メイ・ロン

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メイ・ロン
化石標本
地質時代
白亜紀前期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
下目 : テタヌラ下目 Tetanurae
階級なし : コエルロサウルス類 Coelurosauria
: トロオドン科 Troodontidae
亜科 : シノヴェナトル亜科 Sinovenatorinae
: メイ属 Mei
学名
Mei long
Xu & Norell2004

メイ・ロン寐龍Mei long)は、中国遼寧省北票市中生代白亜紀前期の地層から発見された小型の肉食恐竜である。メイ・ロングとも。メイ・ロンとは、中国語で「眠る竜」を意味する(漢字表記では寐竜)。これは本種が眠るときに現生の鳥類と同様の姿勢をとっていたと考えられることにちなんでいる。なおメイは属名、ロンは種小名であるが、現在のところ模式種であるロン種のみしか知られていない。

幼年期の復元標本
正基準標本のヒトと比較した場合の大きさ

メイ・ロンは小型の獣脚類であるトロオドン科に分類される。発見された個体はまだ成長途上と見られ、全長53cmほどである。発掘されたときの化石の状態は、現生鳥類が眠るときにとる姿勢と同様に、首を後ろに回して頭部を肘の下に入れる形をとっていた。脱臼がほとんどなかったことから、土砂の重みなどで死後に変形したものではなく、睡眠中または休息中の姿勢でそのまま化石化したものであると考えられている。

鳥類だけが持つと思われていた習性が恐竜にも見られたことで、メイ・ロンは鳥類が恐竜から進化したとする学説を補強する存在となった。さらに、この姿勢は恒温動物にとって頭部や頸部の体温低下を防ぐ効果があるため、メイ・ロンが一定の恒温性を獲得していた可能性が指摘されている。ただし、重要な器官である頭部を中心に体を丸めることはヘビトカゲや蛾の幼虫など、変温動物でも普通に認められる休息姿勢である。

メイ属の系統学的位置[編集]

登場作品[編集]

映像作品
  • 恐竜vsほ乳類後編にて、恐竜が内温性を獲得していた事を示す証拠として取り上げられた。
  • プレヒストリックパーク第3回に全長2.5メートルほどの大人が脅威として登場した。この大きさは推測に元にしている。ガス中毒により眠ったまま死亡した描写がある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]