冒険者たち

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冒険者たち
Les Aventuriers
監督 ロベール・アンリコ
脚本
台詞
原作 ジョゼ・ジョヴァンニ
『生き残った者の掟』
製作
出演者
音楽 フランソワ・ド・ルーベ
主題歌 「レティシア」
撮影 ジャン・ボフェティフランス語版
編集 ジャクリーヌ・メピエルフランス語版
製作会社 ソシエテ・ヌーヴェル・ド・シネマトグラフィー
配給
  • フランスの旗 ソシエテ・ヌーヴェル・ド・シネマトグラフィー
  • 日本の旗 大映
公開
  • フランスの旗 1967年4月12日 (1967-04-12)[1]
  • 日本の旗 1967年5月18日 (1967-05-18)[1]
上映時間 112分
製作国 フランスの旗 フランス
イタリアの旗 イタリア
言語 フランス語
次作 生き残った者の掟フランス語版
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冒険者たち』(ぼうけんしゃたち、Les Aventuriers )は、1967年フランスイタリア冒険映画ロベール・アンリコ監督。アラン・ドロンリノ・ヴァンチュラ主演。 ジョゼ・ジョヴァンニの小説『生き残った者の掟』の第1部を映画化した作品で[注 1]、それぞれの夢に破れた男2人・女1人の3人組が、共に宝探しの冒険へ旅立ち、財宝を得ようとした結果の悲愴な運命を描いている。

シドニー・ポワチエとの結婚で若くして映画界を引退した女優ジョアンナ・シムカスの代表作である。フランソワ・ド・ルーベが作曲し、シムカス扮するヒロインの名を与えられたテーマ曲「レティシア」は劇中で繰り返し使われている。

同原作の第2部は原作者ジョゼ・ジョヴァンニ自らの脚本・監督で『生き残った者の掟フランス語版』として映画化されている。

2006年、製作40周年を記念してデジタル・レストレーションを施した映像に監督インタビューや2006年のカンヌ国際映画祭で記念上映された時に撮られたジョアンナ・シムカスのインタビューも収録したDVD版が「40周年アニヴァーサリーエディション・プレミアム」と銘打って発売された[2]

あらすじ[編集]

アラン・ドロン、オディール・ポワゾン
船の上のシーン

画期的な新型レーシングエンジンの開発にひとり取り組む中年の自動車技師ローランと、その友人で、若くハンサムなパイロットのマヌー(アラン・ドロン)、そして、ある日ローランの工房に材料探しにやってきた駆け出しの前衛彫刻家レティシア。それぞれの夢を持った三人は、その実現のために互いに支え合い、絆を深めていく。

しかし、やがて彼らの前に厳しい現実が訪れる。マヌーは所属する飛行クラブの会員から請け負った映画会社の仕事──凱旋門の下を飛行機でくぐり抜け、それを撮影するというもの──に挑むが失敗。危険飛行のペナルティとしてパイロットライセンスを停止されてしまう。しかたなく依頼主キヨバシの会社に連絡すると、先方はそんな仕事を頼んだ覚えはなく、この一件が気障なマヌーを快く思わないヴェルタンら会員たちの仕組んだ悪ふざけだったと知る。一方ローランは完成したエンジンを車に搭載し、自らテストドライブを行うが、走行中に異常が発生してエンジンは爆発。さらにレティシアも、工面してようやく開いた個展の内容を新聞の批評家たちに軒並み酷評され、成功の道を閉ざされる。

傷心の三人は一攫千金を狙って一路コンゴの海に向かう。凱旋門の件でマヌーを騙したヴェルタンから訊きだした話によれば、そこには数年前のコンゴ動乱の際に国外脱出を図って墜落した飛行機が、莫大な財宝を積んだまま沈んでいるというのである。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
フジテレビ TBS テレビ東京
マヌー・ボレリ アラン・ドロン 坂口芳貞 野沢那智
ローラン・ダルバン リノ・ヴァンチュラ 加藤武 森山周一郎 吉水慶
レティシア・ヴァイス ジョアンナ・シムカス 倉野章子 鈴木弘子 井上喜久子
パイロット セルジュ・レジアニ 勝田久 平林尚三 小島敏彦
ヴェルタン(保険屋) ポール・クローシェフランス語版 杉田俊也 上田敏也 簗正昭
ル・タベル ハンス・メイヤーフランス語版 渡部猛 糸博
イヴェット オディール・ポワゾンフランス語版 藤夏子 池上麻里子
キヨバシ[注 2] ヴァレリー・インキジノフフランス語版 村松康雄 稲葉実
キヨバシの秘書 イレーヌ・チュンクフランス語版 浅井淑子 喜田あゆみ
デュブルイ夫人(叔母) テレーズ・カンタンフランス語版
デュブルイ氏(叔父) ジャン・ダリー
ジャンジャン(レティシアの幼い従弟、デュブルイ夫妻の息子) ジャン・トロニョン
ミショー(飛行クラブの社長) ジャン・ランディエフランス語版
殺し屋 ギー・デロームフランス語版
不明
その他
田中康郎
北村弘一
弥永和子
木原正二郎
日高晤郎
野本礼三
糸博
松本梨香
辻親八
さとうあい
津田英三
田原アルノ
荒川太郎
星野充昭
演出 田島荘三 福永莞爾
翻訳 入江敦子
効果 山田太平
藤田信夫
調整 遠西勝三
制作 コスモプロモーション ムービーテレビジョン
解説 前田武彦 荻昌弘
初回放送 1971年10月22日
ゴールデン洋画劇場
21:00-22:56
1976年1月5日
月曜ロードショー
21:00-22:55
1991年9月8日
サンデーロードショー
14:30-16:26

作品の評価[編集]

後の作品への影響[編集]

冒険と青春への性別・年代を越えた憧憬、海洋への傾倒など特徴的なモチーフを持った本作は『明日に向って撃て!』 (1969年)、『無宿』 (1974年)、『黄金のパートナー』 (1979年)、『冒険者カミカゼ -ADVENTURER KAMIKAZE-』 (1981年) 『彼女が水着にきがえたら』(1989年) などのオマージュ・フォロワーを生み、後々まで影響を与えた。いずれも男二人(一人が年長であることが多い)女一人の微妙な関係は踏襲しているが、三人の末路については様々である。[要出典]

オマージュ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日本版の書名はジョヴァンニによる同一原作の映画作品『生き残った者の掟』に基づく。アンリコによる本作はヒットしたが、原作者のジョヴァンニは映画の脚色がソフト過ぎて気に入らず[要出典]、後からより暴力的でシビアな設定に脚色した『生き残った者の掟』を自ら製作・監督した。
  2. ^ TBS版吹き替えでは京橋(きょうばし)と訳されている。

出典[編集]

  1. ^ a b Les Aventuriers - IMDb(英語)
  2. ^ DVD「冒険者たち」”. アミューズソフト. 2020年4月19日閲覧。
  3. ^ 保科幸雄「高鳴る!冒険者たちのメロディ 燃える夢喰い男・千葉真一」(パンフレット)『冒険者 (アドベンチャー) カミカゼ』、東映株式会社映像事業部、1981年11月7日、4 - 5頁。 

外部リンク[編集]