トラビス・ハフナー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トラビス・ハフナー
Travis Hafner
ヤンキース時代 (2013年5月20日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ノースダコタ州の旗 ノースダコタ州ジェームズタウン英語版
生年月日 (1977-06-03) 1977年6月3日(46歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
240 lb =約108.9 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 一塁手指名打者
プロ入り 1996年 MLBドラフト31巡目(全体923位)でテキサス・レンジャーズから指名
初出場 2002年8月6日
最終出場 2013年9月29日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

トラビス・リー・ハフナーTravis Lee Hafner, 1977年6月3日 - )は、アメリカ合衆国ノースダコタ州出身の元プロ野球選手内野手)。右投左打。

ニックネームはPronk(プロンク)。

経歴[編集]

レンジャーズ時代[編集]

1996年MLBドラフト31巡目(全体923位)でテキサス・レンジャーズから指名を受け入団。

2002年8月6日にMLBデビューを果たし、同シーズンは22試合に出場した。なお同年9月 - 10月には、NPB中日ドラゴンズセントラル・リーグ)が強打の新外国人候補として、フリオ・ズレータとともにハフナーをリストアップしていた[1][2]

インディアンス時代[編集]

2002年12月6日にトレードでクリーブランド・インディアンスへ移籍した。

2003年は91試合に出場し、打率.254、14本塁打、40打点を記録。8月14日サイクル安打を達成した[3]

2004年は主に指名打者として出場。チーム1位(本塁打はケイシー・ブレイクとタイ)となる打率.311、28本塁打、109打点を記録し[4]、17死球はリーグ最多だった。MVPの投票では24位に入り、球団はハフナーと2005年から3年総額700万ドル(4年目はオプション)で契約延長した[5]

2005年は6月に打率.345、8本塁打、29打点の成績で月間MVPを初受賞[6]。7月は6月を上回る打率・出塁率・長打率を記録していたが、16日のホワイトソックス戦で初回にマーク・バーリーから顔面に直撃する死球で翌17日から15日間の故障者リスト入り[7]。8月4日のヤンキース戦で復帰し、9月18日から23日にかけて球団史上ジム・トーミに次ぐ歴代2位の6試合連続本塁打を記録[8]。同年、打率.305、33本塁打、108打点を記録し、MVPの投票で5位に入った。

2006年は30試合以上を怪我のために欠場しながらもリーグ1位のOPS1.097、リーグ3位の42本塁打、リーグ6位の117打点という成績を挙げた。指名打者として39本塁打、110打点を記録し、1982年アンドレ・ソーントンのDHとしての球団記録32本塁打、109打点を更新[9]。また、1987年ドン・マッティングリーと並ぶ1シーズン満塁本塁打6本のメジャータイ記録を記録した。オールスター前だけで史上初の5本を記録し、8月13日に6本目を打った時点でまだ40試合以上を残していたが、9月1日にC・J・ウィルソンから死球を右手に受けてその後は欠場。タイ記録のままで終わった[9]

2007年は打点こそ4年連続で100打点をクリアしたものの、打率、本塁打共に前年を下回った。2005年に結んだ契約の2008年のオプションを行使し、2009年から4年総額5,700万ドル(5年目の2013年はオプション)で契約延長した[10]

2008年は2007年を下回る成績に終わった。出場試合としては、5月25日までの50試合中46試合に出場したが、打率.217・4本塁打・22打点に止まり、その後戦線離脱。9月9日のオリオールズ戦で復帰したが、その後も11試合で打率.122と戦線離脱以前よりも低い打率に終わった。シーズン通じても打率.197・5本塁打・24打点という成績だった。

2009年は94試合に出場し、16本塁打を放つなど、前年と比べると数字は上昇した。

2012年オフにFAとなった。

ヤンキース時代[編集]

2013年1月31日にニューヨーク・ヤンキースと契約を結んだ[11][12]。4月8日の古巣・インディアンスとの初めての対戦では3点本塁打を放つなど、3打数2安打4打点とチームの勝利に貢献した。4月終了時点では打率.318と好調であったが、その後は月間打率が.200以下ばかりと不調にあえぎ、また肩の故障もあり、82試合の出場にとどまった。オフの10月31日にFAとなった。

ヤンキース退団後[編集]

2014年1月にノートルダム大学野球部のコーチに就任。

選手としての特徴[編集]

