ジョン・健・ヌッツォ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョン・健・ヌッツォ
John Ken Nuzzo
生誕 (1966-05-05) 1966年5月5日(57歳)
出身地 日本の旗東京都
学歴 セント・メリーズ・インターナショナル・スクール
南カリフォルニア・チャップマン大学
ジャンル クラシック
職業 オペラ歌手
事務所 メイ・コーポレーション
公式サイト John Ken Nuzzo Official Website

ジョン・健・ヌッツォ(ジョン・けん・ヌッツォ、本名: ジョン・ケン・ヌーゾーJohn Ken Nuzzo )は、アメリカ国籍のテノール歌手。東京都出身。父はイタリア系アメリカ人、母は日本人。元東京音楽大学客員教授。元ICM NY所属。元アミューズ所属[1]

略歴[編集]

東京都出身。南カリフォルニアチャップマン大学音楽部声楽科卒業。

2000年に世界三大歌劇場の一つであるウィーン国立歌劇場でデビューし、新進歌手に贈られるオーストリア芸術新人大賞「エバーハルト・ヴェヒター・メダル」を受賞。ウィーン・フォルクスオーパーにてレナード・バーンスタインウエスト・サイド・ストーリー」、ザルツブルク音楽祭アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーカンダウレス王」、ジャック・オッフェンバックホフマン物語」で出演するなど、ヨーロッパでの歌手としての地位を確立する。その後、巨匠ジェームズ・レヴァインの招待によりメトロポリタン歌劇場にデビュー。その活動がTBS系TV番組「情熱大陸」にて放映され、日本国内で一躍脚光を浴びる。NHK大河ドラマ新選組!」のテーマ曲を歌い、NHK紅白歌合戦に2度出場(後述)。天皇皇后ローマ法皇に歌声を披露した経験をもつほか、MLBサッカーの国際試合での国歌斉唱もつとめた。2008年、覚せい剤取締法違反の現行犯で警視庁荏原警察署逮捕された[2]。翌2009年に懲役1年6か月、執行猶予3年の判決が出る。2010年に活動再開。

これまでエディタ・グルベローヴァアンジェラ・ゲオルギューレナート・ブルゾンレオ・ヌッチ等と共演。ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団NHK交響楽団東京交響楽団札幌交響楽団京都市交響楽団名古屋フィルハーモニー交響楽団等、国内外のオーケストラへ客演。

2016年には、三大テノールの1人、プラシド・ドミンゴ歌劇真珠とり」の二重唱や世界的ホルン奏者のラデク・バボラークベンジャミン・ブリテンの珠玉の名作「テノール、ホルンと弦楽の為のセレナード」の共演に加え、ニューアルバム「イタリアン・アリア」を発売し全国10ヶ所のリサイタルツアーを実施。

2017年、NHKナゴヤニューイヤーコンサートやサントリーホールジョアキーノ・ロッシーニ荘厳ミサ曲」に出演、京都市交響楽団「バレンタイン・コンサート」とウィーン楽友協会「UTAU DAIKU」への再出演に加え、台湾香港でデビュー果たし、アジアでの活動を広げる。その一方でロベルト・シューマン詩人の恋」をリリースする等、ドイツ歌曲に取り組む。

2018年に、東京芸術劇場での歌劇「真珠とり」、軽井沢大賀ホール春の音楽祭のほか、オール・プッチーニのリサイタルツアーを実施。2019年、サントリーチェンバーミュージック・ガーデンで「美しき水車小屋の娘」のほか、日墺友好150周年記念イヤーに伴うウィーン公演やリサイタルツアーを行う。

年譜[編集]

主な活動
1991年 モーツァルトオペラコジ・ファン・トゥッテ』フェランド役でデビュー
1992年 ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の前で「人知れぬ涙」(愛の妙薬より)を歌唱
1993年 ソニー・ミュージックレコーズ テクノカラオケVo.1「YAH YAH YAH」 Vo.2 「ダーリング」Vol.3「KISS ME」に参加
1996年 NINTENDO64悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 LEGEND OF CORNELL」(1999年12月16日発売)のコーネル役で声優デビュー
1997年 第9回日本声楽コンクール第1位
1998年 国際ベルベデーレ・コンクール日本予選最高位(盛岡市開催)
2000年 ウィーン国立歌劇場の専属歌手としてデビュー

NFL 東京ドーム2000セレモニーで米国歌独唱

2001年 エバーハルト・ヴェヒター賞受賞
2002年 ザルツブルク音楽祭 デビュー

第13回出光音楽賞受賞、第53回NHK紅白歌合戦出場
アン・デア・ウィーン劇場 で開催されたオペラギルド主催ジュゼッペ・ディ・ステファノの功績を讃える会で歌唱

2003年 メトロポリタン歌劇場及びミュンヘンデビュー

TBS主催で初リサイタルを東京カテドラル・聖マリア大聖堂で開催

2004年 第55回NHK紅白歌合戦出場

第17回JAL音舞台シリーズ 、TBS情熱大陸、TOYOTAマスタープレイヤーズ出演
Morzart「His Life, His Operas」を初全国ツアー実施(全国8カ所)
リコー MLB開幕戦セレモニー で国歌独唱

