並河亮

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並河 亮(なみかわ りょう、1905年12月26日 - 1984年5月8日)は、日本の翻訳家放送作家、放送・文芸・美術・ジャズ評論家、英文学者[1]

写真家の並河萬里の父。

来歴[編集]

島根県生まれ。東京帝国大学法学部卒。NHK国際部、毎日放送に勤務。日本大学で文学博士取得[2]。その後同大学旧文学部で教授を務めた。

ドス・パソスU.S.A.』を唯一完訳。そのほかにアプトン・シンクレアなどの翻訳、放送台本、評論活動がある。

生涯にわたり『華厳経』の研究著作を行った。

著書[編集]

  • 『姿なき武器 世界電波戦』(山海堂出版) 1943
  • 『電波の戦場 世界放送戦』(山海堂) 1944.9
  • 『百年の無礼』(大成出版) 1944.10
  • 『ジャズ物語』(長谷川書店) 1949
  • 『ジャズ音楽』(要書房) 1953
  • 『現代ジヤズ』(要書房) 1954
  • 『生きてるジャズ史 新楽聖物語』(朋文社、プラタン叢書) 1955
  • 『演劇・娯楽番組』(同文館、放送の知識シリーズ) 1956
  • 『ラジオテレビの台本・演技・演出』(三芽書房) 1958
  • 『薔薇と人生』(社会思想研究会出版部、現代教養文庫) 1962
  • 『CMのすべて』(誠文堂新光社、ブレーンシリーズ) 1965
  • 『テレビ・ラジオの演出と台本』(石崎書店) 1965
  • 『神を訪ねて三万キロ』(毎日新聞社) 1966
  • 『静かなトランペット これからのCM戦略』(日本経済新聞社、日経新書) 1967
  • 『放送の台本と演出』(石崎書店) 1970
  • 『シルクロードをゆく仏 インドから日本へ』(新人物往来社) 1974
  • 『ペルセポリス 古代ペルシア歴史の旅』(芙蓉書房) 1975
  • 『地中海 石と砂の世界』(玉川大学出版部 玉川選書) 1977.12
  • ウィリアム・ブレイク 芸術と思想』(原書房) 1978.4
  • 『地中海 神と人の世界』(並河万里写真 、玉川大学出版部、玉川選書) 1978.1
  • 『仏像のながい旅路』(並河万里写真、玉川大学出版部、玉川選書) 1978.4
  • 『ボロブドール 華厳経の世界』(講談社) 1978.9 - 写真解説
  • 『バーミヤンの鳩笛 セントラルシルクロード』(並河万里写真、玉川大学出版部、玉川選書) 1979.12
  • 『ブレイクの生涯と作品 芸術と思想』(原書房) 1979.4
  • 『わが華厳経』(潮文社) 1979.10
  • 『仏像出現』(玉川大学出版部) 1982.7
  • 『ワーズワースとラスキン 湖畔地方とヴェニスの石』(原書房) 1982.3
  • 『わたしの華厳経人生論』(佼成出版社) 1982.6
  • 『「華厳経」を読む 華厳十地の生活信条が不安と混迷の現代人を救う』(PHP研究所、21世紀図書館) 1983.6
  • 『もうひとつの太平洋戦争 戦時放送記者がいま明かす日本の対外宣伝戦略』(PHP研究所、21世紀図書館) 1984.4

共編著[編集]

翻訳[編集]

  • 『赤い百日』(エドガー・シツソン、先進社) 1931
  • 『ソー・ビッグ』(エドナ・ファーバー、リスナー社) 1949
  • 『大ワシントン伝』(アーヴイング、東京堂) 1949
  • デモクラシーの教ヘ方学び方』(合衆国国家教育協会等、リスナー社) 1949
  • 『レド公路』(張仁仲、生活社) 1949
  • U.S.A.』 第1 - 3部(ドス・パソス改造社) 1950 - 1951、のち新潮文庫
  • 『街路』(アン・ペトリー、改造社) 1950
  • ハムレット』(シェークスピヤ建設社) 1950
  • 『コロラドの悲歌』(モーリン・ホイプル、大日本雄弁会講談社) 1951
  • 『聖母マリヤ』(ショレム・アーシュ、中央公論社) 1950
  • 『赤い竹 タイの僧院の物語』(クークリット・プラモイ、時事通信社) 1956
  • 『鉛の服を着た男』(ダニエル・ラング、時事通信社) 1956
  • 『農民音楽隊』(張愛玲、時事通信社) 1956
  • 『天使の群』(ロバート・ペン・ウォーレン荒地出版社、現代アメリカ文学全集10) 1957
  • 『黒い自由の夏を』(サリー・ベルフレージ、朝日新聞社) 1967

アプトン・シンクレア[編集]

  • 聖林爆撃』(アプトン・シンクレア言海書房) 1935
  • 『映画王フォツクス』(アプトン・シンクレア、訳編、言海書房) 1936
  • 『勝利の世界』(アプトン・シンクレア、国際出版) 1948
  • 『ラニー・バッドの巡礼 ラニー・バッド第3部』(アプトン・シンクレア、リスナー社) 1948
  • 『ラニーバッド』第1 - 5部(アプトン・シンクレア、共和出版社) 1949 - 1950
  • 『世界の末日』(アプトン・シンクレア、中央公論社) 1950
  • 『ラニー・バッドの生還』(シンクレア、桃園書房) 1954
  • 『敵も持つていた』(アプトン・シンクレア、日月社) 1955
  • 『砂漠の夜の夢 第三次世界大戦の恐怖』(アプトン・シンクレア、日月社) 1957

脚注[編集]

  1. ^ 並河萬里 :: 東文研アーカイブデータベース”. www.tobunken.go.jp. 2023年9月26日閲覧。
  2. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2023年9月26日閲覧。

参考[編集]

  • 日本近代文学大辞典