マックス・ベルジュイス

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マックス・ベルジュイス
Max Velthuijs
誕生 (1923-05-22) 1923年5月22日
オランダの旗オランダハーグ
死没 (2005-01-25) 2005年1月25日(81歳没)
オランダの旗オランダハーグ
職業 児童文学作家イラストレーター
国籍 オランダの旗 オランダ
主な受賞歴 金の絵筆賞、金の石筆賞、国際アンデルセン賞
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マックス・ベルジュイスオランダ語: Max Velthuijs 1923年5月22日2005年1月25日[1])は、オランダ人児童文学作家、イラストレーターである。

1923年、オランダハーグ生まれ。

1977年、1986年、1993年、1997年にオランダ金の絵筆賞、1992年に金の石筆賞、1990年、1993年に銀の石筆賞、2004年に国際アンデルセン賞を受賞した[2]。ボローニャ国際絵本原画展の常連作家の一人でもある。

没年の2005年「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」で特別展示にかかり(板橋立区美術館・日本国際児童図書評議会)、同年夏に大谷記念美術館兵庫県)でも展覧した[3][4]。オランダを代表する絵本作家として2007年春から翌年初春に合同展「オランダ絵本作家展」が東京、徳島市[注釈 1]佐世保市[6][7]帯広市[8]、郡山市[9]の会場をめぐり、ベルジュイス[10]の作品と愛用の品に加えてディック・ブルーナハルメン・ファン・ストラーテン英語版(1958年-)以下現役作家の作品を披露した[11]。この巡回展はオランダ王国大使館や日蘭協会、各地のNHK支局の後援を得ている[5]

苗字のカタカナ表記は、英語読みをした場合の発音に近い、ベルジュイスで定着して久しいが、オランダ語の発音に基づくと、フェルトハウスがより正しい表記となる。

経歴[編集]

受賞歴[編集]

  • 金の絵筆賞
    • 1977年 Het goedige Monster en de Rovers に対して
    • 1986年 Klein-Mannetje vindt het geluk に対して
    • 1993年 Kikker in de kou に対して(『げんきをだしてねかえるくん』)
    • 1997年 Kikker is Kikker に対して(『かえるくんはかえるくん』)
  • 金の石筆賞
    • 1992年 Kikker en het vogeltje に対して(『かえるくんととりのうた』)
  • 銀の石筆賞
    • 1990年  Kikker is verliefd に対して(『かえるくんどうしたの』)
    • 1993年 Kikker in de kou に対して[12][2]
  • 国際アンデルセン賞画家賞 
    • 2004年 児童文学に寄せた功績に対して[2][12]

主な作品[編集]

  • Versjes die wij nooit vergeten(Rhymes we will never forget) (1962)
  • A is een aapje(A is for Monkey) (1964)
  • Frog
  • x (1978)
  • Kikker is verliefd(Frog in Love)(『かえるくんどうしたの』) (1989)

日本語訳された作品[編集]

挿画

  • ミッシャ・ダムヤン(英語)作『おおかみとちびやぎ』マックス・ヴェルジュイス 絵、芦野あき 訳、佑学社〈ヨーロッパ創作絵本シリーズ〉、1979年[13]

マックス・フェルタイス名義[編集]

  • 『少年と大きなさかな』植田敏郎 訳〈世界の絵本 ; スイス〉講談社、1971年

マックス・ベルジュイス名義[編集]

  • 『こころのやさしいかいじゅうくん』楠田枝里子 訳、ほるぷ出版、1978年
    • 紙芝居『こころのやさしいかいじゅうくん』八木田宜子 脚本、ほるぷ出版〈ほるぷの紙芝居 世界のおはなしシリーズ〉、1989年
  • 『ぬすまれたかいじゅうくん』楠田枝里子 訳、ほるぷ出版、1978年
  • 『えかきさんとことり』はせがわしろう やく、ほるぷ出版、1979年
    • 紙芝居『えかきさんとことり』やぎたよしこ 脚本、ほるぷ出版〈ほるぷの紙芝居 海外秀作シリーズ〉、1982年
  • 『たことしょうねん』楠田枝里子 訳、ほるぷ出版、1980年
  • 『きこりとはと』佐々木元 訳、フレーベル館、1981年

