スーパーコンピュータ

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スーパーコンピュータ: supercomputer)は、科学技術計算用途で大規模・高速な計算能力を有するコンピューターである。一般的な用語としてスーパーコンピュータが用いられ、コンピューター業界での分野名としてHigh Performance Computer / Computing (HPC)が用いられる。本記事と類似している高性能計算の項目についても参照されたい。

概要[編集]

スーパーコンピュータとは、科学技術計算を主要目的とする大規模コンピュータである[1]。大規模・高速の計算能力を達成することを目的としている。そのために最適化されたハードウェアソフトウェアを備えている。

なお、スーパーコンピュータという場合はプログラミングにより汎用の計算処理能力を持つ装置を指す。高い計算能力を有する装置であっても、たとえば多体問題専用の「GRAPE」のように目的が専用に限られる計算機については専用計算機に分類される。

ハードウェアについては、演算処理装置の高速化・搭載量の拡大、演算時のメモリ搭載量の大容量化・高速化、演算処理装置間でのメモリ共有方式が特徴的である。他にベクトル計算に特有の演算処理装置を備えるなど、取り扱われる演算に特有のハードウエア方式が採用されることがある。また、高い計算能力は演算処理を担う電子回路の大規模・高速なスイッチング動作により実現されるため、大量の電力消費と発熱に対応した電源設備、排熱・冷却機構が必要である。

ソフトウェアとしては、演算処理装置の搭載量の拡大に応じた並列計算処理に適した方式が採用される。それは取り扱う問題解決手法自体の最適化、そのプログラム実装でのアプリケーションレベルでのアルゴリズム、プログラムのコンパイラ段階など複数の階層で行われる。

スーパーコンピュータの利用される例として、機械・土木・建築分野での構造物の力学を有限要素法境界要素法などに基づいて検討する構造解析、電気工学分野での電磁界解析流体力学分野、気象予測、大気・海洋シミュレーション、物性化学材料科学分野での分子動力学、その他交通流解析、シミュレーション天文学最適化問題、金融の大規模数値解析に基づくシミュレーションなどに利用されている。→#主な用途

「スーパーコンピュータ」の範囲とその変化
コンピューターの歴史はスーパーコンピュータに限らず時代とともにその能力を拡大しており、スーパーコンピュータは性能により一律に規定されるものではない相対的な分類である。
スーパーコンピュータの各事例はその登場時点において科学技術計算を主要目的に最適化して開発された製品である。
コンピューターの性能指標は評価軸によってさまざまな方向性があるが、スーパーコンピュータは科学技術計算を主要目的とするため、浮動小数点演算の処理能力が高いことが特徴である。一例としてCray-1が登場したときには、事務的な用途で利用される当時の標準的なメインフレームの30倍程度であった。また、スーパーコンピュータに関する定義の事例として、2014年時点での日本の政府調達に関する規程では、理論的最高性能値が50TFLOPSテラ・フロップス以上の計算機をスーパーコンピューターとして、政府関係の一部機関に対して「政府調達手続に関する運用指針」[2]に従って調達することを求めた[3]

歴史[編集]

歴史的に科学技術計算の目的で浮動小数点演算の性能で処理能力が高いコンピュータが「スーパーコンピュータ」と分類されてきた。初期には主として軍事用に使われた。

1960年にUNIVACアメリカ海軍研究開発センター向けに製造したLARC(Livermore Atomic Research Computer)が、現在では最初のスーパーコンピュータと考えられている。LARCは新たに登場したディスクドライブ技術ではなく、高速な磁気ドラムメモリをまだ使用していた[4]

また、1961年に完成したスーパーコンピュータのIBM 7030 (ストレッチ)は、1955年時点のすべてのコンピュータの合計より100倍の速度を要求されてIBMロスアラモス国立研究所向けに製造した。IBM 7030はトランジスタ、磁気コアメモリ、命令セットのパイプライン処理、メモリコントローラ経由のデータのプリフェッチ、そして先進的なランダムアクセスできるディスクドライブを備えた[5]

1970年代のCray-1。展示用に特別に内部が見えるようにしたもの。高速化のため配線を全体として短くするために、おおむね環のような形状にしている。その外観から「世界一高価な椅子」などと呼ばれることもある。

1960年代にはCDC社1970年代にはクレイ社が、ベクトル演算を中心としたスーパーコンピュータでコンピューター業界でのシェアを伸ばした。また、コンピューターの各種シミュレーションでの民間の利用が拡大したことで、スーパーコンピュータの需要も拡大した。

1980年代にはNECなどの日本のメーカーが海外にも進出し、日米スパコン貿易摩擦にも発展した。

1960年~1980年ころのスーパーコンピュータは、ベクトル型計算機で利用用途が特化され汎用性が低く、巨大で高価であったため、現在では揶揄の意を込めて「巨艦主義」と呼ばれることもある。この表現は海戦史を踏まえたものであり、第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけては、海戦では戦艦の攻撃力が勝負の鍵を握り、各国は戦艦を巨大化・巨砲化させることを競ったものの、第二次世界大戦中に、いつのまにか勝利の鍵が巨大戦艦ではなく空母や戦闘機の性能のほうに移ってしまい、戦艦の存在の無意味化が起き、日本の戦艦大和戦艦武蔵などもむなしく撃沈されてしまったことになぞらえたものである。

