山女日記

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山女日記
著者 湊かなえ
発行日 2014年7月10日
発行元 幻冬舎
ジャンル 連作長編小説
山岳小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 292
公式サイト gentosha.co.jp
コード ISBN 978-4-344-02601-8
ISBN 978-4-344-42516-3文庫判
ウィキポータル 文学
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山女日記』(やまおんなにっき)は、湊かなえによる連作長編小説。季刊文芸誌『GINGER L.』(幻冬舎2012年春号から2013年冬号に連載され2014年7月10日幻冬舎から刊行、『山と溪谷』(山と渓谷社)2015年8月号掲載の番外編「カラフェスに行こう」を加え2016年8月5日幻冬舎文庫から文庫化された。さまざまな思いや悩みを抱えて山を登る女性たちの複雑な心理を山々の風景とともに描写した新スタイルの山岳小説[1]

2016年、2017年、2021年にNHK BSプレミアムプレミアムドラマ」でテレビドラマ化。

概要[編集]

大学生の時から山に登り始め、結婚・出産・作家デビューを経て山から遠ざかり「また山に登りたい」と願っていた著者が、山の小説を書くなら色々な山に連れて行くという出版社の編集者からの提案を受けて、12年ぶりに登山を再開。いくつかの出版社の編集者とともに各地の山に登って取材し、その体験をもとに本作を執筆した[2][1][3]

山岳小説といえば遭難がつきものであるのに反し、遭難がない山岳小説、これから登山を始める人がここに登ってみたい、私でも登れそうと感じられるような、山に親しめるような作品として構想された。著者の登山の経験のもと、さまざまな思いや悩みを抱えて山を登る女性たちの複雑な心理が山々の風景とともにリアリティ豊かに描写され、新たなスタイルの山岳小説となっている[1][4]

収録作品[編集]

  1. 妙高山(初出:『GINGER L.』〈幻冬舎2012年春号)
  2. 火打山(初出:『GINGER L.』 2012年夏号)
  3. 槍ヶ岳(初出:『GINGER L.』 2012年秋号)
  4. 利尻山(初出:『GINGER L.』 2012年冬号)
  5. 白馬岳(初出:『GINGER L.』 2013年春号)
  6. 金時山(初出:『GINGER L.』 2013年夏号)
  7. トンガリロ(初出:前編 『GINGER L.』 2013年秋号、後編 『GINGER L.』 2013年冬号)
  8. カラフェスに行こう[注 1](初出:『山と溪谷』〈山と渓谷社2015年8月号)

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

書誌情報[編集]

テレビドラマ[編集]

山女日記
〜女たちは頂を目指して〜
ジャンル テレビドラマ
原作 湊かなえ
脚本 吉川次郎
演出 水谷俊之
金澤友也
出演者 工藤夕貴
黄川田将也
夏菜
かたせ梨乃
音楽 窪田ミナ
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
シリーズ数 3
製作
制作統括 篠原圭(NHK)
管原浩(NHK)
杉村治司(テレパック)
管原浩
製作 NHK
テレパック
放送
放送チャンネルNHK BSプレミアム
放送国・地域日本の旗 日本
放送時間日曜 22:00 - 22:49
放送枠プレミアムドラマ
放送分49分
公式ウェブサイト
山女日記
〜女たちは頂を目指して〜
出演者萩原聖人
放送期間2016年11月6日 - 12月18日
回数7
山女日記
〜山フェスに行こう/アルプスの女王〜
出演者黒谷友香
黒川芽以
放送期間2017年10月29日 - 11月5日
回数2
山女日記3
放送期間2021年10月17日 - 11月21日
回数6
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山女日記〜女たちは頂を目指して〜』(やまおんなにっき おんなたちはいただきをめざして)と題して、NHK BSプレミアムの「プレミアムドラマ」枠にて2016年11月6日から12月18日まで放送された。全7回[5]

実践!にっぽん百名山』(NHK BS1)でナビゲーターを務めるなど登山経験が豊富な工藤夕貴が主演を務め、40歳を目前に商社から転職して登山ガイドとなった立花柚月が、登山客の抱えるさまざまな悩みと向き合いつつ自らも新たな希望を見出していく姿を描く[6]

続編となる『山女日記〜山フェスに行こう/アルプスの女王〜』(やまおんなにっき やまフェスにいこう アルプスのじょおう)がNHK BSプレミアムの「プレミアムドラマ」枠にて2017年10月29日から11月5日まで放送された。全2回[7]

続編となる『山女日記3』がNHK BSプレミアムの「プレミアムドラマ」枠にて2021年10月17日から放送。

キャスト[編集]

主要人物[編集]

ゲスト[編集]

