山口直子

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山口 直子
基本情報
本名 山口 直子
階級 フライ級
身長 156cm
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1978-04-25) 1978年4月25日(45歳)
出身地 三重県津市
スタイル 右ボクサーファイター
プロボクシング戦績
総試合数 29(JBCによる女子公認前後の通算)
勝ち 23
KO勝ち 19
敗け 4
引き分け 2
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山口 直子(やまぐち なおこ、女性、1978年4月25日 - )は、日本の元プロボクサー三重県津市出身。第2代OPBF東洋太平洋女子スーパーフライ級王者。第5代WBA女子世界スーパーフライ級王者。白井・具志堅スポーツジム所属。

来歴[編集]

中学・高校と陸上をしており、津商業高等学校では、やり投げでインターハイ優勝、国体経験を持つ。

国士舘大学進学後、肘を故障したため七種競技に転向するが、結果は残せなかった[1]

高校・大学の1年後輩に砲丸投現日本ジュニア記録保持者の市岡寿実、大学の2年後輩に森千夏がいた。

JWBC[編集]

大学卒業後、山木ジム(現山木ボクシングジム)でボクシングを始め、2001年10月10日、八木橋悦世をTKOで下しデビューを飾る。

2003年9月21日、キックボクシング世界王者柴田早千予にKOで初敗北。

2004年9月18日、猪崎かずみが持つ日本フライ級王座に挑むが延長戦の末敗れる。

その後、怪我もあり長期間リングを離れる。

2007年11月10日、ツバサとのエキシビションで実戦復帰。

JBC[編集]

2008年、白井・具志堅スポーツジムに移籍し、JBCライセンスを取得。

2008年6月9日、後楽園ホールにて嘉陽宗嗣の日本タイトル防衛戦の前座としてJBCデビューかつ4年ぶりの試合でサトリーレック・パラドーンジムを1回TKOで沈め、完全復活をアピール。

2008年8月11日、小関桃風神ライカの女子ダブル世界戦の前座としてペットジンダー・ジンダマニーと対戦。2回TKOで勝利。

2008年10月13日、清田祐三の東洋太平洋スーパーミドル級王座統一戦の前座として、元アマチュア日本王者の四ヶ所麻美と対戦するが、TKO負けを喫し、JBC初敗戦。

2009年6月26日、「G Legend2」のセミファイナルに出場し、元JWBC王者のベテラン菊川未紀を2回TKOで退ける。

2009年10月12日、3大タイトルマッチの前座で東洋太平洋7位のマルネージェ・ベラーノを4回TKOで降す。

2009年12月2日、菊地奈々子の東洋太平洋タイトルマッチの前座において初の8回戦としてオーンナッ・ゴーキャットジムと対戦し、2回KOで降す。

東洋太平洋王座獲得[編集]

2010年2月20日、藤本りえの持つOPBF女子スーパーフライ級王座に挑戦し、9回1分55秒TKO勝利を収めて同王座を獲得した[2]

世界王座挑戦[編集]

2011年1月22日に指名挑戦者としてメキシコに乗り込みアナ・マリア・トーレスの持つWBC世界同級王座に挑戦する。この試合は空位のWBA世界バンタム級王座もかけられた。試合は8Rにダウンをとられ、判定負け。

その後はタイ人選手を2戦連続KOで東洋太平洋防衛。メキシコ人とのノンタイトル後同王座返上。

世界王座獲得[編集]

2012年7月9日、後楽園ホールで元同門天海ツナミが持つWBA女子世界スーパーフライ級王座に挑戦[3]。試合は判定3-0で勝利し、王座奪取に成功すると共に白井・具志堅ジム初の世界王者となった[4]

世界王座防衛[編集]

初防衛戦は11月12日に9位のフディス・ロドリゲス(メキシコ)と対戦[5]。3-0判定で初防衛に成功。

2度目の防衛戦は2013年4月10日、7位のロレダナ・ピアッツァ(イタリア)と対戦。計4度のダウンを奪い7回10秒TKOで2度目の防衛に成功[6]

3度目の防衛戦は2013年7月22日、暫定王者ダニエラ・ベルムデス(アルゼンチン)と対戦発表されていた[7][8]。ところが、直前になって暫定王者側が「契約上の解釈の違い」を理由に来日を拒否し、調停まで縺れるも溝は埋まらず、WBAから公認を得て代わりの相手としてチュタポーン・プラディッサン(タイ)を選択したが、ノーランカーのためWBAからは挑戦者としては認められず、タイトルマッチとしては中止になり、53kg契約のノンタイトル8回戦に変更された[9]。試合は1回1分56秒KO勝利[10]

