Aは、ラテン文字(アルファベット)の1番目の文字。小文字は a 。ギリシャ文字のΑ(アルファ)に由来し、キリル文字のАに相当する。
大きく分けて3つの字形が使われる。
- 三角形の左辺と右辺が下にのびた形であり、大文字に使われる。
- 丸の右に縦に接線を付けた形であり、多く小文字に使われるが、大文字の筆記体でこの字形を使うことがある。またフラクトゥールでは
のようである。
- 2の変形として、接線を上に延ばして左に曲げて折り返した形がある。この形は多く小文字印刷書体に使われる
牛の角を逆にした形に由来する。
この文字が表す音素は原則として[a](非円唇前舌広母音)もしくは[ɑ](非円唇後舌広母音)、またはその類似音である。
- 英語では大母音推移の結果、特に強勢が置かれた場合短音は[æ]、長音は[eɪ]となることが多い。
- ハンガリー語では[ɒ](円唇後舌広母音)だが、á は非円唇前舌広母音の長音[aː]である。
- フランス語では an または am に他の子音が続くとき、または語末でやや円唇化した[ɑ̃](非円唇後舌広鼻母音)になる。
- ベトナム語では[aː]である。短音はĂ, ăと書く。
- 日本語のローマ字表記ではア段の母音に用いる。
- 朝鮮語のローマ字表記では母音ㅏを示す。また、ㅐ、ㅑ、ㅒ、ㅘ、ㅙもae, ya, yae, wa, waeとaを含む綴りとなる。
Aの意味[編集]
学術的な記号・単位[編集]
その他の記号[編集]
- 解答のこと。 (Answer) (例:Q&A)
- 「アルファベット上の順番」から派生して、第1位、最上級を意味することがある(例:A級)。
- 一般に学校の成績では最上を表す。細かく成績を付ける際には+や-を用いる事がある (A+, A-)。
- 劇場や競技場、業績等ではS(特別席)に次ぐよいランクを表す。
- スポーツなどの競技での、リーグ等のグループの段階を表す。SがAの上で最上級の場合と、Aが最上級の場合がある。
- 会社の経営状態に関するランク付け等でAは、BやCに対してよい状態を表すが、AA、AAAのように数が増えたり、AA+のように+が付くと、よりよい状態を表すので、Aが必ずしも最上を表すのではない。
- 米国のプロ野球のマイナーリーグのランクでは、同様に、AAAが一番よく、AAが次、Aはその下位におかれる。
- 「1」という意味の「エース」を A とも書く。
しばしばトランプの A(エース)のことを指す。
- 日本工業規格などで規定された紙のサイズ。A判。
- 軍用航空機の形式で攻撃機を表す記号。Attackerの略。A-10、A-4、F/A-18など
- 古代ローマ人の個人名アウルス (Aulus) の略。
- 東京の地下鉄駅ナンバリング制度では、都営地下鉄浅草線 (Asakusa) を表す。
- キスを指す隠語。この用法ではBはペッティング、Cはセックス、Dは妊娠、Eは中絶を指す。日本で中高生間の間で使われた。( - 1980年代?)→英語ではXがよく用いられる
- 円谷プロダクションが製作した特撮テレビ番組のタイトル及びその主人公「ウルトラマンA(ウルトラマンエース)」の略。
- コンピュータエンターテインメントレーティング機構のレーティング表示において全年齢対象を表す(2006年3月以降)。
- 「アルファ」フォネティックコードの第一コード。
- 旅客機の形式でエアバス製を表している。(例:A300、A320)
- 少年犯罪においての被疑者の仮称。週刊誌などの出版物によく使われるが、新聞やテレビでは現在は使われていない。
- 日本国有鉄道およびJRグループでは、次のような意味に用いている。
- 東京地下鉄(東京メトロ)では、起点駅から終点駅へ向かう列車が走る方向の線路をA線と呼称する。
- ヨーロッパの鉄道では、一等車を意味する記号として、客車の形式に付けられる。
- 牛肉の格付けで、歩留まりがもっともよいもの。
- アナログの略。DA変換など。
- スピードスケート(ショートトラック競技等)の競技結果の表示において、同走者の妨害行為による救済措置の適用者を示す記号。アドバンス(Advance)の意味。
商品名・作品名[編集]
- FR世代のセリカ、カリーナ/コロナ、スープラを意味する車両識別記号。(例:TA22、AA63、JZA80)
