ソフィー・エリス・ベクスター

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ソフィー・エリス・ベクスター
Sophie Ellis-Bextor
ソフィー・エリス・ベクスター(2007年)
基本情報
出生名 Sophie Michelle Ellis-Bextor
別名 Mademoiselle E.B.
生誕 (1979-04-10) 1979年4月10日(45歳)
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル ポップ・ミュージックダンスオルタナティブロック
職業 歌手、作曲家、モデル
活動期間 1997年 -
レーベル ポリドール・レコード、Fascination Records
共同作業者 Theaudience、The Feeling
公式サイト www.sophieellisbextor.net

ソフィー・エリス・ベクスターSophie Ellis-Bextor1979年4月10日 - )は、イギリスのポップ音楽のシンガーソングライターである。彼女の音楽はポップ、ディスコ、1980年代の電子音楽に影響を受けている。

私生活[編集]

ソフィー・エリス・ベクスター(2005年)

ソフィー・ミシェル・エリス・ベクスターは、ロビン・ベクスター(映画監督)とジャネット・エリス(女優)の子としてミドルセックス西部で生まれた。ジャネットはその後、テレビ・シリーズ『Blue Peter』のプレゼンターとして有名となった(ソフィーが髪留めひものモデルをしていた6歳のとき、彼女の母であることを告白した)。ソフィーが4歳のとき、両親が離婚した。彼女には、3人の姉妹と2人の兄弟がおり、彼女が主体となって育てられたことはしばしば話題に出る。よく兄弟と姉妹を仕事場へ連れて行っている。彼女の兄弟であるジャクソン・エリス・リーチは、現在ソフィーのドラマーしている。彼女の公式ウェブサイトでは、ソフィーの両親の姓をハイフンでつなぎ、他の節はスペースで区切ってある。彼女は聖スティーブン学校(小学校に相当)に通い、後にハマースミスにあるゴドルフィン・レイティマー学校(高等学校に相当)に進学した。彼女の初期の公演の一つとして、13歳のときから行っているオペラ劇団「W11 Opera」による子どものオペラが挙げられる。[1]

2004年4月23日、最初の子供(男の子)を出産し、サニーと名づけられた。 父はThe Feelingのベーシストであるリチャード・ジョーンズで、後に2005年6月25日にイタリアで結婚した。それ以前には、マネージャーであるアンディ・ボイドと6年間交際していた。2008年11月5日、エリス・ベクスターは第2子(2009年4月出産予定)を妊娠していることを明らかにした。

経歴[編集]

Theaudience時代[編集]

1997年、インディーズバンド「Theaudience」で、エリス・ベクスターはリードボーカルとして音楽活動を開始した。エリス・ベクスターがバンドメンバーであったとき、『メロディ・メイカー』誌の読者により『ロック界で最もセクシーな人』に選ばれた。1998年、若者に人気の高いマニック・ストリート・プリーチャーズとのコラボで、不朽の名作となる曲をB面の曲として発表した。「I Got the Wherewithal」、「When Can You Do It?」そして「If You Can't Do It When You're Young」、「I Know Enough (I Don't Get Enough)」、Theaudienceの最も有名な曲である「A Pessimist Is Never Disappointed」はTheaudience名義でリリースされた。 しかし、バンドは1998年12月に解散した。そして1999年、エリス・ベクスターはDeparture Loungeのアルバム『Out Of Here』で再び姿を現した。

ソロの経歴[編集]

Theaudienceの解散後、エリス・ベクスターは1年間、歌手活動を休止していた。2000年、エリス・ベクスターはTheaudience解散後の初めての歌手活動として、イタリアのDJ Spillerの「Groovejet(If This Ain't Love)」にボーカルと作詞で参加、全英ナンバー1を記録する大ヒットとなったこの曲で一躍ポップスターとして注目を浴びることになり、彼女の出世作となった。またこの曲は元スパイス・ガールズヴィクトリア・ベッカムの初のソロCDを抑える形でヒットチャートのトップを獲得したことで、以降、エリス・ベクスターとヴィクトリア・ベッカムはライバルと見なされることが多い(しかし当の2人は特にライバル視していないとのこと)。「Groovejet」各ヒットチャートでの大ヒットの他、そして『メロディ・メイカー』誌上で2000年のダンス・トラック・ランキングで8位をとり、シングル・オブ・ザ・イヤーを受賞、「Metro Newspaper」上のコンテストでマドンナを下し、世界で最も優れている音楽の9位に選出、[2] 2000年にはレコード・オブ・ザ・イヤーの最終選考へのノミネート。同年のエリクソン音楽賞でベストシングル賞とベスト・イビザ・トーン賞を受賞するなど批評的にも高評価を獲得する。[3]