1990年代後半に入るとパソコンの普及とパソコン用CPUの処理能力の向上が背景となり、パソコン用で安価なx86POWERなどのプロセッサを数百~数千個搭載して計算能力を実現するスカラー型のスーパーコンピュータが台頭し、スーパーコンピュータのコンテストであるTOP500でも上位を占めるようになった。また、スカラー型はCPUの搭載数に応じてスケーラビリティがあるため、中規模の企業や研究所などでも小型のスーパーコンピュータを導入して、費用対効果を保ちながら科学技術計算を行うことができるようになった。

2010年代に入りスーパーコンピュータの開発において中国の台頭が著しく、ランキングに占める数でアメリカを超え[6]、処理性能の世界最高をめぐり日米と争うようになり、米中貿易戦争の対象にもなった[7]

2010年代後半からは既に大量生産されているGPU[注 1]で汎用計算を行うGPGPUの導入が進んでおり、従来のようにカスタムCPUを新規設計する場合と比べてコストパフォーマンスを向上させる事が可能になってきている。究極の例としては2022年に単一マシンとして世界初のエクサスケールコンピュータとなった米HPEの「フロンティア」が挙げられ、GPGPUは世界の最先端を競う分野でもかなり信頼されていると見ることができる。

主な用途[編集]

初期段階では主に軍事用に用いられた。現在のスーパーコンピュータは、高速演算、大量演算を必要とする分野に広く利用されており、たとえば次のような分野である。

  • 機械・土木・建築分野での構造力学。機械の設計、橋梁の設計など。
  • 電気工学・物理学分野での電磁界解析。アンテナの設計、高周波回路の設計、無線通信の伝播設計など。
  • 機械、化学、地球物理学(大気・海洋)分野での流体力学。輸送機器の機体設計、エンジン、タービンなどの原動機の設計、気象予報、気候変動予測、環境汚染物質の増減の予測、農業など。
  • 化学、物性分野の化学反応、固体物理学。計算化学構造体化合物、生物学上の高分子ポリマー)、結晶の物性、第一原理計算など。
  • 原子力利用分野の核反応。原子炉内の核分裂反応、核融合の研究、核兵器の研究など。

なお、「計算能力によるコンピューティング」[注 2]と、「計算容量によるコンピューティング」[注 3]は、関連はあるものの異なるものである。一方の「計算能力によるコンピューティング」は、典型的には「大きな問題を最大のコンピューティングパワーを使用して最短時間で解決する」考え方であり、あるシステムで解決できるサイズや複雑さの問題が、他のコンピュータでは解決できない。他方、「計算容量によるコンピューティング」はそれとは対照的に、大小の問題を解決したりシステムの稼動準備をするために、コンピューティングパワーを効率的な費用対効果で使用する考え方である。

構成要素[編集]

スーパーコンピュータといえども、プロセッサメモリストレージネットワークなどのハードウェアと、その上で動くオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションなどのソフトウェアから構成される点では一般的なコンピュータと同じである。ただし、スーパーコンピュータのユーザは、本体とは別に用意された端末で操作したり、あるいはSSHtelnet経由で(遠隔で)操作を行う。

プロセッサ[編集]

スーパーコンピュータに搭載されるプロセッサの役割も、(普通のコンピュータ同様に)計算処理を行うことである。

一般的なコンピュータと(最近の)スーパーコンピュータの大きな違いは、処理を並列に実行する点にある。通常の単純なプロセッサは、一命令あたり一つの演算だけを行うスカラープロセッサで、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)に搭載されるプロセッサ数も1つかごく少数である。スーパーコンピュータでは、1クロックで複数の演算を一度に行うベクトルプロセッサを採用し、システムの中に数十個から数十万のプロセッサを搭載し計算を同時に実行することで高いスループットを実現する構造となっている。

ベクトル演算が1970年代に実装されたあとも、1980年代には並列処理パイプライン処理投機的実行対称型マルチプロセッシング1990年代にはVLIWSIMDなどがスーパーコンピュータに導入され、並列度の向上を実現した。

スーパーコンピュータで最初に採用された技術の多くは、その後にサーバやPCにフィードバックされて、それらの性能向上に寄与した。またその逆に、それまでPC向けであったx86プロセッサが21世紀に入ってから、価格性能比の向上と超並列技術の向上により、スーパーコンピュータの構成に広く採用されるようになった。

採用プロセッサの変化[編集]

TOP500ランキングにおける1993年から2015年までのCPUアーキテクチャのシェアの推移。2008年以降はx86-64 (Intel, AMD)POWERが大半を占める。

1980年代から90年代までは、高性能計算に特化した専用のベクトルプロセッサを各スーパーコンピュータメーカーが独自に開発し、システムに採用していた。

1990年代前半から、i860AlphaPOWERMIPSSPARCIA-64などのワークステーションやサーバ向けの汎用プロセッサが、組み合わされるメモリーが安価なこととあいまって徐々にスーパーコンピュータにも導入され始め、1990年代後半では一部のハイエンドなものを除いて汎用プロセッサベースのシステムが主流となった。そのようなシステムはコンピュータ・クラスターとも呼ばれ、プロセッサを多数搭載することで高いスループットを狙っている。

さらに、21世紀からのx86プロセッサの価格性能比の向上に合わせ、インテルAMDのCPUを採用するメーカーが増加している。x86の流れをくむx86-64アーキテクチャを含めると2010年6月に発表された第35回TOP500ランキングでは500台中450台がx86プロセッサを採用しており[8]PowerPCを含むPOWERベースのシステムとともに市場を二分しつつある。

