利府町

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りふちょう ウィキデータを編集
利府町
利府町旗
利府町章
1975年昭和50年)3月10日制定
日本の旗 日本
地方 東北地方
都道府県 宮城県
宮城郡
市町村コード 04406-7
法人番号 1000020044067 ウィキデータを編集
面積 44.89km2
総人口 35,044[編集]
推計人口、2024年3月1日)
人口密度 781人/km2
隣接自治体 仙台市多賀城市塩竈市富谷市黒川郡大郷町大和町宮城郡松島町
町の木 カシ
町の花 ナシ
利府町役場
町長 熊谷大
所在地 981-0112
宮城県宮城郡利府町利府字新並松4番地
北緯38度19分49秒 東経140度58分33秒 / 北緯38.33028度 東経140.97592度 / 38.33028; 140.97592座標: 北緯38度19分49秒 東経140度58分33秒 / 北緯38.33028度 東経140.97592度 / 38.33028; 140.97592
利府町役場・町民交流館(2014年10月12日撮影)
外部リンク 公式ウェブサイト

利府町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

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利府町(りふちょう)は、宮城県中部に位置し、宮城郡に属するである。仙台市の北東に隣接し、町内には宮城県総合運動公園宮城スタジアム新幹線総合車両センターなどがある。

概要[編集]

仙台市の北東に隣接する仙塩地区に位置し、JR東北本線利府線宮城県道8号仙台松島線(利府街道)によって仙台市都心部と繋がる。仙台都市圏の中では新興のベッドタウンであり、イオンモール新利府を中心とした商業集積によって、仙塩地区の商業核の1つとなっている。また、松島方面へ抜ける利府街道や高速道路などが通る交通の要衝の面も持つ。町内の青山に宮城県の人口重心北緯38度20分50秒 東経140度58分45秒 / 北緯38.34722度 東経140.97917度 / 38.34722; 140.97917)がある[1]仙台市への通勤率は41.7%(令和2年国勢調査)[2]

県民の森に隣接する宮城県総合運動公園(グランディ・21)には、2002 FIFAワールドカップ東京2020オリンピックのサッカー競技が開催された宮城スタジアム(キューアンドエースタジアムみやぎ)や、約7,000人収容で大規模体育館の宮城県総合運動公園総合体育館(セキスイハイムスーパーアリーナ)などがあり、著名ミュージシャンの大規模コンサートが多く行われる。

地理[編集]

地形[編集]

山地[編集]

主な山
  • 番ヶ森山

河川[編集]

主な川・沼

人口[編集]

利府町と全国の年齢別人口分布(2005年) 利府町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 利府町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

利府町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

隣接する自治体・行政区[編集]

宮城県

歴史[編集]

神亀元年(724年)、仙台平野を南北に分けるように奥羽山脈から松島湾まで東西に横たわる松島丘陵の東南麓に陸奥国国府鎮守府多賀城が創建された。丘陵を越える街道の南側の入口に位置する利府の森郷地区には勿来の関が築かれた。この勿来の関は白河の関鼠ヶ関と共に奥州三関の一つであるとの説がある。利府町は、現在の仙台市宮城野区多賀城市塩竈市七ヶ浜町とともに陸奥府中内に当たるが、「国府」や「府中」が町名の由来かどうかは不明である。

沿革[編集]

政治[編集]

行政[編集]

町長[編集]

施設[編集]

警察[編集]

本部
交番
  • 利府交番(宮城郡利府町中央3丁目10番地4)
駐在所
  • 菅谷駐在所(宮城郡利府町菅谷台3丁目1番地1)

消防[編集]

本部
消防署
  • 利府消防署(利府町利府字堀切前11番地1)

医療[編集]

主な病院

郵便局[編集]

主な郵便局
  • 利府郵便局(集配局)
  • 利府青山郵便局
  • 浜田簡易郵便局
  • 野中簡易郵便局
  • 菅谷簡易郵便局

交流館[編集]

「利府町役場」庁舎内に宮城県内では初となる「行政庁舎」と「町民交流館」が一体となった施設である。

利府町文化交流センター「リフノス」[編集]

2021年令和3年)7月1日に開館。本を通じた感動や発見を提供する図書館、あらゆる世代が学びあう場としての公民館、ハレの舞台を創出する文化会館からなる複合施設である。

図書館[編集]

「利府町文化交流センター リフノス」内に利府町図書館として、開架冊数約77,000冊が管理されている。

公民館[編集]

研修室1~4・創作室1~2・和室・クッキングスタジオ・ダンススタジオなどの部屋があり、町民が各々の活動をすることができる。また、学習室は24席完備してある。

文化会館[編集]

音楽コンサート・演劇・講演会・展示等、用途に合わせた利用ができる多目的なホールでは、431の座席があり、座席は可動式のため、フラットでの利用も可能。

運動施設[編集]

