ポップ・グループ

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ザ・ポップ・グループ
The Pop Group
ザ・ポップ・グループ(2014年)
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド ブリストル
ジャンル ポストパンク
アヴァン・ファンク
実験音楽
活動期間 1977年 - 1981年
2010年 -
レーベル ラフ・トレード
Radar Records
共同作業者 スリッツ
デニス・ボーヴェル
ニュー・エイジ・ステッパーズ
マキシマム・ジョイ
リップ・リグ&パニック
ピッグバッグ
マーク・スチュワート&ザ・マフィア
公式サイト thepopgroup.net
メンバー マーク・スチュワート
ギャレス・セイガー
ダン・カトシス
ブルース・スミス
旧メンバー ジョン・ワディントン
サイモン・アンダーウッド

ザ・ポップ・グループThe Pop Group1977年結成 - 1981年解散、2010年再結成)は、イギリスブリストル出身のポストパンク・バンドである。その妥協を知らない不協和な音は、パンク・ロックフリー・ジャズダブの間を橋渡しするものである。彼らの歌詞は(そうではない方が多いが)政治的な性格を有している。

概要[編集]

ザ・ポップ・グループは、1977年に結成され[1]、翌年、デビュー・シングル「She is Beyond Good and Evil」をレイダー(Radar)・レーベルからリリースしている。

彼らのデビュー・アルバム『Y (最後の警告)』は、生じつつあったポストパンク・サウンドの初期の試金石である。レゲエのベテラン・ミュージシャンであるデニス・ボーヴェルのプロデュースによるこのアルバムは、今日でもこの時期のベストの一枚とされている。しかしながら、暫くの間、海外では廃盤となっており、高価な日本からの輸入盤を買うしかなかった。

このアルバムはチャートに入ることはなかったが、バンドはラフ・トレード・レコードと契約した。この時期に、ベースがサイモン・アンダーウッドからダン・カトシスに代わっている。

ラフ・トレードに移るとすぐ、彼らはおそらく一番よく知られているシングル「ウィ・アー・オール・プロスティテューツ」を発表した。このシングルにはフリー・インプロバイザーのトリスタン・ホンジンガー(Tristan Honsinger)がチェロでゲスト参加している。

そして、1980年にはセカンド・アルバム『ハウ・マッチ・ロンガー』がリリースされた。このアルバムにはアメリカのラッパーの元祖であるラスト・ポエッツ(The Last Poets)が参加している。ジャケット写真はアンドレ・ケルテスの手によるもの。

そのすぐ後に、ザ・ポップ・グループは、ドラマーとマネージャー(クリスティン・ロバートソン(Christine Robertson)とディック・オデル(Dick O'Dell))が同じスリッツと片面ずつのシングル「意志あるところ (Where There's a Will...)」をリリースし、ダブやファンクといったジャンルの探求に関心を深めていった。

グループは、法廷での争いや内輪もめの後、1981年に分裂した。メンバーは、ピッグバッグ(Pigbag)、マキシマム・ジョイ(Maximum Joy)、ヘッド(Head)、リップ・リグ&パニックといったグループを結成した。このうちリップ・リグ&パニックにはネナ・チェリーが参加している。

一方、ボーカルのマーク・スチュワートは、On-Uサウンドと協力して、最初はマーク・スチュワート・アンド・マフィアとして、そして後にはソロ・アーティストとして、作品を発表した。

ポップ・グループや関連するバンドは、後にトリップ・ホップを生むブリストルのシーンを作り出した。

2010年に再結成を果たし、2011年サマーソニックにて初来日を果たした。

メンバー[編集]

旧メンバー[編集]

  • ジョン・ワディントン (Jon Waddington) - ギター
  • サイモン・アンダーウッド (Simon Underwood) - ベース

日本公演[編集]

  • 2011年8月 :サマーソニック 11
  • 2015年3月1日:東京LIQIDROOM
  • 2015年12月7日:東京 渋谷duo MUSIC EXCHANGE 12月8日:東京 渋谷duo MUSIC EXCHANGE 12月9日:大阪 梅田CLUB QUATTRO

ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

  • 『Y (最後の警告)』 - Y (1979年、レイダー)
  • 『ハウ・マッチ・ロンガー』 - For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? (1980年、ラフ・トレード) ※ラスト・ポエッツとの共作を含む
  • 『ウィ・アー・タイム』 - We Are Time (1980年、ラフ・トレード) ※ライブ、デモ、アウトテイクのコンピレーション。旧邦題『狂気の時』
  • 『ウィ・アー・オール・プロスティテューツ (最後の聖戦)』 - We Are All Prostitutes (1998年、ラフ・トレード) ※コンピレーション
  • 『キャビネット・オブ・キュリオシティーズ』 - Cabinet of Curiosities (2014年、Freaks R Us) ※初期未発表音源集
  • 『シチズン・ゾンビ』 - Citizen Zombie (2015年、Freaks R Us)
  • 『ハネムーン・オン・マーズ』 - Honeymoon on Mars (2016年、Freaks R Us)
  • 『ザ・ボーイズ・フーズ・ヘッド・エクスプローデッド』 - The Boys Whose Head Exploded (2016年、Freaks R Us) ※ライブ

シングル[編集]

  • "She Is Beyond Good and Evil" (1979年、レイダー)
  • 「ウィ・アー・オール・プロスティテューツ」 - "We Are All Prostitutes" (1980年、ラフ・トレード)
  • 「意志あるところ」 - "Where There's A Will..." (1980年、ラフ・トレード) ※スリッツの「はじめにリズムありき」 - "In the Beginning There Was Rhythm"とのスプリット・シングル
  • "Citizen Zombie" (2015年、Freaks R Us)
  • "Mad Truth" (2015年、Freaks R Us)
  • "S.O.P.H.I.A." (2015年、Freaks R Us)
  • "Zipperface" (2016年、Freaks R Us)

脚注[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]