ダブル

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ダブル英語: double)は、2や二重、2つなどを意味する言葉。デュプル (duple) とも。何倍であるかを表す倍数詞の一つである。また、シングルと対になる表現としても使用される。

日本ではラテン文字アルファベットWダブリュー、double U の意味)が俗に「ダブル」と誤って発音されることがあり、そこから転じてか「double」を意味する当て字として用いられることも多い[1]。しかし、「W」の語源に照らし合わせれば適切な用法とは言い難いことに注意すべきであり、日本以外では当然通用しない。下記に示す例でも、表記でWを用いて書かれているものが日本では散見されまた通用しているが、誤りである。

例: Wベッド(ホテル料金表や家具屋値札など)

一般名詞[編集]

スポーツ・ゲーム[編集]

服飾[編集]

  • 背広コートなどの洋服上衣前合わせボタンが、縦2列に並んでいる形状またはそのような洋服。英語の「double-breasted」から。両前合せ(両前)、ダブルブレスト、ダブルボタンとも。シングル(片前)に対する。1列が装飾用のボタンである場合もある。
  • ワイシャツズボンスラックスなど)のの部分に外側への折り返しがある(二重になっている)もの。またはそのような裾の形状。シングル(折り返しのないもの)に対する。
  • 洋服の布地で約142センチ(あるいは約137センチ)のものをダブルという。シングル幅(約71センチあるいは約91センチ)の倍。

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その他[編集]

  • ダブルベッド。1台に2人並んで就寝できる構造・幅のベッド。また、ホテルなどの、ダブルベッドを1室に1台設置している2人用客室。1室に1人用ベッドを1台設置している1人用客室はシングル、1室に1人用ベッドを2台分散して設置している2人用客室はツイン
  • トイレットペーパーで、2枚重ねて巻いてあるタイプのもの。
  • 植物の花の八重咲き。
  • コンピュータで、倍精度浮動小数点数のこと。
  • 民族人種の異なる両親の間に生まれた者・二重国籍保持者。2つのルーツ(文化)を併せ持っている、という考え方から。「ミックス」などとほぼ同義[注 1]
  • 重複や合致する事、同じ物を意味する言葉(日本語の「だぶる」という言葉の語源)。

固有名詞[編集]

同じ苗字や名前の二人を一組にしての呼び方[編集]

日本の、特に芸能人において共通するの二人を一組として「ダブル◯◯」と表すことがある。この際に文字表記については、上述のとおり日本独自の誤表記であるWを用いて「W◯◯」と書くことが一般的であり、文字で「ダブル◯◯」と書かれることはルビ以外では滅多にない。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「ハーフ」は1950年代からある言葉だが、和製英語であることや半分、半人前など蔑称的ニュアンスがあるということから、放送禁止用語となっており、近年は廃れつつある[要出典]

出典[編集]

  1. ^ 「ダブル」は「W」と略せる?”. 毎日ことばplus (2019年1月25日). 2023年12月12日閲覧。

関連項目[編集]

倍数詞の表現(参考:en:tuple