Xファクター (テレビ番組)
The X Factor | |
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ジャンル | 双方向リアリティ番組 |
企画 | サイモン・コーウェル |
出演者 |
ダーモット・オレアリー サイモン・コーウェル シャロン・オズボーン ルイ・ウォルシュ ニコール・シャージンガー |
製作 | |
製作総指揮 | サイモン・コーウェル |
プロデューサー |
トークバック・テムズ フリーマントルメディア SYCOtv |
制作 | ITV |
放送 | |
放送国・地域 | イギリス |
放送期間 | 2004年~2018年放送終了 |
放送時間 | 放送内容によって異なる |
ITV.com |
『The X Factor』(日本語題:Xファクター)は、英ITVでかつて放送されていたリアリティ音楽オーディション番組。全盛期はイギリスで非常に高い人気を誇り、2,000万人以上が視聴して視聴率60%越えを記録した年もあった。輩出したアーティストは、レオナ・ルイスやオリー・マーズ、ワン・ダイレクションなど。過去の優勝者たちは、スティーブ・ブルックステイン、シェイン・ワード、レオナ・ルイス、リオン・ジャクソン、アレクサンドラ・バーク、ジョー・マケルダリー、マット・カードル、リトル・ミックス、ジェームズ・アーサー、サム・ベイリー、ベン・ヘイナウ、ルイーザ・ジョンソン。番組出身アーティストによって3,000万枚のシングル、1,800万枚のアルバムを売り上げている。また36枚のアルバムがトップ10入りを果たし、33枚のシングルがNO.1に輝いている。なおタイトルの「The X Factor」は、日本語版では「未知の才能」と訳されている。
番組開始までの経緯
[編集]他国でアイドルシリーズが成功する中、本家のポップ・アイドルが打ち切りになったため、その後番組としてITVとフリーマントルメディアは、まったく新しい新感覚オーディション番組を企画した。
番組の流れ
[編集]番組は次の流れに沿っている。
- ステージ1:プロデューサーによるオーディション(イギリス全土で行われ、テレビで放送されることはない)
- ステージ2:審査員によるオーディション
- ステージ3:ブートキャンプ
- ステージ4:審査員の自宅訪問
- ステージ5:ライブパフォーマンス (ロンドン市内のファウンテン・スタジオにて。ファイナルはウィンブリーー・アリーナにて1万人の観客の前でパフォーマンスを行う。)
それぞれの審査で次に進めるのは、ステージ1~3で200人(組)、ステージ4で24人(組)、ステージ5で16人(組)となっている。ステージ5では毎週の放送で1人(組)(週によっては2人(組))ずつ審査員たちと一般投票により失格者が決められ、放送翌日にその結果が発表される。
またステージ5が各シリーズ全体の半分以上を占めており、この番組のメインとされている。ここまで残った参加者はファイナリストと呼ばれ、Boys(16歳から25歳までの男性)、Girls(16歳から25歳までの女性)、Over 25s(25歳以上)、Groups(グループ)に振り分けられ、それぞれに各審査員が一人ずつ付いてメンターとして助言を与えていく。メンターはそれぞれが持つ人脈を活用し、ファイナリストたちにプロの世界を体験させていく。その為ファイナリストたちの戦いに加え、審査員同士の戦いも見所の一つである。
以前のシリーズではBoysとGirlsの区別がない16-24sや、28歳以上のOver 28sという分け方もあった。
なおこの番組の原型となったポップアイドルでは若い男女の個人参加のみだったが、Xファクターでは年齢の上限が撤廃された。また個人だけでなく、グループでの参加も可能になった。
出演者
[編集]2004年、総合司会者がケイト・ソーントン、審査員がサイモン・コーウェル、シャロン・オズボーン、ルイ・ウォルシュで番組がスタートする。
2007年、総合司会者がケイト・ソーントンからダーモット・オリアリーに変わる。同年シリーズ4では当初、ルイ・ウォルシュの降板が決まり、ダニー・ミノーグとブライアン・フリードマンが審査員に就任した。しかし、数回のオーディションでブライアン・フリードマンが審査員を降板してクリエイティブ・ディレクターになったため、ルイ・ウォルシュは審査員として復帰した。このシーズン4で共演したシャロン・オズボーンとダニー・ミノーグの仲が上手くいかず、結果としてシャロン・オズボーンがシリーズ4をもって審査員を降板することになった。
