ロボコン (キャラクター)

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ロボコンは、テレビ朝日系列で放送された特撮テレビドラマおよびその原作漫画『がんばれ!!ロボコン』、そのリメイク版である特撮テレビドラマ『燃えろ!!ロボコン』、特撮映画『がんばれいわ!!ロボコン』の主人公(架空のロボット)。

2014年にシリーズ40周年を迎えた[1]

特徴

卵型の赤いボディが特色の、ドジだが一生懸命なロボットである点は全てにおいて共通している。『がんばれ!!ロボコン』に登場する初代、『燃えろ!!ロボコン』に登場する2代目、『がんばれいわ!!ロボコン』に登場する3代目では、ボディーや性能に若干の相違点が見られる。

  • ドジなロボットであるため、対物破壊が多い。特に多いのはドアの破壊である。初代も2代目も、これは頻繁に行っている。
    • 『がんばれ!!~』では、後期OPのタイトル前に、「いきなりロボコンがドアを破壊する」シーンが挿入されていた。つまり、視聴者は最初に「ロボコンによるドアの破壊」を見るわけである。
  • 基本的には「お手伝いロボット」なので、エプロンを愛用している。両者とも胴体が大きい為、特注品(専用サイズ)のものである。特に、初代は「ロボコンのアップリケ」が施された黄色いエプロンを、最後まで愛用していた。これとは別に、ロボコンの前面ハッチは「エプロン」と呼ばれている[2]
  • 頭部にアンテナがある。石ノ森は嫌がったのだが、鈴木武幸プロデューサーが付けさせたという[3]。初代のアンテナは、スピーカーのコーン部分の部品。3代目のアンテナは太陽光の収集機能とレーダー機能も兼ね備えた「サンサンレーダー」になっている[4]

プロフィール

初代ロボコン

初代ロボコンには、劇中で語られない部分も含め主に石森プロによって詳細なプロフィールが設定され、図鑑や雑誌などで公表された[5]

諸元
初代ロボコン
身長 150 cm[5]
体重 80 kg[5]
最高速度 10 km/h(初期)、20 km/h(ロボコンサイクル)[6]
飛行速度 15 km/h(初期)→25 km/h(後期)[6]
出力 (ガソリンが入っているとき)普段は100馬力、最大で300馬力[6]
出身地 ロボットランド[5](東京郊外の地底深くにあり、ロボット以外の出入りは固く禁じられている[7]
  • 生年月日昭和43年5月15日[5]
  • スリーサイズ:B:110cm W:130cm H:120cm[5]
  • 大好きな人:ロビンちゃん[5]
  • 苦手なもの:ゴキブリ(頭部のアンテナで感知できないため)、ガンツ先生(頭が上がらないという意味で)、ガス欠(最大の弱点)[5]
  • 好きな食べ物:ガソリン[6]
  • タンクの最大容量:10リットル[6]
  • 知能指数:IQ 200くらい(しかし基礎的な計算間違いが多い)[6]
  • その他
    • ガンツ先生が、ロボットランドの人手不足を解消するために作ったロボット[5]。(そうとは知らずに)スクラップ工場のガラクタを原料にしてしまった[5]。その後、武者修行を兼ね人間の手伝いをするサービスロボットとして人間界へ来た[5]
    • 頭部のアンテナは10km四方の物体・物音を感知できる[6]
    • 腕は最大3メートル、頭部・脚は最大5メートルまで延伸できる[6]
    • 一度の飛行でガソリンを3リットル消費する[6]
    • 両腕を回転させることで発電ができる[7]
    • オーバーヒート防止のために体内に冷却装置が内蔵されており、氷を作ることもできる[7]
    • 全身製であり、水に浮いたり泳いだりはできない。ロボ根性で水に入ることは可能だが、体内の電子回路がショートするとパワーがダウンする[7]
    • 故障した場合、原則としてロボットランド(ロボット本部)に戻りガンツ先生に修理してもらうが、ちょっとした故障の場合は仲間のロボットや居候先の人間に直してもらう場合もある[7]
    • ロボットであるが、体内メカを休めるために夜は睡眠をとる[7]
    • 将来の夢は究極的にはA級ロボットに昇格しロビンちゃんと結婚すること、日々の目標は100点満点を取ること、さらにスマートでかっこいい姿に改造してもらうことを願う[7]