アルバム『Read My Lips』[編集]

2001年、自身のソロデビュー作となる『Read My Lips』を発売。全英アルバムチャートで2位となり、アルバムからは4曲のTop20シングルを生んだ。このうち「Murder On The Dancefloor」(英2位)は彼女のキャリア最大のヒットシングルであり、シェールのカヴァー「Take Me Home」も2位、23週チャートインするロングヒット[4]、両A面でカットされた「Get Over You / Move This Mountain」も3位とと彼女のキャリア上もっともヒットが集中して出ている。2002年には『Read My Lips』に新曲2曲と「Groovejet」のライブバージョンを新たに収録して再リリースした。同年ショービジネス賞のアーティスト部門で賞を獲得した。[5]2002年の初めには、エリス・ベクスターは英国の女性ソロアーティストとしてブリット・アワードの受賞候補者に選ばれた。さらに2年間連続で候補として選ばれ続けた。[6][7][8]

アルバム『Shoot from the Hip』[編集]

セカンド・アルバム『Shoot from the Hip』は2003年10月にリリースされた。全英アルバムチャートでは最高19位と前作に比べて不調だったが、今作からカットされた2曲のシングル「Mixed Up World」(英7位)、「I Won't Change You」(英9位)は共にTop10入りしている。このころ、ヴィクトリア・ベッカムのシングル「This Groove / Let Your Head Go」(両A面シングル)が「I Won't Change You」よりも上位となる3位に入ったことでヴィクトリアとのライバル説が再燃。またこの時期に妊娠したことにより3曲目以降のシングルカットの計画およびアルバムに伴うツアー「Shoot From The Hip Tour」をキャンセル、育児のために音楽活動を休止することとなる。

アルバム『Trip the Light Fantastic』[編集]

3作目の『Trip the Light Fantastic』は2007年5月21日にリリース。[9]

アルバム発売に先立ってリリースされたシングルは2枚あり、1曲目の「Catch You」は最高8位、2曲目の「Me and My Imagination」は23位を記録。アルバム『Trip the Light Fantastic』は、全英アルバムチャートで初登場7位となり、次の週には21位に転落した。アルバムはイギリスで100,000枚以上の売り上げとなり、2008年7月に売り上げ枚数1位となると見込まれた。[10]

2007年6月、ジョージ・マイケルのイギリス・ツアーにサポートとして参加。彼女自身のイギリス・ツアーは2007年8月14日から開催され、「Trip The Light Fantastic Tour」と銘打ってあった。しかし2007年9月8日、彼女の公式ウェブサイトで2007年10月11日にアイルランド北部のベルファストで開催されるテイク・ザットの「Beautiful World Tour 2007」に特別ゲストとして招待されたため、彼女自身のイギリス・ツアーを延期することが発表された。[11]エリス・ベクスターは全ての有効なチケットの料金を払い戻し、2008年3月にツアーを延期することを発表した。しかし、このツアーは結局開催されなかった。また、このツアー中止に関する記者会見も拒否した。[12]

『Trip The Light Fantastic』からのサード・シングル「Today the Sun's on Us」は、楽曲、およびソフィー・ミュラー監督によるアイスランドロケのPVともども評判は良かったにもかかわらずシングルチャートでは伸び悩み、最高64位とそれまでのシングル順位最低成績を大幅に更新するポジションに甘んじる。しかしこのシングル発売によりアルバム自体はトップ100に返り咲いており、アルバムセールスには一定の貢献を果たしている。