宮城県総合運動公園の宮城スタジアム。

利府町は、県庁所在地ではないにもかかわらず、宮城県所有と利府町所有の規模は違うものの、それらの公的機関が別々に運営するほぼ同じ種類の運動施設が、半径1キロメートル程度の範囲内に集中して多数存在する全国的にも珍しい自治体である。2001年(平成13年)に開催された国民体育大会新世紀・みやぎ国体)ではメイン会場となり開会式、多数の競技が開催されるとともに、翌2002年(平成14年)に開催された日韓ワールドカップサッカー大会(2002 FIFAワールドカップ)の会場地となった。宮城県管轄施設は、その性格上、正式競技から大規模コンサートの開催も対応しながら広域的に活動しており、利府町管轄施設は住民の運動機会の増設や体力及び健康づくりを主活動とする住み分けが見られる。なお宮城県総合運動公園は、当初の計画では東北楽天ゴールデンイーグルスが本拠地としている宮城球場を廃し、宮城県総合運動公園内に野球場を新設する予定であったが、凍結されている。 また、2021年(令和3年)に開催された東京オリンピックでは、サッカー競技会場地となり、6日間で計10試合が行われた。

姉妹都市・提携都市[編集]

海外[編集]

経済[編集]

第一次産業[編集]

農業[編集]

平地に水田、丘陵地帯に果樹園が多い。ナシの栽培が盛んである。利府におけるナシの栽培は1884年(明治17年)に森郷仲町の日野藤吉が2反歩の水田を畑に転換し、そこにナシの苗木150本を植えたことから始まる[6]。この頃のナシの品種は大古河、太平、中弥、巾着などであり、後に長十郎が加わった。日野は終生、ナシ栽培の普及と改良に努め、現在では利府駅の近くに日野を称える頌徳碑がある[6]。利府におけるナシ栽培の面積は最大で55町歩余りに達し[6]、収穫されたナシは仙台や塩竈へ小売され、あるいは生産者の取引先の委託で各地へ発送された。1960年(昭和35年)には、農業協同組合が仙台や東京の市場へ出荷を試みた。市場へ出荷されたナシは一時は好評を得たが、関東や関西方面から早い時期に出荷されるナシに後れを取り、また採算が割に合わないという理由で、6年から7年くらいで市場へ出荷する生産者が減少し、農協も市場への出荷を取りやめた。以後は、生産者が個別にナシを販売、または生産者の取引先の委託でナシを各地へ発送し、一部が仙台や塩竈の市場へ流れた。昭和後期になると道路の整備や自動車の普及が進展し、幹線道路沿いに直売所が設置され、生産量の約半分が直売所で販売されるようになった[4]

水産業[編集]

浜田の岸壁

日本三景松島の南西に位置し、松島湾に面している町内の沿岸部には2つの漁港がある。

  • 浜田漁港

カキの養殖が盛ん。浜田カキ生産組合直売所では新鮮なカキを販売している。また、浜田漁港の「カキ焼き処」では新鮮な蒸し牡蠣が堪能できる。

  • 須賀漁港

海苔ワカメの養殖が中心。海苔・ワカメなどは「海産物収穫祭」で販売されることがある。

第二次産業[編集]

工業[編集]

しらかし台工業流通団地に工業地域があり、多数の工場が操業中。

第三次産業[編集]

商業[編集]

イオンモール新利府 北館(イオン利府ショッピングセンター時代)

スーパーマーケット、飲食店、ホームセンター、衣料品店、酒屋、ゲームセンター、家電量販店等がある。宮城県道8号仙台松島線(利府街道)に沿って多数の商店が営業している。イオンモール新利府を中心に一円に広がる商業地域があり、塩竈市や多賀城市などから多くの買物客を集めている。利府町の商圏が拡大している背景には、塩竈市郊外に広い商業用地がないことや多賀城市北部の大半が文化財埋蔵地域で大型商業施設の建設に適していないことがあげられる。

金融機関[編集]

教育[編集]

利府高校の校舎

高等学校[編集]

県立

中学校[編集]

町立

小学校[編集]

町立

特別支援学校[編集]

県立

交通[編集]

利府駅の駅舎
三陸自動車道と仙台北部道路が分岐・合流する利府JCT

鉄道[編集]

バス[編集]

利府町民バス

路線バス[編集]

タクシー[編集]

  • 株式会社日の出タクシー 利府営業所
  • 利府交通
  • 有限会社臨海タクシー 利府営業所

道路[編集]

高速道路[編集]

  • E6 / E45 三陸自動車道[7]
  • E6 仙台北部道路

国道[編集]

県道[編集]

港湾[編集]

  • 無し(浜田漁港があるが旅客船の運行は無い)

観光[編集]

新幹線総合車両センター
グランディ21
加瀬沼公園

名所・旧跡[編集]

城郭
主な神社

観光スポット[編集]

温泉
その他

文化・名物[編集]

祭事・催事[編集]

主な催事
  • 「十府の里-利府」フェスティバル
  • 利府街道まつり
  • 利府梨まつり
  • 利府町浜まつり
  • SENDAI OTO Festival

出身・関連著名人[編集]

脚注[編集]

注釈

出典

  1. ^ 14 全国、都道府県の人口重心(平成7年・12年)独立行政法人統計センター
  2. ^ 令和5年利府町統計書22頁
  3. ^ 利府の史跡案内”(利府観光協会)2020年4月30日閲覧。
  4. ^ a b 『利府町誌』615-616頁。
  5. ^ 『利府町誌』721-723頁。
  6. ^ a b c 石川遥一朗 (2020年8月24日). “日野藤吉”. https://kahoku.news/articles/20200824kho000000103000c.html 2022年2月27日閲覧。 
  7. ^ 利府JCT以南は「E6」、利府JCT以北は「E45」。

参考文献[編集]

  • 利府町誌編纂委員会「利府町誌」利府町、1986年。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]