作品ごとの違い

詳細な違いは各作品ごとの項目を参照。ここでは、大まかな違いを記述する。

エネルギー源の違い
初代はガソリンエンジン、2代目は電気エネルギー、3代目は太陽光で稼動する[4]。エネルギー量はともに価格は1000円分である。
  • 初代は、ガソリンスタンドで給油するシーンが、2代目は家庭用コンセントで充電するシーンがある。
2代目は新たに設定された「ロボレナリン」と呼ばれる物質を分泌させることにより、通常時を上回る力を発揮する。3代目にもロボレナリンの設定はある[8]が、劇中では言及されていない。
演出上の最大の違い
初代は、頑張った結果、爆発四散する事が多かった(脚本の「メインライターの上原正三の作風説[9]」有り)。
  • 最初は、ダイナマイトの爆発に巻きこまれて、真っ二つに裂けた。
  • その後は、裂ける事こそ無かったが、頻繁に爆発した。
  • お百度参りの際のオーバーヒートで、神社の沿道で爆発した事もあった(似た状況は2代目にもあった)。
2代目に関しては、何度も壁面にぶつけられてスパーク英語版した事はあったが、爆発はしなかった(放送コードの為である[3])。
3代目は殴打されただけでバラバラになってしまう。
初代は、背中にプロペラが収納されており、それを展開して飛行することが出来るが、2代目はこうした装備が一切無いので自力での飛行は不可能である(ロボプルと合体してはじめて飛行可能になる)。3代目はオプション装備で走行(カーモード)兼飛行(ドローンモード)、ホバリング(ホバーモード)までできるようだが、変形場面がなく詳細不明だが成層圏まで飛行している。
デザイン、造形の違い
腕と脚が蛇腹状なのは共通だが、その表現が歴代で異なる。また、原作漫画では脚が見えないほどの短足に描かれている。
手足の色は歴代で異なる。
アンテナの形状は初代と2代目はほぼ同じだが、3代目は大きく異なる。原作では主に渦巻き状に描かれている。また3代目は前述の通り太陽電池で動かし、かつ10㎞先のものまで見つけることができるレーダー機能が設けられているため目の周りが黒くなっている。
2代目のみ胴体の下部両脇にライトがある(初代は瞳がライトになる)。

キャスト

初代ロボコン
声の出演 山本圭子がんばれ!!ロボコン燃えろ!!ロボコンVSがんばれ!!ロボコン戦え!ぼくらのヒーロー大集合、マンガで見る環境白書紹介アニメーション)他
スーツアクター 榎本武士(がんばれ!!ロボコン、戦え!ぼくらのヒーロー大集合)
2代目ロボコン
声の出演 伊倉一恵燃えろ!!ロボコン、燃えろ!!ロボコンVSがんばれ!!ロボコン)
スーツアクター 神尾直子(燃えろ!!ロボコン、燃えろ!!ロボコンVSがんばれ!!ロボコン)
3代目ロボコン
声の出演 斎藤千和がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻[4]
スーツアクター 神尾直子 (がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻)

その他の出演作

初代ロボコン
2代目ロボコン
その他
初代と2代目の共演
NG企画
  • オリジナルビデオ『ウルトラマンVS仮面ライダー』の企画段階において、快獣ブースカと共に進行役をするという話もあった模様。
  • 石ノ森章太郎自ら、晩年にロボコンの新作を企画していた。没後に企画に添付されたラフスケッチのデザインは、『燃えろ』に流用された[3]
  • バンダイのフィギュア『S.I.C.』で単品のフィギュア化の企画があったが、『燃えろ』の放映時期だったため、お蔵入りした(トレーディングフィギュアの匠魂でフィギュア化されている)。なお、このシリーズは前述の新作の企画と一緒に東映に出した『キカイダーOO』の企画から生まれたものである。

脚注

  1. ^ a b ライブドアニュース 2014年9月16日「 ロボコンが鈴村健一誕生日サプライズゲストで登場!「東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー」 」
  2. ^ 後番組の「ロボット110番」のガンちゃんの前面ハッチもエプロンと呼ばれている。
  3. ^ a b c 『電撃特撮通信』VOL1、鈴木武幸×小嶋雄嗣対談インタビュー、1999年
  4. ^ a b c 『がんばれいわ!!ロボコン』クランクアップ!さらに出演キャスト解禁!!”. 東映オフィシャルサイト. 2020年6月18日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k 『ホビージャパンMOOK 342 がんばれ!!ロボコン』44頁。
  6. ^ a b c d e f g h i 『ホビージャパンMOOK 342 がんばれ!!ロボコン』45頁。
  7. ^ a b c d e f g 『ホビージャパンMOOK 342 がんばれ!!ロボコン』46頁。
  8. ^ 『人体のサバイバル!/がんばれいわ!!ロボコン』パンフレットより。
  9. ^ 切通理作によると、上原正三作品には爆発への拘りがみられるという。
  10. ^ 山本はロボコンのレギュラーの山本先生役でも出演している。
  11. ^ 朝日新聞 縮刷版朝日新聞社、1975年8月21日付ラジオ・テレビ欄。 

参考文献

  • 『ホビージャパンMOOK 342 がんばれ!!ロボコン』ホビージャパン、2010年、ISBN 978-4-7986-0049-9

関連項目

外部リンク