2006年 イタリアの歌姫ミルバと全国ツアー実施

「HTB・朝日ジルベスターコンサート」に出演
横浜国際総合競技場 で開催されたサッカー日本代表強化試合(キリンチャレンジカップ)にて国歌独唱

2007年 ピッツバーグオペラにてオペラ「愛の妙薬」で主役デビュー

東急ジルベスターコンサート出演

2008年 ミルバと2度目の全国ツアー実施

「光源氏 さかさまに行かぬ年月よ」の舞台で東儀秀樹古澤巌らと共演 
オペレッタメリー・ウィドウ」(カミーユ・ド・ロジョン役)にて佐渡裕プロデュースオペラシリーズに初出演
11月27日、覚せい剤取締法違反 (覚醒剤所持) の現行犯で逮捕[2]

2009年 1月9日、 懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決が下る
2010年 トルコ共和国 文化省主催の「3 Tenor」コンサートに出演
2011年 木下グループpresents「Live Under The Tree」シリーズで 古澤巌と共演 

橋幸夫ジュディ・オング山本リンダ金沢明子清水アキラと共に仮設住宅慰問 
「全音楽界による音楽会」など、音楽を通じた東日本大震災への復興支援を継続的に取り組む

2012年 TEDxTokyo2012のオープニングで「Nessun Dorma」を熱唱

常陸宮夫妻とジョン・ルース駐日米国大使臨席のアメリカ独立記念日式典で両国歌独唱

2013年 三枝成彰作曲、オペラ「KAMIKAZE〜神風」の初演で主役神崎光司少尉役を熱演

アイリスオーヤマ・クラシックスペシャル オペラ「トスカ」(カヴァラドッシ役)出演
毎日新聞主催「生きる2013」再出演

2014年 歌劇「リゴレット」(マントヴァ公爵役)にて*びわ湖ホール オペラに初主演

歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」(フェルランド役)で佐渡裕プロデュースオペラシリーズに再出演

2015年 毎日希望奨学金チャリティコンサートで阿川泰子日野皓正とジャンルを超えて共演
2016年 プラシド・ドミンゴとビゼー「真珠採り」の二重唱を歌い絶賛される

世界的ホルン奏者のラデク・バボラークブリテンの名作「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード」で共演
日伊国交樹立150周年に「オール・イタリアン」の全国リサイタルツアーを行い、以降毎年実施
初のジャズアルバム「NUZZO JAZZ」をリリース

2017年 NHKナゴヤニューイヤーコンサート、サントリーホールでロッシーニ「荘厳ミサ曲」出演

ベートーヴェン ×シューベルト 」歌曲リサイタルツアー実施
New National Concert Hall(國家音樂廳)にて台湾デビュー、Hong Kong City Hall(香港大會堂)にて香港デビュー

2018年 プッチーニ 生誕160年を祝し「オール・プッチーニ」」のリサイタルツアーを行う

東京音楽大学客員教授に就任

2019年 日澳友好150周年記念リサイタルツアーVIENNA実施

サントリーホール チェンバーミュージックガーデンにてシューベルト「美しき水車小屋の娘」全曲に挑む

主な受賞歴[編集]

受賞年 コンクール 受賞位
1985年 アリタリア 国際声楽コンクール 第2位
1992年 ロサンゼルス・ヤングアーティスト声楽コンクール 第1位
1992年 ロサンゼルス・オペラギルドコンクール ほか 第1位
1993年 第9回日本声楽コンクール 第1位
1997年 NATS「ロサンゼルス・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」 第1位
1998年 国際ベルベデーレ・コンクール日本予選 最高位
2001年 オーストリア芸術新人大賞「エバーハルト・ヴェヒター・メダル」 受賞
2002年 第13回出光音楽賞受賞 受賞

ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

発売日 タイトル レーベル
2021年4月14日 Die schöne Müllerin, Op.25, D.795<抜粋> フォンテック
2020年10月7日 NUZZO meets PUCCINI フォンテック
2020年8月17日 RARE LIVE TRACK 2020 フォンテック(配信限定盤)
2019年5月22日 BEETHOVEN×SCHUBERT フォンテック
2018年3月21日 セレナータ フォンテック
2017年3月8日 シューマン:詩人の恋Op.48 フォンテック
2016年11月18日 NUZZO JAZZ CVレーベル
2016年5月11日 イタリアン・アリア フォンテック
2012年6月6日 〜Le Grand Amour〜想いの届く日(古澤巌作品ゲスト出演) HATS
2004年10月27日 Tenorissimo〜テノリッシモ〜 ユニバーサルミュージック
2004年2月21日 NHK大河ドラマ新選組!」オリジナル・サウンドトラック ユニバーサルミュージック
2003年6月11日 Treasure Voice〜トレジャー・ボイス ユニバーサルミュージック
DER RIESE VOM STEINFELD ウィーン国立歌劇場 ORF
ツェムリンスキーカンダウレス王ザルツブルク音楽祭2002 ANDANTE
2004年3月8日 ブリテン『ビリー・バッド』 ウィーン国立歌劇場 ORFEO D'OR