第1回・第2回
第3回・第4回
第5回・第6回・第7回
〜山フェスに行こう/アルプスの女王〜
山女日記3

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

山女日記〜女たちは頂を目指して〜
放送回 放送日 サブタイトル 演出
第1回 2016年11月06日 女ともだち 〜妙高山火打山 水谷俊之
第2回 11月13日 高嶺(たかね)の花 〜妙高山・火打山〜
第3回 11月20日 てっぺん 〜唐松岳 金澤友也
第4回 11月27日 ロマンチスト 〜唐松岳〜
第5回 12月04日 雨女 〜白馬岳 水谷俊之
第6回 12月11日 分岐点 〜白馬岳〜
最終回 12月18日 頂を越えて 〜上高地涸沢(からさわ)〜
山女日記〜山フェスに行こう/アルプスの女王〜
放送回 放送日 サブタイトル 演出
前編 2017年10月29日 山フェスに行こう 〜常念岳 水谷俊之
後編 11月05日 アルプスの女王 〜燕岳
山女日記3
放送回 放送日 サブタイトル 演出
第1回 2021年10月17日 始まりの山・白馬岳 水谷俊之
第2回 10月24日 ロマンスの道しるべ・雨飾山
第3回 10月31日 あどけない空・安達太良山
第4回 11月07日 女神の微笑む森・八ヶ岳
第5回 11月14日 孤高の女・鹿島槍ヶ岳(前編)
最終回 11月21日 寄りそう山たち・鹿島槍ヶ岳(後編)

関連商品[編集]

サウンドトラック
  • 窪田ミナ『NHK WORKS』(2017年1月25日、スザクミュージック、NGCS-1072)[注 2]
NHK BSプレミアム プレミアムドラマ
前番組 番組名 次番組
隠れ菊
(2016年9月4日 - 10月23日)
山女日記
〜女たちは頂を目指して〜
(2016年11月6日 - 12月18日)
女の中にいる他人
(2017年1月8日 - 2月19日)
全力失踪
(2017年9月3日 - 10月22日)
山女日記
〜山フェスに行こう/アルプスの女王〜
(2017年10月29日 - 11月5日)
男の操
(2017年11月12日 - 12月24日)
珈琲屋の人々(アンコール)
(2020年5月31日 - 6月28日)
山女日記
〜女たちは頂を目指して〜(アンコール)
(2020年7月5日 - 8月16日)
すぐ死ぬんだから
(2020年8月23日 - 9月20日)
白い濁流
(2021年8月22日 - 10月10日)
山女日記3
(2021年10月17日 - 11月21日)
生きて、ふたたび 保護司・深谷善輔
(2021年11月28日 - 2022年1月23日)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 文庫判のみ収録。
  2. ^ 本作およびNHKドラマ10コピーフェイス〜消された私〜』の音楽を収録。

出典[編集]

  1. ^ a b c 小西樹里 (2016年11月12日). “『山女日記』刊行記念対談 湊かなえ(作家)×神谷浩之(『山と溪谷』編集部) 【再掲】山に登る理由がわからないから本を読む 前編”. 幻冬舎plus. 幻冬舎. 2017年8月26日閲覧。
  2. ^ 網谷隆司郎 (2015年11月2日). “第56回 湊かなえさん「なぜ絶壁に挑むのか」”. 嗜好と文化. 毎日新聞. p. 3. 2017年8月26日閲覧。
  3. ^ 小西樹里 (2016年11月13日). “『山女日記』刊行記念対談 湊かなえ(作家)×神谷浩之(『山と溪谷』編集部) 【再掲】登ってから書く、読んでから登る、山のおもしろさ(後編)”. 幻冬舎plus. 幻冬舎. 2017年8月26日閲覧。
  4. ^ “こんなはずでなかった結婚、捨て去れない華やいだ過去、姉への劣等感…多くの女性たちから共感と感動を呼んだ、湊かなえ『山女日記』実写ドラマ化決定”. ダ・ヴィンチニュース (メディアファクトリー). (2016年10月12日). https://ddnavi.com/news/327713/a/ 2017年8月26日閲覧。 
  5. ^ 工藤夕貴さん主演「山女日記 〜女たちは頂を目指して〜」制作開始!”. NHKドラマ. 日本放送協会 (2016年9月27日). 2017年8月25日閲覧。
  6. ^ “工藤夕貴、右足首捻挫もなんの! !「山女日記」で登山ガイド役に奮闘”. 映画.com. (2016年10月26日). https://eiga.com/news/20161026/16/ 2017年8月26日閲覧。 
  7. ^ 工藤夕貴さん主演『山女日記』続編の放送決定!”. NHKドラマ. 日本放送協会 (2017年8月24日). 2017年8月25日閲覧。
  8. ^ 工藤夕貴 - NHK人物録
  9. ^ 夏菜 - NHK人物録

外部リンク[編集]