ビーゴ (スペイン)

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Vigo

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 ガリシア州
 ポンテベドラ県
コマルカ ビーゴ
司法管轄区 ビーゴ
面積 109.1 km² [1]
教区数 23
標高 0m
人口 294,997 人 (2014年[1]
人口密度 2,703.91 人/km²
住民呼称 vigués/-esa
ガリシア語率 15.42% (2011年[2]
自治体首長
(2015年)
Abel Ramón Caballero Álvarez
PSdeG-PSOE[3]
議会構成 [4] PSdeG-PSOE:17
PPdeG:7
Marea de Vigo:3
Vigoの位置(スペイン内)
Vigo
Vigo
スペイン内ビーゴの位置
Vigoの位置(ポンテベドラ県内)
Vigo
Vigo
ポンテベドラ県内ビーゴの位置

北緯42度14分10秒 西経08度43分36秒 / 北緯42.23611度 西経8.72667度 / 42.23611; -8.72667座標: 北緯42度14分10秒 西経08度43分36秒 / 北緯42.23611度 西経8.72667度 / 42.23611; -8.72667
ビーゴ公式サイト

ビーゴVigo)は、スペインガリシア州ポンテベドラ県にあるムニシピオ(基礎自治体)。大西洋リア・デ・ビーゴ(Ría de Vigo)に沿って広がる港湾都市であり、スペイン最大の漁港がある。

ガリシア統計局によると2014年の人口は294.997人(2012年:297,355人、2010年:97,124人)[1] で、州都サンティアゴ・デ・コンポステーラや県都ポンテベドラよりも人口が多く、ガリシア州最大の都市であり、ガリシア一の工業都市でもある。

また、オ・ポリーニョバイヨーナフォルネーロス・デ・モンテスゴンドマールモスニグランパソス・デ・ボルベンレドンデーラサルセーダ・デ・カセーラスソウトマイヨールなどの周辺自治体とコマルカ(コマルカ・デ・ビーゴ、州と市の中間単位)を形成している。

ガリシア語話者の自治体住民に占める割合は15.42%(2011年)。

歴史[編集]

ビーゴ湾の海戦[5]

ビーゴには古くから人が住んでおり、市の中心部である丘の上にローマ人の集落が作られた。ビーゴの語源はラテン語の「Vicus」(「村」の意)から来ている。中世にはヴァイキングの襲撃に何度かみまわれた。中世のビーゴは近隣の村の一部であり、独立した村として文献に現れるのは15世紀になってからである。

1585年イングランドの海賊フランシス・ドレークがビーゴを襲い、一時的に占拠した後で建物を焼き払った。数十年後にはトルコの艦隊に襲われた。1656年フェリペ4世の時代に現在も一部が残っている市壁が作られた。この時代は、いくどもの襲撃にもかかわらず、ビーゴは初期の商業を発展させ、スペイン王から特権を与えられた。

スペイン継承戦争では、1702年ビーゴ湾の海戦が起きた。1719年、スペインの艦隊がスコットランド侵攻のためにビーゴを出発しようとしているとして、イギリスの艦隊に包囲された。

19世紀始めのスペイン独立戦争では、ビーゴは1809年1月までフランスの攻撃に耐え、ガリシアで最初に解放された都市となった。フランスから解放された3月28日は「レコンキスタの日」として祝われている。

19世紀から20世紀にかけてビーゴは急速に発展した。その結果、ガリシアのほかの都市に比べて市街は無秩序にできあがっている。

人口[編集]

ビーゴの人口推移 1900-2010
出典:INE(スペイン国立統計局)1900年 - 1991年[6]、1996年 - [7]

経済[編集]

ビーゴはガリシア州の工業の中心地であり、自動車工場や造船所がある。PSAプジョー・シトロエンの工場はガリシア州での雇用に貢献しており、2003年には47,300台の自動車が生産され、その88%がスペイン外に輸出された。