2008年、降板したシャロン・オズボーンの後任として人気ガールズバンドガールズ・アラウドのメンバー、シェリル・コールが加わる。以後2010年まで3年間サイモン・コーウェル、シェリル・コール、ダニー・ミノーグ、ルイ・ウォルシュの4人が審査員を務めたが、この4人のラインナップは番組史上最も人気があり、番組の最高視聴率も記録している。
2011年、シリーズ1から審査員を務めてきたサイモン・コーウェルが、同年FOXで放送開始の米国版Xファクターの審査員に専念するため、同じく米国版Xファクターに出演が決定していたシェリル・コールと共に降板した。さらに、ダニー・ミノーグもオーストラリアズ・ゴット・タレントとのスケジュールの兼ね合いで降板し、2011年のシリーズ8は、ルイ・ウォルシュ以外すべての審査員を一新した。代わりにテイク・ザットのメンバーでシンガーソングライターのゲイリー・バーロウ、デスティニーズ・チャイルドのメンバーのケリー・ローランド、N・ダブズのトゥリサ・コントスタヴロスが審査員に就任した。
2012年、ケリー・ローランドがわずか1シーズンで急遽降板し、4人目の審査員が決定しないままオーディションがスタートしてしまった。多数のゲスト審査員を迎えたのち、元プッシーキャット・ドールズのメンバーの歌手ニコール・シャージンガーに決定した。
2013年、トゥリサ・コントスタヴロスが降板し、シリーズ10にシャロン・オズボーンが審査員として復帰した。同シリーズ中、シャロン・オズボーンとゲイリー・バーロウは正式に降板を発表した。
2014年、2011年以来アメリカ版の審査員を務めていたサイモン・コーウェルがシリーズ11に審査員復帰することが発表された。またそれに伴い、放送開始以来3シーズンとも目立った成功を収めなかったアメリカ版が放送局のFOXより放送打ち切りの発表がされた。2012年から2シーズン出演してきたニコール・シャージンガーは自身の音楽に集中するため番組を降板することが発表され、代わりの審査員としてシェリル・コール(シーズン中結婚し、姓をフェルナンデス=ヴェルシニと改める)が復帰した。ルイ・ウォルシュは続投し、新しい審査員として元スパイス・ガールズ・メンバーで歌手であり、オーストラリア版『Xファクター』、『ザ・ヴォイス』の子供版や『アメリカズ・ゴット・タレント』でも審査員を務めた経験もあるメラニー・ブラウンが加わった。
2015年、長年司会を務めてきたダーモット・オリアリーが降板を発表。その後任に2011年から2012年まで『エクストラ・ファクター』を司会したキャロライン・フラック(2013年はフラックにマット・リチャードソンが加わり司会している)と番組出身者のオリー・マーズの2人が就任し、番組史上初めて2人の司会者によって進行されることになった。5月には唯一それまで全シーズンに出演してきたルイ・ウォルシュが降板することが発表された。6月には新審査員としてDJのニック・グリムショーと歌手で『ザ・ヴォイス』の審査員経験もあるリタ・オラが加わった。サイモン・コーウェルとシェリル・フェルナンデス=ヴェルシニは続投。メラニー・ブラウンは降板となった。
2016年、前年司会を務め、生放送中のミスなどが目立ち批判が多かったキャロライン・フラックとオリー・マーズの降板が発表され、ダーモット・オリアリーの司会復帰が決定する。審査員も昨年の4人のうち3人、シェリル・フェルナンデス・ヴェルシニ、リタ・オラ、ニック・グリムショーが降板し、ルイ・ウォルシュ、シャロン・オズボーン、ニコール・シャージンガーの復帰が発表された。昨年の出演者はサイモン・コーウェル以外は一新したことになる。
- 総合司会:ケイト・ソーントン(シリーズ1~3)、ダーモット・オリアリー(シリーズ4~11、13〜)、オリー・マーズ (シリーズ12)、キャロライン・フラック (シリーズ12)
- 審査員:サイモン・コーウェル(シリーズ1〜7、11〜)、シャロン・オズボーン(シリーズ1〜4、10、13〜)、ルイ・ウォルシュ (シリーズ1〜11、13〜)、ニコール・シャージンガー(シリーズ9〜10、13〜)