汎用プロセッサが主流となった90年代後半以降になっても、特に高性能なシステムではベクトルプロセッサによるものが多かったが、それも21世紀に入り変化した。2002年に運用が開始され以降2年半にわたってTOP500の首位を占めた地球シミュレータのような例外はあるものの、ハイエンドな分野でも置き換えが進行し、2010年6月のランキングにおけるベクトル計算機は500台のうち1台のみ[9]となっている。

特定用途向けプロセッサの活用[編集]

特定の計算を支援するコプロセッサや本来画像処理のために開発されたGraphics Processing Unitグラフィックス プロセッシング ユニット(GPU)を汎用的な計算に利用するGPGPU: general purpose computing on GPU)など、ある用途に特化したプロセッサをスーパーコンピュータに活用する動きがある。汎用プロセッサに比べ、価格性能比が非常に高くまた消費電力が小さいという利点によって、特に2005年以降動きが活発になってきている。

GRAPEプロジェクトでは、1989年から多体問題に特化したプロセッサを製作し、天文学分子動力学シミュレーションにおいて非常に価格性能比の良い専用計算機を開発している。東京工業大学TSUBAMEにはOpteronによる約1万個のCPUコアの他に、ClearSpeed[10]による高性能計算専用アクセラレータCSX600が搭載されている。2006年11月のランキングでCSX600を利用することで、2006年6月に発表されたCPUのみの結果に比べ約10TFLOPSも性能が向上した[11]。また、高性能GPUを手がけるAMD、NVIDIAは両社とも2007年に汎用計算を念頭に置いたGPUベースのアクセラレータを発表している[12][13]

また、このGPGPU利用の流れを受け、経済指標予測・リスク計量などの膨大なシミュレートと計算が必要である経済予測分野において、多くの経済研究機関・シンクタンクに向け、アメリカ合衆国や台湾の複数のベンチャー企業がGPGPUベースの高速予測システムを提供しつつあり、経済分野での貢献も始まっている。

インターコネクト[編集]

スーパーコンピュータはノードと呼ばれる計算機の集合によって構成され、その計算機はコンピュータネットワークによって接続される。そのノード間を結ぶコンピュータネットワークのことを特にインターコネクトと呼ぶ。超並列マシンでは、ユーザの実行させたい処理を各ノードに分割して実行し、MPI等のAPIを使ったノード間通信で同期や計算結果の集約などを行う。そのため、高い性能を得るには広帯域かつ低遅延なインターコネクトが必要とされる。

インターフェース[編集]

旧来のスーパーコンピュータの多くでは独自のインターコネクト方式を採用しており、2007年、CrayはRapidArray[14]と呼ばれる独自方式を自社のシステムに採用している。コンピュータ・クラスターでは、イーサネットInfiniBandMyrinetなど、最大数十Gbps程度の帯域を持つインターコネクトが利用されている。

研究レベルにおける通信速度は、2005年11月にIBMの研究所による14GB/chが最高速であったが、2006年3月、NECおよび理化学研究所による次世代HPC構想の研究にて25GB/chが記録されている[15]

ネットワーク構成[編集]

スーパーコンピュータにおけるインターコネクトでは、そのトポロジも性能に大きい影響を与える。よく用いられるネットワークトポロジとしては、メッシュ、クロスバー、トーラスなどがある。構築にかかるコストやアプリケーションの性質によって、システムに適切なネットワークトポロジは大きく異なる。

基盤ソフトウェア[編集]

オペレーティングシステム[編集]

TOP500ランキングにおけるオペレーティングシステムのシェア推移[16]

1970年代前半のCrayによるスーパーコンピュータ黎明期から、オペレーティングシステムにはUNIXおよびLinuxなどのUnix系が広く使用されている。この理由には、当初はライセンスフリーなオープンソース的なOSであったこと、主にC言語で書かれており機種間の移植が容易なこと、大学や研究所で広く使われており科学技術計算用のライブラリやツールが充実していることなどが挙げられる。

2000年頃よりUnix系であるLinuxの比率が急増し、2009年では約9割である。

なお、x86プロセッサの急激な価格性能比の向上を踏まえ、マイクロソフト社はWindows Serverをベースとしたスーパーコンピュータ向けOSWindows Compute Cluster Server(WCCS)を2006年6月にリリースした。採用例には東京工業大学がある。2008年9月には後継製品としてWindows HPC Server 2008を発表し、これを採用した上海超級計算中心のスーパーコンピュータが2008年のTOP500で11位に躍り出るもこれがWindowsマシンでは最高の成績であり[17]、2021年11月に30Pflopsで10位入りしたMicrosoft AzureのシステムはLinuxカーネルによるUbuntuである。[18][19]

プロセス・スケジューリング[編集]

各Unixで通常使われているスケジューラだけでなく、優先度の高い計算処理にCPU資源を強制的に割り当てるギャング スケジューリング方式もサポートしたものが多い。

ソフトウェア開発環境[編集]

スーパーコンピュータの性能を引き出すためには、それが持つハードウェアの特性に合わせてアプリケーションを開発する必要がある。スーパーコンピュータ向けアプリケーションの開発で利用される技術・手法を以下に示す。

プログラミング言語[編集]

科学技術計算分野ではFortranが古くから使われ、コンパイラ最適化技術が成熟していることやアプリケーション・数値演算ライブラリなどのソフトウェア資産の蓄積が大きいことから2017年現在でも利用される。実行効率と開発効率の面から、C言語およびC++もよく用いられる。

開発効率の改善とハードウェアの並列度向上に対応するため、新たなプログラミング言語が提案されている。サン・マイクロシステムズは、2007年1月に科学技術計算向けプログラミング言語Fortressを発表し、オープンソースとして公開している[20]。他にもIBM社のX10などさまざまな提案がある。