2007年9月の初め、エリス・ベクスターはポーランドで開催されたSopot International Song Festivalにイギリス代表として参加した。

『Trip The Light Fantastic』からはさらに4曲目のシングルカットとして「If I Can't Dance」が予定されていたが後に撤回され、代わって公式ウェブサイトで「Love Is Here」をシングルカットすると発表された。しかしその後ベスト盤『Greatest Hits』のリリース予定が組まれたことで「Love Is Here」の発売もまた中止となり、ベスト盤から別の新曲がシングルとしてリリースされる予定であったが結局『Greatest Hits』自体の発売も延期を経て中止となっている。なお「If I Can't Dance」はその後ヨーロッパ数カ国でシングルカットされている。

4枚目のアルバム[編集]

2008年4月11日、エリス・ベクスターは夏の終わりに4枚目のアルバムを発売予定であると発表した。[13] 「Greatest Hits」に収録される新曲を録音することが有益なので、新曲をシングルとして発売する前に、4枚目のアルバムを発売することにした。彼女は4枚目のアルバムと「Greatest Hits」のリリース後、音楽の方向性の変化しつつあることを強調した。

2008年6月2日、彼女は新曲「Off And On」と「Heartbreak Make Me A Dancer」を公式ホームページで公開した。

カルヴィン・ハリスから「Calling It Love」と「Off And On」の2曲が寄贈された。この曲は、キャシー・デニスと共に作られたRóisín Murphyのアルバム「Overpowered」にも収録されている。また、カルヴィン・ハリスは「Off and On」をクラブ音楽にリミックスした。フリーメイソンズは、エリス・ベクスターと共に「Heartbreak Make Me A Dancer」を作った。Richard Xとのコラボ曲は、「I Still Believe in Magic」と名づけられた。彼女はまた、Groove Armada、The Hoosiers、Dimitri Tikovoi、Hannah Robinson、Metronomy[14]、Matt Prime、the Sneaker PimpsのLiam Howeともコラボした。

このアルバムは、HMVの発売予定のポップス・アルバム・トップ10チャートで、ゴー・ウエストの新しいアルバム『フューチャーナウ』のすぐ下の2位となった。[15]

エリス・ベクスターが、マドンナのアルバム『レイ・オブ・ライト』に収録されなかった曲「Revenge」をカバーしたことが、Peter Maggenisによって明らかにされた。

2008年11月5日、エリス・ベクスターは次のシングルが「Sophia Loren」であることを発表し、また彼女には2009年4月出産予定の第2子がいることを明らかにした。 そして、2009年7月下旬もしくは8月上旬に4番目のアルバムの先行シングルが、その2週間後には4番目のアルバムが発売されることを明らかにした。

エリス・ベクスターは、第2子の出産後数ヶ月は新曲を発表しないとしている。エリス・ベクスターはシングル「Sophia Loren」を別の曲にすることを発表しており、「Sophia Loren」が実際にシングルとして発売されるかどうかは未定である。「Sophia Loren」は現在、エリス・ベクスターも出演するRimmel Londonの広告で聞くことができる。この曲はしばしばコラボしているCathy Dennis、Christopher Rojasと共同で書かれた。Christopher Rojasは、ロンドンを拠点とするJeremy Wheatleyに楽曲を提供したこともある。

2008年10月、Terrance Higgins Trustの後援として、エリス・ベクスターはギグを開催した。このイベントはロンドンにあるCafé de Parisで行われ、いくつかの新曲とヒット曲を披露した。[16]

2008年12月、エリス・ベクスターは4枚目のアルバムの名前は「Split Second Life」ではないこと、「Sophia Loren」はシングルとして発売する予定は無いことを明らかにした。また、2009年の夏の終わりには4番目のアルバムに先行してシングルが発売される予定である。

その他の音源[編集]

2005年前半には、エリス・ベクスターは次のアルバムに先駆けて発売されたシングルと間違えられないように、Mademoiselle E.B.名義でduo Busfaceの「Circles (Just My Good Time)」に参加した。

2006年、「Dear Jimmy」がPopjusticeで公開された。この曲は彼女の3枚目のアルバム『Trip The Light Fantastic』と同時に録音されたと考えられており、当初は「Catch You」のB面に収録される予定だった。

