ケネス・ヤマダ

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ケネス・ヤマダ (Kenneth M. Yamada)
生誕 1944年9月??
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ミネソタ州ミネアポリス
居住 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野 生物学
研究機関 米国・NIH国立がん研究所
米国・NIHの国立歯科・頭蓋顔面研究所
出身校 米国 スタンフォード大学
博士課程
指導教員
Norman K. Wessells
主な業績 細胞接着分子細胞生物学
主な受賞歴 アメリカ科学振興協会のフェロー (Fellow of the AAAS)、米国マトリックス生物学会のSenior Investigator Award、NIH Distinguished Investigator
プロジェクト:人物伝
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ケネス・ヤマダ(けねす やまだ、Kenneth Manao Yamada、1944年9月- )[1] は、米国育ちの米国細胞生物学者・男性。日系3世。アメリカ国立衛生研究所の国立歯科・頭蓋顔面研究所の細胞/発生生物学部・部長。専門は細胞接着分子細胞生物学。数十人の日本人生命科学者が、彼の研究室でポスドクとして研究した。

研究概要[編集]

米国 スタンフォード大学のベッセルス (Norman K. Wessells[2]) の研究室で、培養細胞を用いて、神経軸索成長の仕組みを、マイクロフィラメント微小管との関係で研究したのが、研究人生のスタートだった。最初の論文を、1970年、26歳のときに出版した。

1974年オレゴン大学生物学部、J.A. Weston研究室のポスドクだったケネス・ヤマダは、ニワトリ繊維芽細胞から細胞表面のタンパク質を単離し「CSP」(Cell Surface Protein) と命名した[3]。「CSP」は、その前年の1973年、英国 王立がん研究基金リチャード・ハインズ (Richard O. Hynes) が、培養細胞のがん化に伴い細胞表面から消失するタンパク質として発見したフィブロネクチン[4]と同じタンパク質だった。

1974年、細胞のがん化に関連するタンパク質を単離した縁で、NIH国立がん研究所・分子生物学部(パスタン部長)の研究員に採用された。

1976年、フィブロネクチンの細胞接着活性を発見した[5]

1983年、ポスドクの林正男と共に、フィブロネクチンのドメイン構造を決定した[6]

1985年、ポスドクの長谷川孝幸・悦子夫妻と共に、フィブロネクチン・レセプタータンパク質を単離した[7]

1990年、米国・NIHの国立歯科・頭蓋顔面研究所の発生生物学部・部長に就任した。

その後も含め、フィブロネクチン、細胞接着分子細胞外マトリックスインテグリン、細胞内シグナル伝達細胞骨格に焦点を合わせ、細胞接着、細胞移動、がん細胞の浸潤、細胞外マトリックス構築、組織形態形成を研究している。

略歴[編集]

(この節の出典[8]

弟子[編集]

日系3世のためか、日本人の弟子が多く、数十人の日本人生命科学者が、彼の研究室でポスドクとして研究した。以下、日本人(外国人は著名な人)を中心にリストする。この節、網羅的ではない。年代は着任年。

1976 - 1979年[編集]

1980 - 1989年[編集]

1990 - 1999年[編集]

2000 - 2009年[編集]

  • 阪井丘芳(さかい たかよし) - 大阪大学・教授
  • 小野寺智洋 - 北海道大学・助教
  • Masaru Araki
  • Yukinori Endo
  • Kazue Matsumoto

2010 - 2019年[編集]

主な著作[編集]

  • 400編以上の論文発表

主な特許[編集]

  • United States Patent No. 6743626, "Artificial salivary gland," Baum, B.J., Yamada, K.M., Cukierman, E., and Mooney, D., 2004
  • United States Patent No. 8048641, "Micropatterning of Biological Molecules using Laser Ablation," Doyle, A.D., Yamada, K.M., and Wang, F.W., 2011

脚注[編集]

  1. ^ PM Kalte, KH Nemeh, N Schusterbauer (eds.) (2004). American Men and Women of Science (22 ed.). Gale Group. ISBN 978-0787673925 
  2. ^ Norman K. Wessells
  3. ^ Kenneth M. Yamada and James A. Weston (Sep 1974). “Isolation of a Major Cell Surface Glycoprotein from Fibroblasts”. Proc Natl Acad Sci U S A 71 (9): 3492-3496. PMC 433800. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC433800/. 
  4. ^ Hynes RO (Nov 1973). “Alteration of cell-surface proteins by viral transformation and by proteolysis”. Proc Natl Acad Sci U S A 70 (11): 3170-3174. PMC 427194. PMID 4361679. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC427194/. 
  5. ^ Yamada KM, Yamada SS, Pastan I. (Apr 1976). “Cell surface protein partially restores morphology, adhesiveness, and contact inhibition of movement to transformed fibroblasts”. Proc Natl Acad Sci U S A 73 (4): 1217-1221. PMC 430233. PMID 177979. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC430233/. 
  6. ^ Hayashi M, Yamada KM (Mar 1983). “Domain structure of the carboxyl-terminal half of human plasma fibronectin”. J Biol Chem 258 (5): 3332-3340. PMID 6826564. 
  7. ^ Hasegawa T, Hasegawa E, Chen WT, Yamada KM (1985). “Characterization of a membrane-associated glycoprotein complex implicated in cell adhesion to fibronectin”. J Cell Biochem. 28 (4): 307-318. PMID 4055919. 
  8. ^ Kenneth M. Yamada, curriculum vitae PDF

外部リンク[編集]