世界王座陥落・引退[編集]

改めて決まった3度目の防衛戦は2013年11月23日にWBCミニフライ級王者藤岡奈穂子を迎えることになった[11]。当初2009年12月の富樫直美 vs 多田悦子戦以来となる現役日本人女子世界王者同士の対戦と発表されたが、藤岡は保持していたWBC女子ミニフライ級王座を返上している[12]。試合は3回にダウンを奪われ、0-3(92-97 92-97 91-98)の判定で3度目の防衛に失敗[13]

2015年1月、この試合を最後に現役引退したことが明らかになった[14]

5月10日、後楽園ホールでの「ザ・カンムリワシファイトvol.51&DANGAN128」にて引退式[15]

戦績[編集]

  • JBC公認前:12戦 8勝 6KO 2敗 2分
  • JBC公認後:17戦 15勝 13KO 2敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2001年10月10日 勝利 4R 0:58 TKO 八木橋悦世(総武会) 日本の旗 日本 プロデビュー戦
2 2002年2月3日 引分 4R 判定1-0 鬼鞍幸子(横浜) 日本の旗 日本
3 2002年6月9日 勝利 1R TKO ジプシー・タエコ(山木) 日本の旗 日本
4 2002年9月7日 勝利 6R 判定2-0 猪崎かずみ(鴨居) 日本の旗 日本
5 2002年12月18日 勝利 6R 判定3-0 ミサコ山崎(岩井) 日本の旗 日本
6 2003年1月24日 勝利 2R 1:01 KO 李恵林 大韓民国の旗 韓国
7 2003年3月14日 引分 6R 判定0-1 猪崎かずみ(鴨居) 日本の旗 日本 日本フライ級王座次期挑戦者決定戦
8 2003年3月29日 勝利 不明 KO 不明 不明
9 2003年9月21日 敗北 3R 1:40 KO 柴田早千予(白龍) 日本の旗 日本
10 2004年4月4日 勝利 3R 0:29 KO 須賀寿江(鴨川) 日本の旗 日本 日本フライ級トーナメント1回戦
11 2004年7月18日 勝利 2R 1:59 TKO 藤本りえ(KAKINUMA) 日本の旗 日本 日本フライ級トーナメント準決勝戦
12 2004年9月18日 敗北 8R 延長1R 判定1-2 猪崎かずみ(鴨居) 日本の旗 日本 日本フライ級タイトルマッチ
13 2008年6月9日 勝利 1R 0:43 TKO サトリーレック・パラドーンジム タイ王国の旗 タイ
14 2008年8月11日 勝利 2R 1:06 TKO ペットジンダー・ジンダマニー タイ王国の旗 タイ
15 2008年10月13日 敗北 5R 1:59 TKO 四ヶ所麻美(フラッシュ赤羽) 日本の旗 日本
16 2009年6月26日 勝利 2R 1:40 TKO 菊川未紀(東海) 日本の旗 日本
17 2009年10月12日 勝利 4R 1:16 TKO マルネージェ・ベラーノ フィリピンの旗 フィリピン
18 2009年12月2日 勝利 2R 1:13 KO オーンナッ・ゴーキャットジム タイ王国の旗 タイ
19 2010年2月20日 勝利 9R 1:55 TKO 藤本りえ(協栄) 日本の旗 日本 OPBF女子スーパーフライ級タイトルマッチ
20 2010年5月18日 勝利 3R 1:30 TKO ジョミシン・ギャットノーウォー タイ王国の旗 タイ OPBF防衛1
21 2010年9月13日 勝利 3R 1:10 TKO ペッサイルーン・ルークサーイゴンディン タイ王国の旗 タイ OPBF防衛2
22 2011年1月22日 敗北 10R 判定0-3 アナ・マリア・トーレス メキシコの旗 メキシコ WBC女子世界スーパーフライ級タイトルマッチ
23 2011年6月6日 勝利 5R 0:30 TKO リエントーン・ロンリエンキラコラート タイ王国の旗 タイ OPBF防衛3
24 2011年12月21日 勝利 1R 1:58 TKO ローナロンノイ・シッサイトーン タイ王国の旗 タイ OPBF防衛4
25 2012年4月4日 勝利 4R 0:57 TKO カンディ・サンドバル メキシコの旗 メキシコ
26 2012年7月9日 勝利 10R 判定3-0 天海ツナミ(アルファ) 日本の旗 日本 WBA女子世界スーパーフライ級タイトルマッチ
27 2012年11月12日 勝利 10R 判定3-0 フディス・ロドリゲス メキシコの旗 メキシコ WBA防衛1
28 2013年4月10日 勝利 7R 0:10 TKO ロレダナ・ピアッツァ イタリアの旗 イタリア WBA防衛2
29 2013年7月22日 勝利 1R 1:56 KO チュタポーン・プラディッサン タイ王国の旗 タイ
30 2013年11月13日 敗北 10R 判定0-3 藤岡奈穂子(T&H) 日本の旗 日本 WBA王座陥落