並列化API、フレームワーク[編集]

高い性能を求められるスーパーコンピュータ向けアプリケーションでは、ベクトルプロセッサのベクトル演算命令やSIMDなどの並列演算命令を活用し、並列度を高めることで性能向上を図っている。具体的な手法として、最適化コンパイラが並列実行可能な箇所を発見し自動並列化を行うベクトル化や、プロセッサの並列演算命令をプログラミング言語の拡張機能やアセンブラを使い、プログラム内で明示的に呼び出す方法などがある。

2013年現在主流であるコンピュータ・クラスター型のスーパーコンピュータでは、MPIを用いて、プログラマがプロセス間の通信や同期をプログラムに記述することで大規模な並列計算を行う方法が一般的である。スーパーコンピュータ向けベンチマークLINPACKの一実装であるHPLや[21]遺伝子相同性検索を行うBLASTなど多くの科学技術計算アプリケーションでは、MPIを用いた並列化に対応している。

グリッド・コンピューティングとクラウド・コンピューティング[編集]

分散コンピューティングの発展系として、遠隔地のスーパーコンピュータを含めたネットワーク上の多数のコンピュータを統一的に利用する手段として、グリッドコンピューティングの技術開発が世界的に進められており、日本でもNAREGIが国家プロジェクトとして採択を受け、研究と構築が行われている。また、国内の学校を含む、研究・教育機関に教育用に導入されているPCにグリッド基盤パッケージを導入し、現時点では利用されていないCPU資産をグリッドコンピュータの一部として活用する計画への参加を呼びかけている。グリッドコンピューティングの走りとして世界中のPCが参加しているSETIやグリッドによる分散処理に向いた研究素材を集めて、共通のグリッド基盤で処理を進めるBOINCWorld Community Gridといったプロジェクトが軌道に乗っており、世界各国のプロジェクトが相乗りして成果を挙げている。

グリッド・コンピューティングの特徴は、ノードとして参加している個々のクライアントが自由にリソースの稼働率を決められる点にあり、稼働中のクライアントはパフォーマンスを提供する。一方、クラウド・コンピューティングは、リソースの管理をサービスプロバイダ[要曖昧さ回避]に委ね、クライアントは単にサービスを受けるのみであり、この点ではスーパーコンピュータを補完する機能はない。しかし、増加する一途の演算量とそれを保管するストレージの管理も分散コンピューティングの重要な要素になっており、クラウドを構築しておくことで、たとえネットワークが分断されても各ノードが演算すべきデータを見失わないようすることが可能となる。

メーカー[編集]

2022年時点でスーパーコンピュータを扱うメーカーは次のとおりである。

国名 メーカー名
日本 NEC富士通
アメリカ IBMHPE(元SGI[注 4]、元クレイ[注 5]
中国 レノボ浪潮英語版曙光英語版

2019年6月時点でTOP500に入るスーパーコンピュータのランキング数トップ5は、レノボ、浪潮、曙光、HPE、クレイの順である[22]

日本のメーカーはスーパーコンピュータの出荷台数が少なく、海外への販売実績のあるNECのSXシリーズ以外は国内利用向けが主である。TOP500の上位50位内には、自社での検証機と国策のNLS用スーパーコンピュータがランクインしている。

性能評価ランキング、表彰[編集]

性能評価ランキング
スーパーコンピュータの性能比較や、スーパーコンピューティングの技術を表彰する賞として次のものがある。
ランキング名称 説明
TOP500 評価基準を連立一次方程式の解を求める線形代数ライブラリLINPACKを用いたベンチマークとして、上位500位を1993年から毎年6月と11月に発表している。スーパーコンピュータの計算能力の性能評価では広く知られている。LINPACKによるベンチマークは時代やアーキテクチャを超えて異機種・異事例間で比較する指標として利用しやすいが、対象とする問題における実際の処理性能の評価として適しているとは限らない。スカラー型のスーパーコンピュータが上位を占めやすいとされている。
Green500 TOP500の派生でエネルギー消費効率の観点で評価するランキングである。LINPACKベンチマーク結果を消費電力あたりで評価して上位500位をランキングしたものである。
HPCG 連立一次方程式の解を求める線形代数の処理能力を測定するが、LINPACKが行列一般に適用可能な密行列を対象とするのに対して、HPCGは有限要素法が適用されるような疎行列を対象とするものである。稼働時間が貴重なスーパーコンピューターで性能評価の測定時間と電力消費(電力費用)を節約する目的で誕生した性能評価である。[23]
HPCC HPCC (HPCチャレンジベンチマーク)は、スーパーコンピューターの性能に影響を及ぼす浮動小数点演算、持続可能なメモリーの帯域幅、メモリーのランダム更新速度、ネットワークの総データ通信容量、ノード間通信の遅延と帯域を測定するよう考慮された7つの試験から構成される性能試験である。4部門の1位がHPCチャレンジ賞として発表されている。
Graph500 離散数学グラフ理論の問題で、1秒間に探索できる枝(辺)の数を性能の指標とするものである。
表彰
スーパーコンピュータ、高性能計算 (HPC)分野の成果に対する賞として、研究成果を対象とするものとしてACSが主催するゴードン・ベル賞が、研究者を対象とするものとしてIEEE Computer Societyが主催するシーモア・クレイ賞シドニー・ファーンバック賞などがある。

主要国の動向[編集]

世界[編集]

