メガテリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メガテリウム
生息年代: 新生代新第三紀前期鮮新世 ~ 第四紀更新世, 5–0.01 Ma
Megatherium americanumの全身骨格
地質時代
新生代新第三紀鮮新世前期 ~ 第四紀更新世
(約5百万~1万年前)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 有毛目 Pilosa
亜目 : ナマケモノ亜目 Folivora
: メガテリウム科 Megatheriidae
: メガテリウム Megatherium
学名
Megatherium Cuvier1796
下位分類(
  • M. americanum (模式種)
  • M. altiplanicum Saint-André & de Iuliis, 2001
  • M. celendinense Pujos, 2006
  • M. medinae Philippi, 1893
  • M. istilarti Kraglievich, 1925
  • M. parodii Hoffstetter, 1949
  • M. sundti Philippi, 1893
  • M. gallardoi Ameghino & Kraglievich, 1921
  • M. urbinai Pujos & Salas, 2004

メガテリウム (Megatherium) は、新生代新第三紀前期鮮新世 ~ 第四紀更新世(約5百万~1万年前)ごろ、南アメリカ大陸に生息していた巨大なナマケモノの近縁である。和名は大懶獣(だいらんじゅう、だいらいじゅう)またはオオナマケモノ

形態[編集]

メガテリウム復元想像図

地上性のナマケモノとしては最大級であり、成長すると全長5~6m、体重3~5tにもなった。この巨体、特に過大な体重のため木に登る事はできず、現生するナマケモノと異なり地上性であった。四肢に長い鉤爪があり、尾は太く長い。二本足で立ち上がって巨木の枝を鉤爪の付いた強い前足で引き寄せ、長い舌で葉をしごいて食べていたと考えられる。草原に出て、鉤爪で土を掘って根茎を食べていた可能性もある。細長い吻部には門歯は無く、貧弱な臼歯がわずかに残るだけであった。しかし咬筋は強力であり、この歯で葉や根茎をすり潰していた。かれらが好んで食べたのは、かつての生息域に多く見られるケヤキに似たヤマゴボウ科の植物の一種であった。

頭骨
鉤爪

近縁属[編集]

北アメリカ大陸にも、同科でほぼ同じ大きさのエレモテリウムがいた。共に絶滅した種であり現存しないが、アメリカに進出した人類と遭遇し、狩猟の対象になっていた。

絶滅[編集]

鮮新世末に南北アメリカがパナマ地峡でつながり、ジャガーの祖先や剣歯虎スミロドンなどの仲間がアメリカ大陸間大交差で南アメリカに進出し、メガテリウムの幼獣も捕食したが、なお繁栄を続け、更新世末に絶滅した。絶滅の原因はこの頃、南北アメリカに広がった人類による部分が大きいとされるが、はっきりしていない。

[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]