2008年10月、エリス・ベクスターはドリー・パートンの「Jolene」をカバーした。この音源はBBC2の番組『Beautiful People』のサウンドトラックでリリースされた。

2008年11月上旬、エリス・ベクスターはフランスのDJであるJunior Calderaと共に、「Just Can't Fight This Feeling」を録音した。この歌は、2009年中旬に発売予定のJunior Calderaの初のアルバム「Dèbut」に先駆け、2009年2月に発売予定である。

歌手活動以外の活躍[編集]

2006年8月、ストリートファッションのブランドであるchain Monsoonで、ソフィー・ダールに変わり新しいミューズになることが発表された。

2007年のクリスマスに、エリス・ベクスターはRobbie the ReindeerのイベントClose Encounters of the Herd Kindに現れた。エリス・ベクスターは外国人の女性を演じ、終わりには自身のアルバム「Trip The Light Fantastic」に収録されている「Supersonic」を歌った。2008年11月、イギリスの学校にgreen makeoverを寄付することにより、衣服を作るためのエネルギーを無料で作り出し、効率よく二酸化炭素排出量を減らすこと、そして子供たちにエコ活動を教育することを目的とするnpower Greener Schools計画に彼女も参加した。[17] また、首都のラジオ番組「Capital 95.8」の、ロンドン市民が1時間明りのスイッチを切ることで750MWhの電力を節約し、世界に気候変動の重要性を訴えかける「Lights Out London」キャンペーンにも参加した。[18]

2008年5月、化粧品ブランドRimmelのミューズになることが分かった。Rimmelの社長により極秘に行われた選考で、エリス・ベクスターが一番魅力的であったためであると言われている。[19] ところが早い段階での報道にもかかわらず、エリス・ベクスターではなく化粧品界のミューズであるケイト・モスのままで、代替わりはしないことが明らかになった。エリス・ベクスターの新曲はRimmelのロンドン店の1つであるSexy Curves店で聞くことができる。

2008年、エリス・ベクスターは写真家ベン・チャールズ・エドワーズの短い音楽映画『The Town that Boars Me』で主役を務めた。映画には、ジョディ・ハーシュ、ケリー・オズボーンとサンドラ・ローズなども主演している。映画は夏の終わりに開催されたポートベロー映画祭で初公開され、Glass Loves and Shoot to Kill Productionsによって製作されている。[20][21]

動物の権利を主張するために、彼女は毛皮の服を反対するPETAの広告に登場した。[22] また彼女は、何億もの子供の頃の思い出深い記憶をウェブ上に寄付するThe Children's Societyキャンペーンにも参加しており、現在も行われている[23]

2002年、彼女がジェームズ・ボンド映画『007 ダイ・アナザー・デイ』でボンドガールを演じることが噂された。[24]これはただの噂にすぎなかったのだが、エリス・ベクスターは映画には登場しなかったものの、オーディションは受けていたことを明らかにした。彼女は2001年に公開された映画『ムーラン・ルージュ』のサティーン役のオーディションも受けたがニコール・キッドマンが選ばれた。[25]

2008年8月、エリス・ベクスターはBBC World Newsのクラシック音楽の番組「Visionaries」で、ヴェルディの支持者として登場した。

2008年8月23日、エリス・ベクスターはモスクワから戻ってすぐにマンチェスターのGay Prideに向かい、生演奏した。

2008年8月24日、エリス・ベクスターは、Visa London 2012 Handover Party in the Mallの一部として、カーリー・サイモンの「Nobody Does It Better」のカバーをバッキンガム宮殿の前で演奏した。

エリス・ベクスターとその夫リチャード・ジョーンズは、ロンドンのDJクラブで行われる予定の「Modern Love」と呼ばれるプロジェクトを計画している。[26]

2008年10月4日、エリス・ベクスターはトラファルガー広場で行われたEnd Child Poverty Coalitionのイベント「Keep the Promise」でライブを行った。

ディスコグラフィ[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

コンピレーション・アルバム[編集]

EP[編集]

  • iTunes Live in London (2009年)

DVD[編集]

  • Watch My Lips (2003年)

注釈[編集]

外部リンク[編集]