清水奈緒子 訳、セーラー出版

  • 『ああうるさい』1990年
  • 『かえるくんどうしたの』1990年[14]
    • 『かえるくんどうしたの』(改訂版)2007年
  • 『かえるくんととりのうた』1991年
  • 『こびとくんのいえさがし』1992年
  • 『こびとくんのきゅうじょたい』1992年
  • 『こびとくんのしあわせないちにち』1992年
  • 『ワニくんのだいけっさく』1992年
  • 『げんきをだしてねかえるくん』1993年
  • かえるくんとたびのねずみ』[15]1994年
  • 『かえるくんのこわい夜』1995年
  • 『すごいぞかえるくん』1996年
  • 『かえるくんはかえるくん』1997年
    • 『かえるくんはかえるくん』(改訂版)2007年
  • 『かえるくんたびにでる』2000年
  • 『かえるくんのとくべつな日』2001年
  • 『かえるくんのあたらしいともだち』2003年
  • 『かえるくんのたからさがし』2005年
  • 『かえるくんはかなしい』2006年
  • 『かえるくんはかえるくん』(改訂版)2007年

野坂悦子 訳

  • 『男の子とおおきなさかな』ほるぷ出版、2007年
  • 『たいせつなてがみ』セーラー出版、2011年
  • 『かえるくんのかずのえほん』ディー・ティー・ジャパン〈World library オランダ〉、2014年

参考文献[編集]

脚注の典拠。主な執筆者の姓の順。

  • 「今月の書評『かえるくんどうしたの』ほか」『子どもの本棚 : 月刊書評誌』第19巻8(262)、日本子どもの本研究会、1990年8月、2-18頁。 
  • 「Max Velthuijs マックス・ベルジュイス : 2004年画家賞(オランダ)」『ブックアンドブレッド : 日本国際児童図書評議会(JBBY)会報』第155号、日本国際児童図書評議会、2023年6月、18頁。 掲載雑誌別題『Book & bread : Japanese Board on Books for Young People (JBBY) bulletin』。
  • 野坂 悦子「マックス・ベルジュイス作 野坂悦子訳『男の子とおおきなさかな』」『こどもの本』第33巻第4号、日本児童図書出版協会、2007年4月、3頁、ISSN 0385-0463 
  • 全国保育問題研究協議会編集委員会 編(編)「「おおかみとちびやぎ」の教材分析と実践報告」『季刊保育問題研究』、新読書社、東京、1981年2月、46-53(25コマ目)、doi:10.11501/2647003 

洋書

関連資料[編集]

発行年順。

  • 『イタリアボローニャ国際絵本原画展2005:開催25周年記念スペシャル/特別展示・マックス・ベルジュイス』日本国際児童図書評議会、2005年。全国書誌番号:20917305。板橋区立美術館で催した展示カタログ。

他国語版

  • Kurbaga ve Yabanci Seckin Erdi 訳、Kabalci、2005。トルコ語版(かえるくんとたびのねずみ)。英語版原書[注釈 3]の他にアルバニア語版、ウルドゥー語版、スペイン語版、ソマリ語版、中国語版、フランス語版、ベトナム語版、ベンガル語版、ポルトガル語版がある。電子版は2言語併記。

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 展覧会の構成。 計 278点展示 [5]
  2. ^ Marija Nikolajevaは執筆当時、ラトビア大学人文学部ラトビア・バルト研究学科ラトビア語・一般言語学講座長。
  3. ^ 英語版原書の書誌は、Max Velthuijs『Frog and the stranger』Tambourine Books(タンバリン・ブックス)、1993年。ニューヨーク市。OCLC 864482789ISBN 9780688132675, 0688132677

出典[編集]

