Y-20 (航空機)

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Y-20 (中国語:运-20 “鲲鹏”)

2014年の中国国際航空宇宙博覧会で展示されたY-20

2014年の中国国際航空宇宙博覧会で展示されたY-20

Y-20中国語运-20/運輸-20)は中国人民解放軍空軍が開発した大型輸送機である。開発名称は「072工程」[1]

概要[編集]

2012年12月25日、中国網がY-20の画像が流出したと報じた。公開された画像と情報によると、外観や大きさはウクライナAn-70(ただしAn-70はターボプロップ機)やロシアIl-76に似ている[2]

2013年1月26日、初飛行に成功したと公表された[3]

2015年10月26日、Y-20の試作5号機に開発中のWS-20ターボファンエンジンが搭載されていたと公表された[4]

2016年3月20日、2016年年末の前に運用試験が終了され、正式運用を開始すると発表された[5]

設計[編集]

デザインは下反角のついた高翼配置、大型の単垂直尾翼、高水平尾翼配置の、輸送機としてはオーソドックスなものである。過去にアントノフと中国でAn-70をジェット化したAn-77を共同開発する計画があり[6]、胴体形状がAn-70に似ているのはそのためと思われる。

プロトタイプのエンジンはIl-76と同じ、ロシア製のソロヴィヨーフ D-30KP-2(推力12トン)ターボファンエンジンを輸入してパイロン懸吊方式で4基装備している[7]。しかしD-30KPではやや推力不足であり、将来的に換装されるとみられている。候補としては国産のWS-20(推力12トン)とSF-A(推力13トン)が上がっており、試作5号機がWS-20を搭載したとされている[3]。しかし、WS-20に関しては出力不足という意見もある[8]。そのほか、ウクライナとのエンジン開発も用意されている[1]

Y-20は、主翼に超臨界翼を採用し、複合材料の使用比率を高める可能性があるとしている。これにより軽量化を図り、上昇能力を強化し、揚抗比を高め、エンジンの推力と最大離陸重量を変更せずに、搭載量を増やすことが可能としている。ボーイング787のようにコックピットには全曲面ガラスを採用している[9]

Y-20は貨物室の高さと幅をAn-70並の4メートル、貨物室の容積を320m2まで拡大し、今後輸送することになる大型貨物に対応するとしている[10]

Y-20は生産・製造コストを抑えるため、いくつかの部品を3Dプリンタにより製造している。3Dプリンタによる大型部品を使用した輸送機はY-20が初めてである[11]

諸元[編集]