世界各国でもスーパーコンピュータの導入は進んでおり、1990年代初頭のような日米を2極とした導入数の集中状況は解消しつつある。アメリカも日本もスーパーコンピュータによるシミュレーション能力が国際競争力の源泉であることに気が付き、次々と次世代スーパーコンピュータ構想の手を打っている(詳細は京 (スーパーコンピュータ)を参照)。さらに、日米両国はそれぞれの政府主導の下、各省単位でのHPC投資促進が続けられており、数十PFLOPSコンピュータを2010年までに構築する計画が複数進んでいる。

日本[編集]

地球シミュレータ(ES、旧システム)。2002年から2004年まで世界最速だったスーパーコンピュータ。

概要[編集]

日本におけるスーパーコンピュータの流れは、官学主導による国策としての大型スーパーコンピュータ構想と、産業界および産学協同のより実生活や一般的な産業面に近いスーパーコンピュータの利用や設置の流れがある。この2つの流れの間で産官学での調整が行われており、トップダウン型にはWebクライアント技術、ASICマイクロプロセッサ)など、ボトムアップ型には通信インフラストラクチャー、プロトコル、規格化などがある。

文部科学省が推進する日本の科学技術政策では、国立大学や国立研究機関などへのスーパーコンピュータの導入に関して、以下のNLSとNISという位置づけがされている[24]

  • NLS(National Leadership Supercomputer)
    • 日本国内のスーパーコンピュータリテラシーのリーダシップを取るスーパーコンピュータ
    • 開発プロジェクトとして整備する
  • NIS(National Infrastructure Supercomputer)
    • 一般的な研究面/産業面での利用を念頭にスーパーコンピュータリテラシーの下支えをするスーパーコンピュータ
    • 原則として市販商品を調達する

たとえば、数値風洞(1993年11月のTOP500で首位)やPACSのCP-PACS(1996年11月のTOP500で首位)はNLSとして使用が始まり、その後2年ほどでNISとして利用された。2004年まで2年半の長期にわたってTOP500の第1位を占めた地球シミュレータもNLSとして開発され、2007年頃からはNISとして供用された。

2009年11月、長崎大学の浜田剛助教らがゴードン・ベル賞(価格性能部門)を受賞した。市販のGPU 760個の並列処理により、単精度による多体計算において、国内最速の地球シミュレータ2(倍精度LINPACKベンチマークでの測定値122.4 Tflops)を上回る158 Tflopsを開発費用3,800万円で実現した。浜田助教は「高性能の計算機は重要」としながら「(巨費を投じた従来の開発方針は)素直にいいとは言えない。方向性が逆」と発言した。GPUを大量につなげるプログラムの開発が成功の鍵とされた[25]

東京工業大学のTSUBAME 2.0

2010年11月のTOP500では東京工業大学TSUBAME 2.0が4位を獲得した。同時期1位中国NUDTの天河一号Aと同様GPUを大幅に採用しているのが特徴であり、開発費は約30億円である(天河一号Aは約80億円、2002年世界一の地球シミュレータが600億円)[26]

2009年11月、日本で唯一ベクトル型を続けているNECは、インテルとのXeonを使用したスカラー型スーパーコンピュータの共同開発計画を発表した[27]

日本はスーパーコンピュータの省エネ化にも取り組んでおり、2013年11月21日に公開された省エネ性能ランキングでは、東京工業大学のTSUBAME-KFCが、2位に2割以上の差をつけて1位を獲得した[28]

次世代スーパーコンピュータプロジェクト[編集]

2006年より文部科学省は、地球シミュレータに代わる次期NLSとして、「次世代スーパーコンピュータプロジェクト」を開始した[29]。当初計画ではベクトル・スカラー複合機を開発して、「2012年に10ペタFLOPS」を達成し、実質的にTOP500の1位を目指す内容であった[30]

しかし2009年2月にアメリカで「2011年に20ペタFLOPS」を目標とするセコイアが発表され、予定通りとなれば「日本の1位奪還」にはならない見込みとなった。2009年5月にはNEC日立が経営不振を理由に同プロジェクトから撤退し[31]、3社によるベクトル・スカラー複合型から、富士通単独によるスカラー型へ設計変更された。

同年11月13日には行政刷新会議の「事業仕分け」で、当プロジェクトは「予算計上見送りに近い縮減」(事実上の凍結)と判定されたため多数の議論が行われたが、政府は判定を見直し、12月16日には2010年度予算に227億円の計上を決定した[32]

構築途上ながら2011年6月の時点において、LINPACKベンチマークの実行性能8.162ペタフロップス、実行効率93.0%を達成。2位と比べて3倍以上の実行性能を発揮し、TOP500の1位を獲得した。さらに2011年11月2日、最終構成を用いたLINPACKベンチマークの実行性能が10.51ペタフロップス(実行効率93.2%)となり、世界で初めて実行性能10ペタフロップスを超えるコンピュータとなったことを発表した[33]。セコイアは計画より1年遅れて2012年になって稼働し、京の性能を上回った。

グラフ探査性能ベースのベンチマークに基づく性能ランキング「Graph500」では、2015年2期連続で世界1位を獲得した[34]

次々世代[編集]

京の次期システムは、TSUBAMEシリーズの設計者で理化学研究所計算科学研究センター長の松岡聡教授が率いる開発プロジェクトにて、ARMv8アキーテクチャーのCPU A64FXを新開発し、の100倍程度高速なシステム(1エクサプロップスのシステム)を2020年に構築する予定とした[35]

2020年より試行運用、2021年(令和3年)に富岳として本格稼働し、2021年11月のTOP500、HPCGHPL-AI、およびGraph500において4期連続の4冠を達成した。