ビーゴにはヨーロッパ最大の漁港があり、漁業会社ペスカノバgl)の本拠地である。また、欧州連合ヨーロッパ漁業局en)の本部が置かれる予定。

金融ではカイシャノバ(Caixanova、正式にはCaixa de Aforros de Vigo, Ourense e Pontevedra)の本店がある。

政治[編集]

自治体首長はガリシア社会主義者党(PSdeG-PSOE)のアベル・ラモン・カバジェーロ・アルバレス(Abel Ramón Caballero Álvarez)[8]、自治体評議員は、ガリシア国民党(PPdeG):13、ガリシア社会党:11、ガリシア民族主義ブロック(BNG):3、となっている(2011年5月22日の自治体選挙結果、得票順)[9]

歴代市長[編集]

首長一覧(1979-)
任期 首長名 政党
1979–1983 マヌエル・ソト・フェレイロ(es PSdeG
1983–1987 マヌエル・ソト・フェレイロ PSdeG
1987–1991 マヌエル・ソト・フェレイロ PSdeG
1991–1995 カルロス・ゴンサーレス・プリンシペ(es PSdeG
1995–1999 マヌエル・ペレス・アルバレス(es PPdeG
1999–2003 ロイス・ペレス・カストリージョ(es BNG-PSdeG
2003–2007 ベントゥーラ・ペレス・マリーニョ(es、2003年12月まで)
コリーナ・ポーロ(es
PSdeG-BNG
PPdeG
2007–2011 アベル・カバジェーロ(es PSdeG-BNG
2011–2015 アベル・カバジェーロ PSdeG
2015–2019 アベル・カバジェーロ PSdeG
2019– n/d n/d

選挙結果[編集]

1999年6月13日自治体選挙[10]
政党 得票数 得票率 獲得議席
PPdeG 50,565 36.71% 11
BNG 34,192 24.83% 8
PSdeG-PSOE 32,314 23.46% 7
PROVI [11] 7,966 5.78% 1
UGA[12] 4,605 3.34% 0
EU-IU[13] 2,102 1.53% 0
EDEG-OV[14] 1,073 0.78% 0
PH[15] 565 0.41% 0
その他[16] 486 0.35% 0

首長当選者:ロイス・ペレス・カストリージョ(BNG)

2003年5月25日自治体選挙[10]
政党 得票数 得票率 獲得議席
PPdeG 52,598 33.11% 10
PSdeG-PSOE 44,497 28.01% 8
BNG 39,387 24.79% 7
PROVI [17] 10,373 6.53% 2
COVI[18] 3,955 2.49% 0
EU-IU 3,197 2.01% 0
E.O.[19] 666 0.42% 0
その他[20] 737 0.46% 0

首長当選者:ベントゥーラ・ペレス・マリーニョ(PSdeG-PSOE)

2007年5月27日自治体選挙[10]
政党 得票数 得票率 獲得議席
PPdeG 66,559 44.12% 13
PSdeG-PSOE 44,398 29.43% 9
BNG 28,030 18.58% 5
PG[21] 4,909 3.25% 0
EU-IU 2,395 1.59% 0
FPG[22] 544 0.36% 0
PH 369 0.24% 0
VDE[23] 312 0.21% 0
CDL[24] 198 0.13% 0

首長当選者:アベル・ラモン・カバジェーロ・アルバレス(PSdeG-PSOE)

2011年5月22日自治体選挙[9]
政党 得票数 得票率 獲得議席
PPdeG 61,616 42.39% 13
PSdeG-PSOE 50,045 34.43% 11
BNG 16,374 11.26% 3
EU 6,588 4.53% 0
OV-GV[25] 2,441 1.68% 0
UPyD[26] 1,746 1.20% 0
PUM+J[27] 803 0.55% 0
FPG 567 0.39% 0
その他[28] 1,085 0.74% 0

首長当選者:アベル・ラモン・カバジェーロ・アルバレス(PSdeG-PSOE)

司法行政[編集]

ビーゴは、ポンテベドラ県第3司法管轄区であるビーゴ司法管轄区に属し、同管轄区の中心自治体である[29]

