マルセロ・ブロゾヴィッチ

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マルセロ・ブロゾヴィッチ
クロアチア代表でのブロゾヴィッチ (2021年)
名前
愛称 奇人
ラテン文字 Marcelo Brozović
基本情報
国籍 クロアチアの旗 クロアチア
生年月日 (1992-11-16) 1992年11月16日(31歳)
出身地 ザグレブ
身長 181cm
体重 68kg
選手情報
在籍チーム サウジアラビアの旗 アル・ナスル
ポジション MFDM[1][2]
背番号 77
利き足 右足
ユース
2002-2010 クロアチアの旗 フルヴァツキ・ドラゴヴォリャツ
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2010-2011 クロアチアの旗 フルヴァツキ・ドラゴヴォリャツ 22 (1)
2011-2012 クロアチアの旗 ロコモティヴァ 33 (5)
2012-2015 クロアチアの旗 ディナモ・ザグレブ 64 (9)
2015-2023 イタリアの旗 インテル・ミラノ 261 (25)
2023- サウジアラビアの旗 アル・ナスル 21 (2)
代表歴2
2009-2010  クロアチア U-18 4 (0)
2010-2011  クロアチア U-19 1 (0)
2011-2012  クロアチア U-20 5 (3)
2011-2013  クロアチア U-21 12 (7)
2014- クロアチアの旗 クロアチア 87 (7)
1. 国内リーグ戦に限る。2024年3月19日現在。
2. 2023年6月18日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

マルセロ・ブロゾヴィッチ(Marcelo Brozović, クロアチア語発音: [martsělo brǒːzoʋitɕ], 1992年11月16日 - )は、クロアチアザグレブ出身のサッカー選手サウジ・プロフェッショナルリーグアル・ナスル所属。クロアチア代表。ポジションはMFアンカー[1][2]クロアチア語に近い発音はマルツェロ・ブロゾヴィッチ

クラブ経歴[編集]

クロアチア時代[編集]

NKフルヴァツキ・ドラゴヴォリャツユースチームでキャリアをスタートさせ、2009年にトップチームデビュー。このシーズンでチームがプルヴァHNLへ昇格し、2010年7月24日、ディナモ・ザグレブ戦でトップリーグデビューを果たした。2011年3月18日のカルロヴァツ戦で初ゴールを記録。2011年7月、ロコモティヴァ・ザグレブに移籍した[3]

2012年8月、ハンブルガーSVに移籍したミラン・バデリの代替として、ディナモ・ザグレブに7年契約で移籍[4]

インテル[編集]

2014年夏にインテル・ミラノからのオファーがあったものの、断ったことをディナモ・ザグレブ会長のズドラフコ・マミッチが明かした[5]。その後、ACミランボルシア・ドルトムントからの興味が報じられたが[6]、2015年1月24日にインテル・ミラノへ1年半契約での買取義務付きレンタル移籍が発表された[7]。移籍金800万ユーロ、レンタル期間を含めて2019年6月までの4年半の契約を交わした[8][9]。2015年2月1日のUSサッスオーロ・カルチョ戦でセリエAデビューを果たし、5月31日のエンポリFC戦で初得点を記録した。

2015-16シーズンはフェリペ・メロジョフレイ・コンドグビアと中盤でコンビを組み32試合に出場したものの、翌2016-17シーズンは不安定なスタートを切ったチームに影響され不調に陥り、また2016年9月にはユヴェントスFC戦で招集メンバー外になるなどフランク・デ・ブール監督との不和も伝えられた[10]。11月にはデ・ブールが解任されステファノ・ピオリが新監督になると状況が変わるかと思われたが、冬に加入したロベルト・ガリアルディーニの存在やフォーメーション変更の余波を受けサブメンバーのままシーズンを終えた。

2017-18シーズンは新監督に就任したルチアーノ・スパレッティが新加入のボルハ・バレロを重用したため引き続き不安定な立場となり冬にはセビージャFCへの移籍も噂されたが残留。シーズン終盤に向かうにつれてバレロが失速するとレギュラーに定着し、クラブのUEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得に貢献した[11]

2020-21シーズン、33試合2ゴール6アシストでインテルのリーグ優勝に貢献した[12]。2022年にインテルとの契約を2025-26シーズン終了まで延長した。

代表歴[編集]

