ガズィアンテプ

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ガズィアンテップ
Gaziantep
ガズィアンテップの風景
ガズィアンテップの風景
位置
ガズィアンテップとガズィアンテップ県の位置の位置図
ガズィアンテップとガズィアンテップ県の位置
位置
ガズィアンテプの位置(ガズィアンテプ県内)
ガズィアンテプ
ガズィアンテプ (ガズィアンテプ県)
ガズィアンテプの位置(南東アナトリア地方内)
ガズィアンテプ
ガズィアンテプ (南東アナトリア地方)
ガズィアンテプの位置(トルコ内)
ガズィアンテプ
ガズィアンテプ (トルコ)
地図
座標 : 北緯37度4分 東経37度23分 / 北緯37.067度 東経37.383度 / 37.067; 37.383
行政
トルコの旗 トルコ
  ガズィアンテプ県
 市 ガズィアンテップ
地理
面積  
  市域 2,138 km2
人口
人口 (2007年現在)
  市域 1,237,874人
その他
等時帯 極東ヨーロッパ時間 (UTC+3)
郵便番号 27x xx
市外局番 (+90) 342
ナンバープレート 27
公式ウェブサイト : http://www.gaziantep-bld.gov.tr/

ガズィアンテップ(Gaziantep [ɡaːˈziantep], ガジアンテプガジアンテップガーズィアンテプとも)はトルコ共和国南東部の都市。ガズィアンテプ県の県都で、2012年以降のガズィアンテプ大都市自治体とガズィアンテプ県は同一の範囲である[1]。2000年の人口は853,513人。かつてはアインタブ (Aintab)と呼ばれ、現在でも非公式にアンテプ (Antep [ˈantep]) と呼ばれることがある。

歴史[編集]

古くはヒッタイトの都市であった。シリア地方との交易の中継地として栄えたが、ペルシアローマ帝国ビザンティン帝国アルメニア王国十字軍オスマン帝国などさまざまな勢力の支配を経験した。

第一次世界大戦の後、オスマン帝国の解体に伴い、フランス軍が進駐した。

祖国解放戦争中、フランス軍に包囲されていた住民の勇敢な戦いぶりを記念し、トルコ大国民議会は、1921年2月6日付93号法により、「戦士」を意味するガーズィ (Gazi) の称号が贈り、ガズィアンテプとしたが、2月9日、町は包囲に耐えかねて降伏した。

その後、1921年10月20日に調印されたアンカラ協定の第3条に従い、同第8条の定めるラインまで撤退することとなり、12月25日、フランス軍はガズィアンテプを後にした。

1923年ローザンヌ条約によって正式にトルコに返還された。

1987年にカズィアンテプ市は大都市自治体に指定され、シェヒトカミルシャヒンベイという2つの区が設置された[2]2004年の指定範囲拡大により、大都市自治体は知事室の周囲半径30kmまでに拡大し、範囲内にある自治体は全てカズィアンテプ市の区となった[3]

2011年9月9日、世界最大のモザイク博物館となるゼウグマ・モザイク博物館が開館[4]。この地域の観光シンボルとなっている[5]

2012年の行政区画改編により、ガズィアンテプ大都市自治体とガズィアンテプ県は同一の範囲となっている[1]

2023年2月6日トルコ・シリア地震が発生。震源地に近かったことから大きな揺れに見舞われ、城壁の一部などが破損した[6]

地理[編集]

トルコ南部に位置し、ガズィアンテプ県シリアと国境を接する。アインタブ高原英語版 (Aintab plateau) にあり、海抜838mの高地にある。地中海から約110km内陸に位置する。周辺には人口湖やダム(ダム湖)が建設されている。

気候[編集]

ケッペンの気候区分では、地中海性気候に区分され、冬に雨が多くみられる。夏は晴れて乾燥し、気温が昼間は非常に高くなる。

ガズィアンテプ(1970-2011)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 8.0
(46.4)
9.6
(49.3)
14.3
(57.7)
19.9
(67.8)
25.7
(78.3)
31.5
(88.7)
35.6
(96.1)
35.6
(96.1)
31.4
(88.5)
24.4
(75.9)
16.2
(61.2)
10.0
(50)
21.85
(71.33)
平均最低気温 °C°F −0.8
(30.6)
0.1
(32.2)
3.2
(37.8)
7.5
(45.5)
12.0
(53.6)
17.1
(62.8)
21.0
(69.8)
21.0
(69.8)
16.3
(61.3)
10.5
(50.9)
4.5
(40.1)
1.1
(34)
9.46
(49.03)
降水量 mm (inch) 90.2
(3.551)
83.3
(3.28)
74.0
(2.913)
54.0
(2.126)
29.3
(1.154)
7.5
(0.295)
6.2
(0.244)
6.0
(0.236)
7.3
(0.287)
38.7
(1.524)
68.3
(2.689)
93.6
(3.685)
558.4
(21.984)
平均降雨日数 12.3 12.3 12.1 10.6 6.8 2.0 0 0 1.5 6.5 8.7 11.9 84.7
湿度 72 68 63 61 54 45 37 38 45 56 68 71 56.5
平均月間日照時間 117.8 124.7 170.5 213.0 279.0 348.0 347.2 319.3 273.0 223.2 165 117.8 2,698.5
出典1:Devlet Meteoroloji İşleri Genel Müdürlüğü[7]
出典2:Weatherbase[8]

経済[編集]

農業と畜産[編集]

ピスタチオが有名である。ピスタチオはトルコ語でAntep fıstığıで、直訳するとアンテプ(ガズィアンテプの旧称)の種実類となる。他にも広大なブドウ畑やオリーブ畑がある。

畜産では羊の飼育が盛んである。

産業[編集]

綿、アクリル繊維、絨毯、小麦、セモリナ、パスタ、食料品、植物油、プラスチック、洗剤、皮革製品などが生産されている。

鉱業[編集]

ボーキサイト、鉄鉱石、ドロマイト、リン鉱石、銀、クロム、石炭、天然ガス、石油が採掘されている。

交通[編集]

空港[編集]

路面電車[編集]

教育[編集]

スポーツ[編集]

ガズィアンテプをホームとするサッカークラブがある。

姉妹都市[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Başbakanlık Mevzuatı Geliştirme ve Yayın Genel Müdürlüğü”. www.resmigazete.gov.tr (12/11/2012). 2022年2月9日閲覧。
  2. ^ GAZİANTEP İLİ MERKEZİNDE ŞEHİTKAMİL VE ŞAHİNBEY ADIYLA İKİ İLÇE KURULMASI HAKKINDA KANUN” (トルコ語) (20/6/1987). 2022年2月9日閲覧。
  3. ^ BÜYÜKŞEHİR BELEDİYESİ KANUNU” (10/7/2004). 2022年2月9日閲覧。
  4. ^ 'Çingene Kızı bu kadar küçük mü?' Hürriyet 2011年9月12日
  5. ^ 南東アナトリアの新たな観光シンボル、世界最大のゼウグマ・モザイク博物館 TRT 2015年2月11日
  6. ^ ガジアンテップ城が地震で損壊 トルコ南部、東ローマ時代の城壁など”. 朝日新聞 (2023年2月7日). 2023年2月6日閲覧。
  7. ^ İl ve İlçelerimize Ait İstatistiki Veriler- Meteoroloji Genel Müdürlüğü”. Dmi.gov.tr. 2012年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月3日閲覧。
  8. ^ Gaziantep, Turkey Travel Weather Averages”. Weatherbase. 2012年10月3日閲覧。

外部リンク[編集]