小三元

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小三元(しょうさんげん)とは、麻雀におけるのひとつ。三元牌(白・發・中)のいずれかを雀頭とし、残り2つを刻子もしくは槓子にすることで成立する。副露可。

概要[編集]

小三元そのものは2飜役であるが、刻子にした2種類の三元牌による2飜が必ずセットで付帯するため、実質的には4飜役である。麻雀の解説本・指南本の中には、小三元が付く時には2種類の三元牌の2飜を数えず、小三元という役を4飜としているケースもある[1][2]

実質4飜は、役満を除く通常役としては混老頭と並んで清一色に次ぐ高い飜数である。そのためほぼ確実に満貫以上となり(小三元+役牌2つのみの場合、を考慮すれば、最低でも30符丁度となり(副底20符+三元牌の明刻2組8符+三元牌の雀頭2符)、それより僅か2符でも符が高ければ実質4飜であるため満貫となるため)、混一色対々和と組み合わせて、跳満や倍満のアガリになることも少なくない。ただし、派手な副露で目立つことも多いため、出現頻度はそれほど高くない[3]

3種類すべてを刻子とした場合は大三元(役満)となる。

最初から小三元を狙って和了る事は少なく、高目大三元の双碰待ちになった所から、安目の牌で小三元として和了ってしまうケースか、同じく大三元を狙って三元牌の2種を刻子にしたものの残りの1種が先に2枚切られてしまい、残る1種の地獄待ち、もしくは雀頭の刻子として他の順子で和了するケースが殆どである。

比較的初期の頃からある役ではあるが、麻雀成立時はこの役はなく、大三元を『三元和』としていた。その後、2つの刻子・1つの対子を『小三元』と言う役を作り、元々の三元和を『小』に対する『大三元』と名称を変更した。小三元が役満ではないのは、その名残と言われている。

日本においては実質的に4飜であることに対して中国麻雀においては字一色四暗刻と同等の64点役を与えられている。

牌姿の例[編集]

(例)高目大三元のケース

白白白中中五萬六萬七萬二筒二筒   發發發
中二筒のシャンポン待ち。中なら大三元だが、二筒だと小三元。あくまで大三元を狙い、安目が出ても見逃すという戦略もありうる。

(例)単騎待ちのケース

五萬六萬七萬二筒二筒二筒中   白白白   發發發
中タンキの小三元だが、この例では白と発を既に副露している。この場合の中は、迂闊に捨てれば鳴かれて包(パオ)になるか、最悪で大三元放銃という事態が容易に想像できる危険牌の筆頭である。三元役を狙う場合、副露はできれば一種類のみに留まるのが理想である。

脚注[編集]

  1. ^ 井出洋介監修『平成版 麻雀新報知ルール』報知新聞社、1997年。ISBN 9784831901187 p68-p69。
  2. ^ 佐々木寿人『ヒサト流 リーチに強くなる麻雀入門』成美堂出版、2012年。ISBN 9784415312231 p198。ただしp88-p89の小三元の図解ページでは「2飜役の実質4飜」としている。
  3. ^ 麻雀格闘倶楽部 (2003年10月). “和了役発生回数”. 2011年9月20日閲覧。参考として、この集計データでは、小三元はダブル立直より少なく、メンゼンのチャンタと同程度、という結果になっている。

関連項目[編集]