2014年5月31日、代表初招集ながら2014 FIFAワールドカップ出場メンバーに選出され、6月7日のオーストラリアとの親善試合にフル出場し代表デビュー[13]。本大会ではブラジルとの開幕戦に途中出場した[7][14]。2014年10月13日、UEFA EURO 2016予選アゼルバイジャン戦で代表初得点を挙げた[15]

2016年、ユーロでは3試合に出場した[15]。2018年、ワールドカップロシア大会ではアイスランド戦を除く6試合に出場[15]、グループリーグのアルゼンチン戦でモドリッチのゴールをお膳立てした。決勝フランス戦でもプレーし、準優勝を果たした。2021年、ユーロでは4試合に出場した[15]。 2022年6月13日、UEFAネーションズリーグデンマーク戦では初めてキャプテンを務めた。

プレースタイル[編集]

目標とする選手としてフランク・ランパードを挙げている[16]

中盤の底でプレーする[16][17]。2017-18シーズンにおいてレジスタとして開花し、視野が広く、ビルドアップにおいての貢献度は計り知れない[14][17]。強烈なミドルシュートも持ち味である[18]。また特筆すべきはスタミナであり、2018年9月に発表された1試合の平均走行距離ではセリエA1位の12.289kmを記録[19]2018年W杯準決勝のイングランド戦では延長戦となったこともあり、走行距離は大会最長となる16.399kmを記録した[20]

人物・エピソード[編集]

  • 2015年12月、母国クロアチアにて飲酒状態でBMW・X6を運転し、赤信号を無視して通過したところを警察に止められた。ブロゾヴィッチはこの2ヶ月前にも信号無視をして免許停止状態となっていたため、無免許運転にもなり、3つの交通違反を犯しており逮捕された[21]。所属していたインテルのロベルト・マンチーニ監督は「特別な事じゃない。クリスマスのパーティーは皆するものだろう。グラスワインを飲む事だってある。アルコール度数はそう高くなかったんだ」と語り、ブロゾヴィッチがチームに残留する事を強調した[22]

個人成績[編集]

2018-19シーズン終了時点
クラブ シーズン リーグ カップ UEFA その他 通算
ディヴィジョン 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
フルヴァツキ・ドラゴヴォリャツ 2010-11 プルヴァHNL 22 1 1 0 23 1
ロコモティヴァ 2011-2012 プルヴァHNL 27 4 27 4
2012–13 6 1 1 1 7 2
通算 33 5 1 1 34 6
ディナモ・ザグレブ 2012-13 プルヴァHNL 23 2 1 0 6 0 30 2
2013-014 27 6 6 1 8 1 1 0 42 8
2014-15 14 1 0 0 12 2 1 0 27 3
通算 64 9 7 1 26 3 2 0 99 13
インテル 2014-15 セリエA 15 1 1 0 16 1
2015-16 32 4 3 3 35 7
2016-17 23 4 2 0 3 1 28 5
2017-18 31 4 2 0 33 4
2018-19 32 2 2 0 8 0 42 2
2019-20 32 3 3 0 11 0 - 46 3
2020-21 33 2 4 0 5 0 - 42 2
通算 198 20 17 3 27 1 242 24
キャリア通算 317 35 26 5 53 3 2 0 398 44

代表歴[編集]

出場大会[編集]

試合数[編集]

国際Aマッチ 59試合 6得点 (2014年 - )


クロアチア代表国際Aマッチ
出場得点
2014 7 1
2015 7 2
2016 11 3
2017 7 0
2018 12 0
2019 7 0
2020 4 0
2021 15 1
2022 6 0
通算 76 7

タイトル[編集]

クラブ[編集]

NKディナモ・ザグレブ
インテル
アル・ナスルFC

個人[編集]

  • セリエA最優秀MF賞 : (2021-22)

脚注[編集]