名所[編集]

カストロ公園
  • 旧市街(Casco Vello) - ビーゴは比較的新しく発展したため、旧市街はそれほど大きくはなく、カフェやアートギャラリーなどのほか、1816年に建てられたロマネスク様式のサンタ・マリーア聖堂などがある。
  • カストロ城(Castelo de Castro) − 市の中心部で、旧市街の南にある丘の上の城塞跡(城塞はフェリペ4世によって築城されたもの)。ビーゴ港を一望できる。
  • プリンシペ通り(Rúa do Principe) - 市街地中心部の歩行者天国であり、ショッピングストリート。

以下、郊外の観光地である

  • ギーア公園 - ビーゴ港の北東にある海に面した丘。
  • サミル海岸(Praia de Samil) - ビーゴ港の南西にあるビーチ。
  • シエス諸島 - リア・デ・ビーゴ(ビーゴ湾)の沖に浮かぶ無人島。夏のみ、連絡船があり、キャンプ、海水浴など自然体験ができる。ビーゴ港からは船で45分。ガリシア州政府によってイージャス・アトランティカ(大西洋の島々)自然公園(Parque nacional das Illas Atlánticas)に指定されている。

参考文献:『地球の歩き方 スペイン 2004〜2005年度版』ダイヤモンド・ビッグ社、『Lonely Planet Spain 第5版』

交通[編集]

空港 − 市の中心から東に15kmの位置にビーゴ・ペイナドール空港en)があり、マドリードバルセロナなどスペイン各地への便がある。

鉄道 − 市街地東部にビーゴ駅があり、周辺はホテルが多く存在する。サンティアゴ・デ・コンポステーラア・コルーニャへは1時間に1本程度の便(約1.5〜2時間)がある。マドリードからの長距離列車は昼に1便(約10時間)、寝台列車が1便ある。 また、ポルトガルポルトへは1日2便(約3時間)ある。

バス - 市街地の南東にバスターミナルがあり、マドリードセビーリャビルバオなど国内都市だけでなく、リスボンへの直通バスが1日1便(約8時間)ある。(場所は北緯42度13分28秒 西経8度42分33秒 / 北緯42.224307度 西経8.709256度 / 42.224307; -8.709256である)

教育・文化[編集]

市内には1990年に創設されたビーゴ大学があり、ビーゴ市内と郊外にキャンパスがあり、他にもポンテベドラとオウレンセにもキャンパスを持つ。

また、ガリシアでの出版の中心で、市内には多くの出版社があり、代表的な出版社であるエディトリアル・ガラクシアとエディションス・シェライス・デ・ガリシアの2社もここにあり、ガリシア語での出版を行っている。ローカル新聞としてファロ・デ・ビーゴ、アトランティコ・ディアリオがある。

スポーツ[編集]

教区[編集]

市内は23の教区に分けられる。

  • アルカブレ(サンタ・バイア)
  • ベアーデ(サント・エステーボ)
  • ベンブリーベ(サンティアーゴ)
  • ボウサス(サン・ミゲル)
  • カブラル(サンタ・マリーニャ)
  • カンデアン(サン・クリストーボ)
  • カストレーロス(サンタ・マリーア)
  • コイア(サン・マルティーニョ)
  • サント・アンドレ・デ・コメサーニャ(サント・アンドレ)
  • コルーショ(サン・サルバドール)
  • フェイシェイロ(サン・トメ)
  • ラバドーレス(サンタ・クリスティーナ)
  • マタマ(サン・ペドロ)
  • ナビア(サン・パイオ)
  • オイア(サン・ミゲル)
  • サイアンス(サン・シュルショ)
  • サン・パイオ(サン・パイオ・デ・フォラ)
  • サン・ショアン・ド・モンテ(サン・ショアン)
  • サルドマ(サン・ペドロ)
  • テイス(サン・サルバドール)
  • バラダーレス(サント・アンドレ)
  • ビーゴ・セントロ(サント・アンドレ)
  • サマンス(サン・マメーデ)

