ジェームズ・ガン (映画製作者)

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ジェームズ・ガン
James Gunn
James Gunn
2016年
生年月日 (1966-08-05) 1966年8月5日(57歳)
出生地 ミズーリ州セントルイス
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 脚本家映画監督映画プロデューサー小説家俳優音楽家
活動期間 1989年 -
配偶者 ジェナ・フィッシャー(2000年 - 2008年)
ジェニファー・ホランド(2022年 - )
著名な家族 パトリック・ガン
ブライアン・ガン(兄弟)
マット・ガン(兄弟)
ショーン・ガン(兄弟)
マーク・ガン
公式サイト jamesgunn.com/
主な作品
監督
スリザー
スーパー!
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ
ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
ピースメイカー
脚本
スクービー・ドゥー』シリーズ
ドーン・オブ・ザ・デッド
製作・製作総指揮
アベンジャーズ』シリーズ
ブライトバーン/恐怖の拡散者
 
受賞
ゴールデンラズベリー賞
最低監督賞
2013年ムービー43
最低脚本賞
2013年『ムービー43』
その他の賞
動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)「2023年パーソン・オブ・ザ・イヤー」[1]
備考
第27回東京国際映画祭 審査委員長(2014年)
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ジェームズ・ガン(James Gunn、1966年8月5日 - )は、アメリカ合衆国脚本家映画監督映画プロデューサー小説家俳優音楽家

生い立ちと学歴[編集]

ミズーリ州セントルイスで生まれ。俳優のショーン・ガン、俳優で作家のマット・ガン英語版、プロデューサーのパトリック・ガン、脚本家のブライアン・ガン英語版は兄弟である。姓のガンは通常スコットランド系の姓だが、彼はアイルランド系である[2]

若年期は、ミズーリ州マンチェスターのセントジョセフ・マンチェスター小学校に通った。その後は兄弟とともにセントルイス大学高等学校に入学し、1984年に卒業。その後はセントルイス大学に通って1992年に卒業し、心理学の学士号を得た。さらにコロンビア大学大学院に行き、ライティング・フィクションの修士号を得た[3]

キャリア[編集]

トロマ・エンターテインメントの下で映画界のキャリアを開始し、『トロメオ&ジュリエット英語版』で初めての監督、脚本をつとめた(監督としてはクレジットされず)。他に『MIS II メン・イン・スパイダー2英語版』の脚本を執筆した。

ガンにとって初めてのハリウッドのメジャー脚本は2002年の『スクービー・ドゥー』であった。2004年のジョージ・A・ロメロの同名映画のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』の初稿を書いたあと、『スクービー・ドゥー2 モンスター パニック』の脚本を執筆した。2006年には監督作『スリザー』が公開された。

2014年

2010年、監督・脚本をつとめた、レイン・ウィルソンエリオット・ペイジ主演のブラック・コメディ『スーパー!』が公開された。

2014年に公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督・脚本をつとめ、一気に注目された。2017年には引き続き監督・脚本をつとめたシリーズ2作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が公開された。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー監督解雇と復帰[編集]

2018年7月、ディズニーの会長アラン・ホルンは、ガンのTwitterの投稿に不適切な内容があったとして、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ3作目の監督からの解雇を発表した[4]

その理由は、2008年〜2012年ごろに投稿された小児性愛レイプ人種差別ホロコーストエイズなどあらゆる不謹慎なジョークについてのツイートが発見されたことだった[4][5]。ガンは日頃から当時のアメリカ大統領だったドナルド・トランプへの批判を繰り広げており[5]、トランプ支持派の右派ニュースサイトやオルタナ右翼[注 1]によって過去のツイートを掘り起こされ、拡散されたのだった。ガンは一連のツイートについて謝罪[5]した。

ガンの解雇処分に対し、シリーズ1作目から出演しているデイヴ・バウティスタが「ガンが既に書き上げている『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』3作目のシナリオを、もしマーベルが使わないなら、出演契約を解除してもらうつもりだ。そうしなければジェームズを裏切ったことになる」と発言したほか[8]、同シリーズの主要キャストであるクリス・プラットブラッドリー・クーパーゾーイ・サルダナヴィン・ディーゼルマイケル・ルーカーカレン・ギランなどが不謹慎ジョークの内容には共感しないとしながらもガンを支持し、復帰を求めるとの公開書簡に署名した[5]。またガンの再雇用を求めるオンライン請願サイトには、約35万人の署名が集まった[5]。そして解雇から9か月を経た2019年3月15日、ガンが監督に復帰することが発表された[9]

2018年10月、ワーナーはDCコミックスシリーズ映画『スーサイド・スクワッド』の続編[注 2]の監督、脚本としてガンに誘いをかけ、2019年1月には監督就任の契約を交わした。同作は2020年に公開され、またガンは、同作に登場するキャラクター、ピースメーカーを中心としたスピンオフテレビシリーズ「ピースメーカー」脚本、監督、製作を行った。