DVD[編集]

発売日 タイトル レーベル
2013年9月18日 KAMIKAZE〜神風〜 東京文化会館 ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
ヴェルディシモン・ボッカネグラ」ウィーン国立歌劇場 ORF

出演[編集]

CM 出演[編集]

  • ハウス食品「六甲のおいしい水」(2005年)
  • デルモンテ「パスタヴェローチェ」(声のみ)

NHK紅白歌合戦出場歴[編集]

年度/放送回 曲目 出演順 対戦相手
2002年(平成14年)/第53回 マリア 09/27 鈴木慶江
2004年(平成16年)/第55回 2 新選組!メイン・テーマ 04/28 森山良子
注意点
  • 出演順は「出演順/出場者数」で表す。

主なTV出演番組[編集]

年度 番組名
2019年 なないろ日和!(#917)、MX NEWS、徹子の部屋
2017年 NHKナゴヤニューイヤーコンサート
2015年 関ジャニ∞のTheモーツァルト 音楽王No.1決定戦魂のルフラン
2013年 感動のスポーツ&エンターテインメントSports of Heart2013
2012年 徹子の部屋
2007年 東急ジルベスターコンサート、朝はビタミン!
2006年 HTB朝日ジルベスターコンサート、ソロモン流 ポップジャム デラックス
2005年 題名のない音楽会21(40周年記念企画 新春!ウィーン本場オペラ ジョン・健・ヌッツォ)

スーパーワールドオーケストラ ポップスコンサート

2004年 徹子の部屋第55回NHK紅白歌合戦題名のない音楽会21ニュース23、金曜オンステージ

素敵にショータイムたけしの誰でもピカソ英語でしゃべらないと、日本うた絵巻、はなまるマーケット

情熱大陸SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA、第17回JAL音舞台シリーズ

2003年 NHKニューイヤーオペラコンサートスタジオパークからこんにちは
2002年 第53回NHK紅白歌合戦NHKニューイヤーオペラコンサート

ウィーン天使が歌う街 東儀秀樹感動の音楽紀行

2001年 情熱大陸No.186、ORF ウィーン国立歌劇場「BILLY BUDD」

主なラジオ出演番組[編集]

声優[編集]

国歌斉唱[編集]

年度 イベント 試合 会場
2012年 アイスホッケー 日韓代表戦 東伏見アイスアリーナ
(ダイドードリンコアイスアリーナ)
2006年 サッカー日本代表強化試合
キリンチャレンジカップ
日本対ガーナ 横浜国際総合競技場
(日産スタジアム)
2004年 リコー「MLB開幕戦セレモニー」 ニューヨーク・ヤンキース対タイパベイ・デビルレイズ 東京ドーム
2000年 NFL 東京ドーム2000 ダラス・カウボーイズアトランタ・ファルコンズ 東京ドーム

参考文献[編集]

  1. 黒柳徹子も惚れ込む歌声を披露!ジョン・健・ヌッツォ、52歳になった現在の美声&体調管理
  2. ジョン・健・ヌッツォの健康法は1日2~3リットルの水と、本番2日前の・・・MASACA!
  3. 毎日新聞「ジャズへの強い思い」インタビュー
  4. exciteニュース 初のジャズ・アルバムに「夢叶った!
  5. 準主役でメトデビュー よみタイムvol.25
  6. メトロポリタン・オペラ千秋楽 よみタイムvol.64
  7. メジャーのオペラで主役獲得 よみタイム vol.76
  8. 2005年ザルツブルグ音楽祭演目
  9. 方丈記800年記念「古典の日・世界遺産コンサート」 レポート
  10. りゅーとぴあマガジン インタビュー 情熱的でパワフルなリサイタルを
  11. フィリアホールインタビュー 日常を越えて身体に響く“歌”
  12. サントリーチャンネル チェンバーミュージックガーデン2016インタビュー
  13. ばんだい高原国際音楽祭を10倍楽しもう! メンバーズ・インタビュー
  14. デーリー東北 名曲オペラの夕べ 圧巻、会場一つに ヌッツォさんら観客魅了
  15. 福島民報社 迫力の歌声響く ジョン・健・ヌッツォさんコンサート
  16. TEDxTOKYO
  17. テノリッシモ 福山雅治ジャケット写真撮影
  18. 出光音楽賞歴代受賞者
  19. 東京音楽大学社会人特別講義

脚注[編集]

  1. ^ AMUSE”. web.archive.org. 2021年4月9日閲覧。
  2. ^ a b 奇行数々…紅白2度出場ヌッツォが覚せい剤 スポーツニッポン新聞社、2008年12月2日

外部リンク[編集]