巴慰祖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
肖像 閔貞 作

巴 慰祖(は いそ、1743年 - 1793年)は、中国清朝中期の篆刻家書画家である。新安印派程邃汪肇龍胡唐らと「歙四家」と称揚される。

は予藉・子安、は雋堂・晋堂・連舫。徽州府歙県の人。

略伝[編集]

程邃の印法を継承しながら、朱簡の刀法に強く影響され、「渋刀」を多用した。門弟に外甥の胡唐や子の巴樹穀や巴樹烜がいる。書籍や器物の収蔵家としても知られる。

『董巴胡王会刻印譜』は当初、巴慰祖の他に董洵王振声・胡唐の印譜と思われたが、実際にはすべて巴慰祖の作品であることが濃厚である。

著書[編集]

  • 『四香堂摹印』(『集古印譜』の模刻
  • 『董巴胡王会刻印譜』

出典[編集]

  • 沙孟海 『篆刻の歴史と発展』中野遵・北川博邦共訳 東京堂出版、昭和63年、ISBN 4490201443
  • 銭君匋・葉潞淵『篆刻の歴史と鑑賞』高畑常信訳 秋山書店<秋山叢書>、昭和57年。
  • 銭君匋共著『印と印人』北川博邦・蓑毛政雄・佐野栄輝共訳 二玄社<藝林叢書>選訳I、1982年。