国策巨大プロジェクトに関する議論[編集]

日本の国策巨大プロジェクト「富岳」には従来より多数の論争が存在するが、主な論点には以下がある。 特に、富岳によって計算時間短縮などのメリットを持つ研究も可能だが、それを商用利用する事は認められていない事がネックになっている[36]これを使って何をすればいいのかがはっきり定まっておらず、持て余した計算リソースを使って新型コロナウイルスの飛沫シミュレーションなどのPRを行っているのが現状である。[要出典]

  • 目的(技術立国として世界1位を目指すべきか、用途に応じコストパフォーマンスを考慮すべきか)
  • 調達方法(実績ある特定の国産メーカーとの随意契約か、透明性のある国際入札か)
  • 採用技術(ベクトル方式やFORTRANなど過去の資産重視か、世界の動向と将来性重視か)
  • 重点分野(高速なインフラ整備が重要なのか、箱物ではなくアプリケーション構築が重要なのか)
  • 波及効果(国が開発した先端技術を民間に波及させるか、汎用的で低価格な市販品を国が採用するか)
  • 役割分担(そもそも技術開発は今後も国が主導すべきか、基本は民間に任せるべきか)
  • 応用分野の計算結果を出すためか、計算結果を出すためのプログラムやアルゴリズムを作るためか、プログラムやアルゴリズムを作れる人材の養成のためかの論点

アメリカ合衆国[編集]

地球シミュレータによるコンピュートニクショックの後、その潜在的に大きな科学技術と国力・軍事研究の粋を挙げてHPC技術の更改と続伸を続けており、2006年8月現在、TOP500のランキングの上位50%以上をアメリカのスーパーコンピュータが占めている。近年の米国の計算機開発は、核兵器維持管理のためのコンピュータシミュレーションや高信頼性代替核弾頭など各種兵器の開発設計、作戦シミュレーションなど軍事利用が多く、技術開発は国防総省国防高等研究計画局エネルギー省国家核安全保障局核備蓄管理プログラム(先端シミュレーション・演算プログラム)の開発プロジェクトや研究費に担うところが大きく、そのフィードバックによって日本と異なり着実に国力拡大を行っている。国立科学財団(NSF)、国立衛生研究所(NIH)、航空宇宙局(NASA)などもスーパーコンピュータの設置や研究開発への資金提供を行っている。HPC技術は民間用スーパーコンピュータとしても生命科学金融工学VFXコンピュータグラフィックスなど広範な分野で使用されている。2018年6月8日、オークリッジ国立研究所IBMは、世界最高速のスーパーコンピューター「Summit」の完成を発表した。Summitは200PFLOPSの性能を有する。直近5年間では、最高速のスーパーコンピューターは中国が有していたが、5年ぶりにアメリカが返り咲いた。開発ベンダはIBMである[37]

欧州[編集]

欧州各国においては、もともと1980年代からスーパーコンピュータのハードウェア分野にはあえて手を出さず、シミュレーションソフトやコンパイラなどのソフトウェア開発に力を注いでいた。次世代スーパーコンピュータに関しても、アメリカや日本のよりよい部分を選択・取得し、得意のソフトウェアに注力した発展と一般化したスーパーコンピュータの普及を目指して動いている。また、近年の情報社会・メディア総局の方針では、ミドルウェア開発を念頭に置いたプロジェクトを中心とすることとなっている[注 6]

イギリス
富士通を中心としたスカラ型が軍に、NECが提供しているベクトル型が気象用に導入されている。自動車・航空機開発は、現在はフランス・ドイツの両国に頼っている現状があるため不明。
フランス
航空機産業においては、Crayのシステムを導入して、衝突解析用アプリケーションソフトを開発して稼動していたことなどもある。軍事産業では、独自システムの開発が行われていた。現在は、アメリカのIBMを中心としたスカラ型が軍事用に、NECが提供するベクトル型が気象用などに導入されている。
ドイツ
NECを中心としたベクトル型の大規模スーパーコンピュータの導入と、IBMを中心としたスカラ型のスーパーコンピュータの導入を並列して進めており、バランスを重視した対応を取っている。
スペイン
IBMのPOWER9を中心としてマルチアーキテキクチャーCPU構成採用したMareNostrum 4を科学教育省に導入し、産官学での利用と発展を図っている。
ヨーロッパ全体
イタリアもほぼスペインと同様で、産学での利用面において一般化したレベルのスーパーコンピュータの導入を促し、産業面では自動車産業航空機産業での利用を進めている状況である。先鋭的なスーパーコンピュータより、汎用アプリケーションを中心とするスーパーコンピュータの導入に積極的であり、大きな予算を必要とする次世代スーパーコンピュータへの集中的な投資はあまり見えない。

アジア諸国(日本以外)[編集]

1990年代は非常に少なかったが、中華人民共和国台湾大韓民国インドマレーシアといった国々では、スーパーコンピュータ購入や自国での構築も行っており、TOP500クラスの新規案件が増えている。