ポジションは一塁も守れるが、ほとんどの出場が指名打者である。

長打力はメジャーでもトップクラス。2006年から2年連続で100四球以上を記録しており、通算出塁率も4割近い。研究熱心で、指名打者という立場を利用し他の選手が守備についている間、ビデオで投手を研究するなど打撃練習に励み、汗だくで自分の打席に立つこともある[要出典]

ニックネームのPronk(プロンク)とは「ロバのように鈍重なヤツ」という意味の造語であり、その名の通り、鈍足でベースランニングも下手なうえ、守備もかなりお粗末である。しかしながら本人はこのニックネームを気に入っており、2006年には地元でPronk Barという名のチョコレートバーも売り出され、人気を集めている[13]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2002 TEX 22 70 62 6 15 4 1 1 24 6 0 1 0 0 8 1 0 15 0 .242 .387 .329 .716
2003 CLE 91 324 291 35 74 19 3 14 141 40 2 1 0 1 22 2 10 81 7 .254 .327 .485 .812
2004 140 573 482 96 150 41 3 28 281 109 3 2 0 6 68 7 17 111 11 .311 .410 .583 .993
2005 137 578 486 94 148 42 0 33 289 108 0 0 0 4 79 7 9 123 9 .305 .408 .595 1.003
2006 129 563 454 100 140 31 1 42 299 117 0 0 0 2 100 16 7 111 10 .308 .439 .659 1.098
2007 152 659 545 80 145 25 2 24 246 100 1 1 0 5 102 17 7 115 15 .266 .385 .451 .836
2008 57 233 198 21 39 10 0 5 64 24 1 1 0 3 27 6 5 55 4 .197 .305 .323 .628
2009 94 383 338 46 92 19 0 16 159 49 0 0 0 1 41 6 3 67 7 .272 .355 .470 .826
2010 118 462 396 46 110 29 0 13 178 50 2 1 0 3 51 10 12 94 2 .278 .374 .449 .824
2011 94 368 325 41 91 16 0 13 146 57 0 0 0 1 36 5 6 78 7 .280 .361 .449 .811
2012 66 263 219 23 50 6 2 12 96 34 0 0 0 3 32 2 9 47 9 .228 .346 .438 .784
2013 NYY 82 299 262 31 53 8 1 12 99 37 2 0 0 0 32 2 5 79 5 .202 .301 .378 .679
通算:12年 1183 4782 4058 619 1107 250 13 213 2022 731 11 7 0 29 598 81 90 976 86 .273 .376 .498 .874
  • 太字はリーグ1位。

背番号[編集]

  • 6 (2002年)
  • 32 (2003年)
  • 48 (2004年 - 2012年)
  • 33 (2013年)

脚注[編集]

  1. ^ 日刊スポーツ』2002年10月1日名古屋版「中日情報 新外国人候補にフリオら、FAは金本に照準」(名古屋日刊スポーツ新聞社
  2. ^ 『日刊スポーツ』2002年10月2日名古屋版「中日情報 川上、防御率タイトル狙いスライド先発へ」(名古屋日刊スポーツ新聞社)
  3. ^ August 14, 2003 Cleveland Indians at Minnesota Twins Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com” (英語). 2008年1月30日閲覧。
  4. ^ 2004 Cleveland Indians Statistics and Roster - Baseball-Reference.com” (英語). 2008年1月30日閲覧。
  5. ^ Associated Press (2005年4月13日). “Hafner could earn up to $11.5 million over four years” (英語). ESPN.com. 2009年6月30日閲覧。
  6. ^ B. Hill, Justice (2005年7月5日). “Hafner named AL Player of the Month Tribe designated hitter rewarded for red-hot June” (英語). 2008年1月30日閲覧。
  7. ^ Bowles, CJ (2005年7月26日). “Indians' Hafner heads to DL” (英語). MLB.com. 2009年6月30日閲覧。
  8. ^ KANSAS CITY, Mo. (AP) (2005年9月23日). “Hafner homers in sixth straight game” (英語). ESPN.com. 2009年6月30日閲覧。
  9. ^ a b 2006 Career Highlights:MLB.com” (英語). 2008年1月30日閲覧。
  10. ^ Hafner and Indians agree to $57 million, 4-year extension” (英語). 2008年1月30日閲覧。
  11. ^ Hafner, Yankees close to finalizing contract
  12. ^ ヤンキース、通算201本塁打のT.ハフナー獲得! 米報道(2013年5月1日時点のアーカイブ
  13. ^ 村上雅則監修、友成那智編 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』 廣済堂出版、2008年、122頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]