ジープ・コンパス

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コンパスCompass)は、ジープブランドで販売されるクライスラーの小型クロスオーバーSUVである。

概要[編集]

公道(オンロード)での走行を主眼に置いた、ジープでのエントリーユーザー向けモデルとして販売され、特にオフロード性能で訴求することもなく、悪路走破性能も他のジープ車に劣っている。そのため、トレイルレイテッドバッジも付けられていない。なお、このモデルはトレイルレイテッドバッジが付けられない最初のジープ車となった。

初代(MK型、2006年-2017年)[編集]

ジープ・コンパス
前期 フロント
前期 リア
後期 フロント
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 FF/4WD
パワートレイン
エンジン 直4 2L GEMA
直4 2.4L GEMA
直4 2L ディーゼル
変速機 CVT/5MT(-2013モデル)
6AT(2014モデル-)
車両寸法
ホイールベース 2,634mm
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2006年1月の北米国際オートショーで発表され、同年5月30日に生産が開始された。プラットフォームには、ジープ・パトリオットと共通のクライスラー・MKプラットフォームが採用された。

他のジープを踏襲したスタイリングのジープ・パトリオットとは異なり、トヨタ・マトリックスに対抗したハッチバックスタイルのスポーティーなデザインがなされている。

エンジンは、GEMAによって設計された直列4気筒 2.4Lエンジンと2Lエンジンが採用され、豪州および欧州向けの輸出車両にはフォルクスワーゲン製の2Lディーゼルエンジンも搭載。

なお、後期のヘッドライトはグランドチェロキー(4代目、WK型)のものを流用している。

生産はイリノイ州ベルビデーレで行われている。

2012年3月3日、日本国内にて正式発売された。用意されるのは2LのFFモデル「リミテッド」1種類のみ。

2013年5月24日、小改良(7月13日より発売開始)。パトリオットの廃止を受け、2.4L+4WDの「リミテッド」を追加。従来のFFモデルは「スポーツ」に改名し、一部装備を厳選した上で価格を引き下げた。トランスミッションは全車に新開発の6速パワーテックオートマチックを採用。

2013年8月3日、2.0L・FFの「スポーツ」をベースにクロームパーツやグランドチェロキーに採用されるサドルタンレザーシート、18インチクロームアルミ等を装備した「リミテッド クローム」を150台限定で販売開始。ボディカラーは「ブラッククリアコート」のほか、コンパス初登場となる「ラギッドブラウンパールコート」を用意する。価格は税込みで300万円。

2代目(MP型、2017年- )[編集]

ジープ・コンパス
フロント
リア
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 FF/4WD
パワートレイン
エンジン 直4 1.4 L マルチエア 直噴ターボ
直4 2.4 L マルチエア(タイガーシャーク)
直4 2.0 L マルチジェットディーゼル 
変速機 6MT
6AT
7AMT
9AT
車両寸法
ホイールベース 2,635 mm
全長 4,400 mm
全幅 1,810 mm
全高 1,640 mm
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従前のコンパスとパトリオットの統合後継車種として、2016年ロサンゼルスオートショーで初公開。

生産は先代のイリノイ州から世界4拠点(メキシコブラジル中国インド)で行われることになり、日本向けはインド製が割り当てられる。

シャシはレネゲード用の「スモールワイド4×4アーキテクチャー」のホイールベースを70 mm引き延ばして2,640 mmとした上で採用している。

パワーユニットはフィアット製で、レネゲードで採用済みの1.4 L・マルチエア直噴ターボをはじめ、直4・2.4 Lマルチエア、2.0 L・マルチジェットディーゼルエンジンを仕向け地に応じて用意する。同時に、1.4Lモデルには、新たにフィアット・パワートレイン・テクノロジー製の7速デュアルクラッチトランスミッションが設定された。

日本市場においては、2017年(平成29年)12月2日に販売を開始することがアナウンスされた。日本仕様はレネゲードとチェロキーとの棲み分けのため、すべて2.4 Lマルチエアのみとなり、「Sport」と「Longitude」はFF+6AT、「Limited」は4WD+9ATである。

尚、2021年に登場する2代目コマンダーはこの2代目をベースに開発されている。

外部リンク[編集]