ココアバター

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ココアバター
ココアバター
100 gあたりの栄養価
エネルギー 3,699 kJ (884 kcal)
0 g
糖類 0 g
食物繊維 0 g
100 g
飽和脂肪酸 59.7 g
一価不飽和 32.9 g
多価不飽和 3 g
0 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(0%)
0 mg
リボフラビン (B2)
(0%)
0 mg
ナイアシン (B3)
(0%)
0 mg
パントテン酸 (B5)
(0%)
0 mg
ビタミンB6
(0%)
0 mg
葉酸 (B9)
(0%)
0 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(0%)
0.3 mg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンE
(12%)
1.8 mg
ビタミンK
(24%)
24.7 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
0 mg
カリウム
(0%)
0 mg
カルシウム
(0%)
0 mg
マグネシウム
(0%)
0 mg
リン
(0%)
0 mg
鉄分
(0%)
0 mg
亜鉛
(0%)
0 mg
マンガン
(0%)
0 mg
セレン
(0%)
0 µg
他の成分
水分 0 g
カフェイン 0 mg
テオブロミン 0 mg
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
ココアバター(100 g中)の
主な脂肪酸の種類[1]
項目 分量
(g)
脂肪 100.0
飽和脂肪酸 59.7
16:0(パルミチン酸 25.4
18:0(ステアリン酸 33.2
一価不飽和脂肪酸 32.9
18:1(オレイン酸 32.6
多価不飽和脂肪酸 3.0
18:2(リノール酸 2.8

ココアバター: cocoa butterカカオバターカカオ脂とも)はカカオ豆の脂肪分であり、主にカカオリカーから圧搾して製造する。ココアバターはカカオ豆中に40%から50%(カカオマス中では約55%)含まれている。主に菓子(特にチョコレート)、薬品軟膏化粧品の原料として利用される。

性質[編集]

色調と風味[編集]

カカオリカーから圧搾した直後のココアバターは、若干の非脂肪カカオ分を含有するため、薄黄色である。未脱臭のココアバターには独特の匂いがある。脱臭処理を行うことで、白色・無味・無臭に近くなる。

結晶と融点[編集]

ココアバターを構成する脂肪酸のうち、95%がオレイン酸(C18:1)、ステアリン酸(C18:0)、パルミチン酸(C16:0)の3種類の脂肪酸である。単純な組成であるため、狭い温度幅で急激に融解する特徴がある。この融点が体温より若干低めのため、常温で保管でき体温で融解する性質がある。またパルミチン酸・ステアリン酸は飽和脂肪酸であり、さらに未脱臭品はポリフェノールなどの抗酸化成分を微量に含んでいる。このため変質しにくい性質であり、2-5年の常温固体保存が可能である。

産地・豆の種類によって異なるが、ココアバターの融点は一般的に摂氏32 - 36度である。ココアバターは多形の結晶であり、融点の異なるγ,α,β',βの結晶構造を有する。液状のココアバターを徐冷するとα型などの結晶が生成され、ぼそぼそとした感触になる。ココアバターやチョコレートの製品を整形する際は、調温(テンパリング)を行ってβ型結晶を生成する。β型の結晶構造にまとめると生地が滑らかになり、表面が艶かで、歯応えよくパキッと折れるようになる。

製造[編集]

カカオリカーをプレス機で圧搾し、ココアパウダーとココアバターに分離することで生産される。ホワイトチョコレートはカカオ分としてココアバターを含むが、ココアパウダー等の非脂肪カカオ分は含有しない。一部のチョコレート菓子では、同一の製品に一度分離したココアバター・ココアパウダー双方を使用することもある。

食品以外への利用[編集]

ココアバターは室温で保管でき体温で溶けるため、座薬などの基礎薬剤として用いられる。また、安定した脂質であり、天然の酸化防止剤を含んでいるため腐りにくく、2-5年貯蔵することができる。ココアバターの滑らかな素地、甘い芳香、皮膚を軟化させる特性のため化粧品と石鹸やローションなどのスキンケア製品としてよく使われる。

脚注[編集]

  1. ^ https://data.nal.usda.gov/dataset/usda-national-nutrient-database-standard-reference-legacy-release

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • ウィキメディア・コモンズには、ココアバターに関するカテゴリがあります。