子愛観音堂

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外観(2021年撮影)

子愛観音堂(こあやしかんのんどう)宮城県仙台市青葉区下愛子横町にある仏堂である。子安観音堂(こやすかんのんどう)ともいう。地名「愛子」の語源である。

解説[編集]

この地に観音堂が置かれた時期は不明である。今は廃寺となった補陀(ほた)寺の境内にあった。江戸時代の『安永風土記書出』によれば、曹洞宗岩松山補陀寺は、元和9年(1623年)2月の開山である。補陀寺の本尊が禅宗らしからぬ大日如来であることから、真言宗の廃寺の再興ではないかとする推測がある[1]

補陀寺の創建年代にかかわらず、『安永風土記書出』の認識では子愛観音堂は非常に古くからあるもので、愛子の地名の由来であった。当時の本尊は定澄作の長さ6寸の木仏坐像で、文治3年(1187年)9月の銘があったという[2]

現在では補陀寺の跡はなく、子愛観音堂だけが祀られている。

脚注[編集]

  1. ^ 『宮城町誌』本編630-631頁。
  2. ^ 『宮城町誌』本編85頁、631頁。

参考文献[編集]

  • 宮城町誌編纂委員会『宮城町誌』本編、宮城町役場、1969年。

座標: 北緯38度16分13.6秒 東経140度45分59.8秒 / 北緯38.270444度 東経140.766611度 / 38.270444; 140.766611