  • 全長:47 m
  • 全幅:45 m
  • 全高:15 m
  • 最大速度:700 km/h
  • 巡航速度:高度8,000 mでM0.7、低空で630 km/h
  • 最大離陸重量:220 t
  • 最大積載量:66 t
  • 最大航続距離:7,800 km
  • 上昇限界高度:13,000 m
  • 最短離陸滑走距離:600-700m[12]
  • エンジン:ソロヴィヨーフ D-30KP-2(12トン)4基
主な軍用輸送機の比較
XC-2
日本の旗
C-1
日本の旗
A400M
欧州連合の旗
C-130J
アメリカ合衆国の旗
C-17
アメリカ合衆国の旗
Y-20
中華人民共和国の旗
KC-390
ブラジルの旗
An-178
ウクライナの旗
Il-214
ロシアの旗
画像 Kawasaki XC-2.jpg JASDF Kawasaki C-1 Aoki-1.jpg Airbus A400M EC-404 (8135661129).jpg C-130J 135th AS Maryland ANG in flight.jpg C-17 test sortie.jpg Xian Y-20 at the 2014 Zhuhai Air Show.jpg Embraer-KC-390.jpg Antonov An-178 in military grey colours.jpeg MTS Il214 maks2009.jpg
乗員 3名 5名 3-4名 3-6名 2-4名 3名 2名 4名 2名
全長 43.9m 29.0m 45.1m 29.79m 53.0m 47.0m 33.43m 32.95m 33.2m
全幅 44.4m 30.6m 42.4m 40.41m 51.8m 45.0m 33.94m 28.84 m 30.1m
全高 14.2m 9.99m 14.7m 11.84m 16.8m 15.0m 11.43m 10.14m 10.0m
空虚重量 60.8t 23.320t 60.8t 34.25t 128.1t 100t 不明 48.5t 不明
基本離陸重量 120t 39t 不明 70.305t 263t 不明 不明 不明 不明
最大離陸重量 141t 45t 136.5t 79.38t 265.35t 220t 81.0t 不明 68.0t
最大積載量 約30t 8t 37t 19.050t 77.519t 66t 27t 18.0t 20.0t
発動機 CF6-80C2K1F×2 JT8D×2 TP400-D6×4 AE2100-D3×4 F117-PW-100×4 D-30KP-2×4 V2500-E5×2 D-436-148FM×2 PD-14M×2
ターボファン ターボプロップ ターボファン
巡航速度 マッハ0.80
890km/h
(高度12,200m)
マッハ0.65
650km/h
マッハ0.68-0.72
780km/h
マッハ0.65
643km/h
マッハ0.77
830km/h
(高度7,620m)
マッハ0.70
630km/h
(高度8,000m)
マッハ0.80
850km/h
マッハ0.77
825km/h
マッハ0.75
810km/h
航続距離 12t/6,500km 0t/2,400km
6.5t/2,185km
8t/1,500km
0t/8,710km
20t/6,390km
30t/4,540km
0t/6,445km
16.3t/3,150km
0t/9,815km
72t/4,630km
0t/7,800km 13.335t/4,815 km
27t/2,593 km
0t/5,500km
5.0t/4,700km
18.0t/1,000km
0t/7,300km
4.5t/6,000km
20t/3,250km
最短離陸滑走距離 500m 460m 770m 600m 1,000m 不明 1,100m 不明 1,050m
運用状況 実用試験中 現役
2011年より退役中
現役 実用試験中 開発中

脚注[編集]

  1. ^ a b 深度:乌克兰帮运20研制成功 俄后悔没多卖中国运输机
  2. ^ “中国初の国産大型軍用輸送機Y-20 米C-17と20年の技術差”. 中国網. (2012年12月26日). http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2012-12/26/content_27518957.htm 2012年12月27日閲覧。 
  3. ^ a b 我国自主发展的运—20大型运输机首次试飞取得圆满成功
  4. ^ 鲲鹏翼下生旋风:谈涡扇20版运20的成功首飞
  5. ^ “央视:运-20国产大型运输机今年完成试飞 批量交付部队”. 観察者網. (2016年3月20日). http://www.guancha.cn/Industry/2016_03_20_354482_s.shtml 2016年3月20日閲覧。 
  6. ^ Y-20 / Y-XX - Antonov Participation
  7. ^ China's Y-20 'enters second phase of testing'
  8. ^ 中国が開発中のターボファンエンジンは4型式
  9. ^ “运20运输机用全曲面风挡玻璃 机头阻力减小”. 凤凰网. (2013年3月21日). http://news.ifeng.com/mil/video/detail_2013_03/21/23351895_0.shtml 2014年7月5日閲覧。 
  10. ^ “中国 世界3番目の大型輸送機試験飛行国に”. 中国網. (2012年12月5日). http://japanese.china.org.cn/photos/2012-12/05/content_27316865.htm 2013年1月2日閲覧。 
  11. ^ 央视首次曝光运20运输机驾驶舱内部珍贵画面
  12. ^ “Y-20が初飛行 最短離陸距離は600メートルのみ”. 中国網. (2014年2月10日). http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2014-02/10/content_31423096.htm 2014年7月5日閲覧。 

関連項目[編集]

  • An-70
  • Il-76
  • C-17
  • Y-9 - Y-8の後継機。Y-20とともに運用される中国の新型中型輸送機。

外部リンク[編集]