東アジア
中国
中国では2000年代初頭から非インテル系の独自CPUの開発とそれにともなうスーパーコンピュータの開発を始めており、2005年には、中国初のCPU「龍芯」を発表した。この「龍芯」は2011年現在、1~3シリーズが発表されており、現在でも中国国内の独自次世代光メディア機器(東芝からライセンス・特許を購入したHD-DVDの中国版)のデコーダとしても使用されている。このCPUを使用し、2011年末までに燭光6000[38]という1京フロップス超のスーパーコンピュータの発表も予定されている。
龍芯のコアはRISC系のコアであり、日本の京 (スーパーコンピュータ)IBMPOWER系を使用するスーパーコンピュータと同じ方式のCPUを選択した結果となっている。
なお、この龍芯は、開発開始当初からMIPS命令セットおよびMIPS社の知的財産侵害が指摘されており、日本のJETRO北京センターの知的財産管理部の公式報告文書[39]にも懸念が記載されていた。さらに龍芯2においては、MIPS社の互換CPUとの相似性が95%を超えるとの指摘[40](問題化した際のMIPS社の指摘によると、NEC東芝が製造していたR10000およびR12000のほぼ完全なデッドコピーであったとのこと)もあった。この指摘に基づき、国際的な不正競争を防止するパリ条約(ヘーグ改正条約)違反を欧米・日本が主張し、公式の場での中国の知的財産権軽視への批判が高まったため、中国政府および龍芯の製造メーカは否定に躍起になっていたが、最終的に2009年6月にMIPS社にCPU周りのライセンシーの有償提供を求め、2010年6月に一部株式を取得することで決着している。
また、ストリーム・プロセッシングの分野では、2010年11月のTOP500では中国NUDT天河一号Aが日米以外で初めて1位を獲得した。GPUを大幅に採用しているのが特徴であり、7,168個のNVIDIA Tesla M2050 GPUと14,336個のインテル製CPUを使用している。NVIDIAによれば天河の計算速度の8割をGPUが担っているという[26][41]。なお、NUDTは中国人民解放軍直属の機関で、開発の背景に軍事があるという見方は少なからずある。また、市民監視システムのグレート・ファイアウォール天網などにもNUDTやTOP500上位ベンダーの曙光のスーパーコンピュータが使われていることから治安維持も背景にあるとされる[42][43][44][45]。中国首脳部はサイバー技術を制する者が世界を制する、との考えから積極的に投資を行っており2016年6月には中国はTOP500における各国の計算力総計で日米を超えた。
韓国
韓国では、ソウル大において汎用PCとLinuxおよび日米製のクラスタソフトを用いた研究用スーパーコンピュータを作成していたが、導入時に150位程度であり、現在はTOP500圏外となっている。
実務面で使用するスーパーコンピュータにおいては、すべてを日米ベンダ各社から購入して数を増やしつつあるが、あくまで利用者としての対応であり、もともとの国力からの判断で自国での開発は行っていない。
なお、利用も気象や自動車などの民需系の利用が急速に増えたものの、軍事的な開発・設計に注力しているとの指摘もあり、先がまったく見えない。また、肝心の気象予測においても、強化された計算能力を十分に生かしきることができず、一般国民においては、隣国の日本の気象庁予測を確認する風潮が根付いている[要出典]
さらに韓国の問題点として、スーパーコンピュータにおいて使用されるアプリケーションソフトの多くが、正式購入ではなく試用版やすでにライセンシーの切れたソフト、不正コピーによるソフトを使用していることがある[要出典]。この知的財産侵害について、近年、特許協力条約知財関連の条約に加盟したこともあり、自国内の複数の新聞(天気予報:最新スパコンで17年前のプログラム運用:朝鮮日報 2007/10/01など複数[要出典])にて批判も高まっている[要出典]
台湾
スーパーコンピュータの発展に寄与したスティーブ・チェンの出身地でもあり、スーパーコンピュータと縁の深い台湾では、軍事的な側面でスーパーコンピュータを導入する動きはほとんどない。基本的に民需系や公共サービス系を中心に産業界や科学分野においての導入が進められている。特に汎用PCを使用したLinuxのクラスタ系コンピュータが多く、半導体産業におけるCAE系や中央気象局などのほか、台湾が生き残りをかけて投資している遺伝解析系においては、世界でも有数のレベルでスーパーコンピュータが取り入れられ、使用されている。
たとえば、日本産のメダカ遺伝子改造して、深海魚などから取り出した発光する遺伝子を組み込み、発光魚として世界各地に輸出しているが、この遺伝改造もスーパーコンピュータを使用して検証され、実際に行われている。
このように台湾自体、韓国と同様にスーパーコンピュータの開発を行うことはないと思われるが、産業による貿易(ただし、輸出と輸入のバランスを取った)立国を続ける立場から、欧州と同様に一般的なスーパーコンピュータの利用とアプリケーションの提供という面で、日米欧と肩を並べる存在としての存在感を示しつつある。また、日本のGRAPEプロジェクト(GRAPE-DR)に対しても、複数企業が参加し、サポートを続けている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 但し、大抵の場合は市販品そのままではなく、スーパーコンピュータ向けに設計の一部修正は行われる。それでも既存の設計・製造手法が流用できるため、大きなコストダウンになる。
  2. ^ : capability computing
  3. ^ : capacity computing
  4. ^ SGIは2006年5月に連邦倒産法第11章の適用を申請し受理されたが、2006年11月に第11章適用対象から外れ再生を果たした。その後2016年11月1日にHPEがSGIを買収した
  5. ^ 2019年にヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE) に買収されHPEの子会社となった
  6. ^ ただし、半導体開発競争を中止したのみであり、基礎的分野における研究開発の継続は行われるはずである。また、アメリカ・日本を見習い、近年ではマイクロコンピュータ用のアプリケーション開発などにも力を入れている。

出典[編集]