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獲得タイトル[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “卒業生奮闘・この人26” (PDF). 国士舘大学新聞. (2013年1月25日). http://www.kokushikan.ac.jp/tagblocks/PR/news/NewsPaper2013/0000004881/a0000004881_p2_s5_f_attach_1.pdf 
  2. ^ 山口殊勲の新王者 女子東洋S・フライ級戦 ボクシングニュース「Box-on!」 2010年2月20日閲覧
    この記事中で「8回1分秒」とあるのは「9回1分55秒」の誤りである。
  3. ^ “山口が天海の世界王座に7・9挑戦”. デイリースポーツ. (2012年5月10日). http://daily.co.jp/ring/2012/05/10/0005040977.shtml 
  4. ^ “強打の山口が天海を破り新王者に輝く 敗れた天海はV5の夢潰える”. スポーツナビ. (2012年7月9日). http://archive.sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/2012/2012070901/index.html 
  5. ^ “山口直子最強目指す 11・12Sフライ級初防衛戦”. スポーツニッポン. (2012年7月9日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2012/09/19/kiji/K20120919004145820.html 
  6. ^ “女子2試合でダウン8回! 山口が豪快KOでV2 川西はOPBF王者に”. ボクシングニュース「Box-on!」. (2013年4月10日). https://boxingnewsboxon.blogspot.com/2013/04/blog-post_7705.html 
  7. ^ ザ・カンムリワシ・ファイトvol.46 記者発表』(プレスリリース)白井・具志堅スポーツジム、2013年6月19日http://sgsgym.blog.fc2.com/blog-entry-78.html 
  8. ^ “山口直子がV3戦 7.22後楽園ホール”. ボクシングニュース「Box-on!」. (2013年6月19日). https://boxingnewsboxon.blogspot.com/2013/06/722.html 
  9. ^ “山口直子の世界タイトルマッチが直前で中止に”. Boxing News. (2013年7月17日). http://boxingnews.jp/news/4521/ 
  10. ^ 江畑がOPBF王者に!山口は1RKO勝ち【試合結果】王者山口はノンタイトル戦に変更へ 江畑vsソン OBPFフライ級T!つのだのりこ引退セレモニー!7.22 ザ・カンムリワシ・ファイトvol.46”. Lady Go!. 2013年7月22日閲覧。
  11. ^ “山口が藤岡とV3戦 現役世界王者対決”. デイリースポーツ. (2013年9月20日). https://www.daily.co.jp/ring/2013/09/20/0006352783.shtml 
  12. ^ “藤岡奈穂子、WBC王座返上 2階級制覇挑戦へ”. スポーツニッポン. (2013年9月27日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2013/09/27/kiji/K20130927006698870.html 
  13. ^ 藤岡奈穂子が新王者に!山口直子vs藤岡奈穂子!世界王者対決 11.13 WBA女子世界Sフライ級タイトルマッチ!〜ザ、カンムリワシファイトVol.47”. Lady Go!. 2013年11月13日閲覧。
  14. ^ 思うこと プロボクサー藤岡奈穂子 NOW or NEVER 2015年1月17日
  15. ^ “江藤伸悟が判定勝ち、元世界王者・山口直子が引退式”. Boxing News. (2015年5月10日). http://boxingnews.jp/news/25934/ 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

前王者
藤本りえ
第2代OPBF女子東洋太平洋スーパーフライ級王者

2010年2月20日 - 2012年5月

空位
次タイトル獲得者
つのだのりこ
前王者
天海ツナミ
第5代WBA女子世界スーパーフライ級王者

2012年7月9日 - 2013年11月13日

次王者
藤岡奈穂子