国鉄モハ53形電車

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モハ53形は、かつて日本国有鉄道(国鉄)が保有した直流用旧形電車である。1953年(昭和28年)6月1日に施行された車両形式称号規程改正に伴って、モハ43形の電動機(MT15/定格出力100kW)をMT30またはMT40(定格出力128kW)に交換した出力増強車(9両)を区別して新形式を付与したものである。

元となったモハ43形には、一般の42系に属し東京地区(横須賀線)で出力増強改造を受けたもの(モハ43形800番台(初代))と、大阪地区で改造を受けた52系に属する急行用電車(第3次急電)の2種がある。詳細については、下記のリンク先を参照されたい。

1959年(昭和34年)6月1日の車両形式称号規程改正では、運転台付きの制御電動車であることから、クモハ53形に改称された。また、1963年(昭和38年)には、横須賀線で使用されていた5両が車体中央部に扉を増設して、クモハ50形となっている。晩年には、鶴見事故で大破し、廃車となった1両を除く8両が飯田線に転属し、一部は1983年(昭和58年)まで使用された。