  1. ^ Garrett, Jeffrey (2005). “In Memoriam Max Velthuijs (1923-2005) [追悼記事]” (英語). Bookbird (Basel) 43 (3): 5-6. 
  2. ^ a b c de Rijke, Victoria; Hollands, Howard (2006-06). “Leap of Faith: An Interview with Max Velthuijs” (英語). Children's Literature in Education 37 (2): 185–197. doi:10.1007/s10583-006-9005-5. ISSN 0045-6713. http://link.springer.com/10.1007/s10583-006-9005-5. 
  3. ^ 西宮市大谷記念美術館. “2006イタリア・ボローニャ国際絵本原画展特別陳列 マックス・ベルジュイス”. art commons@nact. 2023年12月23日閲覧。 “会期:2005-08-20~2005-09-25。ボローニャ児童図書店に併設された絵本原画のコンクール展の入選作品による展示(中略)、日本で展示されるのは、84人の作品、411点(中略)、特別展示では2004年アンデルセン賞を受賞したオランダのイラストレーター、マックス・ベルジュイスの作品を展示。”
  4. ^ 西宮市大谷記念美術館 (1980). 国際絵本原画展 : イタリア・ボローニャ. 西宮: 西宮市大谷記念美術館. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002282703-00 
  5. ^ a b かえるくん、ミッフィーとオランダ絵本の仲間たち オランダ絵本作家展”. art.bunmori.tokushima.jp. 徳島県立近代美術館. 2023年12月23日閲覧。
  6. ^ 展覧会 > 絵本の国からこんにちは オランダ絵本作家展 ハウステンボス美術館 | 長崎県”. アイエム[インターネットミュージアム]. 丹青社. 2023年12月23日閲覧。 “2007年7月21日(土)〜9月24日(月)”
  7. ^ 白仁田 順子(写真・文) (2007年8月4日). “2007年8月4日 優しい絵本の世界に”. www.huistenbosch.co.jp. スタッフレポート | イベント&ニュース. ハウステンボスリゾート. 2023年12月23日閲覧。 “ボランティアスタッフによるオランダ絵本の読み聞かせ”
  8. ^ 展覧会 >「オランダ絵本作家展」”. アイエム[インターネットミュージアム]. 丹青社. 2023年12月23日閲覧。 “出品作品は、オランダ絵本界の2大巨匠といわれる、ベルジュイスとブルーナの作品を中心に、現在活躍中の絵本作家10人を加え、絵本原画や出版絵本、2年前惜しまれつつ亡くなったベルジュイスの遺品などの資料を展示します。”
  9. ^ ブルメン市姉妹都市提携20周年記念 オランダ絵本作家展”. 展覧会 > 過去の展覧会一覧. 郡山市立美術館. 2023年12月24日閲覧。 “会期:2008(平成20)年7月5日(土曜日)~8月31日(日曜日)協力:岩波書店金の星社KLMオランダ航空、講談社、小峰書店朔北社、ジェネオン エンタテインメント、セーラー出版、ディック・ブルーナ・ジャパン、PHP研究所BL出版福音館書店、ぶるーな倶楽部、文溪堂、ほるぷ出版。企画協力:産経新聞社。制作協力:ステップ・イースト。協賛:福島トヨタ自動車
  10. ^ 「3-2 特別展 平成19年度特別展一覧:1 かえるくん、ミッフィーとオランダ絵本の仲間たち オランダ絵本作家展」『徳島県立近代美術館年報平成19年度』徳島県立近代美術館、2007年、30,37-41頁。 
  11. ^ Velthuijs, Max、Bruna, Dick、Straaten, Harmen van『オランダ絵本作家展』([東京] : 産経新聞社 , 2007.2)産経新聞社、2007年。 NCID BA80526511。"会期・会場:2007年2月1日-2月20日大丸ミュージアム・東京、2007年4月21日-7月1日徳島県立近代美術館、2007年7月21日-9月24日ハウステンボス美術館、ほか2会場巡回。"。 
  12. ^ a b Duijx, Toin (2004-09). “Winner of the 2004 ANDERSEN ILLUSTRATOR AWARD: Max Velthuijs - The Netherlands”. Bookbird (Basel: ProQuest) 42 (4): 11-15. 
  13. ^ 坂本、山崎、津田 1981, pp. 46-53頁(25コマ目)
  14. ^ 『子どもの本棚』 1990, pp. 2–18
  15. ^ ヴァシリッチ 2023, pp. 1–38