クリストフォロ・ネグリ

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クリストフォロ・ネグリ
Cristoforo Negri
生誕 1809年6月13日
パドヴァ
死没 1896年
フィレンツェ
国籍 イタリア語
職業 地理学者経済学者外交官
著名な実績 イタリア地理学会 初代会長
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クリストフォロ・ネグリ(Cristoforo Negri、1809年 - 1896年)は、イタリア地理学者経済学者外交官

経歴[編集]

クリストフォロ・ネグリは、1809年パドヴァに生まれた。

パドヴァ大学憲法学の教授を務めた[1]1848年混乱を逃れてピエモンテ州へ赴き、そこでヴィンセント・ジョベルティイタリア語版によって外務大臣の下におかれた領事部門のひとりに任じられた。この地位は、マッシモ・ダジェリオイタリア語版によっても追認された。1859年以降、彼は政府の様々な職に就き、その間に地中海地方各地の数多くの都市を訪れ、イタリアの政治経済関係の発展に寄与した[2]

1867年、ネグリはイタリア地理学会の創設者のひとりとなり、設立当初の4年間にわたって会長を務めた[2]コルベットMagenta」が太平洋に派遣された1867年の遠征について、ネグリは、真剣な探険航海を行うにしては、遠方まで向かうのに武装など積荷が重過ぎ、地図類や書物、科学的観測機器なども不足していると論評した[3]1874年から1875年まで、ネグリはハンブルク駐在の総領事を務めた[2]。引退後も、ネグリは国を代表して活動し続けた。1876年にはベルギー王レオポルド2世が主催した国際アフリカ連盟英語版の創設会議に参加し、また、パナマ運河の建設に関する会議や、1884年から1885年にかけてヨーロッパ列強によるアフリカ分割をめぐって行われたベルリン会議にも参加した[2]

1880年、ネグリは再びイタリア地理学会会長となった。彼は探検家ジャコモ・ボヴェ英語版を派遣して、南極大陸を周航させるという計画を打ち出した。しかし、新たに成立していたイタリア王国は、その費用を賄うことはできなかった[4]1890年、ネグリは上院議員となった。彼は、1896年フィレンツェで死去した[2]

ゼムリャフランツァヨシファの島々のうち、ホール島英語版マクリントク島英語版の間の狭い海峡であるネグリ海峡 (英語: Negri Channel) は、クリストフォロ・ネグリの名に因んだものである[5]

おもな著書[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Bonnier Corporation 1896, p. 720.
  2. ^ a b c d e Negri, Cristoforo - Treccani.
  3. ^ Benson & Rehbock 2002, p. 208.
  4. ^ Mornese 2008, p. 4.
  5. ^ Hausner, Isolde. “Expedition to the North Pole: The imperial and/or imperialistic naming of newly discovered topographic features”. The 22nd International Seminar on Sea Naming. The Society for East Sea/Northeast Asian History Foundation. p. 167 

参考文献[編集]

  • Benson, Keith Rodney; Rehbock, Philip F. (2002-07-01). Oceanographic History: The Pacific and Beyond. University of Washington Press. ISBN 978-0-295-98239-7. https://books.google.com/books?id=kfv059OL6kQC&pg=PA208 2012年12月8日閲覧。 
  • Bonnier Corporation (September 1896). “Cavaliere Cristoforo Negri”. Popular Science. Bonnier Corporation. ISSN 0161-7370. https://books.google.com/books?id=oCMDAAAAMBAJ&pg=PA720 2012年12月8日閲覧。 
  • Mornese, Michele (2008年). “Omaggio a Giacomo Bove grande esploratore italiano” (Italian). 2012年12月7日閲覧。
  • Negri, Cristoforo” (Italian). Treccani (2011年). 2012年12月8日閲覧。