あなただけを 〜Summer Heartbreak〜

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あなただけを 〜Summer Heartbreak〜
サザンオールスターズシングル
初出アルバム『Young Love
B面 LOVE KOREA
リリース
規格 8cmCD
カセットテープ
12cmCD
デジタル・ダウンロード
ストリーミング
録音 猫に小判STUDIO
VICTOR STUDIO
ジャンル ロック
時間
レーベル タイシタレーベル
作詞・作曲 桑田佳祐
プロデュース サザンオールスターズ
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • オリコン
    • 週間1位
    • 1995年7月度月間6位
    • 1995年8月度月間5位
    • 1995年度年間25位
サザンオールスターズ シングル 年表
マンピーのG★SPOT
(1995年) 
あなただけを 〜Summer Heartbreak〜
(1995年)
愛の言霊 〜Spiritual Message〜
1996年
Young Love 収録曲
汚れた台所(キッチン)
(6)
あなただけを 〜Summer Heartbreak〜
(7)
恋の歌を唄いましょう
(8)
EANコード
EAN 4988002484263(12cmCD盤)
EAN 4988002318438(カセットテープ盤)
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あなただけを 〜Summer Heartbreak〜」(あなただけを サマー・ハートブレイク)は、サザンオールスターズの楽曲。自身の36作目のシングルとして、タイシタレーベルから8cmCDカセットテープ1995年7月17日に発売された。

2005年6月25日には12cmCDで再発売されている。2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている[2][3]

背景・制作[編集]

前作「マンピーのG★SPOT」から、約2か月ぶりとなるシングル。

本作はアルバムYoung Love』のリードシングルであり、同アルバムのコンセプトに沿って、サポートメンバーをほとんど率いないバンド形態の楽曲や、セルフプロデュースに拘った造りになっている。

リリース[編集]

前作が発売された直後の1995年5月24日に放送されたフジテレビ系列音楽番組TK MUSIC CLAMP』で司会の小室哲哉に1995年の活動を聞かれた際に桑田は本作発売の2か月前から、本作の発売を匂わせるような発言をしている[4]

チャート成績[編集]

オリコン週間ランキングでは1993年に発売された「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」以来の1位を獲得し、通算5作目の首位獲得となった[5]。オリコン集計による累計売上枚数は113.2万枚を売り上げ、自身のシングルとしては「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」以来となる通算3作目のミリオンセラーを達成した[6]

また、タイトルに“”または“サマー”がつく楽曲で、本作は歴代4位の売り上げ(オリコン調べ)を記録している[7]

収録曲[編集]

  • 収録時間:9:56
  1. あなただけを 〜Summer Heartbreak〜 (5:13)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:山本拓夫 & サザンオールスターズ)
    フジテレビ月9ドラマいつかまた逢える』主題歌。また、テレビ朝日系アニメ『クレヨンしんちゃんスペシャル! 家族みんなでハワイだゾ しかもオラ人魚に恋したゾ』エンディングソング[注釈 1]
    ウォール・オブ・サウンドやドリーミーなアレンジが特徴的な楽曲[8]
    桑田は自分が制作した楽曲の中で最も好きな曲と語っている[9]
    公式なミュージック・ビデオのほか、2003年発売のDVDInside Outside U・M・I』にイメージビデオが収録され、最後に桑田が少しだけ出演している。
  2. LOVE KOREA (4:43)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 ハングル語補作詞:具善恵 編曲:サザンオールスターズ)
    本楽曲の主人公は在日韓国人として生まれ育った男であり、歌詞にも韓国にまつわる言葉が散りばめられている。本楽曲を作ったいきさつについて生粋の純日本人である桑田は「特に意味があった訳ではなく、最近おいしい韓国料理の店をみつけましてね。その印象からだけなんです(笑)。またまた燃費のいい私が発揮されてしまった」と語っている[10][注釈 3]
    曲中では桑田の敬愛するビートルズの楽曲「バースデイ」のギターリフを、そして自らのデビュー曲「勝手にシンドバッド」のサビのフレーズを引用している。桑田は「ネヴィル・ブラザーズ的な曲をイメージして作ったんです。本物のネヴィルに聴かせたら怒るかもしれない(笑)」と語っている[10]
    桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜2009年6月8日放送分第8回「寅さんの大阪案内」では鶴橋の焼肉店「喜楽園」を訪れ、本楽曲と朝鮮民謡アリラン」を歌唱した[13]
    後年には、本楽曲の歌詞や先述の『音楽寅さん』でのジョーク[注釈 4]の影響で「桑田は在日韓国人[注釈 5]」といった出自思想民族的立場に関するデマが一部で流れたり[20]、桑田の母校茅ヶ崎市立第一中学校の毎年9月の行事「コミュニティ・サタデー」の中で行われるハングル語の授業の教材として使用されたり[20]朝鮮日報で本楽曲が取り上げられるなど様々な話題を呼んだ[21]
    音楽評論家の中山康樹は、本楽曲に対して「一聴コミック•ソングのように聞こえるがクオリティの異常に高いポップにしてキャッチーな曲」と述べている[22]

参加ミュージシャン[編集]

収録アルバム[編集]

