イオノプシス属

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イオノプシス属
イオノプシス・ウトリキュラリオイデス
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Liliopsida
: ラン目 Orchidales
: ラン科 Orchidaceae
: イオノプシス属 Ionopsis
  • 本文参照

イオノプシス属 Ionopsisラン科植物の分類群の一つ。着生植物で小さな偽球茎を持ち、小柄な花を多数着ける。

特徴[編集]

多年生草本で着生植物[1]。偽球茎は小さく、基部の鞘に隠れる。偽球茎基部の鞘には大きな葉身が発達し、また偽球茎の先端にも一枚の葉身を持つが、これを欠く例もある。

は偽球茎基部の鞘の内側から伸び出す花茎の先に多数を着ける。花は小柄で、萼片と側花弁は小柄、唇弁のみがよく発達する。側萼片の基部は互いに融合して袋状となり、メンタムを形成する。唇弁は三裂し、中裂片のみが大きく広がって倒心形をなす。側裂片は不明瞭で、その基部に一対の隆起がある。花粉塊は二個でロウ質。

学名はion(スミレ)とopsis(似る)からなり、花の色と形がスミレを思わせることに依る。洋ランとしての略称は Inps. である。

分布[編集]

南北アメリカ大陸の熱帯から亜熱帯域に広く分布する。

分類[編集]

コンパレッティア属 Comparettia に近縁とされる。約10種が知られる。

利用[編集]

洋ランとして栽培される。特に知られているのはウトリキュラリオイデスである。 また本属と他属との交配も行われており、以下のようなものが知られる。

イオノプシス・ウトリキュラリオイデス
図版

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として唐澤監修(1996)p.298

参考文献[編集]

  • 唐澤耕司監修、『蘭 山渓カラー図鑑』(1996)、山と渓谷社
  • 齋藤亀三、『世界の蘭 380』,(2009)、主婦の友社(主婦の友ベストBOOKS)
  • 土橋豊、『洋ラン図鑑』、(1993)、光村推古書院