  1. ^ a b “マルセロ・ブロゾビッチ”. ゲキサカ. https://web.gekisaka.jp/player/?54776-54776-eup 2023年12月6日閲覧。 
  2. ^ a b 「まじでいい選手」森保ジャパンが警戒すべき熟練アンカー、クロアチア代表ブロゾビッチのプレー集に反響!「スタミナおばけ」【W杯】”. サッカーダイジェストWeb (2022年12月5日). 2023年12月6日閲覧。
  3. ^ Lokomotiva cilja na ostanak” [Lokomotiva aims to stay] (Croatian) (2011年7月13日). 2014年6月29日閲覧。
  4. ^ Dubravac, Ante (2012年8月31日). “Marcelo Brozović potpisao sedmogodišnji ugovor s Dinamom [Marcelo Brozovic signed a seven-year contract with Dinamo]” (Croatian). Sportnet.hr. http://www.hrsport.net/vijesti/446038/nogomet-1-hnl/marcelo-brozovic-potpisao-sedmogodisnji-ugovor-s-dinamom/ 2012年8月31日閲覧。 
  5. ^ “ディナモがインテルのオファーを断る 「ブロゾビッチは売らない」”. Gazetta.it. (2014年6月30日). https://news.livedoor.com/article/detail/8991857/ 2015年1月25日閲覧。 
  6. ^ “ドルトがクロアチア代表ブロゾヴィッチ獲得に本腰…ミランと争奪戦へ”. サッカーキング. (2014年11月25日). http://www.soccer-king.jp/news/world/ita/20141125/253285.html 2015年1月25日閲覧。 
  7. ^ a b “積極補強続けるインテル、クロアチア代表MFブロゾヴィッチを獲得”. サッカーキング. (2015年1月25日). http://www.soccer-king.jp/news/world/ita/20150125/274946.html 2015年1月25日閲覧。 
  8. ^ “インテル クロアチアの新鋭ブロゾビッチを射止める & 夏の本命はラベッシ”. サッカーダイジェスト. (2015年1月26日). http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=7271 2015年1月27日閲覧。 
  9. ^ “積極補強のインテル、ブロゾビッチ加入を正式発表”. GOAL. (2015年1月27日). http://www.goal.com/jp/news/1867/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2/2015/01/27/8331872/%E7%A9%8D%E6%A5%B5%E8%A3%9C%E5%BC%B7%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%BE%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%81%E5%8A%A0%E5%85%A5%E3%82%92%E6%AD%A3%E5%BC%8F%E7%99%BA%E8%A1%A8 2015年1月27日閲覧。 
  10. ^ インテルMFブロゾビッチがクラブに反発「理由もないのに外された!」 - フットボールチャンネル 2016年9月18日
  11. ^ 放出候補から主力選手へ インテルで這い上がったブロゾビッチ、「最高のシーズン」を振り返る - theWorld 2018年6月4日
  12. ^ インテルMFブロゾヴィッチ、契約延長の秘話を明かす「他のクラブと話したくない」”. Soccer KIng (2022年3月24日). 2022年5月23日閲覧。
  13. ^ “MAustralia’s 1-0 loss to Croatia was a step in the right direction ahead of the World Cup kick-off”. Herald Sun. (2014年6月7日). http://www.heraldsun.com.au/sport/football/australias-10-loss-to-croatia-was-a-step-in-the-right-direction-ahead-of-the-world-cup-kickoff/story-fnkjbhv0-1226946640529?nk=3d134797e589424cea6622cab13ddba3 2015年1月25日閲覧。 
  14. ^ a b “【発掘!ニュースター ブラジルで見つけた光る原石】マルセロ・ブロゾビッチ|クロアチア代表”. サッカーダイジェストweb. (2014年6月16日). http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=3996 2015年1月25日閲覧。 
  15. ^ a b c d MARCELO BROZOVIĆ”. クロアチアサッカー協会. 2022年11月16日閲覧。
  16. ^ a b インテル加入を喜ぶブロゾビッチ 「アイドルはランパード」”. GOAL (2015年1月30日). 2015年1月31日閲覧。
  17. ^ a b マルセロ・ブロゾヴィッチ”. Qoly. 2015年1月25日閲覧。
  18. ^ ミランが獲得を狙っていたブロゾビッチ。インテルと合意か フットボールチャンネル
  19. ^ 走れば勝てるわけじゃない? セリエAで「走行距離」の上位2チームが降格圏に。首位ユベントスは…”. サッカーダイジェスト (2018年9月14日). 2018年11月13日閲覧。
  20. ^ クロアチア初決勝、小国の22人が見せた不屈の心”. 日刊スポーツ (2018年7月13日). 2018年11月13日閲覧。
  21. ^ Marcelo Brozović na Božić vozio pod zabranom i pijan prošao na dva crvena semafora Večernji list 2016年1月4日
  22. ^ マンチーニ、ブロゾビッチ放出を否定 飲酒運転には「誰だってクリパはするもの」 Goal.com 2016年1月6日

外部リンク[編集]