日発売 ISBN 978-4-06-364528-6
  1. 2006年8月9日発売 ISBN 978-0-7851-2372-9

メディア出演[編集]

インタビュー掲載[編集]

  • 電撃ホビーマガジン2013年9月号 弐瓶勉氏が語る『シドニアの騎士』[14]
  • BookLive!インタビュー『わが生涯に一片のコマあり!』 第三回;弐瓶勉先生[15]

ラジオ[編集]

  • WEBラジオ シドニアの騎士〜綾と綾音の秘密の光合成〜(ゲスト出演[16]

アニメ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ◆祝御生誕‼︎◆本日2月26日は「シドニアの騎士」という素晴らしい作品を生み出された我らが弐瓶勉先生の生誕日でございます!TVアニメ「シドニアの騎士」の公式Twitter
  2. ^ a b c d 講談社漫画賞で本県出身2人受賞 世界観、高い評価 - 福島民友
  3. ^ a b 今井寿の公式ブログ[1]
  4. ^ 銀盤騎士で選手のスポンサー企業として登場している。
  5. ^ ポリゴン・ピクチュアズ・ホールディングス、弐瓶勉氏と共同で東亜重工LLPを設立
  6. ^ a b アニメイト配布のフリーペーパー『シドニア制作記』より。
  7. ^ 弐瓶勉『シドニアの騎士』に「同人OK」マークが付きました!”. アフタヌーン公式サイト「モアイ」(講談社). 2013-10-232閲覧。 なお、同人マークの有効範囲は本作第1巻に遡って全話で適用される。
  8. ^ 『講談社漫画賞』決定 少年部門は『七つの大罪』&『弱ペダ』”. ORICON (2015年5月13日). 2015年5月13日閲覧。
  9. ^ 第47回星雲賞に「ガルパン」や「シドニアの騎士」 日本SF大会で受賞作発表,アニメ!アニメ!,2016年7月9日
  10. ^ 弐瓶先生に11の質問
  11. ^ 田中圭一 (2014年6月13日). “『シドニアの騎士』弐瓶先生インタビュー”. BookLive. 2016年8月6日閲覧。
  12. ^ “弐瓶勉×武本糸会「大雪海のカイナ」始動、大地が消えかけた世界で出会う少年と少女”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年2月26日). https://natalie.mu/comic/news/467278 2022年2月26日閲覧。 
  13. ^ “弐瓶勉の新連載「タワーダンジョン」がシリウスで、剣と魔法と迷宮探索の物語”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年10月26日). https://natalie.mu/comic/news/546606 2023年10月26日閲覧。 
  14. ^ 電ホビ9月号では『シドニアの騎士』特集を決行!”. 電撃ホビーウェブ. 2013年7月22日閲覧。
  15. ^ 『シドニアの騎士』弐瓶先生インタビュー”. 電子書籍ストア BookLive!. 2014年6月23日閲覧。
  16. ^ ラジオ シドニアの騎士〜綾と綾音の秘密の光合成〜”. 音泉. 2015年3月18日閲覧。

外部リンク[編集]