XP-9 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

XP-9

Boeing XP-9 front view.jpg

ボーイング XP-9は、アメリカのボーイング社で製作された、アメリカ陸軍航空隊最初の単葉戦闘機。ボーイング社内呼称「モデル96」。本機に導入された洗練された改良構造は、後のボーイングの設計に影響を与えた。1機だけ作られた試作機はパイロットの視界が不十分であったため、キャンセルされた。[1]

設計と開発[編集]

XP-9は、アメリカ陸軍の単葉戦闘機の要求に応じて1928年に設計された。航空機設計における本機の意義は、その後の航空機の標準となるセミモノコック構造であった。ボーイングは当時の自社の複葉戦闘機P-12にXP-9の構造の特徴を取り入れ、XP-9に類似したセミモノコック構造の金属胴体を持つP-12Eを製作した。また、P-12Cの降着装置のアレンジは、XP-9に最初に試みられたものを生産仕様に適用したものである。[2]

運用歴[編集]

A 028-386と書かれたXP-9試作機は1930年11月18日に初飛行した。仕様書には印象的な数字が並んでいたが、胴体の上、パイロット席のすぐ前に置かれた巨大な主翼(翼弦が6フィートもあった)が下方視界を遮り、単純な着陸操作にも危険を及ぼすことが直ちに明らかとなった[2]。ライトフィールド陸軍試験センターのテストパイロットは、XP-9の安定性の不足が極めて重大であり、垂直尾翼の増積が直ちに必要であることに気づいた[3]。 大型化した金属外皮の垂直尾翼が用意されたが、見るべき改善は得られず、この修正されたXP-15は、わずか15時間のテスト飛行ののち、1931年8月、地上での教育用の機体として使われることになった[4]

各型解説[編集]

  • XP-9 - 社内呼称モデル96、1機のみ
  • Y1P-9 - P-12Dの契約の下で5機の試作を行うというオプション。不採用。[4]
  • XP-15 - XP-9の垂直尾翼更新の後に与えられた記号。[4]

使用者(計画)[編集]

要目(XP-9)[編集]

  • 乗員: 1
  • 全長: 25 ft 1.75 in (7.66 m)
  • 全幅: 36 ft 6 in (11.13 m)
  • 全高: 7 ft 10.25 in (3 m)
  • 翼面積: 210 ft² (19.51 m²)
  • 空虚重量: 2,669 lb (1,211 kg)
  • 最大離陸重量: 3,623 lb (1,643 kg)
  • エンジン: カーチス SV-1570-15 コンカラー (600 hp) ×1
  • 最高速度: 185 knots (213 mph、343 km/h)
  • 巡航速度: 156.4 knots (180 mph、290 km/h)
  • 航続距離: 369カイリ (425マイル、684 km)
  • 上昇限度: 26,800 ft (8,170 m)
  • 上昇力: 1,560 ft/min (7.9 m/秒)
  • 武装: 機関銃 2挺(7.62 mm、12.7 mm 各1)、爆弾125ポンド

脚注[編集]

  1. ^ Yenne, Bill. World's Worst Aircraft. Greenwich, CT: Dorset Press, 1990. ISBN 0-88029-490-6
  2. ^ a b Pedigree of Champions: Boeing Since 1916 1969
  3. ^ Baugher, Joe. Boeing XP-9. 6 June 1998. [1] Access date: 17 March 2007.
  4. ^ a b c Eden and Moeng 2002, p. 74-77.

参考図書[編集]

  • Eden, Paul and Moeng, Soph. The Complete Encyclopedia of World Aircraft. London: Amber Books Ltd., 2002. ISBN 0-7607-3432-1.
  • Pedigree of Champions: Boeing Since 1916, Third Edition (booklet). Seattle, WA: The Boeing Company, 1969.

外部リンク[編集]