学生街の喫茶店

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学生街の喫茶店
GARO(ガロ)シングル
初出アルバム『GARO2』
B面 美しすぎて
※リリース当時はA面
リリース
規格 7インチレコード
ジャンル フォークソング
歌謡曲[1]
時間
レーベル 日本コロムビア / DENON
作詞・作曲
プロデュース ミッキー・カーチス
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1973年度年間3位(オリコン)
  • GARO(ガロ) シングル 年表
    地球はメリーゴーランド
    (1972年)
    学生街の喫茶店
    (1972年)
    涙はいらない
    (1972年)
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    学生街の喫茶店」(がくせいがいのきっさてん)は、GARO(ガロ)の3枚目のシングル1972年6月20日に、日本コロムビアDENONレーベル(マッシュルームレーベル)から発売された。マイク眞木バラが咲いた」と同様に職業作家による「フォークソング風歌謡曲」で[1][2]歌詞は1968年のパープル・シャドウズ小さなスナック」に似ている[1]

    背景[編集]

    セカンドアルバム『GARO2』からのシングルカット。リリース時は「美しすぎて」がA面B面が「学生街の喫茶店」というスタイルであった。

    レコード発売は1972年6月20日であったが、7月にTBSラジオヤングタウンTOKYO』の「今月の歌」にB面の「学生街の喫茶店」が選ばれた。ただ発売間もないレコードのB面推しということで関係者は困惑したという[3]

    ガロ最大のヒット曲であり、1970年代の学生文化を象徴する楽曲として高い評価を得る反面、和製CS&Nと呼ばれた高い音楽性を誇るグループのイメージにそぐわない歌謡曲作品が代表曲となったことにメンバーは葛藤を抱えていた[4]

    第24回NHK紅白歌合戦』でも本楽曲を披露[5]。当時のフォークグループとしては、紅白出場歌手に選出されたこと自体も珍しいことであった。

    1976年に、教育芸術社発行の高校の音楽教科書『高校音楽1』に「学生街の喫茶店」が掲載された[6]

    2023年7月現在、ガロのメンバーの中で大野真澄のみ存命であるため、ひとりでテレビに出演して「学生街の喫茶店」を披露することがある。

    制作[編集]

    楽曲の舞台となった喫茶店東京御茶ノ水中央大学付近にあった喫茶店『丘』など諸説があったが、作詞者の山上路夫は具体的に参考にした店はないとしている[7]。また、山上自身に大学生活の経験はない。

    作曲は、1980年代以降にテレビゲームソフト『ドラゴンクエストシリーズ』のゲームミュージックを手がけたすぎやまこういちによる。上記の第24回紅白ではガロの出演時、指揮者として出演を果たしたほか、間奏で演奏される楽器「コール・アングレ」についてもアナウンス解説者によって紹介された。

    リリース[編集]

    1972年6月20日に、日本コロムビアDENONレーベル(マッシュルームレーベル)から、7インチレコードで「美しすぎて」として発売された。1972年12月前後からジャケット写真はそのままに「学生街の喫茶店」のタイトルが目立つようにレイアウト変更されたリニューアル・ジャケット盤に切り替えられていった。

    発売は日本コロムビアであったが、原盤権アルファミュージック(旧:アルファレコード)が所有している関係で、復刻盤CDはソニー・ミュージックエンタテインメントの関連子会社「ソニー・ミュージックダイレクト」から発売されている[注釈 1]

    記録[編集]

    日本コロムビア金子充孝ディレクター(1972年当時)によると、同年の11月末頃から売れ出し、翌1973年の1月末にガロがテレビ出演したことでヒットの勢いがついた[8]。最もヒットしていたのは1973年の先で、オリコンヒットチャートでは2月19日から4月2日まで7週連続で1位を獲得。1973年の年間ヒットチャートで第3位を記録し、同年を代表するヒット・ソングのひとつとなった。累計売上はミリオンセラーを記録[8]

    日本有線大賞』では新人賞を受賞している[注釈 2]

    CMなどの起用[編集]

    1980年放送の桃屋「ごはんですよ!」のテレビCM「思い出のフォーク篇」において「学生街の喫茶店」が使用された[10]

    2018年のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』にて、劇中歌として本曲が登場する場面が放映された。

    収録曲[編集]

    7インチレコード
    全作詞: 山上路夫
    #タイトル作詞作曲編曲リードボーカル時間
    1.学生街の喫茶店山上路夫すぎやまこういち大野克夫大野真澄
    2.美しすぎて山上路夫村井邦彦飯吉馨堀内護
    合計時間:

    演奏者[編集]

    ※ セカンドアルバム(CD-7035-Z)に記載された同曲のクレジットより。

    収録アルバム[編集]

    カヴァーした主な歌手[編集]

    関連項目[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ 2006年11月29日発売の『GARO BOX』など
    2. ^ 1973年に放送されたTBS系『第15回輝く!日本レコード大賞』では「ロマンス」で大衆賞を受賞している[9]
    3. ^ この表記は当該作品が収録されたアルバムのもの。ファースト・アルバムでは原田裕臣となっている。
    4. ^ デビュー35周年CD-BOX天地真理 プレミアム・ボックス』(2006.10.1、ソニー・レコード)にも収録されている。

    出典[編集]

    1. ^ a b c 平尾昌晃『昭和歌謡1945-1989 歌謡曲黄金期のラブソングと日本人』廣済堂出版廣済堂新書〉、2013年、107頁。ISBN 978-4-331-51771-0 
    2. ^ 前田祥丈、平原康司『日本のフォーク&ロック・ヒストリーー(1) 60年代フォークの時代』シンコー・ミュージック、1993年、38–66頁。ISBN 4401613899 
    3. ^ Nack5K's TRANSMISSION』2014年10月10日放送での大野真澄の本人談。
    4. ^ BS朝日 - 熱中世代 大人のランキング2016年3月20日
    5. ^ 第24回NHK紅白歌合戦”. NHK紅白歌合戦ヒストリー. NHK. 2021年12月30日閲覧。
    6. ^ 『歌い継がれる名曲案内 音楽教科書掲載作品10000』日本アソシエイツ、2011年、362頁、794頁。ISBN 978-4816922916
    7. ^ 朝日新聞 be on Saturday (土曜版) 2011年2月12日。
    8. ^ a b 富澤一誠『フォーク名曲事典300曲〜「バラが咲いた」から「悪女」まで誕生秘話〜』ヤマハミュージックメディア、2007年、172-173頁。ISBN 978-4-636-82548-0
    9. ^ 第15回 日本レコード大賞”. 日本作曲家協会. 2021年12月30日閲覧。
    10. ^ 思い出のフォーク篇|のり平アニメCMギャラリー |懐かしののり平アニメCM|広告ギャラリー、桃屋 - 2020年3月29日閲覧。
    11. ^ さだまさし、カバーアルバムで伝えるフォークソングの普遍性 時代を超えて今に響くメッセージの本質”. 音楽リアルサウンド (2021年10月27日). 2021年11月22日閲覧。