2021年1月から7月まで行われた「ピースメーカー』の撮影終了後の同年11月、シリーズ完結作となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の撮影が始まり[11][12]、翌2022年5月に終了[13]。発表されていた予定通り[14]米国で2023年5月5日に劇場公開された(日本では5月2日公開)。また同作の撮影後半時期にはテレビスペシャル『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』の撮影も行われ、「VOLUME3」にさきがけて2022年11月にDisny+で公開された。

DC映画の新リーダーへの就任[編集]

2022年10月25日、ピーター・サフランと共に、DCフィルムズの代わり新設される、ワーナー・ブラザース傘下「DCスタジオ」の共同会長兼CEOに就任することが発表された[15]。以後の4年のDC映画・ドラマ・アニメの製作を統括し、ガンは主にクリエイティブ面を担当することになった。

私生活[編集]

2000年10月7日に女優のジェナ・フィッシャーと結婚したが、7年後の2007年9月5日に別居を発表し[16]、翌年に離婚した[17]。現在は女優のジェニファー・ホランドと交際している[18]

フィルモグラフィ[編集]

映画[編集]

テレビシリーズ[編集]

コンピュータゲーム[編集]

ビブリオグラフィ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ツイートを最初に発見して問題視したのは米国の保守系ニュースサイト『The Daily Caller英語: The Daily Caller』であった。そしてさらにガンの過去ツイートを多数発掘・拡散したのは親トランプとして、またQアノン陰謀論の一つピザゲート陰謀論の推進者の一人としても知られるオルタナ右翼[6]ジャック・ポソビエック英語: Jack Posobiecであった)[7]
  2. ^ 正確には“続編”ではなく「再構成された新作」とされていた[10]

出典[編集]

  1. ^ https://www.peta.org/blog/peta-2023-person-of-the-year/
  2. ^ April 4, 2012. Interview. The 404 Podcast Ep. 1047
  3. ^ James Gunn (2010年9月1日). “Formspring Questions”. Formspring. 2012年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年9月1日閲覧。
  4. ^ a b “ジェームズ・ガン監督が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』第3弾をクビ...過去ツイートが問題視され”. シネマトゥデイ. (2018年7月21日). https://www.cinematoday.jp/news/N0102389 2018年7月21日閲覧。 
  5. ^ a b c d e “「ガーディアンズ~」キャスト、問題ツイートで解雇の監督の復帰求める”. BBCニュース. (2018年7月31日). https://www.bbc.com/japanese/45015116 2019年11月14日閲覧。 
  6. ^ https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_291256/?p=2
  7. ^ マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』ジェームズ・ガン監督が降板【コメント全文和訳】 | THE RIVER”. theriver.jp (2018年7月21日). 2024年2月25日閲覧。
  8. ^ Ryan Parker (2018年8月5日). “'Guardians 3' Star Says Working for Disney Is "Pretty Nauseating" After James Gunn Firing” (英語). Hollywood Reporter (ハリウッド・リポーター). https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/dave-bautista-says-he-will-do-next-guardians-movie-james-gunn-1132316 2019年2月6日閲覧。 
  9. ^ https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/james-gunn-back-as-guardians-galaxy-3-director-1195066
  10. ^ https://natalie.mu/eiga/news/436460
  11. ^ https://theriver.jp/got-vol3-shoot-start/
  12. ^ https://twitter.com/JamesGunn/status/1457754577411973122
  13. ^ https://virtualgorillaplus.com/movie/guadians-of-the-galaxy-3-wrapped/
  14. ^ 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ、撮影中の第3弾で完結 : 映画ニュース”. 映画.com. 2024年2月25日閲覧。
  15. ^ ジェームズ・ガン監督、DCスタジオの共同CEOに就任 : 映画ニュース”. 映画.com. 2024年3月8日閲覧。
  16. ^ Reuters (2007年9月12日). “'Office' actress Fischer, husband separate”. Reuters. https://www.reuters.com/article/peopleNews/idUSN0525685020070906 2009年1月3日閲覧。 
  17. ^ Jenna Fisher Finds Love One Year After Divorce”. Contact Music (2008年9月24日). 2009年1月3日閲覧。
  18. ^ Farrell, Paul (2018年7月21日). “Jennifer Holland, James Gunn’s Girlfriend: 5 Fast Facts You Need to Know”. heavy.. 2018年10月9日閲覧。
  19. ^ ‘Guardians Of The Galaxy’ Holiday Special, Baby Groot Series Set For Disney+” (英語). Deadline (2020年12月10日). 2021年2月16日閲覧。

外部リンク[編集]