  1. ^ 小柳義夫、中村宏 他著、岩波講座計算科学別巻『スーパーコンピュータ』、2012年。「はじめに」より。
  2. ^ 平成26年3月31日関係省庁申合せ
  3. ^ スーパーコンピューター導入手続
  4. ^ Eric G. Swedin; David L. Ferro (2007). Computers: The Life Story of a Technology. JHU Press. p. 57. ISBN 9780801887741 
  5. ^ Eric G. Swedin; David L. Ferro (2007). Computers: The Life Story of a Technology. JHU Press. p. 56. ISBN 9780801887741 
  6. ^ China dominates Top500 with 219 supercomputers” (2019年6月17日). 2019年6月23日閲覧。
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  9. ^ Top500.org. “Processor Architecture share for 6/2010 TOP500 Supercomputing Sites”. 2010年6月1日閲覧。
  10. ^ ClearSpeed - HomeArchived 2001年7月21日, at the Wayback Machine.
  11. ^ Clearspeed Technology. “47 TeraFLOP TSUBAME cluster sets new record as the first accelerated cluster in the Top500”. 2008年3月12日閲覧。
  12. ^ Advanced Micro Devices, Inc.. “AMD、倍精度浮動小数点テクノロジを備えた初のストリーム・プロセッサを発表”. 2007年11月17日閲覧。
  13. ^ NVIDIA Corporation. “NVIDIA Tesla - HPCのためのGPU コンピューティング ソリューション”. 2007年11月17日閲覧。
  14. ^ RapidArray高速インターコネクト”. 2006年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  15. ^ 高速インターコネクション向け1.1μm帯VCSELの25Gb/s動作”. 電子情報通信学会 (2006年). 2008年3月12日閲覧。
  16. ^ Top500 OS chart Archived 2012年3月5日, at the Wayback Machine.
  17. ^ Magic Cube - Dawning 5000A, QC Opteron 1.9 Ghz, Infiniband, Windows HPC 2008 | TOP500 Supercomputer Sites
  18. ^ ZDNET
  19. ^ Top500
  20. ^ fortress[リンク切れ]
  21. ^ HPL - A Portable Implementation of the High-Performance Linpack Benchmark for Distributed-Memory Computers
  22. ^ TOP500 Becomes a Petaflop Club for Supercomputers” (2019年6月17日). 2019年6月23日閲覧。
  23. ^ 中島研吾「HPCGについて」スーパーコンピューティングニュース(東京大学) Vol.18 No.5 (2016)
  24. ^ ナショナル・リーダーシップ・スパコン(NLS)とナショナル・インフラストラクチャ・スパコン(NIS)の変遷 - 科学技術省
  25. ^ スパコン開発で「ゴードン・ベル賞」 長崎大助教ら受賞 「国内最速」安価で実現 西日本新聞、2009年11月27日[リンク切れ]
  26. ^ a b 「『GPU』で最速スパコン」朝日新聞、2010年11月19日、東京版朝刊、32面
  27. ^ インテルとNEC、将来に向けたスーパーコンピューター技術の共同開発に合意 - NEC
  28. ^ “東工大のスパコン「TSUBAME-KFC」、スパコン省電力性能ランキングで首位獲得”. 日経BP. (2013年11月21日). https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20131121/519585/ 2013年11月21日閲覧。 
  29. ^ 次世代スーパーコンピュータプロジェクトの経緯 - 文部科学省
  30. ^ 次世代スーパーコンピュータのシステム構成を決定 - 世界最高性能のスパコン開発に挑む - 理化学研究所、他
  31. ^ スパコン国家プロジェクト NEC脱落の真相 - ITPro
  32. ^ 国策スパコンは予算227億円で続行、目標は「世界一」から「世界最速レベル」へ - ITPro
  33. ^ 京速コンピュータ「京」が10ペタフロップスを達成
  34. ^ [1]
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  37. ^ Move Over, China: U.S. Is Again Home to World’s Speediest Supercomputer New York Times 2018年6月8日
  38. ^ 中国新聞 2009年11月12日 1千兆回スパコン「曙光6000」 来年デビューへ.[2]
  39. ^ JETRO北京センター 報告書のpdf.[3][リンク切れ]
  40. ^ 中国国内記事の自動翻訳情報.[4]
  41. ^ NVIDIA社HP
  42. ^ 天網中樞天河二號無虞信號外洩”. 中時電子報 (2017年9月29日). 2019年7月5日閲覧。
  43. ^ China’s policing robot: Cattle prod meets supercomputer” (英語). Computerworld (2016年10月31日). 2019年7月5日閲覧。
  44. ^ 翻墙-功夫网简介”. 翻墙-功夫网简介. 中国数字時代 (2012年6月16日). 2019年7月5日閲覧。
  45. ^ Intel and Nvidia Chips Power a Chinese Surveillance System” (英語). ニューヨーク・タイムズ (2020年11月22日). 2020年12月3日閲覧。

参考文献[編集]

  • 坂村健,コンピュータアーキテクチャー -電脳構築学-,共立出版
  • 日本電気,富士通,日立製作所, スーパーコンピュータ全書, パーソナルメディア
  • 「情報処理」(情報処理学会誌)特集「知られざる計算機」2002年2月号(Vol.43 No.2)
  • アンドリュー・S・タンネンバウム,ネットワークアーキテクチャー第4版,日経BP
  • ディビット・G・ストークス(編著),HAL伝説-2001年コンピュータの夢と現実,早川書房
  • 岩下 武史, 片桐 孝洋, 高橋 大介:「スパコンを知る: その基礎から最新の動向まで」、東京大学出版会、ISBN 978-4130634557(2015年2月20日)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]