カワサキ・ZX-4

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ZX-4から転送)
ZX400G1:Kawasaki Heavy industries

カワサキ・ZX-4(ゼットエックスフォー)は、川崎重工業が日本国内向けに製造、販売していたオートバイの車種名。

概要[編集]

1987年の第27回東京モーターショーで輸出向けモデルのZX-10とともに発表され、翌1988年より販売開始。それまで400ccクラスレーサーレプリカをラインナップしていなかったカワサキが、2ストローク250ccクラスのKR-1と共に初めて世に送り出したレーサーレプリカタイプ(カワサキはSSと称している)のバイク。

特筆すべきは、1988年の鈴鹿4時間耐久レース(SPクラス)にて「モーターサイクルドクターSUDA」の車両が優勝した事である。(F3クラスの優勝はYAMAHA車であった。またカワサキがF3で優勝するのは91年まで待つこととなる)「モーターサイクルドクターSUDA」の技術とZX400GEの潜在能力が高かったと言える。

メインフレームe-BOX FRAMEと呼ばれる(「e-BOX」の「e」は「egg」の「e」で、フレームを真上から見た際に卵型に見えることから)専用設計のアルミ製押し出し材「日の字断面」のツインチューブを採用。

また搭載されるエンジンは、カワサキにおける初の400cc専用設計となる(右側)サイドカムチェーン方式の水冷DOHC4バルブ直列4気筒。最高出力59ps(公称)は当時の自主規制値であるが、乾燥重量が152kgと、400ccクラスに於いて最軽量の車重である事と相まって、400ccクラス最強とも言われる動力性能を発揮した。 エンジン型式は、ZX400GEで、このエンジンはZX-4の販売終了後もZXR(途中更なるパワー規制を経て)、XANTHUSへと受け継がれた。

※ZX400GEは国内4メーカーに於いて、並列4気筒エンジン、400cc専用設計に限定すれば、現在でも最も新しい設計のエンジンである。

またZX-4のエンジンは単体で40kg台と軽量小型化が進んでいた。

ZX-4の難点はドン付きの強いエンジンと、少々貧弱なブレーキキャリパー(効きの強さはもう一歩だが、使いこなせばかなりコントローラブルである。また、純正フロントブレーキパッドは2014年夏に販売終了となった。)、フロントライトな点であろうか[独自研究?]

カラーバリエーションは、たった1年という短期間の製造販売の割にG1、G1A、G1Bの3タイプ5色もあり、「G1」は基調色に直線的なラインを差し色としたカラーリングで、エボニー(差し色レッド)とホワイト(差し色ブルー)の2パターンをラインナップ、「G1A」は鈴鹿4耐優勝を記念した、ライムグリーンのFORMULA-3カラーリングモデル。 「G1B」はツートーンカラーで、レッド/ホワイトとブルー/シルバーの2パターンをラインナップ。フレーム番号で前期後期モデルが存在、大きな変更点としてカムチェーンテンショナー、その他細かな見直しが計られた。(外観上は、カラーリング変更以外の判別不能)

このバイクは当時の流行に合わず、1988年の1年間のみ製造され生産終了。

ZX-4
ZX400G1、ZX400G1B

1989年には後継車種のZXR400に400cc旗艦モデルの座を譲った。 製造期間が1年と非常に短く、販売台数も極端に少なかったため、希少車の扱いを受ける。

関連項目[編集]