- 過去の審査員:ブライアン・フリードマン(シリーズ4)、ダニー・ミノーグ(シリーズ4~7)、シェリル・フェルナンデス=ヴェルシニ(シリーズ5〜7、11〜12)、ケリー・ローランド(シリーズ8)、トゥリサ・コントスタヴロス(シリーズ8〜9)、ゲイリー・バーロウ(シリーズ8〜10)、メラニー・ブラウン (シリーズ11)、ニック・グリムショー(シリーズ12)、リタ・オラ(シリーズ12)
その後、通常版は2018年まで放送されたが、視聴率の低迷に歯止めがかからずシリーズ15を最後に打ち切りとなった。
エクストラ・ファクター(The Xtra Factor)
[編集]Xファクター放送後にITV2で放送される姉妹番組。オーディションなどの舞台裏を放送したり、審査員たちに視聴者からの質問を投げかけたりする内容である。
本編がステージ5に入るとファイナリストたちの日常をカメラが追う内容も増えていく。
歴代シーズン
[編集]以下のルールで色分けがされている。
"Boys" の参加者・メンター
"Girls" の参加者・メンター
"16-24s" の参加者・メンター
"Over 25s" または "Over 28s" の参加者・メンター
"Groups" の参加者・メンター
優勝者以外の成功した番組出身者
[編集](順位順)
- シリーズ5 (2008年) :JLS、ダイアナ・ヴィッカーズ
- シリーズ6 (2009年) :オリー・マーズ、ジェドワード
- シリーズ7 (2010年) :レベッカ・ファーガソン、ワン・ダイレクション、シェール・ロイド
- シリーズ8 (2011年) :アメリア・リリー、ミーシャ・B
- シリーズ9 (2012年) :ジャメイン・ダグラス、ユニオン・J、エラ・ヘンダーソン
- シリーズ11(2014年) :フラー・イースト
海外展開
[編集]英国以外でも同番組のフォーマットを利用した番組が放送されている。ポーランド[6][7]、ベルギー、コロンビア、チェコ、デンマーク、ギリシャ、アイスランド、イタリア、オランダ、スペイン、フランス、ノルウェーなどで制作されている。
国際的に大成功を収めていて、番組出身アーティストのCD売り上げ総数は15億枚にものぼり、130枚のNO.1シングル、350枚のトップ10入りアルバムといった脅威的な数字を記録している。
アメリカ版
[編集]イギリスでの成功を受け、サイモン・コーウェルは2011年に番組をアメリカ上陸させ、FOXで放送がスタートした。放送開始前から『アメリカン・アイドル』降板以来のサイモン・コーウェルのアメリカ復帰、同じく元『アメリカン・アイドル』審査員で名物コンビとなっていたポーラ・アブドゥルとの共演が決定していたため注目が集まった。
総合司会がイギリス人のスティーブ・ジョーンズと人気歌手で元プッシーキャット・ドールズ・メンバーのニコール・シャージンガーの2人、審査員がサイモン・コーウェル、ポーラ・アブドゥル、イギリス人歌手でガールズ・アラウド・メンバー、また前年までイギリス版『The X Factor』の審査員を務めたシェリル・コール、グラミー賞受賞経験があるプロデューサーで、エピック・レコード社長のL.A. リードの4人で番組がスタート。しかし、収録開始からわずか17日で審査員の1人シェリル・コールの降板が発表された。理由は明確には発表されなかったが、のちに裁判に発展し2013年にようやく和解している。シェリル・コールの後任として、審査員は当初司会だったニコール・シャージンガーが務め、総合司会はスティーブ・ジョーンズ単独となった。
当初は2000万人以上の視聴が見込まれていたが、大幅に下回ってしまった。その理由として、すでにアメリカで大成功していた元祖オーディション番組『アメリカン・アイドル』と番組のフォーマットがほとんど同じだったことや、一足先に放送を開始して、人気を集めていたオランダ発祥のオーディション番組『ザ・ヴォイス』に比べて新鮮味がなかったことが挙げられている。