姉妹都市[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c IGE(ガリシア統計局)” (ガリシア語). ガリシア自治州政府. 2015年9月2日閲覧。
  2. ^ Neira, Carlos (ガリシア語), Evolución no uso do galego por concellos, Praza Pública., http://praza.gal/recurso/1263/evolucion-no-uso-do-galego-por-concellos/ 
  3. ^ Saúdo do Alcalde” (ガリシア語). Concello de Vigo. 2015年9月2日閲覧。
  4. ^ Grupos municipais” (ガリシア語). Concello de Vigo. 2015年9月2日閲覧。
  5. ^ ジュール・ヴェルヌ作『海底二万里アルフォンス・ド・ヌヴィルによる挿絵(1870年)
  6. ^ Poblaciones de hecho desde 1900 hasta 1991. Cifras oficiales de los Censos respectivos.
  7. ^ Cifras oficiales de población resultantes de la revisión del Padrón municipal a 1 de enero.
  8. ^ Alcaldes Elecciones 2011” (スペイン語). Gobierno de España, Ministerio de Política Territorial y Administración Pública. 2011年12月7日閲覧。
  9. ^ a b Elecciones Locales 2011” (スペイン語). Gobierno de España, Ministerio de Interior. 2011年12月7日閲覧。
  10. ^ a b c Consulta de Resultados Electorales” (スペイン語). Gobierno de España, Ministerio de Interior, Subsecretaría Dirección General de Política Interior. 2011年12月7日閲覧。
  11. ^ PROVI はProgresistas Vigueses(ビーゴ進歩主義者)で、ローカル政党。
  12. ^ UGAはUnión Galega(ガリシア連合)。
  13. ^ EUはEsquerda Unida - Izquierda Unidaガリシア統一左翼)、統一左翼の地域支部政党。
  14. ^ EDEG-OVはEsquerda de Galicia - Os Verdes、ガリシア左翼=緑の党。
  15. ^ PHはPartido Humanista(ヒューマニズム党)。
  16. ^ Democracia Galega(ガリシア民主主義、DG、中道民族主義政党):378票(0.27%)、Partido Social y Democrático de Derecho (社会民主主義的権利党、SDD):108票(0.08%)。
  17. ^ PROVI はProgresistas Vigueses-Democracia Progresista Galega(ビーゴ進歩主義者-ガリシア民主進歩主義党)。
  18. ^ COVIはConverxencia por Vigoで、ローカル政党。
  19. ^ E.O.はEl Olivo。
  20. ^ Partido Humanista(PH):465票(0.29%)、Izquierda Republicana-Esquerda Republicana Galega-Partido Comunista do Povo Galego (ガリシア左翼共和党=ガリシア民族共産党、IR-ERG-PCPG):272票(0.17%)。
  21. ^ PGはPartido Galeguista(ガリシア主義党)、民族主義政党。
  22. ^ FPGはFrente Popular Galega(ガリシア民族戦線)、ガリシア民族主義政党、社会主義、独立派。
  23. ^ VDEはVigo de Esquerda(ビーゴ左翼)、ローカル政党。
  24. ^ CDLはCentro Democrático Liberal(自由民主中道党)。
  25. ^ OV-GVはOs Verdes-Grupo Verdeで、緑の党の一つ。
  26. ^ UPyDは連合・進歩・民主主義(Unión Progreso y Democracia)。
  27. ^ PUM+JはPor un Mundo Más Justo
  28. ^ Centro Democrático Liberal(自由民主中道党、CDL):321票(0.22%)、Partido Humanista(PH):317票(0.22%)、Unificación Comunista de España(スペイン統一共産党、UCE):166票(0.11%)、Falange Española de las JONS(ファランヘ党、FE de las JONS):146票(0.10%)、Converxencia XXI(C.XXI):135票(0.09%)。
  29. ^ Vigo, partido judicial nº3 de Pontevedra” (スペイン語). Consejo General de los Procuradores de España. 2011年12月7日閲覧。

外部リンク[編集]