シュプレー=ナイセ郡

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紋章 地図
(郡の位置)
基本情報
連邦州: ブランデンブルク州
郡庁所在都市: フォルスト (ラウジッツ)ドイツ語版
緯度経度: 北緯51度45分00秒 東経14度39分10秒 / 北緯51.75000度 東経14.65278度 / 51.75000; 14.65278
面積: 1657.43km²
人口:

111,955人(2021年12月31日現在) [1]

人口密度: 68 人/km²
ナンバープレート: SPN, FOR, GUB, SPB
自治体コード: 12 0 71
郡の構成: 29 市町村
郡庁舎の住所: Heinrich-Heine-Straße 1
03149 Forst (Lausitz)
公式ウェブサイト: www.landkreis-spree-neisse.de
郡長: ハラルト・アルテクリューガー (Harald Altekrüger, CDU)
州内の位置

シュプレー=ナイセ郡 (ドイツ語: Landkreis Spree-Neiße, 低地ソルブ語: Wokrejs Sprjewja-Nysa) は、ドイツブランデンブルク州南東部の郡である。

地理[編集]

隣接するのは、北部ではオーダー=シュプレー郡、東部ではボーランド、南部ではザクセン州ゲルリッツ郡ドイツ語版バウツェン郡ドイツ語版、西部ではオーバーシュプレーヴァルト=ラウジッツ郡ダーメ=シュプレーヴァルト郡である。シュプレー=ナイセ郡は、郡独立市のコトブスを完全に取り囲んでいる。

歴史[編集]

シュプレー=ナイセ郡は、1993年ブランデンブルク州郡改革ドイツ語版の一環として、同年12月6日に旧コトブス=ラント郡ドイツ語版グーベン郡ドイツ語版フォルスト郡ドイツ語版シュプレンベルク郡ドイツ語版を統合して、成立した。なおグーベン郡は、その意志に反して当郡に組み込まれた。

2003年ブランデンブルク州自治体改革ドイツ語版では、本郡は反対を表明したにもかかわらず、ガリンヒェンドイツ語版グロース・ガーグロウドイツ語版キーケブッシュドイツ語版(当時のアムト・ノウハウゼン/シュプレードイツ語版)が、都市コトブスに編入された。ブランデンブルク州政府は、同時にアムト・ノウハウゼン/シュプレーの残りの自治体を、単一のアムト非所属自治体ノイハウゼン/シュプレードイツ語版に統合しようとした。手続き上の不備により、この合併が発効したのは2004年9月19日なってからであった。

人口動態[編集]

以下の表は、シュプレー=ナイセ郡の人口動態を示している(1990年は10月3日付、1991年からは12月31日付け)。数値は統計時の郡域によるものである(当郡成立以前の1990年から1992年の数値は、1993年12月6日の領域に合わせた数値)。2003年10月26日の自治体領域改革によって郡域の一部がコトブスに編入され、当郡は約5,300人の人口を失う結果となった。

人口
1990 157,358
1991 153,328
1992 150,820
1993 152,241
1994 152,982
1995 153,493
1996 154,856
1997 155,946
1998 155,773
1999 155,247
人口
2000 153,827
2001 151,100
2002 148,939
2003 141,256
2004 139,464
2005 136,896
2006 135,017
2007 132,798
2008 130,626
2009 128,470
人口
2010 126,400
2011 121,571
2012 120,178
2013 118,899
2014 118,030

出典:ベルリン=ブランデンブルク統計局ドイツ語版ブランデンブルク州建設交通局ベルテルスマン財団ドイツ語版による詳細なデータはWikimedia CommonsのPopulation Projection Brandenburg にある。

政治[編集]

郡長[編集]

  • 1994–2010:ディーター・フリーゼ (Dieter Friese, SPD)
  • 2010–:ハラルト・アルテクリューガー (Harald Altekrüger, CDU)

郡議会[編集]

郡議会議長:モニカ・シュルツ=ヘプフナー (Monika Schulz-Höpfner, CDU)

郡議会は50人の議員と郡長で構成されている[2]

政党/グループ 議席
CDU 15
SPD 10
DIE LINKE. 9
FDP 3
NPD 2
Bürger für die Lausitz (Klinger Runde) 2
Brandenburger Vereinigte Bürgerbewegungen/Freie Wähler (BVB/FREIE WÄHLER) 2
GRÜNE/B90 1
Wählergruppe Landwirtschaft und Umwelt (WG LW und Umwelt) 1
Alternative für Deutschland (AfD) 1
Wählerbündnis Ländlicher Raum Spree-Neiße (WLR-SPN) 1
Gruppe Unabhängige Bürger Spree-Neiße (GUB-SPN) 1
Spremberger Bürgerinitiative Spremberg - sozial, parteiunabhängig, bürgernah (Bürgerinitiative SPB) 1
Wählergruppe Vereinte Sozialgemeinschaft (VS) 1
合計 50