曲名 作品名
あなただけを 〜Summer Heartbreak〜 Young Love
海のYeah!!
バラッド3 〜the album of LOVE〜
LOVE KOREA アルバム未収録

ミュージック・ビデオ収録作品[編集]

曲名 作品名 備考
あなただけを 〜Summer Heartbreak〜 SPACE MOSA 〜SPACE MUSEUM OF SOUTHERN ART〜 一部のみ収録。現在は廃盤。
LOVE KOREA 未収録

ライブ映像作品[編集]

曲名 作品名 備考
あなただけを 〜Summer Heartbreak〜 ホタル・カリフォルニア
平和の琉歌 〜Stadium Tour 1996 "ザ・ガールズ万座ビーチ" in 沖縄〜 DVD版のエクストラメニュー「Stadium Tour 1996 "ザ・ガールズ万座ビーチ"」に一部のみ収録
おいしい葡萄の旅ライブ –at DOME & 日本武道館- 2番のサビの一部が省略されている
LOVE KOREA 未収録

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1997年に使用。原作漫画(単行本18巻収録)には本楽曲の歌詞が掲載されている。
  2. ^ 1986年に文庫化(ISBN 408749084X)された際には頭に花を生やし、サングラスをかけ、テニスラケットを持った桑田のイラストの表紙に変更された。
  3. ^ 桑田は本楽曲が発表される以前にも著書の表紙や映画『稲村ジェーン』などでこの曲にあるような要素を演出として度々使用していた。これについては「ミスマッチの仕方が、多少定番とズレている方が面白い」といった持論を発言していた[11][12]
  4. ^ 桑田は番組内で「喜楽園」のことを「俺の実家」、初対面である店のおばちゃんを「俺のお袋」「オモニ(朝鮮語で母親の意)」とジョークを交えて紹介していた[13]。なお、実際の桑田の母親は2009年時点で故人(1994年没)であった[14]
  5. ^ 桑田は自身が生粋の純日本人であることを公言しており、日本の文化日の丸・国歌「君が代」を肯定する考えがあることも明かしている[15][16][17][18]。2021年には桑田の著書『ポップス歌手の耐えられない軽さ』の原由子によるあとがき『女房の日記』の中で正確な出自が記載されている[19]

出典[編集]

  1. ^ The Record vol.432 日本レコード協会 p5 2020年10月1日閲覧
  2. ^ サザン、全266曲を世界111ヶ国で配信 オリコン 2014年12月17日配信, 2020年6月4日閲覧
  3. ^ サザン関連全972曲 サブスク一斉解禁 メンバーソロ曲も対象に オリコン 2019年12月20日配信, 2019年12月20日閲覧
  4. ^ TK MUSIC CLAMP 1995年5月24日放送分 フジテレビ(ウェブ魚拓使用)。
  5. ^ サザンオールスターズ、通算11作目のシングル首位!TOP10獲得数は「39」で歴代単独1位に!”. ORICON STYLE. オリコン. 2004年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月31日閲覧。
  6. ^ 【オリコン】サザンオールスターズ 売上別TOP10&主な記録2015年1月22日閲覧
  7. ^ classからAKB48まで “タイトルに「夏・サマー」が付く歌 売上ランキング”に時代感じる 2017年8月24日閲覧
  8. ^ あなただけを ~Summer Heartbreak~ HMV&BOOKSオンライン 2021年9月6日閲覧。
  9. ^ サザンオールスターズ会報 代官山通信vol.133 12ページより。
  10. ^ a b WHAT's IN?1995.8月号より。
  11. ^ 1984年の著書『ケースケランド』の表紙より(ISBN 4087800792[注釈 2]
  12. ^ 『桑田佳祐「平成NG日記」』P14 - P15、講談社、1990年。
  13. ^ a b 「桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜 あいなめBOX」(アミューズソフトエンタテインメント、2010年)DISC-2。
  14. ^ 桑田佳祐『桑田佳祐 言の葉大全集 やっぱり、ただの歌詞じゃねえか、こんなもん』新潮社、2012年、53 - 59頁
  15. ^ 『週刊文春』2014年9月18日号でのインタビュー特集『僕はポップスとニッポンを愛す』p17。
  16. ^ 桑田佳祐 – 涙をぶっとばせ!!(Full ver.) Youtube 2020年5月5日配信 2020年12月9日閲覧。2:15 - 2:17を参照。
  17. ^ ぴあDay(1984年)1984年7月の「ぴあ」 ぴあDAY 2019年7月5日配信 2020年12月8日閲覧。
  18. ^ シークレットライブ '99 SAS 事件簿 in 歌舞伎町 SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE
  19. ^ 桑田佳祐『ポップス歌手の耐えられない軽さ』文藝春秋、2021年。 427 - 428頁。
  20. ^ a b <布帳馬車>LOVE KOREA 在日本大韓民国民団 2016年9月28日配信 2021年2月8日閲覧。
  21. ^ 桑田佳祐にソウル公演を望む声「両国国民の閉ざされた心を開くだろう」 ライブドアニュース 2015年1月11日
  22. ^ 中山康樹『クワタを聴け!』(2007年、集英社新書 P373 )

関連項目[編集]

外部リンク[編集]