ノート:IUPAC命名法勧告一覧/1993R-7

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IUPAC命名法勧告1993R-7(IUPACめいめいほうかんこく1993R-7)では、Nomenclature of Organic Chemistry Recommendations 1993を中心に、要点を節名は和英併記で対応づけで引用します(非公式訳)。

R-7.0 Introduction[編集]

R-7.0 説明
立体記述語(stereodescriptor)のつけ方について説明している。

  • 組織名に立体記述語を一つあるいはそれ以上付加して立体化学配置を記述する
  • 立体記述語は、組織名の他のIUPAC勧告の命名や位置番号へ影響を与えない。
  • エナンチオマーやcis-trans異性体同士は、立体記述語だけが違うだけで後の命名は等しい。
  • 一方、fumaric酸やステロイドなどいくつかの慣用名はその意味に固有の立体化学配置をとっていることが含まれている。

ということが記述されている。

また、記述語の詳細はSection E of the IUPAC Nomenclature of Organic Chemistry; あるいはPure Appl. Chem., 45, 11-30 (1976). に詳しい。

R-7.1 cis-trans Isomerism the E/Z Convention[編集]

R-7.1 cis-trans異性のE/Z表記 R-7.1.0 cis-trans Isomerism - the E/Z Convention (Introduction)

R-7.2 Chiral Compounds Specification of Absolute Configuration[編集]

R-7.2 キラル化合物の絶対配置指定

R-7.2.1 The R/S convention[編集]

R-7.2.1 R/S則

キラル化合物の絶対配置の違いを表す立体記述語のRとSとは順位規則により決定付けられる(IUPAC有機化合物命名法 Section EまたはR.S. Cahn, C.K. Ingold, and V. Prelog, Angew. Chem., 78, 413-447 (1966); または V. Prelog and G. Helmchen, Angew. Chem., Int. Ed., 21, 567-583 (1982)に詳しい)。その立体記述語は必要に応じて、絶対配置が曖昧な部位に付けられる。

絶対配置を形成する四面体の向きを、最も順位の小さい肢を視線の反対側に置いたとき、向き合う三角形の頂点に来る肢の順位が時計回りの場合がR配置であり、反時計周りの場合はS配置である。

肢の優先順位は、次の5つの副ルールで決定づけられるが、次に示す2つの副ルール以外の適用は稀である。

  1. 肢の優先順位はその元素の原子番号の大きなもの程順位が高い。
    • 肢が複数の原子から構成される場合は中心原子と直接結合している原子で順位付けをする。
    • 同順位の肢があった場合は、それぞれの肢の1つ先の原子の最も元素の原子番号の大きなもの程順位が高い。
    • 各肢の最上位の原子番号が同値であった場合は、同値であった原子番号で置換されている個数が多いもの程順位が高い。すなわち、順位としては-CHBr2 が -CCl2Brよりも上位である。
    • 1つ先の原子の先に多重結合(二重結合、三重結合)が存在する場合は、多重結合の先の元素が、多重の数だけ単結合で置換しているものと見なし、上記のルールに従い比較して順位を決定する。
    • 上記のルールで決定できず、先にカルボニルの様な末端多重結合が存在する場合は、多重結合を単結合で置換した先に、折り返して1つ手前になる原子が存在するものとみなす。すなわちカルボニル-CR(=O)の場合は-CR(-O-C-R)-O-C-Rという結合で置換しているものと見なして上記のルールに従い比較して順位を決定する。
  2. 上記のルールで決定できなかった場合はその元素の原子量の大きなもの程順位が高い。同値の場合は、ルール1の比較操作を原子番号ではなく原子量で行い順位付けをする。

一部のSulfoxideなどの様にワルデン反転がなく、不斉を持つ複素原子のR/S配置を決定する場合は、非共有電子対の肢を最も低い順位に置く。

ということが記述されている。

R-7.2.2 Relative configuration[編集]

R-7.2.2 相対配置

キラル中心が相対的にしか知られておらず、絶対配置が不明な場合の立体記述語はR*(あーるすたー)、S*(えすすたー)をR,Sと同様に付与する。相対的なのでR*S*の与え方は複数考えられるが、その絶対位置のうち、キラル中心の最初の部位(すなわち、最も位置番号が小さい部位)がR*になるものについて絶対配置のR/S則で決定されるRまたはSをR*, S*として表記する。

複雑化する場合は個々に場合はをR*, S*をつけず、立体記述語を含む括弧の前に"rel-"という前置詞をおくことで相対配置であることを示す。

ということが記述されている。

関連項目[編集]

オリジナル[編集]

出典: IUPAC, Commission on Nomenclature of Organic Chemistry. A Guide to IUPAC Nomenclature of Organic Compounds (Recommendations 1993), 1993, Blackwell Scientific publications, Copyright 1993 IUPAC.