(2014年5月25日地方選挙結果)

シュプレー=ナイセ郡郡議会の統一会派は以下の通り。CDU, SPD, DIE LINKE., FREIE BÜRGER, Freie Wähler SPN。

紋章[編集]

紋章は1995年9月6日に承認された。

紋章記述:「4部分に分かれ、上部前側には銀地に直立する赤いカニ、後側には赤地に立ち上がり、尾が二つ付き、王冠をかぶるライオン、下部前側には青地に金の三葉の王冠、後側には金地に、直立し、外側に曲がる赤い鹿の角で、4つの端部と根本はクローバーの葉の形をしている」[3]

郡内のアムト、市町村の紋章はシュプレー=ナイセ郡の紋章一覧ドイツ語版を参照。

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旗はブランデンブルク州の色である赤と白で4部分に塗り分けられ、中央には郡の紋章が付く。

経済と社会資本[編集]

経済[編集]

シュプレー=ナイセ郡は、ブランデンブルク州内では産業集中地域に数えられる。経済構造は、伝統的に褐炭、エネルギーが産業の特徴となっている。また合成物質、化学、食品、金属加工、製紙、建設、建設資材といった将来に可能性をもつ産業分野が存在する。重要な工業、産業地帯は、シュプレンベルク(地域成長拠点)、フォルスト (ラウジッツ)、グーベン、ヴェルツォウといった都市にある。 経済拠点であるシュプレンベルクは、15か所あるブランデンブルク州地域経済拠点ドイツ語版の一つである。これにより指定された先進産業が支援されている。

スイス企業、Prognosドイツ語版社がハンデルスブラットと共同して作成した未来地図 (Zukunftsatlas) では、シュプレー=ナイセ郡は2004年に調査対象となった全439地域の中で第424位であった。2007年では全414の中で最下位であった。2010年の調査では全412地域中392位と、28位改善された[4]。3年後の調査では全402地域中394位であった[5]

交通[編集]

シュプレー=ナイセ郡内の自動車登録件数 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
乗用車登録数(1月1日付)[6] 72 281 71 840 71 846 71 716 71 588 71 102 70 627
人口1,000人あたりの乗用車数(前年12月31日付) 544 550 559 567 589 592 594

市町村[編集]

2004年自治体領域改革とハイデミュールドイツ語版廃止の決定の結果、2016年1月1日以降、本郡には7都市を含む、全29自治体がある。2008年の公式決定により18自治体と4地区が正式に2言語表記となっていた(ドイツ語低地ソルブ語[7]
*カッコ内斜体は公式の低地ソルブ語名称である。

2016年1月1日付で、自治体ホルノウ=ヴァーデルスドルフドイツ語版は、シュプレンベルクに編入された。

都市
¹ アムト所属市
² 公式なソルブ語名を定めていないが、2言語の地区がある都市

  1. デーベルンドイツ語版¹(3,146人)
  2. ドレープカウドイツ語版 (Drjowk) (5,432人)
  3. フォルスト (ラウジッツ)ドイツ語版²(17,545人)
  4. グーベンドイツ語版(16,377人)
  5. パイツドイツ語版 (Picnjo) ¹(4,333人)
  6. シュプレンベルクドイツ語版 (Grodk) (21,464人)
  7. ヴェルツォウドイツ語版²(3,274人)

アムト非所属自治体

  1. コルクヴィッツドイツ語版 (Gołkojce) (9,297人)
  2. ノイハウゼン/シュプレードイツ語版(4,950人)
  3. シェンケンデーベルンドイツ語版(3,478人)

アムトドイツ語版及び所属自治体
² 公式なソルブ語名を定めていないが、2言語の地区がある自治体

1. アムト・ブルク (シュプレーヴァルト)ドイツ語版 (Amt Bórkowy (Błota)) (9,045人)

  1. ブリーゼンドイツ語版 (Brjazyna) (784人)
  2. ブルク (シュプレーヴァルト)ドイツ語版 (Bórkowy (Błota)) (4,248人)
  3. ディッセン=シュトリーゾウドイツ語版 (Dešno-Strjažow) (979人)
  4. グーロウドイツ語版 (Góry) (522人)
  5. シュモーグロウ=フェーロウドイツ語版 (Smogorjow-Prjawoz) (803人)
  6. ヴェルベンドイツ語版 (Wjerbno) (1,709人)