- トヨタ・A型エンジン、またはそれを搭載していることを表す。(例:AE86、AT210)
符号位置[編集]
大文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
小文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
備考 |
A |
U+0041 |
1-3-33 |
A
A |
a |
U+0061 |
1-3-65 |
a
a |
半角 |
A |
U+FF21 |
1-3-33 |
A
A |
a |
U+FF41 |
1-3-65 |
a
a |
全角 |
Ⓐ |
U+24B6 |
‐ |
Ⓐ
Ⓐ |
ⓐ |
U+24D0 |
1-12-33 |
ⓐ
ⓐ |
丸囲み |
🄐 |
U+1F110 |
‐ |
🄐
🄐 |
⒜ |
U+249C |
‐ |
⒜
⒜ |
括弧付き |
ᴬ |
U+1D2C |
‐ |
ᴬ
ᴬ |
ᵃ |
U+1D43 |
‐ |
ᵃ
ᵃ |
上付き文字 |
𝐀 |
U+1D400 |
‐ |
𝐀
𝐀 |
𝐚 |
U+1D41A |
‐ |
𝐚
𝐚 |
太字 |
𝐴 |
U+1D434 |
‐ |
𝐴
𝐴 |
𝑎 |
U+1D44E |
‐ |
𝑎
𝑎 |
イタリック体 |
𝑨 |
U+1D468 |
‐ |
𝑨
𝑨 |
𝒂 |
U+1D482 |
‐ |
𝒂
𝒂 |
イタリック体太字 |
𝒜 |
U+1D49C |
‐ |
𝒜
𝒜 |
𝒶 |
U+1D4B6 |
‐ |
𝒶
𝒶 |
筆記体 |
𝓐 |
U+1D4D0 |
‐ |
𝓐
𝓐 |
𝓪 |
U+1D4EA |
‐ |
𝓪
𝓪 |
筆記体太字 |
𝔄 |
U+1D504 |
‐ |
𝔄
𝔄 |
𝔞 |
U+1D51E |
‐ |
𝔞
𝔞 |
フラクトゥール |
𝔸 |
U+1D538 |
‐ |
𝔸
𝔸 |
𝕒 |
U+1D552 |
‐ |
𝕒
𝕒 |
黒板太字 |
𝕬 |
U+1D56C |
‐ |
𝕬
𝕬 |
𝖆 |
U+1D586 |
‐ |
𝖆
𝖆 |
フラクトゥール太字 |
𝖠 |
U+1D5A0 |
‐ |
𝖠
𝖠 |
𝖺 |
U+1D5BA |
‐ |
𝖺
𝖺 |
サンセリフ |
𝗔 |
U+1D5D4 |
‐ |
𝗔
𝗔 |
𝗮 |
U+1D5EE |
‐ |
𝗮
𝗮 |
サンセリフ太字 |
𝘈 |
U+1D608 |
‐ |
𝘈
𝘈 |
𝘢 |
U+1D622 |
‐ |
𝘢
𝘢 |
サンセリフイタリック |
𝘼 |
U+1D63C |
‐ |
𝘼
𝘼 |
𝙖 |
U+1D656 |
‐ |
𝙖
𝙖 |
サンセリフイタリック太字 |
𝙰 |
U+1D670 |
‐ |
𝙰
𝙰 |
𝚊 |
U+1D68A |
‐ |
𝚊
𝚊 |
等幅フォント |
記号 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
名称 |
ᴀ |
U+1D00 |
‐ |
ᴀ
ᴀ |
LATIN LETTER SMALL CAPITAL A |
🄰 |
U+1F130 |
‐ |
🄰
🄰 |
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER A |
🅐 |
U+1F150 |
‐ |
🅐
🅐 |
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER A |
🅰 |
U+1F170 |
‐ |
🅰
🅰 |
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER A |
ₐ |
U+2090 |
‐ |
ₐ
ₐ |
LATIN SUBSCRIPT SMALL LETTER A |
他、EBCDIC では、「A」は 193 で表され、「a」は 129 で表される。
他の表現法[編集]
フォネティックコードはANSIでは"Alpha"、ICAO, ITU, IMO, FAAでは"Alfa"である。
関連項目[編集]
 |
ウィキメディア・コモンズには、Aに関連するメディアがあります。 |