2012年、視聴率回復を図るべく出演者の入れ替えを行うことが発表された。総合司会はスティーブ・ジョーンズからより知名度が高く、アメリカ人のマリオ・ロペスとクロエ・カーダシアンの2人になった。審査員はポーラ・アブドゥルとニコール・シャージンガーが審査員やメンターとしての能力が疑問視され降板となり、新しくブリトニー・スピアーズとデミ・ロヴァートが加わった(ちなみにニコール・シャージンガーに関しては、能力を疑問視され降板させられたにもかかわらず、同年イギリス版の審査員として就任している)。しかし視聴率の回復はおろか、前年よりさらに下回ってしまった。サイモン・コーウェルは視聴率低迷の原因として、期待を寄せていたブリトニー・スピアーズが巨額の契約金の割に、つまらない審査員だったからだとコメントしている。
2013年、シーズン1から審査員を務めたL.A. リードとブリトニー・スピアーズ、総合司会を務めたクロエ・カーダシアンの降板が発表された。総合司会はマリオ・ロペス単独となり、新しい審査員としてデスティニーズ・チャイルドのメンバーで歌手、またイギリス版にて審査員を務めた経験もあるケリー・ローランドとラテン系歌手のパウリナ・ルビオがサイモン・コーウェルとデミ・ロヴァートに加わった。その後も視聴率は下がり続け、シーズン中から頻繁に打ち切りの噂が飛び交ったが、2014年、サイモン・コーウェルがイギリス版に審査員として復帰することが決まり、正式に番組は打ち切りとなった。
日本での展開
[編集]2013年10月から2014年3月まで、日本版「X FACTOR OKINAWA JAPAN」を放送した。審査員はKaz Utsunomiya、仲宗根梨乃、松尾潔の3名。ベスト9が揃う本戦のライブショーからの司会はジョン・カビラと渡辺直美を起用。Syco所属のアーティストもゲスト出演。X FACTOR OKINAWA JAPAN製作委員会が制作し、沖縄テレビが放送した(沖縄県ローカル)。日本版オーディションに出演した伊舎堂さくらは2020年に聖飢魔IIの創始者であるダミアン浜田のプロデュースによるロックバンド『Damian Hamada's Creatures』のボーカリスト(さくら“シエル”伊舎堂名義)としてアリオラジャパンよりデビューしている。
脚注
[編集]- ^ Carphone Warehouse gets The X Factor The Guardian, 19 June 2007
- ^ “Talk Talk in £20m X Factor sponsorship”. MediaWeek. 12 May 2010閲覧。
- ^ Love, Ryan (23 November 2010). “ITV confirms 'X Factor' final schedule”. Digital Spy (London: Hachette Filipacchi UK) 23 November 2010閲覧。
- ^ “X Factor judges pose ahead of new series | TV: Latest News | STV Entertainment”. Entertainment.stv.tv (2011年8月5日). 2012年5月24日閲覧。
- ^ By LEIGH HOLMWOOD, Deputy TV Editor (2011年6月28日). “X Factor final to be held at Wembley”. The Sun. 2012年5月24日閲覧。
- ^ http://thatgrapejuice.net/2011/06/videos-alexandra-burke-performs-x-factor-poland/
- ^ http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-1394910/O-Moj-Boze-Alexandra-Burke-goes-costume-changes-appearance-Polands-version-X-Factor.html
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Xファクター公式サイト
- Xファクター米国版公式サイト
- The X Factor - IMDb
- The X Factor (thexfactor) - Facebook
- The X Factor (@thexfactor) - X(旧Twitter)
- The X Factor - YouTubeチャンネル
- The X Factor USA(米国版) (thexfactorusa) - Facebook