2. アムト・デーベルン=ラントドイツ語版 (Amt Derbno-kraj) (10,462人) (Amtssitz: Döbern)

  1. デーベルンドイツ語版、都市(3,146人)
  2. フェーリックスゼードイツ語版²(1,842人)
  3. グロース・シャックスドルフ=ジンマースドルフドイツ語版(877人)
  4. イェムリッツ=クライン・デューベンドイツ語版(448人)
  5. ナイセ=マルクセタールドイツ語版(1,605人)
  6. チェルニッツドイツ語版(1,202人)
  7. ヴィーゼングルントドイツ語版²(1,342人)

3. アムト・パイツドイツ語版 (Amt Picnjo) (10,631人)

  1. ドラッハハウゼンドイツ語版 (Hochoza) (779人)
  2. ドレーノウドイツ語版 (Drjenow) (500人)
  3. ハイナースブリュックドイツ語版 (Móst) (590人)
  4. イェンシュヴァルデドイツ語版 (Janšojce) (1,521人)
  5. パイツドイツ語版 (Picnjo) 、都市(4,333人)
  6. タウアードイツ語版 (Turjej) (700人)
  7. タイヒラントドイツ語版 (Gatojce) (1,098人)
  8. トゥルノウ=プライラックドイツ語版 (Turnow-Pśiłuk) (1,110人)

観光[編集]

シュプレーヴァルトの小舟

シュプレー=ナイセ郡には、観光地であるシュプレーヴァルトニーダーラウジッツドイツ語版ラウジッツ湖水地方ドイツ語版が含まれている。

中心となる観光地としては、療養地ドイツ語版(クーアオルト、療養泉が運営されている場所)であるブルク (シュプレーヴァルト)ドイツ語版が挙げられる。

河川ではシュプレー川ラウジッツァー・ナイセ川が、カヌーを楽しむ観光客を惹きつけている。また褐炭露天掘り現場は、現在3か所が操業中で、その光景は圧巻であり、技術に関心がなくとも非常に印象深いものである。

特記に値するものに、密な自転車道路網がある(約1,000 kmで大部分がアスファルトで舗装されている)。その内6本がドイツの全国規模の自転車協会 ADFGドイツ語版 の認証を受けている(オーダー=ナイセ自転車道ドイツ語版シュプレー自転車道ドイツ語版トゥール・ブランデンブルクドイツ語版が4つ星、ニーダーラウジッツ採鉱トゥール (Niederlausitzer Bergbautour)、ピュックラー侯爵道ドイツ語版キュウリ自転車道ドイツ語版は3つ星となっている)。

姉妹郡[編集]

シュプレー=ナイセ郡は、以下の郡と姉妹協定を結んでいる。

シュプレー=ナイセ郡は、既に1998年から外国の郡との協力関係を築いてきた。その主な目的は、郡内の市民が様々なプロジェクトで直に姉妹郡とふれあうことによって、異文化を知り、理解することを学び、民族の間の垣根を取り払い、そしてこの道筋の上に、寛容な共存を支援する機会を与えることである。

ナンバープレート[編集]

1994年1月1日以来、識別記号の「SPN」が割り当てられ、使用されている。

2000年頃までの旧郡時代には、特別なナンバーが与えられていた。

地域 アルファベット 数字
シュプレンベルク郡ドイツ語版 A から E 1 から 999
Y
AA から EZ 1 から 99
YA から YZ
フォルスト郡ドイツ語版 H から L 1 から 999
X
HA から HZ 1 から 99
XA から XZ
グーベン郡ドイツ語版 M から R 1 から 999
Z
MA から RZ 1 から 99
ZA から ZZ
コトブス=ラント郡ドイツ語版 S から W 1 から 999
SC から WZ 1 から 99

ナンバープレート自由化ドイツ語版の一環として、2013年3月19日からは「FOR」(フォルスト)、「GUB」(グーベン)、「SPB」(シュプレンベルク)が利用可能となった。これらは1990年から1993年の旧郡を反映したものである。

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Bevölkerungsentwicklung und Flächen der kreisfreien Städte, Landkreise und Gemeinden im Land Brandenburg 2021 (Fortgeschriebene amtliche Einwohnerzahlen, bezogen auf den aktuellen Gebietsstand)
  2. ^ lkspn.de
  3. ^ Wappenangaben auf dem Dienstleistungsportal der Landesverwaltung des Landes Brandenburg
  4. ^ Prognos: Zukunftsatlas-Regionen 2010
  5. ^ Brandenburgs Randgebiete sacken ab.
  6. ^ Statistik Fz3 Kraftfahrt-Bundesamt
  7. ^ Amtsblatt für Brandenburg, Nummer 19 vom 14.